JPH08112663A - 球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法 - Google Patents

球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法

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JPH08112663A
JPH08112663A JP24739994A JP24739994A JPH08112663A JP H08112663 A JPH08112663 A JP H08112663A JP 24739994 A JP24739994 A JP 24739994A JP 24739994 A JP24739994 A JP 24739994A JP H08112663 A JPH08112663 A JP H08112663A
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JP
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cast iron
graphite cast
mold
spheroidal graphite
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JP24739994A
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Atsuhiro Matsuda
淳浩 松田
Kimio Kubo
公雄 久保
Hiroshi Onuma
寛 大沼
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Hitachi Metals Ltd
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄肉の球状黒鉛鋳鉄鋳物を、不廻り、湯境や
引け巣等の鋳造欠陥がなく、安定した球状化率で、生産
性よく製造する。 【構成】 重量比で、C:1.9〜4.0%、Si:
1.6〜6.0%、Mg:0.020〜0.085%、
残部Feおよび不可避不純物を含有し、少なくとも一部
に肉厚が5mm以下の薄肉部を有する球状黒鉛鋳鉄鋳物
を、球状化剤を収納する反応室で球状化処理をする鋳型
を減圧容器内に配設して減圧吸引制御、または減圧容器
外で溶湯を球状化処理した後、鋳型を減圧容器内に配設
して減圧吸引制御し、溶湯を湯道に続く溶湯補給路から
順次製品キャビティ内に充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、球状黒鉛鋳鉄鋳物の製
造方法に関し、特に薄肉の球状黒鉛鋳鉄鋳物を、不廻
り、湯境や引け巣等の鋳造欠陥のない鋳物を生産性良く
製造するのに最適な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、5mm以下の肉厚を持つ薄肉鋳
物は、溶湯が注湯され鋳型と接触した後の凝固の進行が
早い。このため、溶湯の流動性が悪くなり、不廻り欠陥
等が発生し易くなる。
【0003】さらに複雑な形状をした薄肉鋳物の製造で
は、部位により溶湯の到着時間が異なるため、不廻り、
湯境や引け巣等が発生し易く、健全に鋳造することは極
めて困難である。
【0004】複雑な形状をした薄肉鋳物を製造する方法
の1つとして、ロストワックス鋳造法が知られている。
このロストワックス鋳造法においては、セラッミクス鋳
型を用い、鋳造時に鋳型を700℃〜900℃に加熱す
ることにより充填時の溶湯の冷却速度を遅くし、溶湯の
流動性を良くするものである。しかしながら、球状黒鉛
鋳鉄の製造に適用した場合、高温鋳型に注湯することか
ら、厚肉部に粗大な黒鉛や、球状化の不十分な黒鉛が晶
出することが欠点である。また、高価なセラミックス鋳
型を使用するため、鋳型の造型に費用がかかる。
【0005】また、溶湯の流動性を向上するものとし
て、減圧吸引鋳造法がある。特公昭60−35227号
