JP2816890B2 - 小型艇用2サイクルエンジン - Google Patents
小型艇用2サイクルエンジンInfo
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B75/00—Other engines
- F02B75/02—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
- F02B2075/022—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
- F02B2075/025—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
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- Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、艇体内にエンジンを備える水ジェット推進
船等の小型艇用2サイクルエンジンに関する。
船等の小型艇用2サイクルエンジンに関する。
[従来の技術] 従来、水ジェット推進艇等の小型艇に搭載される2サ
イクルエンジンとして、オイルタンクとオイルポンプを
付帯的に備え、オイルタンク内の潤滑油をオイルポンプ
によりエンジン側の吸気供給通路或いはエンジン各部へ
圧送するようにしたものがある。
イクルエンジンとして、オイルタンクとオイルポンプを
付帯的に備え、オイルタンク内の潤滑油をオイルポンプ
によりエンジン側の吸気供給通路或いはエンジン各部へ
圧送するようにしたものがある。
この時、上述のオイルポンプはオイルタンクの下方に
配置され、該ポンプのオイル吸込性を向上可能としてい
る。
配置され、該ポンプのオイル吸込性を向上可能としてい
る。
[発明が解決しようとする課題] 然しながら、上記従来の2サイクルエンジンにあって
は、艇体が転倒すると、オイルタンクとオイルポンプの
上下位置が逆転する。このため、艇体が倒立状態或いは
横転状態から正立状態に戻されるまでの間オイルタンク
とオイルポンプとをつないでいるオイル供給通路の途中
の潤滑油がオイルタンクに逆流し、同時にタンク内の空
気がオイル供給通路に侵入する。
は、艇体が転倒すると、オイルタンクとオイルポンプの
上下位置が逆転する。このため、艇体が倒立状態或いは
横転状態から正立状態に戻されるまでの間オイルタンク
とオイルポンプとをつないでいるオイル供給通路の途中
の潤滑油がオイルタンクに逆流し、同時にタンク内の空
気がオイル供給通路に侵入する。
一方、エンジンは艇体が転倒すると同時に停止する
か、倒立状態に維持されると自然に停止するように構成
される。そして艇体が姿勢復帰して該エンジンが運転再
開する時、オイルポンプが上記通路内に侵入した空気を
吸込んで潤滑油を吐出せず、結果としてエンジンの焼き
付けをひき起こす虞れがある。
か、倒立状態に維持されると自然に停止するように構成
される。そして艇体が姿勢復帰して該エンジンが運転再
開する時、オイルポンプが上記通路内に侵入した空気を
吸込んで潤滑油を吐出せず、結果としてエンジンの焼き
付けをひき起こす虞れがある。
又、オイルポンプとオイルタンクとの間に、オイル供
給通路からオイルポンプに侵入した空気をオイルタンク
の上部空間に戻す空気戻り管を、該オイル供給通路と並
列に設けることも考えられる。
給通路からオイルポンプに侵入した空気をオイルタンク
の上部空間に戻す空気戻り管を、該オイル供給通路と並
列に設けることも考えられる。
然しながら、この空気戻り管を備える場合に、艇体が
転倒した時、転倒タンク内油面が転倒空気戻り管内油面
より高いと、この油面の差によるヘッド圧が空気戻り管
内の空気をオイルポンプ側に押し込み、ひいては該空気
をオイルポンプの吸込口側にまで押し上げる虞れがあ
る。そして、艇体が姿勢復帰してオイルポンプが作動開
始すると、オイルポンプは上記吸込口に滞溜している上
記空気を吸込んで潤滑油を吐出せず、この場合にもエン
ジンの焼き付けを引き起こす虞れがある。
転倒した時、転倒タンク内油面が転倒空気戻り管内油面
より高いと、この油面の差によるヘッド圧が空気戻り管
内の空気をオイルポンプ側に押し込み、ひいては該空気
をオイルポンプの吸込口側にまで押し上げる虞れがあ
る。そして、艇体が姿勢復帰してオイルポンプが作動開
始すると、オイルポンプは上記吸込口に滞溜している上
記空気を吸込んで潤滑油を吐出せず、この場合にもエン
ジンの焼き付けを引き起こす虞れがある。
又、上述の空気戻り管を備えたとしても、艇体が転倒
した後に姿勢復帰してエンジンが運転再開する時、オイ
ルタンクからオイル供給通路を経てオイルポンプに侵入
することとなる空気は、必ずしも速やかに空気戻り管の
側に排除できない。これは、オイル供給通路からオイル
ポンプのオイル取入路に到達した空気が、該ポンプ内
におけるオイル取入路から空気戻り管が接続されている
空気抜き口に至る空気抜き経路の通路抵抗に拒まれた
り、該空気抜き経路の途中にあるオイル吸込み口から
ポンプ室に吸い込まれてオイル吐出口の側に吐出されて
しまう等の可能性があるからである。
した後に姿勢復帰してエンジンが運転再開する時、オイ
ルタンクからオイル供給通路を経てオイルポンプに侵入
