JP2818251B2 - 太陽センサ - Google Patents

太陽センサ

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JP2818251B2
JP2818251B2 JP2088359A JP8835990A JP2818251B2 JP 2818251 B2 JP2818251 B2 JP 2818251B2 JP 2088359 A JP2088359 A JP 2088359A JP 8835990 A JP8835990 A JP 8835990A JP 2818251 B2 JP2818251 B2 JP 2818251B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は例えば人工衛星の姿勢決定や姿勢制御に利用
される太陽センサに関する。
(従来の技術) 一般に宇宙航行体はそのエネルギー源の一部に太陽光
を用いており、太陽が宇宙航行体の活動を支えているこ
とから、太陽センサは重要なセンサである。
第5図は従来の太陽センサの構成を示す図である。第
5図で1は太陽光の透過を遮断する遮光面であり、2は
遮光面1上に設けられた細長のスリットである。このス
リット2を太陽光が透過する際、太陽光は回折されて入
射角度に依存しない左右対称な強度分布で光検出器3に
入射される。光検出器3はスリット2の長手方向に対し
て垂直な方向に複数個の検出素子4(例えばフォトダイ
オード)が一直線に配置されているもので、遮光面1と
平行に設置されている。
光検出器3上には第6図(a)に示すような太陽光強
度分布が生じる。光検出器3は第6図(b)に示すよう
に太陽光強度分布を各検出素子に対応した量子化された
電気信号に変換して出力する。太陽光の入射角を求める
には、太陽光強度分布の中心位置を測定する必要があ
る。太陽光強度分布の中心位置を求めるには、まず太陽
光と判断するために所定の電圧値を基準レベルとして設
定する。そして第6図(c)に示すように、基準レベル
以上を“1",基準レベル以下を“0"とする2値のデジタ
ル信号の値が“0"から“1"に変化する光検出器上の位置
X1と“1"から“0"に変化する光検出器上の位置X2を検出
素子数をカウントすることによって求め、その中点XC
算出すればよい。
この中点XCから太陽光の入射角を導出する方法を第7
図を用いて説明する。第7図は第5図の太陽センサの断
面図を示し、太陽光入射角をθとし、遮光面1と光検出
器3との距離をh,光検出器3の全長をLとする。
太陽光が太陽センサの光軸(光検出器の中心を通り遮
光面1及び光検出器3と垂直な直線,以下センサ光軸と
呼ぶ。)と平行に入射した場合には、光検出器3の中央
に(ア)のような強度分布が生じる。この場合はXC=L/
2である。次に、太陽光入射角がθのときに生ずる太陽
光強度分布(図中(イ))の中心XCは第7図より次の
式で表すことができる。
XC=L/2+h tan θ … これより太陽入射角θは以下の式から求めることが
できる。
θ=tan-1((2XC−L)/2h) =tan-1((X1+X2−L)/2h) … よって信号処理回路でX1,X2を算出し、式これらを
あてはめることによりθを求めることができる。
以上の説明は、センサ光軸に直交する一軸方向の太陽
入射角を測定するものである。センサ光軸に対し互いに
直交する二軸成分の太陽角情報を得るためには、第8図
に示すように第5図のセンサを2個用意し、各々のスリ
ットが直交する様に配置すればよい。
ところで太陽入射角を測定できる領域、すなわち太陽
センサの視野角αには制約があり、以下の関係がある。
α≦tan-1(L/2h) … (ただしαは半項角で示す。) Lは使用する光検出器で決まる値であり、一定値であ
る。前述のように太陽は宇宙航行体にとってエネルギー
源である。一旦宇宙航行体の姿勢が何らかの影響で乱れ
て太陽センサ視野から太陽がはずれた場合、宇宙航行体
は姿勢制御により、再度太陽を捉えるまで消費電力を最
小に抑える等の非常処置を取る必要があり、ミッション
達成の上で大きな障害となりうる。
上記の観点から、太陽センサの視野角αが広ければ、
太陽の捕捉,再捕捉が容易となるため姿勢制御系の見地
からは視野が広く高精度の太陽センサが求められてい
る。
視野角を広げるには式からhの値を小さくすればよ
いが、光検出器の素子数が一定でhだけを小さくすれば
一素子あたりの角度分解能が小さくなり式のX1,X2
位置決定精度が劣化する。従って太陽センサに入射角検
出精度が劣化してしまうという欠点があった。
(発明が解決しようとする課題) 上記したように、従来の太陽センサでは、視野角に制
約があり、視野角を広げると太陽光入射角の測定精度が
劣化してしまうという欠点があった。本発明は上記の欠
点に鑑みてなされたもので、センサの外形寸法や光検出
器の検出素子数を従来と変えることなく、視野角を約1.