公報には、減圧容器の下部開口部と鋳型をネジ込んで保
持し、鋳型下面を溶湯に浸漬して鋳型キャビティを減圧
し、溶湯を吸引鋳造する減圧吸引鋳造法の開示がある。
【0006】さらに、特開平2−303649号公報に
は、減圧容器内で、鋳型とこの鋳型周りの粒状物とを減
圧により保持し、鋳型を溶湯に浸漬することにより注湯
する減圧吸引鋳造法の開示がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特公昭60ー3522
7号公報のものは、鋳型高さが低く製品形状が限定され
る。また、小物品を製造する場合でも、単位鋳型当たり
の製品込め数を増加させることが難しく生産性が低い。
【0008】特公昭60−35227号公報のもの、特
開平2−303649号公報のものいずれも鋳型を減圧
吸引することにより鋳型を保持するため、鋳型の大きさ
に限度があり、大物品の製造に適さない。また、小物品
の場合でも先に述べたように込め数を増加することがで
きず生産性が低い。
【0009】上述したように、従来の鋳造方法では、球
状黒鉛鋳鉄で、5mm以下という薄肉かつ複雑形状の大
物品の製造、あるいは小物品での単位鋳型当たりの製品
込め数を増加させて生産性を向上させるのは困難であ
る。
【0010】本発明は、上記課題を解決し、不廻り、湯
境、引け巣等の鋳造欠陥のない薄肉球状黒鉛鋳鉄を、込
め数を増加させるために比較的大型の鋳型にも適用可能
な製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本第1発明の球状黒鉛鋳鉄の製造方法は、重量比で、
C:1.9〜4.0%、Si:1.5〜6.0%、M
g:0.020%〜0.085%、残部Feおよび不純
物を含有し、少なくとも一部に肉厚が5mm以下の薄肉
部を有する球状黒鉛鋳鉄鋳物を、(a)底部に少なくと
も1箇所以上の開口部を有する減圧容器を準備する工
程、(b)前記溶湯導入口と製品キャビティ部との間に
反応室を有する鋳型を、前記減圧容器の開口部内に前記
鋳型の溶湯導入口を開口させて配設する工程、(c)前
記鋳型の反応室内に球状化剤を設ける工程、(d)前記
溶湯導入口を溶湯保持炉内の溶湯に浸漬させた後または
浸漬する前から減圧吸引し、前記溶湯導入口より吸引し
た溶湯を反応室で球状化処理して製品キャビティに充填
する工程、少なくとも以上の工程の組み合わせからなる
ことを特徴とする。そして、前記鋳型には、溶湯導入口
に続く湯道より分岐する少なくとも2以上の溶湯補給路
を設け、製品キャビティ内に順次溶湯を充填させる。ま
た、前記反応室内に溶湯が到達するまで減圧し、その後
一定時間減圧度を保持して溶湯を停滞させ、その後更に
減圧吸引する。更に、前記反応室内に溶湯が到達するま
で減圧度を小さくし、反応室内に溶湯が到達後減圧度を
大きくする。
【0012】更に本第2発明の球状黒鉛鋳鉄の製造方法
は、重量比で、C:1.9〜4.0%、Si:1.5〜
6.0%、Mg:0.020%〜0.085%、残部F
eおよび不純物を含有し、少なくとも一部に肉厚が5m
m以下の薄肉部を有する球状黒鉛鋳鉄鋳物を、(a)底
部に少なくとも1箇所以上の開口部を有する減圧容器を
準備する工程、(b)前記溶湯導入口と製品キャビティ
部を有する鋳型を、前記減圧容器の開口部内に前記鋳型
の溶湯導入口を開口させて配設する工程、(c)溶湯保
持炉内で球状化処理を行うか、または溶湯保持炉外で球
状化処理を行う工程、(d)前記溶湯導入口を前記溶湯
保持炉内の溶湯に浸漬させた後または浸漬する前から減
圧吸引し、製品キャビティに充填する工程、少なくとも
以上の工程の組み合わせからなることを特徴とする。そ
して、前記鋳型に溶湯導入口に続く湯道より分岐する少
なくとも2以上の溶湯補給路により、製品キャビティ内
に順次溶湯を充填させる。
【0013】
【作用】溶湯導入口より吸引された上記組成となる球状
黒鉛鋳鉄溶湯は湯道を通り、溶湯補給路を通して製品キ
ャビティ部に導入される。溶湯補給路からの溶湯補給は
押湯効果を持たせ引け巣欠陥の発生を防ぐ。そして、肉
厚が5mm以下の薄肉部を持つ球状黒鉛鋳鉄鋳物を鋳造
