JP2820882B2 - 減圧吸引鋳造装置および方法 - Google Patents

減圧吸引鋳造装置および方法

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JP2820882B2
JP2820882B2 JP4082394A JP4082394A JP2820882B2 JP 2820882 B2 JP2820882 B2 JP 2820882B2 JP 4082394 A JP4082394 A JP 4082394A JP 4082394 A JP4082394 A JP 4082394A JP 2820882 B2 JP2820882 B2 JP 2820882B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、減圧吸引鋳造装置およ
び方法に関し、特に複雑形状や薄肉のステンレス鋳鋼、
耐熱鋳鋼など、鋳造性に劣る鋳物の製造に適した減圧吸
引鋳造装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、5mm以下というような薄い部
分をを有する薄肉鋳物を鋳造する場合、鋳型との接触に
よって注湯された溶湯の冷却凝固が促進されるため、溶
湯の流動性が悪くなり、湯回り不良等の欠陥が発生し易
くなる。また、複雑な形状をした薄肉鋳物では、鋳造
時、空気や鋳型から発生するガスを溶湯中に巻き込み易
く、凝固後の鋳物にブローホール等のガス欠陥が発生し
て、健全な鋳造製品を得ることが極めて困難である。
【0003】複雑な形状をした薄肉鋳物を製造する方法
の一つとして、ロストワックス鋳造法が知られている。
このロストワックス鋳造法においては、セラミックス鋳
型を用い、鋳造時に鋳型を700℃〜900℃に加熱す
ることにより充填時の溶湯の冷却速度を遅くし、溶湯の
流動性を良くするものである。しかしながら、高価なセ
ラミックス鋳型を使用するため、鋳型の造型に費用がか
かり、複雑形状で薄肉の鋳物を鋳造するには製造コスト
が相当に高くなる。
【0004】また、特開昭60−56439号には、キ
ャビティと湯道等が形成された石膏鋳型において、キャ
ビティにおける溶湯の最終充填部近傍から石膏鋳型の外
表面にかけて、石膏より通気性が良好な耐火製フィルタ
を設けてキャビティの排気能力を高め、溶湯の流動性の
向上とガス欠焔の防止を図る技術が開示されている。こ
の技術は、石膏の水和凝結作用を利用して、スラリーを
硬化、乾燥させて鋳型を製造するものであり、前記のロ
ストワックス鋳造法等と同様に、寸法精度の高い鋳造品
を得る精密鋳造法の一つとして、金型類、一般機械部
品、美術工芸品等に適用されている。
【0005】しかし、石膏鋳型を製作するための石膏混
練、流し込み、凝結硬化、脱型、乾燥等の工程に48時
間以上と長時間を必要とするために生産性が悪く、また
鋳型の通気度が非常に低いため、鋳込み時の加圧、減圧
に際しての鋳造方案が難しいという問題がある。更に、
鋳型の冷却速度が遅いことにより、金属の凝固速度が非
常に遅く、複雑形状で薄肉の鋳物では、収縮欠陥が発生
しやすく、鋳造歩留が悪くなり易い。
【0006】また、このような薄肉鋳物の鋳造方法とし
て、例えば、特公昭60−35227号で開示されるよ
うに、鋳型内キャビティを減圧して溶湯を鋳型空洞部に
吸引鋳造する減圧吸引鋳造方法が最近用いられるように
なった。しかしながら、この方法では、溶湯に浸漬され
ない鋳型部分から空気を巻き込み易く、減圧吸引効果が
不十分である。また、高さが小さく単純形状のものは鋳
造できるが、高さや肉厚部があり、複雑形状である場合
には適用するのが難しい。
【0007】特開昭64−53759号には、減圧容器
内に、貫通流路を有する鋳型を配置し、この貫通流路の
上端を溶湯を通さない栓で閉じ、鋳型を取り巻く減圧容
器内圧力より貫通流路上端に作用する圧力を低く設定す
ることによって、鋳型のキャビティおよび湯道等に溶湯
を充填する技術が開示されている。しかし、この技術で
は、湯口の上方から減圧されるため、キャビティ、押湯
や吐かせ等の充填末端部の減圧度が不十分である。
【0008】特開平2−303649号には、鋳型と鋳
型周囲につき固めた粒状物とを減圧によりチャンバー内
に保持し、これを溶湯に浸漬して注湯する減圧吸引鋳造
方法の開示がある。しかし、この方法では、鋳型を粒状
物と共に吸引して保持し、そのまま浸漬するために、浸
漬前後に溶湯が乱れ、空気を巻き込み易く、更に、粒状
物と鋳型を減圧容器から突出させて保持するために、底
からの空気の巻き込みが問題となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の鋳造方法では、いずれも鋳型キャビテイ末端部への注
湯が不十分であり、5mm以下、特に3mm以下という
薄肉かつ複雑形状の鋳物を鋳造することは困難であっ
た。従って、本発明の目的は、上記従来技術の課題を解
決し、湯廻り不良やブローホール等の鋳造欠陥の発生を
防止するとともに、生産性の良好な、特に薄肉鋳物の製
造に最適な減圧吸引鋳造装置を提供することである。本
発明のもう1つの目的は、かかる効果を発揮する減圧吸