5倍以上に拡大すると共に、太陽入射角がセンサ光軸付
近のときの測定精度を向上することができる太陽センサ
を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明の太陽センサで
は、太陽光の透過を遮断する遮光面と、この遮光面に太
陽光を透過させるために設けられ、所定の間隔をおき互
いに平行になるように配置された少なくとも2本のスリ
ットと、前記遮光面の下部に設けられ、前記遮光面と所
定の間隔をおき前記スリットに対し直交する方向に複数
の検出素子が一列に配列されてなる光検出器と、この光
検出器で検出された太陽光強度分布信号を量子化し、か
つ前記検出素子の位置に対応させ、前記量子化された値
が“0"から“1"に変化する前記光検出素子上の第一の位
置及び前記量子化された値が“1"から“0"に変化する前
記光検出素子上の第二の位置を求め、これら第一及び第
二の位置を所定の式に代入することで太陽光の入射角を
算出する信号処理回路とを備えたことを特徴とするもの
である。
(作用) 遮光面に設けられた少くとも2本以上のスリットを透
過した太陽光は、複数の検出素子が一列に配列してなる
光検出器上に入射し、各スリットの位置に対応して光検
出器上に太陽光の回折像が生じる。回折像の数は太陽光
の入射角に依存し、太陽光の入射角が、大きい場合でも
光検出器上に回折像が生じるため、スリットが1本の場
合と比較してより広い視野角が得られる。また入射角が
遮光面と垂直に近い場合は、光検出器上に複数の回折像
が生じるためより測定精度が向上する。
(実施例) 本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第1図は本発明の太陽センサの実施例を示す図であ
る。第1図で第5図と同一部分には同一符号を付す。第
1図に示すように、遮光面1上に2本のスリット2a,2b
を長手方向が互いに平行となる様に設ける。光検出器3
は例えばリニアアレイセンサであり、複数の検出素子4
(例えばフォトダイオード)が一直線上に配列されてい
る。
第2図は第1図のセンサの断面を示す図である。
第2図で遮光面1と光検出器3との距離をhとし、光
検出器3の全長をLとする。さらに、各スリットを通過
した太陽光の回折像(太陽光強度分布)をそれぞれl1,l
2とする。図示するようにスリット2aとスリット2bの間
隔をL/2とする。またスリット2aは、遮光面1と垂直に
入射する太陽光がスリット2aを透過したとき光検出器3
上に生ずる太陽光強度分布の中心が光検出器3の端部T
からL/4にあたる位置にあるように形成されている。光
検出器3はl1,l2に対応した信号を出力する。すなわち
第6図(b)に示すような各検出素子に対応する量子化
された信号である。
太陽光強度分布l1,l2は太陽光の入射角によりその位
置が変動し、入射角によってl1,l2の両方が生ずる場
合、l1のみ生ずる場合もしくはl2のみが生ずる場合があ
る。
例えば第3図に示すように0≦θ<tan-1(L/4h)の
領域(θは太陽光とセンサ光軸と平行な直線とのなす角
である。)では、l1,l2両方の信号が得られる。このと
きl1,l2の中心位置XC1とXC2は従来と同様の方法で求め
ることができる。従ってXC1とXC2の中点XCを求め、前述
した式に代入することにより、太陽光入射角を求める
ことができる。これらの演算は、第1図の信号処理回路
5で行われる。
次に、θがtan-1(L/4h)より大きくなると回折像はl
1あるいはl2のいずれかとなる。この場合にはl1又はl2
の位置からθを求めることができる。すなわち、次に示
すXCを求めることにより、従来と同様の方法で求めるこ
とができる。
l1の場合:XC=XC1+L/4 l2の場合:XC=XC2−L/4 このとき回折像がl1かl2のいずれであるかは次の条件
から容易に判別できる。
XC1又はXC2>L/2ならば回折像はl1 XC1又はXC2<L/2ならば回折像はl2 なお、第4図に示すように、θ=tan-1(L/4h)付近
では一方の回折像が光検出器の端部にかかり、像が欠け
る場合が生ずる。このようなケースでは、第6図(c)
のデジタル信号の波形におけるX1〜X2の間隔、即ち“1"
