JP2816999B2 - 難燃性防湿フィルム - Google Patents

難燃性防湿フィルム

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は難燃性防湿フィルムに関するものであり、詳
しくは、透明で且つ高い難燃性を有し、水蒸気等のガス
を殆んど透過しない高度な防湿性能を有する積層プラス
チックフィルムに関するものである。
本発明の防湿フィルムは、液晶ディスプレイのバック
ライト用EL素子等のパッケージフィルムとして好適であ
る。
〔従来技術〕
液晶表示素子は、低消費電力駆動が可能であるという
最大の特徴を活かし、OA機器をはじめとする各種分野で
多用されている。
一方、有機分散型のエレクトロルミネセンス(EL)素
子は、薄型、軽量の特徴を活かし、液晶表示素子用の安
価な平面発光のバックライト(補助光源)として用途が
広がりつつある。この有機分散型EL素子は、ZnS:Mn、Zn
S:Cuなどの蛍光物質を含み、その発光輝度が吸湿により
著しく損なわれるため、防湿性能の優れた透明なフィル
ムによりパッケージされて使用される。
従来、上記有機分散型EL素子のパッケージには、フッ
素化樹脂フィルム、特に、ポリ塩化三フッ化エチレン
(PCTFE)を主体にした積層フィルムが、優れた防湿性
能、透明性を有するところから奨用されている。
上記有機分散型EL素子用パッケージフィルムとして
は、一般には、厚さが70〜300μm程度のPCTFEフィルム
に、ヒートシール用のシーラントとして厚さが20〜100
μm程度のポリオレフィンを積層したフィルムが使用さ
れており、このフィルムは、水蒸気を殆ど透過しないと
ころから、既存の透明なプラスチックフィルムでは最も
防湿性能が優れたものであると言われている。
また、最近では、透明なプラスチック基体フィルムの
表面に、金属酸化物、特に、ケイ素あるいはアルミニウ
ム系の透明な酸化物薄膜を設けた透明プラスチックフィ
ルムが、ガスバリヤ性の包装材として商品化されてい
る。
しかしながら、フッ素化樹脂フィルム、特にポリ塩化
三フッ化エチレン(PCTFE)を主体にした積層フィルム
は、極めて高価であるために、バックライトの製造コス
トが高くなるという問題がある。加えて、PCTFEを主体
にした積層フィルムでは、雰囲気の温度が50℃を越える
とその防湿性能がかなり劣化するため、高温下でのEL素
子の寿命が極端に短くなるという問題がある。
また、表面に金属酸化物の透明な薄膜を設けた透明プ
ラスチックフィルムは、現状のままでは防湿性能が充分
ではなく、有機分散型EL素子のパッケージフィルムとし
て使用できるまでには至っていない。
一方、OA機器等におけるプラスチックの使用において
は、その難燃性の改善は、プラスチックの使用量の増大
に伴い強く要望されている現状にある。特に、EL素子は
電気部品として使用されるために、そのパッケージフィ
ルムには難燃性が要求されている。
このような理由から、難燃性の要求を満足し、液晶デ
ィスプレイの製造コストダウンおよび性能アップを目的
とした、バックライト用の有機分散型EL素子のパッケー
ジフィルムとして、PCTFEよりも安価で防湿性能の優れ
た透明なプラスチックフィルムの開発が望まれていた。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その
目的とするところは、優れた透明性と防湿性を有し、強
度および経済性の面でも優れ、しかも、難燃性の要求を
満足し得る積層プラスチックフィルムを提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記課題解決のために鋭意検討の結
果、特定のポリビニルアルコールフィルム上にケイ素酸
化物薄膜を形成したフィルムが、優れた透明性および防
湿性を有すると共に、このフィルムを、ケイ素酸化物薄
膜を表面に形成した他の透明なプラスチックフィルムで
保護することにより、高温、多湿な雰囲気下でも安定し
た防湿性能を長期間に亘って持続するとの知見を得た。
本発明は、上記知見を基にし、更に、難燃性の要求に
応えるべく検討を重ねた結果、完成されたものであり、
その要旨は、下記の通り定義される第1層(A)、第2
層(B)及び第3層(C)からなり、第1層の一方の面
に第2層が、第1層の他方の面に第3層が接合されてい