する。更に、大物品が製造可能であり、小物品の場合は
多数個込めをすることにより、生産性を向上する。
【0014】以下、本発明の球状黒鉛鋳鉄の製造方法に
おける各成分元素の組成範囲の限定理由について詳細に
説明する。(1)C(炭素):1.9〜4.0% Cが1.9%未満では溶湯の黒鉛粒数が減少するため、
パーライトが多くなりチル化する。一方、Cが4.0%
を越えるとキッシュ黒鉛が出やすくなり強度が低下す
る。このためCは1.9〜4.0%とする。
【0015】(2)Si(珪素):1.5〜6.0% Siは、1.5%未満では炭化物が析出しやすくなり衝
撃値と伸びが低下する。一方、Siが6.0%を越える
とシリコフェライトの影響で衝撃値や伸びが低下する。
このため、Siは1.5〜6.0%とする。
【0016】(3)Mg(マグネシウム):0.020
〜0.085% Mgは0.020%未満では黒鉛が球状化せず、0.0
85%を越えると、引け巣、炭化物がでやすくなるばか
りでなく、経済的にも不利となる。そのため、Mgは
0.020〜0.085%とする。
【0017】
【実施例】以下、本発明の球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法
の一実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【0018】(実施例1)図1は本発明の球状黒鉛鋳鉄
の製造方法を自動車の内燃機関用コンロッドに適用した
例で使用した装置の要部断面図である。図2(a)は前
記コンロッドの正面図、図2(b)は同じく前記コンロ
ッドの側面図である。図1において減圧容器2は減圧装
置18にフレキシブル管19を介して連結され、減圧容
器2内には反応室鋳型10aおよび製品部鋳型10bが
配設されている。製品部鋳型10bは、生産性の向上の
ため、反応室鋳型10a上部に6段にわたって積み重ね
て配設している。
【0019】反応室鋳型10aは溶湯導入口11と反応
室4cを有する。反応室4cには球状化反応剤9を予め
設置しておく。使用した球状化反応剤の化学組成を表1
に示す。
【0020】
【表1】 使用した球状化反応剤の化学組成(重量%) Mg Si Ca RE Al Fe 6.3 46.9 0.4 0.9 0.2 残部
【0021】溶湯導入口11は減圧容器2の開口部13
より突出している。溶湯導入口11から反応室4cへは
第1湯道4aで接続されている。また、製品部鋳型10
bは最小の肉厚が2mmの、第1製品キャビティ部3
a、第2製品キャビティ部3b、第3製品キャビティ部
3c、および製品キャビティ部3dを有する。反応室4
c上部から、第1製品キャビティ部3a、第2製品キャ
ビティ部3b、第3製品キャビティ部3c、および製品
キャビティ部3dの側面に第2湯道4bを直線状に接続
し、第2湯道4bと第1製品キャビティ部3aとの間に
は最初の第1溶湯補給路4dが、第2湯道4bと第2製
品キャビティ部3b、第3製品キャビティ部3c、およ
び製品キャビティ部3dとの間には溶湯補給路4eが設
けてある。製品部鋳型10bの上部には吸引口14を設
けていると共に、仕切板15の開口部分は吸引口14に
係合している。製品部鋳型10bの第2湯道4bと反対
側の側面には吸引通路5を設け、吸引した溶湯が第2湯
道4b側から吸引通路5へ向かって流れ易いようにして
いる。
【0022】減圧吸引鋳造する際には、減圧容器2を下
降させて湯面センサ16が溶湯保持炉6内の溶湯7へ溶
湯導入口11および鋼製の導入口保護枠12の浸漬を感
知してから減圧を開始する。減圧度は、減圧吸引制御手
段17により減圧装置18の真空度を制御させて溶湯を
注入する。吸引した球状処理前の鋳鉄溶湯の化学組成成
分を表2に示す。
【0023】
【表2】 球状化処理前の鋳鉄溶湯の化学組成(重量%) Si Mn Cu Fe 3.80 1.8 0.4 0.021 0.01 0.45 残部
【0024】また、鋳造した内燃機関用コンロッドの化
学組成成分を表3に示す。
【0025】