引鋳造装方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、減圧容器内に配置された鋳型の
キャビティ、押湯や吐かせの近傍に吸引口を設けること
によって吸引効果が著しく高められ、またキャビティと
湯道とを2つ以上の溶湯補給路で接続することによって
押湯効果が著しく高められ、複雑な形状をした高品質の
薄肉鋳物を、低コストで生産性良く製造できることを発
見し、本発明に想到した。
【0011】即ち、本発明の第1の減圧吸引鋳造装置
は、(a)底部に少なくとも1つ以上の開口部を有する
減圧容器と、(b)前記減圧容器内に配設され、前記減
圧容器の底部開口部に開口する湯道と、前記湯道に連通
するキャビティとを有する鋳型と、(c)前記減圧容器
に連通する減圧装置とを有し、前記キャビティのうち前
記湯道の開口部から最も遠くて前記溶融金属が最後に充
填される部分の近傍に、鋳型表面に開口する凹部状の吸
引口が形成されており、もって前記吸引口における前記
キャビティと鋳型表面との距離が鋳型の他の部分より小
さくなり、前記キャビティ内への前記溶融金属の急速な
湯回りが可能となることを特徴とする。
【0012】また、本発明の第1の減圧吸引鋳造方法
は、(a)底部に少なくとも1つ以上の開口部を有する
減圧容器内に、湯道と、前記湯道に連通するキャビティ
とを有する鋳型を、前記湯道が前記減圧容器の開口部内
に開口するように配置し、(b)前記キャビティのうち
前記湯道から最も遠くて前記溶融金属が最後に充填され
る部分の近傍に、鋳型表面に開口する凹部状の吸引口を
形成して前記吸引口における前記キャビティと鋳型表面
との距離を鋳型の他の部分より小さくし、(c)前記減
圧容器に取り付けた減圧装置により鋳型内を減圧するこ
とにより、前記キャビティ内に前記溶融金属を急速に注
湯することを特徴とする。
【0013】更に、本発明の第2の減圧吸引鋳造装置
は、(a)底部に少なくとも1つ以上の開口部を有する
減圧容器と、(b)前記減圧容器内に配設され、前記減
圧容器の開口部に開口し鋳型内をほぼキャビティ側面の
一部に沿い設ける設ける湯道と、複数の補給路を介して
前記湯道に連通するキャビティと、前記キャビティのう
ち前記湯道の開口部から最も遠くて前記溶融金属が最後
に充填される部分の近傍に形成された凹部状の吸引口と
を有する鋳型と、(c)前記減圧容器に連通する減圧装
置とを有し、前記減圧装置により減圧容器内を減圧する
と、前記キャビティ内は前記吸引口により他の鋳型部分
よりも急速に減圧され、もって前記キャビティ内への前
記溶融金属の急速な湯回りが可能となることを特徴とす
る。
【0014】更に、本発明の第2の減圧吸引鋳造方法
は、(a)底部に少なくとも1つ以上の開口部を有する
減圧容器内に、ほぼキャビティ側面の一部に沿い設ける
湯道と、複数の補給路を介して前記湯道に連通するキャ
ビティと、前記キャビティのうち前記湯道の開口部から
最も遠くて前記溶融金属が最後に充填される部分の近傍
に形成された凹部状の吸引口とを有する鋳型を、前記湯
道が前記減圧容器の開口部内に開口するように設け、
(b)前記キャビティのうち前記湯道から最も遠くて前
記溶融金属が最後に充填される部分の近傍に、鋳型表面
に開口する吸引口を形成し、もって前記吸引口における
前記キャビティと鋳型表面との距離を鋳型の他の部分よ
り小さくし、(c)前記減圧容器に取り付けた減圧装置
により鋳型内を減圧することにより、前記キャビティ内
に前記溶融金属を急速に注湯することを特徴とする。
【0015】本発明の減圧吸引鋳造装置および方法は、
溶湯温度が高く、薄肉鋳物を製造するのが困難な鋳鋼等
に利用するのが好ましい。このような鋳鋼は、高い耐熱
性および耐酸化性を有するが、その組成の一例は以下の
通りである。C:0.05〜0.45重量%、Si:
0.4 〜2重量%、Mn:0.3 〜1重量%、C
r:16〜25重量%、W:0〜3重量%、Ni:0〜
2重量%、Nbおよび/またはV:0.01〜1重量
%、Feおよび不可避的不純物:残部、上記組成の鋳鋼
は、通常のα相の他にγ相から転移した相(α相+炭化
物)でα’相と呼ばれる相を有する。α’相の(α相+
α’相)に対する面積率は20〜90%であるのが好ま
しい。
【0016】
【実施例】以下、本発明の減圧吸引鋳造装置および方法
を図面を用いて詳細に説明する。実施例1:第1の減圧吸引鋳造装置および方法 図1は、本発明の第1の実施例による減圧吸引鋳造装置
を示す概略断面図である。本発明の減圧吸引鋳造装置1
は、底部に開口部を有する減圧容器2内に、キャビティ
と湯道等を有する鋳型を配設し、前記減圧容器に上方か
ら減圧吸引力を作用させて、鋳型下端の湯口から溶湯を
吸引して注湯をおこなう方式のものである。具体的に
は、減圧吸引鋳造装置1は、減圧容器(例えば、内径6
00mm、高さ800mmを有する鉄製の減圧容器)2
を有し、減圧容器2の底部には開口部3が設けられてい
る。また、減圧容器2の上部には蓋部材2aが密封状態
で係合しており、蓋部材2aの上端部にはフレキシブル
管9が取り付けられている。フレキシブル管9は、減圧
制御手段10を介し、真空ポンプ等の減圧装置11に接
続される。
【0017】減圧容器2内には、砂鋳型4が収容され