ることを特徴とする難燃性防湿フィルムに存する。
(a)第1層(A)は、ケン化度99モル%以上のポリビ
ニルアルコールよりなる基体フィルムとその少なくとも
片面に形成された透明なケイ素酸化物薄膜とより構成さ
れる透明積層フィルムの単層体または積層体からなる。
(b)第2層(B)は、ポリビニルアルコール以外の透
明プラスチックフィルムの単層体または積層体で構成さ
れてなり、少なくとも1層のフィルムの少なくとも片面
には透明なケイ素酸化物薄膜が形成され、しかも、いず
れか1層のフィルムは、ASTM D−2863に準拠した測定法
による酸素指数が22以上の難燃性プラスチックフィルム
を2層以上含み、そのうちの1層は、第1層(A)に第
2層(B)を接合した際に外表面として露出するよう
に、最外層に位置している。
(c)第3層(C)は、シール可能な樹脂層からなる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の防湿フィルムは、前記のように定義される第
1層(A)、第2層(B)及び第3層(C)からなり、
第1層(A)の一方の面に第2層(B)が、他方の面に
第3層(C)が接合されて構成される。
先ず、上記の各層について順次説明する。
(1) 第1層(A) 本発明に係る防湿フィルムにおいて、第1層(A)
は、ケン化度99モル%以上のポリビニルアルコール(以
下、「PVA」と略記する)よりなる基体フィルムとその
少なくとも片面に形成された透明なケイ素酸化物薄膜
(以下、「SO薄膜」と略記する)とより構成される透明
積層フィルムの単層体または積層体からなる。
PVAフィルム表面に形成されるSO薄膜中のケイ素酸化
物のケイ素の結合エネルギーは、この薄膜の厚み方向に
対し特異な値を示し、PVAフィルム近傍部において表層
部や中央部より大きなエネルギーを有し、このため、PV
Aフィルム以外のフィルムの表面に形成されたSO薄膜に
比し、特別に高度の防湿性能を発揮するものと推定され
る。
基体のPVAフィルムは、ケン化度が99モル%であるPVA
からなることが必要である。99モル%未満のケン化度の
PVAからなるフィルムでは、このフィルムの表面にSO薄
膜を形成しても優れた防湿性能は得られない。
PVAフィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムで
もよいが、フィルム強度および防湿性能の点から、延伸
フィルム、特に、3×3倍程度延伸された二軸延伸フィ
ルムが好ましい。また、その厚さは、5〜400μmの範
囲で選ぶことができる。中でも10〜200μmの範囲で選
ぶのが好ましい。
PVAフィルム表面に形成されるSO薄膜は、フィルムの
片面だけに形成しても、両面に形成しても構わないが、
高度の防湿性能を長期に保持させるには、むしろ、保護
層として機能する第2層(B)を積層すべき面だけに形
成した方がよい。
SO薄膜の形成は、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、また
は、それらの混合物等を蒸着原料とし、真空蒸着法、ス
パッタリング法またはイオンプレーティング法のいずれ
かの方法により行うことができる。その外にも、蒸着原
料としてケイ素、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、また
は、それらの混合物等を用い、酸素ガスを供給しながら
行なう反応蒸着法も採用することができる。
SO薄膜の形成に先立って、薄膜とフィルムの接着強度
を上げるため、アンカーコート剤を使用することも可能
である。好適なアンカーコート剤としては、イソシアネ
ート系、ポリエチレンイミン系、有機チタン系などの接
着促進剤およびポリウレタンポリエステル系などの接着
剤をあげることができる。また、アンカーコート剤とし
て、ポリエチレン系、ポリエステル系、ポリアミド系の
無溶剤タイプの接着剤を使用してもよい。
なお、SO薄膜は、10重量%以下であればその中に不純
物として、カルシウム、マグネシウム又はそれらの酸化
物等が混入していても、目的とする防湿フィルムの防湿
性能の極端な低下は認められない。
SO薄膜の厚さは、100〜5000Åの範囲で選ぶのがよ
い。SO薄膜の厚さが100Å未満であると、防湿性能が不
十分であり、また5000Åを越えると、フィルムにカール
