JP2817247B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は半導体装置に関し、特にクランプ用PN接合ダ
イオードに関する。
〔従来の技術〕
従来、内部昇圧電源回路に用いられるクランプ用PN接
合ダイオードは、第3図に示すように、P型Si基板11上
のフィールド酸化膜12で分離された領域に、例えばイオ
ン注入法でN型不純物を導入してアニールを行なうこと
により形成したN型不純物層16とのPN接合を用いてい
た。そして耐圧のコントロールは、フィールド酸化膜12
下の不純物濃度、あるいは、N型不純物層16の形成にあ
たり、高濃度のヒ素及び低濃度のリンの2重イオン注入
で決められる濃度で行っていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述した従来のPN接合ダイオードは、構造が非常に簡
単である点は良かったが、一方で次のような欠点を有し
ていた。
第1にグランプ電圧(ブレークダウン電圧)がフィー
ルド酸化膜厚のバラツキにより影響されてしまうことで
ある。これは、P型Si基板であれば、不純物であるボロ
ン原子が、酸化されるにしたがって酸化膜中に取込ま
れ、Si中の濃度が低下してしまうためである。したがっ
てフィールド酸化膜のように、約1.0μmと厚い場合、S
i表面の不純物濃度の低下も大きく、酸化膜のバラツキ
が不純物濃度のバラツキとなり、これがクランプ電圧の
バラツキになる。
第2に、ブレークダウンの場所がSi基板表面であるた
めに、ブレークダウンにより発生した電子−正孔対が酸
化膜中に捕獲され、特に正孔が顕著となり、表面での空
乏層を拡げクランプ電圧が時間とともに上昇してしまう
ことである。特に表面の酸化膜がフィールド酸化膜から
薄い酸化膜に変わる領域であるため、捕獲準位も多くク
ランプ電圧の変動も大きいものとなる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の半導体装置は、一導電型半導体基板に形成さ
れた接合の深さが深い逆導電型の第1の不純物拡散層
と、この第1の不純物拡散層を含む領域に形成され接合
の深さが浅い逆導電型の第2の不純物拡散層と、前記第
1の不純物拡散層の底部近傍に形成された一導電型の第
3の不純物拡散層と、前記半導体基板表面における前記
第2の不純物拡散層と半導体基板との接合部上に酸化膜
を介して形成されたゲート電極とを含んで構成される。
〔実施例〕
次に、本発明について図面を参照して説明する。
第1図は本発明の第1の実施例の断面図である。
P型Si基板1上には選択酸化法によりフィールド酸化
膜2が形成されており、素子領域にはイオン注入及びア
ニールにより形成された接合の深さが0.4〜0.6μmと深
いN型高濃度不純物層6と接合の深さが0.2〜0.3μmと
浅いN型低濃度不純物層4とN型高濃度不純物層6の底
部近傍に形成されたP型不純物層5と酸化膜2Aを介して
形成されたゲート電極7とからなるPN接合ダイオードが
形成されている。N型高濃度不純物層6の底部に形成さ
れたP型不純物層5の不純物濃度は、所望のブレークダ
ウン電圧(クランプ電圧)となるようにコントロールす
る。また、ゲート電極7については、P型Si基板1の表
面のN型低濃度不純物層4とP型Si基板1にてブレーク
ダウンさせないよう、接合部の上部に形成し、正の電位
を与え空乏層を拡げるようにする。
本第1の実施例におけるPN接合ダイオードは、次のよ
うな工程により形成することが可能となる。
まず、P型Si基板1に選択酸化を行ないフィールド酸
化膜2を形成し、さらにダイオードとなる素子領域には
薄い酸化膜を形成する。
次に、例えばAs原子のイオン注入及びアニールにより
接合の深さが0.4〜0.6μmのN型高濃度不純物層6を形
成する。0.6μm以上の深さであってもよいが、イオン
注入エネルギーが強くなり、結晶欠陥が発生する等の不
都合がある。次に、例えばリン原子のイオン注入及びア
ニールにより接合の深さが0.2〜0.3μmのN型低濃度不
純物層4を形成する。次に、例えばボロン原子のイオン
注入及びアニールによりP型不純物層5を形成する。こ
の時、P型不純物層5はN型高濃度不純物層6の底部に
設けるため通常よりはイオン注入時のエネルギーを上げ
200〜300keVで行なう必要がある。
この後、ポリシリコンのCVDによる成長、不純物原子
の導入とパターニングを行なうことにより、ゲート電極
7を形成し、更に、層間絶縁膜3、Al配線8を形成し
て、第1の実施例におけるPN接合ダイオードが実現可能
となる。
このように構成された第1の実施例によれば、N型高
濃度不純物層6とN型低濃度不純物層4とP型不純物層
5によりPN接合を形成し、ブレークダウン電圧をN型高
濃度不純物層6とP型不純物層5で決定させ、N型低濃
度不純物層4の表面の表面接合部上にゲート電極7を設
け正にバイアスすることで、ブレークダウン電圧の安定
化及び経時変化を極力小さくしたクランプ源用PN接合ダ
イオードを実現することができる。
第2図は本発明の第2の実施例の断面図である。
P型Si基板1中の不純物層については第1の実施例と
同じであり、引き出し電極をポリシリコンからなるゲー
ト電極7と共用したものである。クランプ源であるため
N型不純物層の方が当然正の電位になり、低濃度不純物
層4の表面の接合部上も正にバイアスされ表面での空乏
層は拡がる方向になり、表面でのブレークダウンを防止
できる。また、ダイオード領域上を電極で覆うことによ
り、他領域からのイオンの進入も完全に防ぐことが可能
となる利点がある。
上記実施例の説明においては、P型Si基板上のN型の
ダイオードについて説明したが、N型基板上のPウェル
内においてもまったく同様の効果を得ることができる。
さらにN型基板上のP型のダイオード、P型基板上のN
ウェル内のP型ダイオードについても、極性をまったく
逆にすることで、同様の効果が得られることも明らかで
ある。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明は、接合の深さの深い逆導
電型の第1の不純物拡散層と接合の深さの浅い逆導電型
の第2の不純物拡散層と第1の不純物拡散層の底部近傍
に形成された一導電型の第3の不純物拡散層によりPN接
合を形成し、ブレークダウン電圧を第1の不純物拡散層
と第3の不純物拡散層で決定させ、第2の不純物拡散層
の表面接合部上に絶縁膜を介してゲート電極を設け正に
バイアスすることにより、表面でのブレークダウン電圧
の安定化及び経時変化を極力小さくしたクランプ源用PN
接合ダイオードを有する半導体装置を実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例の断面図、第2図は本発
明の第2の実施例の断面図、第3図は従来のPN接合ダイ
オードを有する半導体装置の断面図である。 1,11……P型Si基板、2,12……フィールド酸化膜、2A…
…酸化膜、3,13……層間絶縁膜、4……N型低濃度不純
物層、5……P型不純物層、6……N型高濃度不純物
層、7……ゲート電極、8,18……Al配線、16……N型不
純物層。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一導電型半導体基板に形成された接合の深
    さが深い逆導電型の第1の不純物拡散層と、この第1の
    不純物拡散層を含む領域に形成され接合の深さが浅い逆
    導電型の第2の不純物拡散層と、前記第1の不純物拡散
    層の底部近傍に形成された一導電型の第3の不純物拡散
    層と、前記半導体基板表面における前記第2の不純物拡
    散層と半導体基板との接合部上に酸化膜を介して形成さ
    れたゲート電極とを含むことを特徴とする半導体装置。
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