る。本発明では、造型性および通気性の点からけい砂等
を用いた砂鋳型が好適である。例えば、けい砂7号を材
料として、縦方向2分割で造型したコールドボックス型
が好ましい。砂鋳型4には、砂鋳型下面より下方に突出
した溶湯導入部5が設けられており、砂鋳型4は溶湯導
入部5が開口部3より下方に突出するように減圧容器2
内に配置される。
【0018】砂鋳型4内には、湯道6(例えば、縦10
mm、横100mmの断面を有する)が溶湯導入部5か
ら垂直方向に延在し、湯道6にはキャビティ7が連通し
ている。キャビティ7としては、例えば、外径60m
m、長さ200mm、肉厚2.5mmのパイプ部7a、
外径80mm、幅3mmのフランジ部7bおよびパイプ
部より突き出た外径10mm、直径20mmのボス部7
cからなる形状の例が挙げられるが、勿論これに限定さ
れるものではない。キャビティ内面には塗型剤を0.0
1〜0.4mm、例えば0.15mmの厚さに塗布する
のが好ましい。キャビティ7の上端には、押湯8a(吐
かせを兼ねる)および堰8bが設けられている。なお、
減圧容器2と、蓋部材2aと、鋳型4との間にはそれぞ
れパッキン23が配置されており、減圧容器2の密封状
態の低下を防止するとともに、鋳型4のキャビティ7の
減圧度が低下するのも防止している。
【0019】減圧側に臨む鋳型4の上面には、前記キャ
ビティ7の押湯8a等に向かって凹部状に切り込まれた
吸引口12が形成されている。吸引口12は、押湯8a
との間に介在する鋳砂が鋳造時の機械的、熱的衝撃によ
って破砕しない程度に、押湯8aに近接しているのが好
ましい。具体的には、吸引口12の底部から押湯8aま
での距離は約15〜30mmとするのが好ましい。ま
た、吸引口12の直径は鋳型4の機械的強度が低下しな
い程度であれば特に限定されず、キャビティ7および押
湯8a等のサイズに応じて適宜設定することができる。
具体的例として、300mm程度の吸引口12の直径と
することができる。
【0020】減圧容器2の外側面には、減圧吸引鋳造装
置1が溶湯保持炉14内の溶湯15に浸漬されたことを
検知する湯面センサ−13が取り付けられている。図1
の減圧吸引鋳造装置1により鋳造を行う場合、まず鋳型
4の溶湯導入部5を溶湯保持炉14内の溶湯15に浸漬
する。減圧容器2の側面に取り付けた湯面センサー13
により、溶湯導入部5の浸漬を感知すると、減圧容器2
の下降を停止し、同時に減圧装置11を作動させて減圧
を開始する。減圧容器2内を減圧すると、吸引口12を
介してキャビティ7内の空気は吸引されるので、湯道6
内に入った溶湯はキャビティ7内に急速に充填される。
キャビティ7内の減圧度は吸引口12と押湯8aとの距
離を適宜調節することにより制御することができる。
【0021】図2は、図1の減圧吸引鋳造装置の変更例
を示す概略断面図であり、基本的な構成は図1の減圧吸
引鋳造装置と同じである。従って、図1と同じ部材には
同じ番号を付してある。図2に示す減圧吸引鋳造装置に
おいては、吸引口12と、溶湯最終充填部としての押湯
8aとの間に、鋳型4本体よりも大きな通気度を有する
多孔性部材16が設けられている。多孔性部材16は、
例えば鋳型より粒度の粗い鋳砂を円板状、平板状等につ
き固めて形成したものが好ましい。この多孔性部材16
は、造型時に、鋳型4に一体的に埋設しても良いが、別
体として形成し、鋳造時に鋳型4に嵌め込んで使用する
こともできる。
【0022】鋳型4と多孔性部材16との通気度の関係
は、後者が前者よりも大きければ効果はあるが、後者が
前者の約3〜30倍であるのが好ましい。この通気度の
例として、例えば鋳型を珪砂6号として通気度を26
1、多孔性部材16を珪砂5号として通気度を785か
ら、鋳型をジルコンとして通気度を48、多孔性部材1
6を珪砂4号として通気度を1130とるのが好まし
い。ただし、通気度は(JIS)Z2603−1976
「鋳物砂の通気度試験方法」により測定したものであ
る。
【0023】図2に示す減圧吸引鋳造装置では、更に減
圧容器2内を鋳型室17と減圧室18とに区画する不通
気性の材料からなる仕切り部材19が配設されている。
仕切り部材19は、減圧吸引力を吸引口12の限定部
分、特に溶湯最終充填部に対向する吸引口12の底部に
作用させるためのもので、吸引口12の位置に開口部を
有するとともに、吸引口12の側面を覆う下方突出部1
9aを有する。仕切り部材19の上面には、吸引口12
と整合した中央開口部を有する開口板20を載置しても
よい。
【0024】この開口板20と減圧室18内に突出する
蓋部材2aのフランジ21との間には、コイルスプリン
グ等の鋳型挟持手段22が配設されている。鋳型挟持手
段22の弾性力は、開口板20、仕切り部材19を介し
て鋳型4に及ぼされ、鋳型4を鋳型室17内の所定位置
に固定する。また、開口板20と仕切り部材19との間
にも、パツキング等の気密部材23が配置され、減圧室
18と鋳型室17との間を気密に保持する。
【0025】また、本実施例では、鋳型4の下面より下
方に突設された溶湯導入部5の側面および鋳型下面を覆
う保護枠24(例えば鋼製)が設けられている。保護枠
24の下部は減圧容器2の底部開口部3より下方に突出
しているので、減圧吸引時に溶湯導入部5とともに溶湯