が発生して問題となったり、透明な薄膜自体に亀裂や剥
離が生じ易いので好ましくない。
なお、この第1層(A)は、前記PVAフィルムの片面
に透明なSO薄膜を有する透明積層フィルム1枚からなる
単層体または透明積層フィルム2枚以上を透明な接着剤
を用いて接合した積層体のいずれであってもよい。この
場合に用いることのできる接着剤としては、ウレタン
系、アクリル系、ポリエステル系等のものをあげること
ができる。
(2) 第2層(B) 本発明においては、前記第1層(A)の一方の面、好
ましくは、SO薄膜側の面に、第2層(B)が接合され
る。
第2層(B)は、保護層として機能し、PVA以外の透
明プラスチックのフィルムの積層体からなる。そして、
第2層(B)は、これを構成する少なくとも1層のフィ
ルムの少なくとも片面にはSO薄膜が形成され、しかも、
ASTM D−2863に準拠した測定法による酸素指数が22以上
の難燃性プラスチック(以下、「難燃性プラスチック」
と略記する)のフィルムを2層以上含み、そのうちの1
層は、第1層(A)に第2層(B)を接合した際に外表
面に露出するように、最外層に位置している。
PVA以外の透明プラスチックのフィルムは、特に限定
はされないが、ポリプロピレン、プロピレン系共重合
体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリ塩化ビニール、ポリエチレン等、吸湿性
の少ないプラスチックよりなる二軸延伸フィルムが好適
に使用される。
一方、本発明で規定する難燃性透明プラスチックのフ
ィルムは、これも、特に限定されないが、代表的には、
ナイロン−6等のポリアミド、ノリル、ポリカーボネー
ト、ポリスルホン、三酢化アセテート等のフィルムが挙
げられる。
また、上記難燃性プラスチックには、それ自体では本
発明で規定する難燃性プラスチックにはなり得ないが、
難燃化剤を単独で又は助剤と共に配合して難燃性を付与
されたプラスチックも、それが透明性を有している以上
は、難燃性透明プラスチックとして使用し得る。このよ
うなものの例としては、代表的には、難燃性の付与され
たポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート等がある。更にまた、前記の難燃性透明プラスチ
ックに、透明性を損わない範囲で難燃剤等を配合し、よ
り高い酸素指数を付与してもよい。
第2層(B)は、上記のようなプラスチックフィルム
積層体で構成され、積層体を構成する際の接合用接着剤
としては、前記のウレタン系、アクリル系、ポリエステ
ル系等の接着剤を用いることができる。
第2層(B)は、これを構成する少なくとも1層の透
明プラスチックフィルムの少なくとも片面にSO薄膜を形
成し、透明積層フィルムとして使用する。そして、難燃
性透明プラスチックフィルムにSO薄膜を形成して透明積
層フィルムとするのが好ましい。SO薄膜の形成は、PVA
フィルム表面にSO薄膜を形成する前述の方法により行う
ことができる。
第2層(B)は、前記難燃性透明プラスチックフィル
ムを2層以上含み、2層以上の難燃性透明プラスチック
フィルムの1層を最外層に位置させ、そして、第2層
(B)は、斯かる最外層の難燃性透明プラスチックフィ
ルムが外表面として露出するように、第1層(A)に接
合される。このような層構造により、高い難燃性効果が
達成され、しかも、SO薄膜自体を引っ掻きや押し潰しか
ら保護でき、その結果、該SO薄膜の破損により懸念され
る防湿性能の低下の問題を同時に解決し得る。
また、第2層(B)の最外層難燃性プラスチックフィ
ルムは、次の式で定義されるその剛性指数が15kg/mm以
上であることが好ましい。
Im=E×t (式中、Imは剛性指数を意味し、EはASTM D−638に準
拠して測定したフィルムの引張弾性率(kg/mm2)を表
し、tは厚さ(mm)を表す) 上記のように、最外層難燃性プラスチックフィルムを
高剛性にすることにより、例えば、EL素子封止時におけ
るSO薄膜の破損の恐れがなくなり、SO薄膜破損による防
湿性能の低下を防止でき、また、仕上り・寸法安定性が
良好となり、液晶ディスプレイのバックライト用のみな
らば、自動車や照射用途に使用可能なEL素子用のパッケ
ージフィルムとして使用することもできる。
なお、最外層難燃性プラスチックフィルムを高剛性フ
