JP2820060B2 - ゴルフボール - Google Patents
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Description
遅いプレーヤーが好適に使用し得る、競技用のゴルフボ
ールに関する。
飛距離を向上させ、フィーリングを良好にしたゴルフボ
ールを得るために、様々な提案がなされている。
ターゲットをヘッドスピードの速いゴルファーに絞った
ものが多く、必然的に上級者レベルに絞り込んだものに
なっており、ヘッドスピードの速いプレーヤーが使用し
た場合には飛距離の増大や良好なフィーリングを得るこ
とができても、スウィングスピードが遅く、ヘッドスピ
ードの遅いプレーヤー、例えば、初級者、レディース、
シニアプレヤー等が同じゴルフボールを使用しても、必
ずしも飛距離の増大や、良好なフィーリングが得られる
ものではなかった。
ーは、このようなボールのうち軟らかいものを使用して
いたが、これらのボールはヘッドスピードの遅いプレー
ヤーに対して適正化しているとはいえず、打撃時にボー
ル弾道が十分上がりきれず、低弾道となって飛距離がの
びず、またフィーリングも不十分なものであった。
特にヘッドスピードの遅いプレーヤー、例えば、初級
者、レディース、シニアプレヤー等が使用した場合、飛
距離が向上し、良好なフィーリングが得られるゴルフボ
ールを提供することを目的とする。
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、ソリッド
コアにカバーを被覆し、該カバー表面に多数のディンプ
ルを有するゴルフボールにおいて、比重を1.05±
0.05とし、カバーをアイオノマー樹脂を主材とした
ショアーD硬度60度以上に形成した場合、競技用ボー
ルとして、ヘッドスピードが35m/sec前後のヘッ
ドスピードの遅いプレーヤーが使用すると、飛距離が増
大し、また、良好なフィーリングが得られることを見い
出した。
(g)、揚力(L)、抗力(D)の力が働いており、 揚力 L=1/2ρV2SCL 抗力 D=1/2ρV2SCD (ρ=空気密度、V=ボール速度、S=ボール断面積、
CL:揚力係数、CD:抗力係数)で示され、ボールに作
用する慣性力Fは 慣性力 F=mg+D+L (mはボール質量)で表すことができる。また、空中の
ゴルフボールの運動方程式は、 mx=−Dcosθ−Lsinθ my=−mg−Dsinθ+Lcosθ (θは地面(水平)に対するボールの飛翔角度)で示さ
れる。
式より慣性力が失われ、飛距離が低下する。これはゴ
ルフボールに要求される飛距離増大と相反する。一方、
式よりボールにかかる重力による作用は軽減され、弾
道は高くなる。
ーヤーが競技する場合、ゴルフボールを1.05±0.
05の低比重にすることが、ボールがふき上がり易く、
高弾道になるので、適していることを知見したが、上述
したようにボールを軽量化した場合に問題となる飛距離
の低下を可及的に防止することについて検討を行った結
果、カバーをアイオノマー樹脂を主材とし、ショアーD
硬度を60度以上に形成した場合、例えばヘッドスピー
ドが35m/secという低ヘッドスピードにおいて、
飛距離が大きく、しかもフィーリングが良好なボールが
得られることを見い出したものである。
ールと、ツーピースゴルフボールとを比較検討した結果
得られたものである。即ち、一般的なブタジエンゴムを
基材とするワンピース構造と、同様の材質のソリッドコ
アにショアーD硬度が60度以上の硬いアイオノマー樹
脂からなるカバーを被覆したツーピース構造とを比較し
た場合、同一ボール外径42.70±0.05mm、同
一比重1.05±0.05において、ワンピースゴルフ
ボールはスピン量が多いのに対し、上記ツーピース構造
ではスピン量が少ないこと、また、ツーピースボールは
ワンピースボールに比べて打出角度が大きいこと、そし
て、この低スピン、高打出角度が特にヘッドスピードが
低い領域において有効に作用すること、つまり、比重が
1.05±0.05で、カバーをアイオノマー樹脂を主
材としてショアーD硬度60度以上としたゴルフボール
は、ヘッドスピード45m/secでショットした場
合、他のゴルフボールと比較して飛距離増大につながら
ず、打感も悪いものであるが、ヘッドスピード35m/
secでショットした場合、他のゴルフボールと比べて
飛距離が大きく、しかも打感も優れていることを知見し