保持炉14内の溶湯15に浸漬される。この保護枠24
によって、溶湯導入部5の強度が確保されるとともに、
湯道6に作用する減圧の低下が防止され、更には溶湯導
入部5の側面等を通じての空気の巻き込みが防止され
る。
【0026】更に本実施例では、減圧容器2に不活性ガ
ス供給手段25が接続されている。不活性ガス供給手段
25は、不活性ガスを減圧容器2内に圧入し、減圧容器
4の空気をパ−ジして不活性ガスにより置換する。不活
性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等が好まし
い。
【0027】図2の減圧吸引鋳造装置の操作は基本的に
図1のものと同じであるが、不活性ガス供給手段25を
有するので、まず減圧容器2内の雰囲気を不活性ガスで
置換する工程を行う。そのためには、不活性ガス供給手
段25を作動させて減圧容器2内の空気をパージし、不
活性ガスで充満する。その後、鋳型4を収納した減圧容
器2を下降させて、溶湯導入部5を溶湯保持炉14内の
溶湯15に浸漬し、減圧して溶湯の吸引を行う。
【0028】図3は、図1の減圧吸引鋳造装置の更に別
の変更例を示す概略断面図であり、基本的な構成は図1
および図2で示すものと同様である。従って、同じ部分
については説明を省略する。この実施例においては、キ
ャビティ7内に配置する中子26を中空とする。中子2
6内の中空部26aは、吸引口12に開口する小径の吸
引口27を介して減圧室18と連通している。そのた
め、減圧吸引力は直接中子26内に及ぶ。また、鋳型4
内には、吸引口12から、押湯8a以外のキャビティ末
端部8dおよび8dの近傍まで延在する小径の吸引口2
8が設けられている。この構成によって、中子26周縁
部およびキャビティ末端部8dおよび8dへの溶湯の急
速な湯回りが可能となる。なお、図3の減圧吸引鋳造装
置の操作は、図2のものと全く同じでよい。
【0029】実施例2:第2の減圧吸引鋳造装置および
方法 図4は、本発明の第2実施例による減圧吸引鋳造装置を
示す概略断面図である。本実施例においては、鋳型4
に、溶湯導入部5の底面からキャビティ7側面の一部に
沿い吸引口12近傍まで延在する湯道60が設けられて
おり、この湯道60は3本の溶湯補給路61a、61b
および61cを介してキャビティ7と接続している。各
溶湯補給路61a、61bおよび61cは、その湯道6
0との接続位置よりキャビティ7との接続位置が上方に
くるように、湯道60からキャビティ7にかけて上方に
次第に傾斜している。このような構成により、キャビテ
ィ7内に入る溶湯の先端面に乱れが少なく、かつ急速な
充填が可能となる。なお、湯道は60に限らず、必要に
応じてキャビティ7の底部に直接連通する別の湯道を設
けてもよい。
【0030】図4に示す第2の実施例の減圧吸引鋳造装
置の操作は、基本的に第1の実施例のものと同じである
が、キャビティ側面の一部に沿い設ける湯道60から溶
湯補給路61a、61bおよび61cを介してキャビテ
ィ7に溶湯が急速に入る点が異なる。なお、このとき、
湯道60とキャビティ7の減圧度は同じであるとは限ら
ず、好ましい一実施例では、例えば、減圧過程の中間点
にある瞬間に湯道6内の減圧度をキャビティ7内より約
50mmHg大きくするのが好ましい。
【0031】図5は、図4の減圧吸引鋳造装置の変更例
を示す概略断面図である。この実施例における基本的な
構成は、図4の実施例と同様であるので、同1符号を付
した部分については、その説明を省略する。この実施例
においては、キャビティ7内に中空の中子62を有する
鋳型4を使用する。中子62内の中空部62aは、吸引
口12内に開口する小径の吸引口63を介して減圧室1
8と連通し、減圧吸引力が直接中子62内に及ぶ。また
鋳型4内には、吸引口12から、押湯8a以外のキャビ
ティ末端部65の近傍まで延在する小径の吸引口64が
設けられている。この構成によって、キャビティ内への
注湯が促進される。図5の減圧吸引鋳造装置の操作は図
4のものと同じでよい。
【0032】図6は、複数個の鋳造製品を同時に作製す
ることができる所謂複数個取りの鋳型を有するととも
に、前記鋳型が複数の分割鋳型からなる組立鋳型を用い
た減圧吸引鋳造装置を示す概略断面図であり、図7はそ
のA−A断面図である。図6および図7においては、4
個取りの鋳型が示されているが、勿論それ以外の数の鋳
型からなる組立鋳型としてもよい。
【0033】各々のキャビティ7および押湯8aは、図
4に示したものと同一形状を有していてもよい。各キャ
ビティ7は、垂直な中心線に沿って延在する共通の湯道
60と、3本の溶湯補給路61a〜61cによって連通
している。見切り面90は、湯道60内の垂直中心線を
通って各キャビティを2分割する垂直面と一致していれ
る。図7から分かるように、本実施例の組立鋳型91で
は、直交する2つの垂直面と一致する見切り面90によ
って4つの同一形状の鋳型92に分割される。同様の原
理によって、n個取り鋳型を、n個の分割鋳型よりなる
組立鋳型として形成することができる。上記構成によ
り、模型製作、造型等のコストを低減することができ
る。なお、図6の減圧吸引鋳造装置の操作は、図4のも
のと同じでよい。本発明を以下の実施例により更に詳細