ィルムとする場合、該フィルムの厚みは200μm以下と
するのが好ましい。
(3) 第3層(C) 本発明においては、第1層(A)の他方の面、好まし
くはPVAフィルム側の面に、第3層(C)が接合され
る。
第3層(C)は、シーラントとして機能し、ヒートシ
ール、超音波シール、高周波シール等の従来公知のシー
ル方法でシール可能な樹脂層からなる。
ヒートシールは、特に、比較的安価な設備により簡単
にシールできることから、好適に使用される。ヒートシ
ール可能な樹脂としては、低密度ポリエチレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、エチレン−
アクリル酸塩共重合体(アイオノマー)等の一般的なも
のを使用できるが、EL素子用のパッケージフィルム等高
度な防湿の用途には、シール面からの透湿を防ぐ意味か
ら、エチレン−アクリル酸共重合(EAA)、エチレン−
エチルアクリレート(EEA)が好ましい。
次に、前記各層を接合した積極構造について説明す
る。
第1層(A)面に第2層(B)及び第3層(C)を接
合する場合には、ウレタン系接着剤、アクリル系接着
剤、ポリエステル系接着剤などを用いるドライラミネー
ト法または押出ラミネート法など、公知の方法を採用す
ることができる。また、第3層(C)としてフィルムを
接合する場合、このフィルムは未延伸のもの又は一軸ま
たは二軸に延伸したもののいずれであってもよい。更
に、第3層(C)の積層順序は、第1層(A)のSO薄膜
形成の前でも、後でもかまわない。
なお、第3層(C)は、上記の外、接着剤を使用せず
に、第1層(A)に対し、好ましくはPVAフィルム面に
対し、押出コートにより設けることもできる。
包装する内容物によっては、防湿フィルムの性能とし
て防湿性能以外に紫外線遮断能が必要とされるが、本発
明による防湿フィルムでは必要に応じて紫外線遮断性能
を付与することが可能である。
例えば、上記の各層の接合の際に、接着剤層に紫外線
及び吸収能を有する物質を添加しておくことにより、紫
外線遮断能を有する防湿フィルムを得るとができる。使
用する紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン、ベンゾトリア
ゾール系など市販のものが1種或は何種類か組合せて用
いられ、必要とされる紫外線吸収能によって紫外線吸収
剤の使用量が決められる。なお、紫外線遮断能は、層
(A)〜(C)形成フィルムとして紫外線吸収能を有す
る物質を配合したものを使用することによっても付与す
ることができることはいうまでもない。
本発明に係る防湿フィルムにおいては、第2層(B)
と第3層(C)の合計の厚さは5〜400μmの範囲が好
ましく、また、全体の厚さは、強度、柔軟性、経済性な
どの点から50〜500μmの範囲が好ましく、より好まし
くは100〜300μmの厚さである。接着剤層を除いた各層
の厚さの比(A):(B):(C)は1:1〜10:1〜10で
あることが好ましい。
なお、第1層(A)と第2層(B)との間、または第
1層と第3層(C)との間に、全体の厚さ調整のため
に、透明なプラスチックフィルムを介在させることもで
きる。介在させるプラスチックフィルムは、透明である
ば特に限定されないが、第2層(B)を形成するプラス
チックフィルムと同種のものが好適に使用される。介在
させるプラスチックフィルムの厚さは、防湿フィルム全
体の厚さとの関係で選択される。
次に、本発明に係る防湿フィルムの層構造の具体例に
ついて説明する。
第1〜4図は、本発明の難燃性防湿フィルムの具体的
構造例を示す断面図である。
なお、以下の説明において、「SO薄膜」は透明なSO薄
膜を意味し、「フィルム」は特に断わりがない限り、本
発明で規定する難燃性透明プラスチックフィルムを意味
する。
第1図は、本発明に係る防湿フィルムの基本的構造を
示すものである。
第1層(A)は、PVAフィルム(1)の片面にSO薄膜
(2)を形成した透明積層フィルムの単層体からなる。
第2層(B)は、フィルム(3)の片面にSO薄膜
(4)を形成した透明積層フィルムのフィルム(3)側
に、フィルム(5)の片面にSO薄膜(6)を形成した透
明積層フィルムがSO薄膜(6)を内側にして接着剤層
(a)を介して接合されている。
そして、第1層(A)のSO薄膜(2)側に、第2層
(B)がSO薄膜(4)を内側にして接着剤合層(a)を