【表3】 内燃機関用コンロッドの化学組成成分(重量%) Si Mg Mn Cu Fe 3.75 2.3 0.038 0.4 0.021 0.01 0.45 残部
【0026】上記により、内燃機関用コンロッドを鋳造
した際の減圧条件、および減圧容器2の重量をロードセ
ル(図示せず)にて測定することにより溶湯の注入重量
を測定した結果を図3に示す。減圧条件は、1秒間で反
応室4cを溶湯が満たすだけ吸引し、2秒間そのまま保
持して球状化反応させた後、2秒間で最上部の第3製品
キャビティ部3cを満たすまで吸引するものとした。ロ
ードセルによる測定で、溶湯は反応室を満たしてから2
秒間そのまま停滞し、その後減圧度が上昇するのに従っ
て、溶湯が充填されていく状況が判る。
【0027】図3の減圧条件で鋳造した製品のうち、第
1製品キャビティ部3a、第2製品キャビティ部3b、
および第3製品キャビティ部3cの球状化率測定結果を
図4に示す。球状化率測定は、日本鋳物協会法に従い画
像解析装置で行った。図4により、第1製品キャビティ
部3a、第2製品キャビティ部3b、および第3製品キ
ャビティ部3c共に球状化率80%以上を示しており、
安定した鋳型内球状化処理が行われていることが判る。
また、不廻り、湯境や引け巣等の鋳造欠陥もなく本発明
の特性が発揮されている。
【0028】(実施例2)上記の内燃機関用コンロッド
を別の減圧条件で鋳造した場合の実施例を以下に示す。
【0029】図5に減圧条件を示す。 図5で示す減圧
条件は、1秒間で反応室4cを溶湯が満たすだけ吸引し
球状化反応させた後、停滞させることなく、2秒間で最
上部の第3製品キャビティ部3cを満たすまで吸引する
ものとした。
【0030】本実施例においても、安定した球状化率
で、不廻り、湯境や引け巣等の鋳造欠陥のない健全な鋳
物が得られた。
【0031】(実施例3)図6は本発明の球状黒鉛鋳鉄
鋳物の製造方法を、自動車用排気系部品に適用した例で
使用した装置の断面図である。本実施例において、減圧
容器2は減圧装置18にフレキシブル管19を介して連
結され、減圧容器2内には鋳型23が配設されている。
【0032】鋳型23には縦10mm、横100mmの
断面を持つ溶湯導入口11を有し、減圧容器2の開口部
13より突出している。溶湯導入口11から製品キャビ
ティ部22の側面に湯道21cを接続し、湯道21cと
製品キャビティ部22との間には最初の第1溶湯補給路
21dおよび次の溶湯補給路21eが設けてある。鋳型
23には、主要部の肉厚が3mmの製品キャビティ部2
2を形成している。溶湯の最終充填部の吐かせ21b近
傍には、押湯21aを設置している。押湯21aの近傍
には、鋳型23より通気度の大きい鋳物砂で成形された
吸引部材20が配設され、鋳型23上部には吸引口14
を設けていると共に、仕切板15の開口部分は吸引口1
4に係合している。鋳型23はコールドボックス型でけ
い砂7号を材料としている。
【0033】減圧吸引鋳造するには、鋳型23を収納し
た減圧容器2を下降させて湯面センサ16が溶湯保持炉
6内の溶湯7へ溶湯導入口11および鋼製の導入口保護
枠12の浸漬を感知してから減圧を開始する。減圧度
は、減圧吸引制御手段17により減圧装置18の真空度
を制御させて溶湯を注入する。湯流れセンサ(図示せ
ず)を使用して湯流れを測定したところ、注入された溶
湯は、まず湯道から最初の第1溶湯補給路21dを通り
製品キャビティ部22の下部に充填され、次の溶湯補給
路21eからも順次温度低下の少ない溶湯が補給されつ
つ充填することが明かになった。
【0034】球状化処理は溶湯保持炉6内で行った。鋳
造した自動車用排気系部品の化学組成成分を表4に示
す。
【0035】
【表4】 自動車用排気系部品の化学組成成分(重量%) Si Mg Mn Cr Ni Fe 1.98 4.9 0.060 0.5 1.80 34.5 0.01 残部
【0036】上記により主要部の肉厚が3mmである薄
肉球状黒鉛鋳鉄鋳物を鋳造したところ、不廻りや湯境の
発生もなく、健全な鋳物を製造することができた。
【0037】(実施例4)図7は本発明の球状黒鉛鋳鉄
鋳物の製造方法を自動車用足廻り部品に適用した例で使