に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではな
い。
【0034】実施例3 下記の表1に示す組成の鋳鋼の溶湯(1550℃)を用
いて、図1および図2に示す減圧吸引鋳造装置により、
鋳造実験を行ったところ、肉厚2.5mmまで不廻り等
の鋳造欠陥のない鋳造品が得られた。 (表1) (重量%) Si Mn Ni Cr Fe 0.08 1.8 0.6 8.0 18.0 残部
【0035】実施例4 上記表1に示す組成の鋳鋼の溶湯(1580℃)を用い
て、図4に示す減圧吸引鋳造装置により、鋳造実験を行
ったところ、肉厚2.0mmまで不廻りやフローバック
等の鋳造欠陥のない鋳造品が得られた。
【0036】実施例5 上記表1に示す組成の鋳鋼の溶湯(1610℃)を用い
て、図5に示す減圧吸引鋳造装置により、鋳造実験を行
ったところ、肉厚1.5mmまで不廻りやフローバック
等の鋳造欠陥のない鋳造品が得られた。
【0037】実施例6 図4の構成の減圧吸引鋳造装置における湯流れ状態を調
べるために、図8に示すマニホールド鋳造用キャビティ
7と湯道60を接続する6本の溶湯補給路66a〜66
fを有する鋳型を用いて、コンピューター・シミュレー
ションおよび実際の湯流れ測定を行った。結果を図8に
併せて示す。図中の数値は、充填開始からの経過時間を
表し、単位は秒である。図8から分かるように、溶湯
は、まず湯道60から第1の溶湯補給路66aを通りキ
ャビティ7の下部に充填される。キャビティ7の下部に
充填される溶湯の湯先が第2の溶湯補給路66bの上端
部と同じ高さに達する直前に、溶湯補給路66bから溶
湯のキャビティ7への注入が開始される。その後、順次
キャビティ7に充填された溶湯の湯先が各溶湯補給路の
高さに達する直前にその溶湯補給路から溶湯の注入が開
始される。このような溶湯の湯先の進行状態は図8に点
線で示されている。このように、キャビティ7内に充填
された溶湯の湯先に、温度低下の少ない溶湯が注湯され
ていくため、湯廻り不良、リーク発生、空気の巻き込み
やブローホール発生等の鋳造欠陥を防止するのに極めて
有効である。
【0038】図8の溶湯充填方式を達成するための減圧
吸引鋳造装置の各部の減圧度は図9に示す通りである。
図9から明らかなように、キャビティ7への溶湯の充填
は、約1秒以内の時間で完了する。この時間内では、減
圧室18(即ち吸引口12)の減圧吸引力は、キャビテ
ィ7よりも湯道60に対し強く作用していることが分か
る。つまり、湯道60の減圧度が、キャビティ7の減圧
度よりも大きくなっている。湯道60内にこのような大
きな減圧吸引力を発生させるため、キャビティ側面の一
部に沿い設ける湯道60の上端が、吸引口12の近傍に
まで達するのが好ましい。
【0039】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の減圧吸引鋳
造装置および方法によれば、鋳型のキャビティ、押湯や
吐かせの近傍、特に溶湯最終充填部近傍に吸引口を設け
ることによって、キャビティへの吸引効果が一層大きく
なり、キャビティの溶湯最終充填部までへの注湯が促進
され、その結果湯廻り不良等の欠陥の発生を抑制するこ
とができる。また、前記吸引口と溶湯最終充填部間に、
鋳型より通気度の大きい多孔性部材を介装したことによ
り、キャビティ、押湯および吐かせの部位ごとに減圧度
を制御して、キャビティ内への溶湯の注入速度を調節す
ることができる。更に、湯道とキャビティとを複数の溶
湯補給路で連通したことによって、キャビティに注湯さ
れた溶湯の湯先に溶湯補給路を経由した溶湯が供給され
るため、キャビティに充填中の湯先の温度低下を防ぎ、
湯廻り不良、湯境欠陥の発生を効果的に防止することが
でき、また、引け巣欠陥の発生を防止することができ
る。このような利点を有する本発明の減圧吸引鋳造装置
および方法は、著しく肉薄な鋳鋼製の鋳造品を作製する
のに好適であり、特にマニホールド等の排気系機器等を
鋳造するのに適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の減圧吸引鋳造装置を示す
概略断面図である。
【図2】図1の減圧吸引鋳造装置の変更例を示す概略断
面図である。
【図3】図1の減圧吸引鋳造装置の別の変更例を示す概
略断面図である。
【図4】本発明の第2実施例の減圧吸引鋳造装置を示す
概略断面図である。
【図5】図4の減圧吸引鋳造装置の変更例を示す概略断
面図である。
【図6】複数の鋳型よりなる組立鋳型を有する減圧吸引
鋳造装置を示す概略断面図である。
【図7】図6のA−A断面図である。
【図8】第2実施例による減圧吸引鋳造装置における注
湯時の湯流れの実測値とコンピューター・シミュレーシ
ョンと結果を示す図である。
【図9】減圧吸引鋳造装置における各部の減圧度を示す
グラフである。
【符号の説明】
1:減圧吸引鋳造装置、 2:減圧容器、
3:開口部、4:鋳型、 5:溶湯導
入口、 6:湯道、9:フレキシブル管、
10:減圧制御手段、 11:減圧装置、12:吸
引口、 13:湯面センサー、 14:
溶湯保持炉、15:溶湯、 16:多孔性
部材、 17:鋳型室、18:減圧室、