介して接合され、更に、PVAフィルム(1)側に、シー
ル可能な樹脂よりなる第3層(C)が接着剤層(a)を
介して接合されている。
第2図は、他の構造例を示し、第1図のものと異なる
点は、第2層中(B)に、SO薄膜が1層しか形成されて
いない点である。
すなわち、第2図中の第2層(B)においては、フィ
ルム(3)の片面にSO薄膜(4)を形成した透明積層フ
ィルムのSO薄膜(4)側に、SO薄膜を形成していないフ
ィルム(5)が接着剤層(a)を介して接合されてい
る。そして、この積層構造体よりなる第2層(B)がフ
ィルム(3)を内側にして接着剤層(a)を介して第1
層(A)のSO薄膜(2)側に接合されている。
第3図は、更に他の構造例を示し、第1図および第2
図のものと異なる点は、第2層(B)として、更に1枚
の非難燃性透明プラスチックフィルムを加えて3枚の透
明プラスチックフィルムを含む積層構造体とした点であ
る。
すなわち、第3図中の第2層(B)においては、フィ
ルム(3)の片面にSO薄膜(4)を形成した透明積層フ
ィルムのSO薄膜(4)側に、非難燃性透明プラスチック
フィルム(5)の片面にSO薄膜(6)を形成した透明積
層フィルムがフィルム(5)側を内側にして接着剤
(a)を介して接合され、SO薄膜(6)側に、SO薄膜を
形成していないフィルム(7)が接着剤層(a)を介し
て接合されている。そして、この積層構造体よりなる第
2層(B)がフィルム(3)側を内側にして接着剤層
(a)を介して第1層(A)のSO薄膜(2)側に接合さ
れている。
第4図は、更に他の構造例を示し、第3図の構造例に
おいて、第1層(A)として積層構造体を用いた例であ
る。
すなわち、PVAフィルム(1)の片面にSO薄膜(2)
を形成した2枚の透明積層フィルムを接着剤層(a)を
介して接合して積層構造体となし、この積層構造体より
なり第1層(A)のSO薄膜(2)側に、第3図の構造例
における3層構造体からなる第2層(B)がフィルム
(3)側を内側にして接着剤層(a)を介して接合され
た構造となっている。
本発明に係る防湿フィルムは、第2層(B)の特定位
置に難燃性透明プラスチックを使用して難燃性の向上を
図るものであるが、基本的機能の防湿性は、第1層
(A)のPVAフィルム表面に形成したSO薄膜が、第2層
(B)で保護されることにより実現される。
そして、上記の優れた防湿性は、次のような作用に基
づいて発現されるものと推定される。
すなわち、一般に、PVAフィルム表面に形成したSO薄
膜のケイ素の結合エネルギーは、フィルム近傍部におい
て表層部や中央部より大きなエネルギーを持ち、斯かる
SO薄膜を形成したPVAフィルムは、常温下では優れた防
湿性能を有する。しかし、高温、多湿の雰囲気下では、
PVAフィルムが吸収し、寸法変化を起こすことにより表
面のSO薄膜が破壊され、せっかくの防湿性が損なわれ
る。この問題は、PVAフィルム保護フィルムで保護する
ことによって解決されようが、通常のフィルム、或はPV
DCフィルム、PVDCをコーティングしたフィルム等では高
湿時の防湿性能の劣化が著しくて、50℃以上ではPVAフ
ィルムの吸湿防止効果はほとんど期待できない。これに
対して、本発明で第2層(B)として使用するSO薄膜を
有するプラスチックを含む透明積層フィルムは、高温領
域での防湿性能の劣化がごくわずかであるため、高温領
域でも第1層(A)の透明フィルムを有効に保護して、
SO薄膜を形成したPVAフィルムの優れた防止性能が高温
でも保持できると考えられる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例および比較例により、更に詳細
に説明する。
なお、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
また、以下の諸例において、得られたフィルムの
(1)透明度、(2)仕上り・寸法安定性、(3)難燃
性および(4)透明性は、次の方法によって測定したも
のである。また、ケイ素酸化物の透明な薄膜の厚さは、
水晶式膜厚計によって測定した。
(1) 透湿度(gr/m2・24H) 所定の防湿フィルムから、70×70mmの3方シール(シ
ール幅5mm)の袋を作成し、該袋の中に、EL素子の代替
として、吸湿性の強い絶乾状態の厚紙を入れ、2本の加