たものである。
という点からは、ソリッドコアとして100kg荷重負
荷時のたわみ量を2.4〜4.3mmとすることがよ
く、またカバーの厚さを1.4〜2.4mmとすること
が好適であること、しかもディンプルを形成する場合、
各ディンプルの縁部によって囲まれる平面下のディンプ
ル空間体積を、前記平面を底面としかつこの底面からの
各ディンプルの最大深さを高さとする円柱体積で除した
値V 0を0.470以上とし、かつ、下記式(1)で示
されるディンプル総体積比VRを0.8%以上とするこ
とが、飛距離増大の点から更に有効であることを見い出
し、本発明をなすに至ったものである。
る平面下のディンプル空間体積の総和、Rはボールの半
径を示す。)
と、本発明のゴルフボールは、ヘッドスピードの遅いプ
レーヤーでも飛距離が向上し、良好なフィーリングが得
られる最適な値に比重とカバー硬度を調整してゴルフボ
ールを形成したもので、ソリッドコアにカバーを被覆し
てなり、かつ該カバー表面に多数のディンプルを形成し
たゴルフボールにおいて、比重が1.05±0.05
で、カバーをアイオノマー樹脂を主材としてショアーD
硬度60度以上に形成したことを特徴とする。
ソリッドゴルフボールとして形成されるが、ソリッドコ
アが2層以上からなるスリーピース以上のマルチプルソ
リッドゴルフボールとして形成することもできる。ま
た、カバーも上記特性を満足する限り1層構造に限られ
ず、2層以上の多層構造であってもよい。
1.05±0.05であり、更に好ましくは1.02〜
1.09の範囲内である。ボール比重が1.00より小
さいと、フィーリングに軽さ又は軟らかさが感じられ、
また飛翔中に風の抵抗を受けやすいので弾道が変化しや
すい上、慣性力を失うために十分な飛距離を得ることが
できない。一方、比重が1.10を越えると、従来より
提供されているゴルフボール、いわゆる一般の競技用ゴ
ルフボールと相違がなく、本発明の目的と相違する。
5.92g以下であることが必要であるが、本発明のゴ
ルフボールは通常40.5g以上45.0g未満、特に
41.0〜44.5gに形成することが、本発明の目的
の上から好ましい。
アイオノマー樹脂を主材とし、ショアーD硬度60度以
上に形成する。カバー硬度はショアーD硬度60度以上
であれば特に制限されるものではないが、好ましくはシ
ョアーD硬度62〜68度がよく、許容測定誤差として
±3度を考慮することが推奨される。カバーのショアー
D硬度が60度未満であると、ゴルフボールの打撃によ
る反発性が劣化し、スピン量が増加する上、打出角度が
高くなりすぎるため、ボールがふき上がって失速し、十
分な飛距離が得られない。また、ショアーD硬度が大き
すぎると、カバーが硬くなりすぎてゴルフボールの耐久
性を劣化させる原因になることがある。
4〜2.4mmになるように被覆形成することが好まし
く、特に厚さ1.5〜2.3mmが好ましい。カバーの
厚さが1.4mmより薄いと、カバー切れ等のゴルフボ
ールの耐久性が劣化するおそれがある。また、2.4m
mより厚いと打感が鈍くなり、フィーリングが悪くなる
他、ボールの反発性が劣る等の問題が生じる場合があ
る。
kg荷重負荷時のたわみ量が2.4〜4.3mm、より
好ましくは2.6〜4.2mmの範囲に形成することが
好ましい。たわみ量が2.4mm未満であると、打感が
硬く感じられ、低ヘッドスピードプレーヤー等には不向
きとなる場合が生じ、たわみ量が4.3mmより大きい
と、ボールの反発性が低下し、飛び性能の劣化が生じる
おそれがある。また、コア形成時は全体を(コア内部ま
でを)十分に加硫してボールの反発性を確保することが
好ましく、内部(中心部付近)が未加硫のコアを用いる
とボールの反発性が落ちて飛距離が低下し、また打感や
耐久性に劣る場合がある。
く、上述したゴルフボール特性を達成する限り、公知の
いずれの材料にて形成することができる。
ボールに用いられるコアは通常の方法により、加硫条
件、配合比等を調節することにより得られる。通常、コ
アの配合には基材ゴム、架橋剤、共架橋剤、不活性充填
剤等が含まれる。基材ゴムとしては従来からソリッドゴ
ルフボールに用いられている適宜の天然ゴム及び/又は
合成ゴムを使用することができるが、本発明において
は、シス構造を少なくとも40%以上有する1,4−ポ
リブタジエンが特に好ましい。この場合、所望により該
ポリブタジエンに天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチ
レンブタジエンゴム等を適宜配合してもよい。
ジ−t−ブチルパーオキサイドのような有機過酸化物等
が例示されるが、特に好ましいものはジクミルパーオキ
サイドである。架橋剤の配合量は基材ゴム100重量部
に対して通常0.5〜3重量部、好ましくは0.8〜
1.5重量部である。
いが、不飽和脂肪酸の金属塩、就中、炭素原子数3〜8
の不飽和脂肪酸(例えばアクリル酸、メタクリル酸等)
の亜鉛塩やマグネシウム塩が例示されるが、アクリル酸
亜鉛が特に好適である。この共架橋剤の配合量は基材ゴ
ム100重量部に対して10〜45重量部、好ましくは
15〜40重量部である。
ウム、シリカ、炭酸カルシウム及び炭酸亜鉛等が例示さ
れるが、酸化亜鉛が一般的で、その配合量はコアとカバ
ーの比重、ボールの重量規格等に左右され、特に限定的
ではないが、通常は基材ゴム100重量部に対して0〜
40重量部である。
適宜選定し、その量を少なくして上記比重、重量に調整
することができる。
は通常の混練機、例えばバンバリーミキサーやロール等
を用いて混練し、コア用金型に圧縮又は射出成形し、成
形体を架橋剤及び共架橋剤が作用するのに十分な温度
(例えば架橋剤としてジクミルパーオキサイドを用い、
共架橋剤としてアクリル酸亜鉛を用いた場合には約13
0〜170℃)で加熱硬化してコアを調製する。
同様の材料で形成でき、また外側コアもこれと同様のゴ
ム材料又はアイオノマー樹脂等の樹脂材料により形成す
ることができ、外側コアは内側コア上に圧縮成形又は射
出成形することによって形成することができる。
ールと同様にディンプルを形成する。この場合、ディン
プルの個数は300〜550個、特に360〜450個
とすることが好ましい。ディンプルの配列態様は通常の
ゴルフボールと同様でよく、また、ディンプルは直径、
深さ等が相違する2種又はそれ以上の多種類のものとす
ることができるが、通常直径は2〜4.5mm、深さは
0.10〜0.23mmの範囲にあることが好ましい。
ここで、本発明のゴルフボールは、ヘッドスピードの遅
いプレーヤーが好適に使用し得るものであるが、更に特
性を向上させるために、カバー表面に形成されるディン
プルを限定することができる。この場合、ゴルフボール
のディンプルは、各ディンプルの縁部によって囲まれる
平面下のディンプル空間体積を、前記平面を底面としか
つこの底面からの各ディンプルの最大深さを高さとする
円柱体積で除した値V 0を0.470以上、特に0.4
75〜0.53にすると共に、下記式(1)で示される
ディンプル総体積比VRが0.8%以上の範囲内になる
ように形成することにより、安定した飛行角度と弾道を
得ることができる。V 0が0.53を超すと、ドロップ
ぎみの弾道となり、またV 0が0.470未満である
と、ボールがふき上がりぎみとなる。ディンプル総体積
比VRが0.8%未満であると、飛行角度が高くなりす
ぎ、ボールがふき上がると共に、失速するおそれがあ
り、十分な飛距離を得られない場合がある。
る平面下のディンプル空間体積の総和、Rはボールの半
径を示す。)
ると、ディンプル平面形状が円形状の場合、図1に示し
たようにディンプル1上にボール直径の仮想球面2を設
定すると共に、ボール直径より0.16mm小さい直径
の球面3を設定し、この球面3の円周とディンプル1と
の交点4を求め、該交点4における接線5と前記仮想球
面2との交点6の連なりをディンプル縁部7とする。こ
の場合、上述したディンプル縁部7の設定は、通常ディ
ンプル1の縁部はまるみを帯びているため、このような
設定がないとディンプル縁部の正確な位置がわからない
ためである。そして、図2,3に示したように前記縁部
7によって囲まれる平面(円:直径Dm)8下のディン
プル空間9の体積V Pを求める。一方、前記平面8を底
面とし、この平面8からのディンプル最大深さDPを高
さとする円柱10の体積V Qを求める。これにより、円
柱体積V Qに対するディンプル空間体積V Pの比V 0を算
出する。
い場合は、このディンプルの最大直径(もしくは平面最
大長さ)を求め、ディンプル平面がこの最大直径(最大
長さ)を有する円形状であると仮定し、以下上記と同様
にしてV 0を算出する。
いて形成することができ、直径42.67mm以上、好
ましくは42.67〜42.75mmであり、また重量
は上述したように45.92g以下、好ましくは40.