19:仕切り部材、 20:開口板、21:
フランジ、 22:鋳型挟持手段、 2
3:気密部材、24:保護枠、 25:不活性ガス供
給手段、 26:中子、26a:中空部、
27、28:吸引口、 60:湯道、61:溶
湯補給路、 63、64:吸引口、 66:
溶湯補給路、90:見切り面、 91:組立鋳
型、 92:鋳型。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平5−194394 (32)優先日 平5(1993)8月5日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−249051 (32)優先日 平5(1993)10月5日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−260554 (32)優先日 平5(1993)10月19日 (33)優先権主張国 日本(JP) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 18/06 509

Claims (30)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属を減圧吸引により主型が通気性
    を有する鋳型に注湯する減圧吸引鋳造装置であって、 (a)底部に少なくとも1つ以上の開口部を有する減圧
    容器と、 (b)前記減圧容器内に配設され、前記減圧容器の底部
    開口部に開口する湯道と、前記湯道に連通するキャビテ
    ィとを有する鋳型と、 (c)前記減圧容器に連通する減圧装置とを有し、前記
    キャビティのうち前記湯道の開口部から最も遠くて前記
    溶融金属が最後に充填される部分の近傍に、主型が通気
    性を有する鋳型表面に開口する凹部状の吸引口が形成さ
    れており、 もって前記吸引口における前記キャビティと主型が通気
    性を有する鋳型表面との距離が他の部分より小さくな
    り、前記キャビティ内への前記溶融金属の急速な湯回り
    が可能となることを特徴とする減圧吸引鋳造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の減圧吸引鋳造装置にお
    いて、前記吸引口のうち前記キャビティに近接する部分
    に、鋳型の他の部分より通気性が良い材料からなる多孔
    性部材を設けたことを特徴とする減圧吸引鋳造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の減圧吸
    引鋳造装置において、前記減圧装置に連通する前記減圧
    容器部分に減圧室が形成され、前記減圧室に面する鋳型
    部分の表面が前記吸引口の底面を残して仕切り板で覆わ
    れていることを特徴とする減圧吸引鋳造装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3いずれかに記載の
    減圧吸引鋳造装置において、前記鋳型の下面に逆円錐台
    状または円筒状に形成された下方突出部は前記減圧容器
    の底部開口部から突出しており、前記突出部の底部に前
    記湯道の開口部があるとともに、前記突出部が底部を除
    いて保護枠で覆われていることを特徴とする減圧吸引鋳
    造装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4いずれかに記載の
    減圧吸引鋳造装置において、前記キャビティ内に通気性
    の中空中子が配置されており、前記中空中子は前記吸引
    口に開口する小径の第2の吸引口に連通していることを
    特徴とする減圧吸引鋳造装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5いずれかに記載の
    減圧吸引鋳造装置において、前記キャビティは複数の押
    湯を有し、前記吸引口に開口する少なくとも1つの穴が
    前記吸引口近傍以外の押湯の近傍まで延在していること
    を特徴とする減圧吸引鋳造装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6いずれかに記載の
    減圧吸引鋳造装置において、前記減圧容器に不活性ガス
    を供給するガス源が連通し、減圧前に前記減圧容器内を
    不活性ガスで置換することを特徴とする減圧吸引鋳造装
    置。
  8. 【請求項8】 溶融金属を減圧吸引により鋳型に注湯す
    る減圧吸引鋳造方法であって、 (a) 底部に少なくとも1つ以上の開口部を有する減
    圧容器内に、湯道と、前記湯道に連通するキャビティと
    を有する鋳型を、前記湯道が前記減圧容器の開口部内に
    開口するように配置し、 (b) 前記キャビティのうち前記湯道から最も遠くて
    前記溶融金属が最後に充填される部分の近傍に、鋳型表
    面に開口する凹部状の吸引口を形成して前記吸引口にお
    ける前記キャビティと鋳型表面との距離を鋳型の他の部
    分より小さくし、 (c) 前記減圧容器に取り付けた減圧装置により鋳型