熱ゴムロールの間を通して残りの1辺をシールし、厚紙
封入サンプルとした。なお、シール条件は、加熱温度12
0℃、ロール圧力10kg/cmとした。
上記の厚紙封入サンプルを夫々10個ずつ50℃×90%RH
の雰囲気下に約500時間放置し、全体の重量変化から防
湿フィルムの透湿度を求めた。
(2) 仕上り・寸法安定性 前記の厚紙封入サンプルを定盤の上に置き、定盤面か
ら厚紙封入サンプルのソリの高さを測定し、これを仕上
り・寸法安定性とした。
(3) 難燃性 所定の防湿フィルム2枚の間に、EL素子の代替とし
て、アルミニウム板(厚さ1.0mm、幅10mm、長さ125mm)
を挟み込み、フィルムの4辺をヒートシールすることに
より、1/2″×5″(外寸)のAl板封入試験片を作成す
る。
上記Al板入試験片を用い、UL94規格に準拠した燃焼試
験を実施した。
(4) 透明性(%) 日立製作所製の分光光度計を用いて可視光におけるフ
ィルムの光線透過率を測定し、550nmにおける光線透過
率をフィルムの透明性とした。
実施例1 本実施例で使用したフィルムは次の通りである。
フィルム(A): ケン化度99.9モル%のPVAフィルム(延伸倍率3×3
倍、二軸延伸、厚さ12μ)の表面に、5×105Torrの真
空下、電子ビーム加熱方式で、純度99.9%の一酸化ケイ
素(SiO)を加熱蒸発させて、PVA基体フィルムの片面
に、厚さ1000Åのケイ素酸化物の透明な薄膜を形成させ
て、透明積層フィルム(A)とした。
フィルム(B−1a): ナイロン−6のフィルム(延伸倍率3×3倍、二軸延
伸、厚さ15μm、酸素指数26.4)の片面に、上記と同じ
方法により、厚さ1000Åのケイ素酸化物を形成させて、
透明積層フィルム(B−1a)とした。
フィルム(B−1b): ポリエチレンテレフタレートのフィルム(延伸倍率3
×3倍、二軸延伸、厚さ12μm、酸素指数20.0)の片面
に、上記と同じ方法により、厚さ1000Åのケイ素酸化物
を形成させて、透明積層フィルム(B−1b)とした。
フィルム(B−2): 難燃性の付与された二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートのフィルム(延伸倍率3×3倍、E=400kg/mm2、I
m=40kg/mm、厚さ100μm、酸素指数41.5)をフィルム
(B−2)とした。
シーラントフィルム: エチレン−アクリル酸エチル樹脂の無延伸フィルム
(厚さ100μm) 先ずフィルム(A)のSO薄膜面とフィルム(B−1a)
の非SO薄膜面同志をウレタン計接着剤(以下、「接着
剤」と略記する)を用いて接合し、次いで、フィルム
(B−1a)のSO薄膜面とフィルム(B−1b)の非SO薄膜
面同志を接着剤を用いて接合し、3層積層フィルムとし
た。
上記3層積層フィルムにおいて、フィルム(B−1b)
のSO薄膜面にフィルム(B−2)を接着剤を用いて接合
して最外層を形成し、また、フィルム(A)側にシーラ
ントフィルムを接着剤を用いて接合し、第3図に示すよ
うな、透明な5層構造の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムについて、前述の方法により、
透湿度、仕上り・寸法安定性、難燃性および透明性を測
定し、その結果を第−2表に示す。
実施例2〜6及び比較例1〜4 上記実施例1の方法に従い、主として、フィルム(B
−1a)、(B−1b)及び(B−2)の種類,厚みを変更
した外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
但し、比較例5では、ケン化度94.0モル%のPVAを使用
した。
得られた各積層フィルムの構成を表−1に示し、各物
性値の測定結果を表−2に示す。
なお、各積層フィルムにおけるシーラントフィルムは
実施例1と同一であり、表−1には記載を省略してあ
る。
また、表−1中、「PVA」は実施例1の延伸ポリビニ
ルアルコールフィルム、「Ny」は実施例1の延伸ナイロ
ン−6フィルム、「Noryl」は未入延伸ノリルフィル
ム、「PC」は未延伸ポリカーボネートフィルム、「PE
T」は実施例1の延伸ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム、「PVF」は未延伸ポリビニルフロライドフィル
ム、「PP」は延伸ポリプロピレンフィルムを表わす。