レベルの間隔が本来の間隔と比べて短い場合は,回折像
が1つのケースと同様に処理するようにあらかじめ設定
しておくことにより、太陽入射角の誤った算出を防止す
ることができる。
本実施例では、スリットを2本設けることによって、
0≦θ<tan-1(L/4h)の領域では前記したl1とl2の2
つの位置情報を用いて信号処理回路で太陽光入射角の算
出を行っている。従って従来のような1つの位置情報の
場合より約 の入射角算出精度の向上が見こまれる。一般に宇宙航行
体は太陽を捕捉した後は太陽入射角が0゜付近での太陽
センサの入射角検出精度は、視野端部と比較してより良
い精度が要求されている。本実施例では入射角0゜付近
の測定にはl1,l2の2つの位置情報を用いていることか
ら特に有効となる。
また、スリットを2本設けることにより、センサの視
野角を最大tan-1(3L/4)まで広げることが可能となる
ため、従来の視野角αの約1.5倍の角度まで入射角の測
定が可能となる。
本実施例ではスリット間の間隔をL/2としたが、L/2以
上とすれば視野領域は更に増大する。また2本以上のス
リットを光検出器端部に配置した場合は、視野領域は従
来の約2倍とすることができる。
本発明はスリット2本に限ったものではなく、2本以
上の場合でも適用可能であり、スリットをn本(n≧
2)とした場合は、センサ光軸付近の測定精度を 向上することが可能である。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、従来の太陽センサ
の外形寸法や光検出器の測定精度を変更することなくそ
の視野角を拡大すると共に更にセンサ光軸中心付近の精
度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例の構成を示す図であり、
第2図は第1図の断面を示す図であり、第3図及び第4
図は太陽光入射角に対応する太陽光強度分布とデジタル
信号を示す図であり、第5図は従来の太陽センサの構成
を示す図であり、第6図は太陽光入射角の算出方法を説
明するための図であり、第7図は第5図に示す従来の太
陽センサの断面を示す図であり、第8図は太陽光の2軸
成分の入射角を検出する従来の太陽センサの上面を示す
図である。 1……遮光面 2……スリット 2a,2b……スリット 3……光検出器 4……検出素子 5……信号処理回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−195921(JP,A) 特開 平2−16408(JP,A) 特開 平2−16407(JP,A) 特開 昭62−73109(JP,A) 特開 昭63−63908(JP,A) 特開 昭63−241413(JP,A) 特開 昭63−241412(JP,A) 特開 昭58−174099(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01C 21/24 G01C 1/00 B64G 1/36

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】太陽光の透過を遮断する遮光面と、この遮
    光面に太陽光を透過させるために設けられ、所定の間隔
    をおき互いに平行になるように配置された少なくとも2
    本のスリットと、前記遮光面の下部に設けられ、前記遮
    光面と所定の間隔をおき前記スリットに対し直交する方
    向に複数の検出素子が一列に配列されてなる光検出器
    と、この光検出器で検出された太陽光強度分布信号を量
    子化し、かつ前記検出素子の位置に対応させ、前記量子
    化された値が“0"から“1"に変化する前記光検出素子上
    の第一の位置及び前記量子化された値が“1"から“0"に
    変化する前記光検出素子上の第二の位置を求め、これら
    第一及び第二の位置を所定の式に代入することで太陽光
    の入射角を算出する信号処理回路とを具備することを特
    徴とする太陽センサ。
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