    内を減圧することにより、 前記キャビティ内に前記溶融金属を急速に注湯すること
    を特徴とする減圧吸引鋳造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の減圧吸引鋳造方法にお
    いて、前記吸引口のうち前記キャビティに近接する部分
    に、鋳型の他の部分より通気性が良い材料からなる多孔
    性部材を設け、もって前記キャビティ内に前記溶融金属
    をより急速に注湯することを特徴とする減圧吸引鋳造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項8または請求項9に記載の減圧
    吸引鋳造方法において、前記減圧装置に連通する前記減
    圧容器部分に減圧室を形成し、前記減圧室に面する鋳型
    部分の表面上を前記吸引口の底面を残して仕切り板で覆
    い、もって前記吸引口からの減圧効果を向上させること
    を特徴とする減圧吸引鋳造方法。
  11. 【請求項11】 請求項8乃至請求項10いずれかに記
    載の減圧吸引鋳造方法において、前記キャビティ内に通
    気性の中空中子を配置し、前記中空中子の開口端を前記
    吸引口の近傍に位置することにより、前記キャビティ内
    を前記中空中子を介して急速に減圧することを特徴とす
    る減圧吸引鋳造方法。
  12. 【請求項12】 請求項8乃至請求項11いずれかに記
    載の減圧吸引鋳造方法において、前記キャビティに複数
    の押湯を設け、前記吸引口に開口する少なくとも1つの
    穴を前記吸引口近傍以外の押湯の近傍まで延在させ、も
    って前記吸引口近傍以外の押湯からも減圧することを特
    徴とする減圧吸引鋳造方法。
  13. 【請求項13】 請求項8乃至請求項12いずれかに記
    載の減圧吸引鋳造方法において、前記減圧容器に不活性
    ガスを供給し、減圧前に前記減圧容器内を不活性ガスで
    置換することを特徴とする減圧吸引鋳造方法。
  14. 【請求項14】 請求項8乃至請求項13いずれかに記
    載の減圧吸引鋳造方法において、前記湯道の開口部を溶
    融金属保持炉内の溶融金属に浸漬した後で、前記減圧容
    器内を減圧することを特徴とする減圧吸引鋳造方法。
  15. 【請求項15】 溶融金属を減圧吸引により鋳型に注湯
    する減圧吸引鋳造装置であって、 (a) 底部に少なくとも1つ以上の開口部を有する減
    圧容器と、 (b) 前記減圧容器内に配設され、前記減圧容器の開
    口部に開口し鋳型内をほぼキャビティ側面の一部に沿い
    設ける湯道と、複数の補給路を介して前記湯道に連通す
    るキャビティと、前記キャビティのうち前記湯道の開口
    部から最も遠くて前記溶融金属が最後に充填される部分
    の近傍に形成された凹部状の吸引口とを有する鋳型と、 (c) 前記減圧容器に連通する減圧装置とを有し、 前記減圧装置により減圧容器内を減圧すると、前記キャ
    ビティ内は前記吸引口により他の鋳型部分よりも急速に
    減圧され、もって前記キャビティ内への前記溶融金属の
    急速な湯回りが可能となることを特徴とする減圧吸引鋳
    造装置。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の減圧吸引鋳造装置
    において、前記補給路は前記湯道に沿って複数設けられ
    ているとともに、前記湯道から前記キャビティにかけて
    次第に傾斜しており、先の補給路から前記キャビティ内
    に入ってキャビティ内を上昇する溶融金属の液面と、後
    の補給路から前記キャビティ内に入る溶融金属の液面と
    がほぼ一致するように、各補給路の位置および形状が定
    められていることを特徴とする減圧吸引鋳造装置。
  17. 【請求項17】 請求項15または請求項16に記載の
    減圧吸引鋳造装置において、前記湯道の上端は前記吸引
    口に近接する位置まで延在し、もって溶融金属がキャビ
    ティ内のみならず湯道内も急速に上昇することを特徴と
    する減圧吸引鋳造装置。
  18. 【請求項18】 請求項15乃至請求項17いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造装置において、前記鋳型は、前記吸
    引口のうち前記キャビティに近接する部分に、鋳型の他
    の部分より通気性が良い材料からなる多孔性部材を有す
    ることを特徴とする減圧吸引鋳造装置。
  19. 【請求項19】 請求項15乃至請求項18いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造装置において、前記減圧装置に連通
    する前記減圧容器部分に減圧室が形成され、前記減圧室
    に面する鋳型部分の表面が前記吸引口の底面を残して仕
    切り板で覆われていることを特徴とする減圧吸引鋳造装
    置。
  20. 【請求項20】 請求項15乃至請求項19いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造装置において、前記鋳型の下面に逆