表−2の結果から明らかなように、第2層(B)とし
て、酸素指数22以上の難燃性透明プラスチックフィルム
を2層含み、且つ、そのうちの1層には外表面に露出す
る最外層フィルム(B−2)となされている積層構造体
を用いることにより、UL94規格に合格する防湿性フィル
ムが得られる。
〔発明の効果〕 本発明に係る防湿フィルムは、UL94規格を満足する難
燃性を有した上で透明性に優れ、かつ、極めて優れた防
湿性を有するものである。そして、柔軟性があって、強
度及び経済性の面でも優れたものである。また、苛酷な
条件で長期間使用されても防湿性能が損なわれることは
ない。
従って、苛酷な条件下で長期間に亘って使用される液
晶ディスプレイのバックライン用EL素子等のパッケージ
フィルムなど高度な防湿性能が要求される用途に好適で
あり、その工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
第1〜4図は、いずれも本発明による防湿フィルムの具
体的構造例を示す断面図である。 A……第1層、B……第2層、C……第3層 1……ポリビニルアルコールフィルム 2,4,6……ケイ素酸化物薄膜 3,5,7……透明プラスチックフィルム a……接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−184127(JP,A) 特開 平2−258251(JP,A) 特開 平1−95038(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 7/00 - 9/00 B32B 27/30

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の通り定義される第1層(A)、第2
    層(B)及び第3層(C)からなり、第1層の一方の面
    に第2層が、第1層の他方の面に第3層が接合されてい
    ることを特徴とする難燃性防湿フィルム。 (a)第1層(A)は、ケン化度99モル%以上のポリビ
    ニルアルコールよりなる基体フィルムとその少なくとも
    片面に形成された透明なケイ素酸化物薄膜とより構成さ
    れる透明積層フィルムの単層体または積層体からなる。 (b)第2層(B)は、ポリビニルアルコール以外の透
    明プラスチックフィルムの積層体で構成されてなり、少
    なくとも1層のフィルムの少なくとも片面には透明なケ
    イ素酸化物薄膜が形成され、しかも、ASTM D−2863に準
    拠した測定法による酸素指数が22以上の難燃性プラスチ
    ックフィルムを2層以上含み、そのうち1層は、第1層
    (A)に第2層(B)を接合した際に外表面として露出
    するように、最外層に位置している。 (c)第3層(C)は、シール可能な樹脂層からなる。
  2. 【請求項2】第2層(B)に含まれる難燃性プラスチッ
    クフィルムの少なくとも1層は、少なくとも片面にケイ
    素酸化物薄膜を有するフィルムであることを特徴とする
    請求項第1項記載の難燃性防湿フィルム。
  3. 【請求項3】第2層(B)の最外層難燃性プラスチック
    フィルムは、次の式で定義されるその剛性指数が15kg/m
    m以上であることを特徴とする請求項第1項ないしは第
    2項のいずれかに記載の難燃性防湿フィルム。 Im=E×t (式中、Imは剛性指数を意味し、EはASTM D−638に準
    拠して測定したフィルムの引張弾性率(kg/mm2)を表
    し、tは厚さ(mm)を表す)
  4. 【請求項4】ケイ素酸化物薄膜は、真空蒸着法、スパッ
    タリング法、イオンプレーティング法のいずれかの方法
    によって形成されたものであることを特徴とする請求項
    第1項ないしは第3項のいずれかに記載の難燃性防湿性
    フィルム。
  5. 【請求項5】基体フィルムの厚さは5〜400μmの範
    囲、ケイ素酸化物薄膜の厚さは100〜5000Åの範囲、第
    2層(B)と第3層(C)との合計厚さは5〜400μm
    の範囲であることを特徴とする請求項1項ないしは第4
    項のいずれかに記載の難燃性防湿フィルム。
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