5以上で45.0g未満の競技用として好適に得ること
ができる。また、本発明のゴルフボールは、上述したよ
うに低比重に形成するものであるが、これはソリッドコ
アを低比重(軽重量)にすることによって達成すること
が好ましい。
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。
ア材料として、下記成分を下記範囲の量で使用し、モー
ルド中で155℃において約20分間加硫し、コア全体
を十分に加硫することにより、表1に示すソリッドコア
を形成した。コア材 シス−1,4−ポリブタジエンゴム(BR01) 100重量部 アクリル酸亜鉛 18〜35 〃 酸化亜鉛 2〜25 〃 老化防止剤 0.2 〃 ジクミルパーオキサイド 0.9 〃
変えて硬度を調整した。また、硫酸バリウムを比重調整
剤として用い、表1に示す重さのゴルフボールとした。
囲量で使用し、射出成形して上記ソリッドコアに被覆す
ることにより、表1に示すカバーを有するツーピースソ
リッドゴルフボールを得た。カバー材 ショアーD65度のもの ハイミラン1608/ハイミラン1706の50/50
(重量比)のブレンド ショアーD62度及び63度のもの ハイミラン1605/ハイミラン1706/ハイミラン
1557の50/25/25(重量比)のブレンド ショアーD58度のもの ハイミラン1605/サーリン8120の50/50
(重量比)のブレンドなお、ツーピースゴルフボールの
ディンプルは下記に示される2種A,Bのディンプルを
8面体配列し、ディンプル総体積比VRが0.86%に
なるように形成した。
Temper社製の打撃ロボットを用い、ドライバー
にてヘッドスピード35m/sec及び45m/sec
でショットした時のスピン量、打出角、キャリー、トー
タル、アングル、を評価した。なお、ドライバーのロフ
ト角はHS45の場合では10.5度、HS35の場合
では12.5度であった。
ッドスピード45m/sec)及び女子シニアプレーヤ
ー3人(ヘッドスピード35m/sec)によって下記
基準で評価を行った。結果を表1に示す。 ◎ 良好 ○ 軟らかい △ やや硬め × 軽くて軟らかすぎる
のカバー硬度と、ボールの比重を上述した範囲にしたこ
とにより、特に、ヘッドスピードが遅いプレーヤーが使
用すると、飛距離が向上し、優れたフィーリングを得る
ことができる。
を説明する説明図である。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 ソリッドコアにカバーを被覆してなり、
かつ該カバー表面に多数のディンプルを形成したゴルフ
ボールにおいて、比重が1.05±0.05で、カバー
をアイオノマー樹脂を主材としてショアーD硬度60度
以上に形成したことを特徴とするゴルフボール。 - 【請求項2】 カバーの厚さを1.4〜2.4mmに形
成した請求項1記載のゴルフボール。 - 【請求項3】 コアが100kg荷重負荷時のたわみ量
2.4〜4.3mmである請求項1又は2記載のゴルフ
ボール。 - 【請求項4】 ディンプルが、各ディンプルの縁部によ
って囲まれる平面下のディンプル空間体積を、前記平面
を底面としかつこの底面からの各ディンプルの最大深さ
を高さとする円柱体積で除した値V0が0.470以上
であり、かつ、下記式(1)で示されるディンプル総体
積比VRが0.8%以上である請求項1,2又は3のい
ずれか1項に記載のゴルフボール。 【数1】 (但し、式中VSは各ディンプルの縁部によって囲まれ
る平面下のディンプル空間体積の総和、Rはボールの半
径を示す。)
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US7059976B2 (en) | 2004-09-22 | 2006-06-13 | Bridgestone Sports Co., Ltd | Solid golf ball |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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GB2298583B (en) | 1998-11-11 |
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JPH08238337A (ja) | 1996-09-17 |
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