    円錐台状または円筒状に形成された下方突出部は前記減
    圧容器の底部開口部から突出しており、前記突出部の底
    部に前記湯道の開口部があるとともに、前記突出部が底
    部を除いて保護枠で覆われていることを特徴とする減圧
    吸引鋳造装置。
  21. 【請求項21】 請求項15乃至請求項20いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造装置において、前記キャビティ内に
    通気性の中空中子が配置されており、前記中空中子は前
    記吸引口に開口する小径の第2の吸引口に連通している
    ことを特徴とする減圧吸引鋳造装置。
  22. 【請求項22】 請求項15乃至請求項21いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造装置において、前記キャビティは複
    数の押湯を有し、前記吸引口に開口する少なくとも1つ
    の穴が前記吸引口近傍以外の押湯の近傍まで延在してい
    ることを特徴とする減圧吸引鋳造装置。
  23. 【請求項23】 請求項15乃至請求項22いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造装置において、前記減圧容器に不活
    性ガスを供給するガス源が連通し、減圧前に前記減圧容
    器内を不活性ガスで置換することを特徴とする減圧吸引
    鋳造装置。
  24. 【請求項24】 溶融金属を減圧吸引により鋳型に注湯
    する減圧吸引鋳造方法であって、 (a)底部に少なくとも1つ以上の開口部を有する減圧
    容器内に、ほぼキャビティ側面の一部に沿い設ける湯道
    と、複数の補給路を介して前記湯道に連通するキャビテ
    ィと、前記キャビティのうち前記湯道の開口部から最も
    遠くて前記溶融金属が最後に充填される部分の近傍に形
    成された凹部状の吸引口とを有する鋳型を、前記湯道が
    前記減圧容器の開口部内に開口するように設け、 (b)前記キャビティのうち前記湯道から最も遠くて前
    記溶融金属が最後に充填される部分の近傍に、鋳型表面
    に開口する吸引口を形成し、もって前記吸引口における
    前記キャビティと鋳型表面との距離を鋳型の他の部分よ
    り小さくし、 (c) 前記減圧容器に取り付けた減圧装置により鋳型
    内を減圧することにより、前記キャビティ内に前記溶融
    金属を急速に注湯することを特徴とする減圧吸引鋳造方
    法。
  25. 【請求項25】 請求項24に記載の減圧吸引鋳造方法
    において、前記吸引口のうち前記キャビティに近接する
    部分に、鋳型の他の部分より通気性が良い材料からなる
    多孔性部材を設け、もって前記キャビティ内に前記溶融
    金属をより急速に注湯することを特徴とする減圧吸引鋳
    造方法。
  26. 【請求項26】 請求項24または請求項25に記載の
    減圧吸引鋳造方法において、前記減圧装置に連通する前
    記減圧容器部分に減圧室を形成し、前記減圧室に面する
    鋳型部分の表面上を前記吸引口の底面を残して仕切り板
    で覆い、もって前記吸引口からの減圧効果を向上させる
    ことを特徴とする減圧吸引鋳造方法。
  27. 【請求項27】 請求項24乃至請求項26いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造方法において、前記キャビティ内に
    通気性の中空中子を配置し、前記中空中子を前記吸引口
    に開口する小径の第2の吸引口に連通させることによ
    り、前記キャビティ内を前記中空中子を介して急速に減
    圧することを特徴とする減圧吸引鋳造方法。
  28. 【請求項28】 請求項24乃至請求項27いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造方法において、前記キャビティに複
    数の押湯を設け、前記吸引口に開口する少なくとも1つ
    の穴を前記吸引口近傍以外の押湯の近傍まで延在させ、
    もって前記吸引口近傍以外の押湯からも減圧することを
    特徴とする減圧吸引鋳造方法。
  29. 【請求項29】 請求項24乃至請求項28いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造方法において、前記減圧容器に不活
    性ガスを供給し、減圧前に前記減圧容器内を不活性ガス
    で置換することを特徴とする減圧吸引鋳造方法。
  30. 【請求項30】 請求項24乃至請求項29いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造方法において、前記湯道の開口部を
    溶融金属保持炉内の溶融金属に浸漬した後で、前記減圧
    容器内を減圧することを特徴とする減圧吸引鋳造方法。
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