用した装置の断面図である。図8は前記自動車用足廻り
部品の外観図である。図8に示すように自動車用足廻り
部品は縦およそ600mm、横およそ1200mmと大
物品である。図7において減圧容器2は減圧装置18に
フレキシブル管19を介して連結され、減圧容器2内に
は鋳型23が配設してある。
【0038】鋳型23には溶湯導入口11を有し、減圧
容器2の開口部13より突出している。溶湯導入口11
から製品キャビティ部22の下部に湯道21cを接続
し、湯道21cと製品キャビティ部22との間には溶湯
補給路21eが設けてある。鋳型23には、主要部の肉
厚が2.5mmの製品キャビティ部22を形成してい
る。溶湯の最終充填部でかつ肉厚が10mmと厚い部分
には押湯21aを設置している。鋳型23上部には吸引
口14を設けていとる共に、仕切板15の開口部分は吸
引口14に係合している。鋳型23はコールドボックス
型でけい砂7号を材料としている。
【0039】減圧吸引鋳造するには、鋳型23を収納し
た減圧容器2を下降させて、溶湯保持炉6内の溶湯7へ
溶湯導入口11および鋼製の導入口保護枠12の浸漬を
確認してから減圧を開始する。減圧度は、減圧吸引制御
手段17により減圧装置18の真空度を制御させて溶湯
を注入する。湯流れセンサ(図示せず)を使用して湯流
れを測定したところ、注入された溶湯は、まず湯道21
cを通り、溶湯補給路21eを経由して製品キャビティ
部22の下部から上部へ順次充填することが明かになっ
た。
【0040】球状化処理は溶湯保持炉26内で行った。
鋳造した自動車用足廻り部品の化学組成成分を表5に示
す。
【0041】
【表5】 自動車用足廻り部品の化学組成成分(重量%) Si Mg Mn Cu Fe 3.75 2.3 0.038 0.2 0.021 0.01 0.10 残部
【0042】上記により主要部の肉厚が2.5mmであ
る薄肉球状黒鉛鋳鉄からなる自動車用足廻り部品を鋳造
したところ、不廻りや湯境の発生もなく、健全なものを
製造することができた。
【0043】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明の球状黒鉛鋳鉄
の製造方法によれば、溶湯導入口より導入された溶湯
が、湯道を通り製品キャビティ部に導入される。以上の
ことが、溶湯導入口から、製品キャビティの上部まで順
次溶湯を充填するので、湯流れを乱さず、湯先の溶湯温
度低下を防ぎ、肉厚が5mm以下の薄肉鋳物球状黒鉛鋳
鉄鋳物が不廻り、湯境なく得られる。また、溶湯補給路
からの溶湯補給で押湯効果を持たせ、引け巣欠陥の発生
を防ぎ、肉厚が5mm以下の薄肉球状黒鉛鋳鉄部をを健
全に製造することができる。更に、本発明の球状黒鉛鋳
鉄鋳物の製造方法によれば、大型の鋳型を使用可能であ
るので、大物品の鋳造が可能であり、小物品の場合も込
め数増加が可能であることから生産性を著しく向上でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方
法により内燃機関用部品を鋳造する装置の要部断面図で
ある。
【図2】図1の実施例での内燃機関用部品の概略図であ
る。
【図3】図1の実施例での減圧条件および溶湯の充填状
況を示す図である。
【図4】図1の実施例で鋳造した内燃機関用部品の製品
キャビティ部ごとの球状化率を示す図である。
【図5】図1の実施例で鋳造した内燃機関用部品を、別
の減圧条件で鋳造した際の減圧条件を示す図である。
【図6】本発明の一実施例の球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方
法により自動車用排気系部品を鋳造する際に使用した装
置の要部断面図である。
【図7】本発明の一実施例の球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方
法により自動車用足廻り部品を鋳造する装置の要部断面
図である。
【図8】図7の実施例で自動車用足廻り部品の概略図で
ある。
【符号の説明】
1:球状黒鉛鋳鉄鋳造装置、 2:減圧容器、 3:
製品キャビティ、4a,4b:湯道、 4d,4e:
溶湯補給路、 5:吸引通路、6:溶湯保持炉、
7:溶湯、 9:反応室、13:開口部、
14:吸引口、 18:減圧装置、2
0:吸引部材、 22:製品キャビティ、 23:
鋳型。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、C:1.9〜4.0%、S
    i:1.5〜6.0%、Mg:0.020%〜0.08
    5%、残部Feおよび不純物を含有し、少なくとも一部
    に肉厚が5mm以下の薄肉部を有する球状黒鉛鋳鉄鋳物
    の製造方法であって、(a)底部に少なくとも1箇所以
    上の開口部を有する減圧容器を準備する工程、(b)前
    記溶湯導入口と製品キャビティ部との間に反応室を有す
    る鋳型を、前記減圧容器の開口部内に前記鋳型の溶湯導
    入口を開口させて配設する工程、(c)前記鋳型の反応
    室内に球状化剤を設ける工程、(d)前記溶湯導入口を
    溶湯保持炉内の溶湯に浸漬させた後または浸漬する前か
    ら減圧吸引し、前記溶湯導入口より吸引した溶湯を反応
    室で球状化処理して製品キャビティに充填する工程、少
    なくとも以上の工程の組み合わせからなることを特徴と
    する球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造
    方法において、前記鋳型に溶湯導入口に続く湯道より分
    岐する少なくとも2以上の溶湯補給路により、製品キャ
    ビティー内に順次溶湯を充填させる球状黒鉛鋳鉄鋳物の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の球状黒鉛
    鋳鉄鋳物の製造方法において、前記反応室内に溶湯が到
    達するまで減圧し、その後一定時間減圧度を保持して溶
    湯を停滞させ、その後更に減圧吸引する球状黒鉛鋳鉄鋳
    物の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1及至請求項3いずれか記載の球
    状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法において、前記反応室内に溶
    湯が到達するまで減圧度を小さくし、反応室内に溶湯が
    到達後減圧度を大きくする球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 重量比で、C:1.9〜4.0%、S
    i:1.5〜6.0%、Mg:0.020%〜0.08
    5%、残部Feおよび不純物を含有し、少なくとも一部
    に肉厚が5mm以下の薄肉部を有する球状黒鉛鋳鉄鋳物
    の製造方法であって、(a)底部に少なくとも1箇所以
    上の開口部を有する減圧容器を準備する工程、(b)前
    記溶湯導入口と製品キャビティー部を有する鋳型を、前
    記減圧容器の開口部内に前記鋳型の溶湯導入口を開口さ
    せて配設する工程、(c)溶湯保持炉内で球状化処理を
    行うか、または溶湯保持炉外で球状化処理を行う工程、
    (d)前記溶湯導入口を前記溶湯保持炉内の溶湯に浸漬
    させた後または浸漬する前から減圧吸引し、製品キャビ
    ティに充填する工程、少なくとも以上の工程の組み合わ
    せからなることを特徴とする球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造
    方法において、前記鋳型に溶湯導入口に続く湯道より分
    岐する少なくとも2以上の溶湯補給路により、製品キャ
    ビティ内に順次溶湯を充填させる球状黒鉛鋳鉄鋳物の製
    造方法。
JP24739994A 1994-10-13 1994-10-13 球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法 Pending JPH08112663A (ja)

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