JP2819740B2 - 電力ケーブルの接続部形成方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は例えば架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの
如きプラスチック電力ケーブル等のプレハブ型接続部の
形成方法に関するものである。

（従来の技術） 第１図はプラスチック電力ケーブルのプレハブ型接続
部の要部の縦断面図である。図面に示すように、例えば
架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの如きプラスチック
電力ケーブル（10）の導体（11）接続部（１）を内包
し、両方のケーブル絶縁層（12）に跨って、例えばエチ
レン・プロピレンゴム等で形成した絶縁筒（２）がその
弾性力によりケーブル絶縁層（12）の外表面に密着して
設けられている。

このようなケーブル接続部の形成は、絶縁筒（２）の
内部に、ケーブル絶縁層（12）の外径より大きな内径を
もった内径拡大用治具（３）を挿通した構成体を、第２
図（イ）のように、あらかじめ一方のケーブル（10）に
挿通しておき、接続スリーブ等を用いてケーブル導体
（11）を接続する。その後、前記あらかじめ挿通してお
いた構成体を、同図（ロ）のようにケーブル導体接続部
（１）上に戻し、ケーブル絶縁層（12）に位置せしめ
る。しかる後、前記内径拡大用治具（３）を長さ方向に
引抜くことにより、接続部絶縁筒（２）はその弾性力に
より収縮し、ケーブル絶縁層（12）に密着し、第１図の
如き接続部が形成される。

上記接続部絶縁筒（２）内に挿通しその内径を拡大す
る治具としては、通常、例えば特開昭60−141110号公報
に示されているような剛直管状体が使用されている。

（解決しようとする課題） 一般に地中布設の電力ケーブルは、第３図に示すよう
にマンホール（Ａ）で接続部（Ｂ）が形成され、接続部
（Ｂ）の両側にはケーブル（10）の熱による膨張、収縮
を吸収するためのオフセット部（10a）が形成されてい
る。

しかし、上述した電力ケーブルのプレハブ型接続部の
形成にあたっては、絶縁筒の内径を拡大する治具として
剛直管状体を用いており、又絶縁筒の材質面から内径の
拡大には限度あるため、接続部絶縁筒をケーブル上に逃
がす逃がし代、あるいは内径拡大用治具を引抜くときの
長さに見合う直線部（ｌ）が必要である。このため接続
部長さが長くなり、それに起因してマンホールの長さも
長くなって不経済になるという問題点がある。

又第２図（ロ）に示すように、内径拡大用治具を挿入
した絶縁筒を正規の位置に戻した後、内径拡大用治具を
長さ方向に引抜くが、従来の内径拡大用治具が１本の剛
直管状体でできているため、摩擦抵抗により大きな引抜
き力を必要とした。特に近時、ケーブルの超高圧化、大
電流容量に伴ない、絶縁筒も大形化し、その傾向は一層
強くなり、作業性において問題があった。

（課題を解決するための手段） 本発明は上述の問題点を解消した電力ケーブルの接続
部形成方方法を提供するもので、その特徴は、絶縁筒の
内径拡大用治具をその長さ方法に複数個の連結体で屈曲
可能に構成したことにある。

（実施例） 第４図（イ）は本発明の接続部形成方法において用い
る内径拡大用治具の具体例の要部の縦断面図であり、同
図（ロ）はその連結部の詳細縦断面図である。

絶縁筒の内径拡大用治具（３）を長さ方向に複数に分
割した円筒状の連結体（31）（32）によって構成する。
連結体（31）（32）の連結は、同図（ロ）に示すよう
に、連結体（31）の端面に形成した環状の凹部（33）
と、連結体（32）の端面に形成した上記凹部（33）に嵌
合する凸部（34）を嵌合することによって行なう。この
場合、凹部（33）と凸部（34）を嵌合した時、両者の間
に若干のギャップ（ｇ）が生じるように形成しておくこ
とにより、連結体（31）と連結体（32）とは連結部にお
いて屈曲が可能である。

上記連結体は図のように２個を連結したものでもよ
く、あるいはそれ以上の複数個に分割したものを連結し
てもよい。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明の接続部形成方法によれ
ば、内径拡大用治具を複数個の連結体で屈曲可能に構成
してあるので、マンホール内のオフセット部ケーブル上
にも接続部絶縁筒を逃がすことが可能となり、従来のよ
うな直線部を必要としないので、マンホール長さを短か
く出来、経済的である。

又内径拡大用治具を絶縁筒から引抜く際、上記治具を
長さ方向に２分割し、左右に引抜くことにより摩擦抵抗
が減少し、小さな引抜き力で引抜くことができ、作業性
が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は電力ケーブルのプレハブ型接続部の要部の縦断
面図である。 第２図（イ）及び（ロ）はいずれも第１図のプレハブ型
接続部の形成手順を示す縦断面図である。 第３図は電力ケーブルのマンホール内の状態説明図であ
る。 第４図（イ）は本発明の接続部形成方法において用いる
内径拡大用治具の具体例の要部の縦断面図、同図（ロ）
は連結部の詳細縦断面図である。 １……導体接続部、２……接続部絶縁筒、３……内径拡
大用治具、31、32……連結体、33……嵌合凹部、34……
嵌合凸部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−314116（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−193518（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H02G 1/14 H02G 15/00 - 15/196

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電力ケーブルの接続時、絶縁筒の内部にケ
   ーブル絶縁層外径より大きな内径を有する内径拡大用治
   具を挿通してあらかじめ一方のケーブル側に逃がしてお
   き、ケーブル導体接続後に前記絶縁筒を正規の位置に戻
   し内径拡大用治具を取外すことにより絶縁筒をその弾性
   力により収縮させケーブル絶縁層外表面に密着させる電
   力ケーブルの接続部形成方法において、内径拡大用治具
   をその長さ方向に複数個の連結体で屈曲可能に構成した
   ことを特徴とする電力ケーブルの接続部形成方法。