することとなる空気は、必ずしも速やかに空気戻り管の
側に排除できない。これは、オイル供給通路からオイル
ポンプのオイル取入路に到達した空気が、該ポンプ内
におけるオイル取入路から空気戻り管が接続されている
空気抜き口に至る空気抜き経路の通路抵抗に拒まれた
り、該空気抜き経路の途中にあるオイル吸込み口から
ポンプ室に吸い込まれてオイル吐出口の側に吐出されて
しまう等の可能性があるからである。
本発明は、艇体の転倒時にオイルタンク内の空気がオ
イルポンプ側へ侵入することを防止し、オイルポンプが
常に安定的に潤滑油を吐出することを目的とする。
イルポンプ側へ侵入することを防止し、オイルポンプが
常に安定的に潤滑油を吐出することを目的とする。
本発明は、艇体の転倒時に空気戻り管内の空気がオイ
ルポンプ側へ侵入することを防止し、オイルポンプが常
に安定的に潤滑油を吐出することを目的とする。
ルポンプ側へ侵入することを防止し、オイルポンプが常
に安定的に潤滑油を吐出することを目的とする。
本発明は、艇体の転倒後の姿勢復帰時に、オイルタン
クからオイル供給通路を経てオイルポンプに侵入した空
気を速やかに空気戻り管の側に排除し、オイルポンプが
常に安定的に潤滑油を吐出することを目的とする。
クからオイル供給通路を経てオイルポンプに侵入した空
気を速やかに空気戻り管の側に排除し、オイルポンプが
常に安定的に潤滑油を吐出することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 請求項1に記載の本発明は、オイルタンクとオイルポ
ンプを付帯的に備え、オイルポンプをオイルタンクの下
方に配置し、オイルタンク内の潤滑油をオイルポンプに
よりエンジン側へ圧送するように構成した小型艇用2サ
イクルエンジンにおいて、艇体転倒時におけるオイルタ
ンクからオイルポンプへの空気の移動を防止する空気侵
入防止器を、オイルタンクとオイルポンプとを結ぶオイ
ル供給通路に配置したものである。
ンプを付帯的に備え、オイルポンプをオイルタンクの下
方に配置し、オイルタンク内の潤滑油をオイルポンプに
よりエンジン側へ圧送するように構成した小型艇用2サ
イクルエンジンにおいて、艇体転倒時におけるオイルタ
ンクからオイルポンプへの空気の移動を防止する空気侵
入防止器を、オイルタンクとオイルポンプとを結ぶオイ
ル供給通路に配置したものである。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の小型艇
用2サイクルエンジンにおいて、オイルポンプとオイル
タンクとを連通する空気戻り管を設け、空気侵入防止器
からオイルタンクを含んで、空気戻り管とオイルタンク
との連通部の内最上部までのタンク側全容積と、空気侵
入防止器からタンク上端までの最大オイル収容容積とを
考えた上で、天地を逆転した時、天地逆転時に最下部と
なる上記最上部を基準として、上記タンク側全容積に最
大オイル収容容積を占めさせる際に形成されるタンク側
逆転オイル面で空気戻り管を切断するとした場合に、タ
ンク側逆転オイル面からオイルポンプまでの空気戻り管
内容積(V1)が、該タンク側逆転オイル面から前記最上
部までの空気戻り管内容積(V2)より大となるように設
定したものである。
用2サイクルエンジンにおいて、オイルポンプとオイル
タンクとを連通する空気戻り管を設け、空気侵入防止器
からオイルタンクを含んで、空気戻り管とオイルタンク
との連通部の内最上部までのタンク側全容積と、空気侵
入防止器からタンク上端までの最大オイル収容容積とを
考えた上で、天地を逆転した時、天地逆転時に最下部と
なる上記最上部を基準として、上記タンク側全容積に最
大オイル収容容積を占めさせる際に形成されるタンク側
逆転オイル面で空気戻り管を切断するとした場合に、タ
ンク側逆転オイル面からオイルポンプまでの空気戻り管
内容積(V1)が、該タンク側逆転オイル面から前記最上
部までの空気戻り管内容積(V2)より大となるように設
定したものである。
請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載の小型艇
用2サイクルエンジンにおいて、オイルポンプとオイル
タンクとを連通する空気戻り管を設け、空気戻り管にオ
イルポンプ側からタンク側への空気及びオイルの流れを
許容するとともに、逆方向の流れを防止する逆止弁を配
置するようにしたものである。
用2サイクルエンジンにおいて、オイルポンプとオイル
タンクとを連通する空気戻り管を設け、空気戻り管にオ
イルポンプ側からタンク側への空気及びオイルの流れを
許容するとともに、逆方向の流れを防止する逆止弁を配
置するようにしたものである。
請求項4に記載の本発明は、請求項1に記載の小型艇
用2サイクルエンジンにおいて、オイルポンプとオイル
タンクとを連通する空気戻り管を設け、オイルポンプ
に、オイルタンクからのオイル供給通路が接続されるオ
イル取入路と、オイル取入路に連通するとともにポンプ
室に間欠的に連通するオイル吸込み口と、オイル吐出通
路が接続されるとともにポンプ室に間欠的に連通するオ
イル吐出口と、オイル取入路に連通するとともに空気戻
り管が接続される空気抜き口を設けるに際し、オイル取
入路から空気抜き口に向かう空気抜き経路を略上方に向
けて延設し、オイル取入路からオイル吸込み口に向かう
オイル吸込み経路を上記空気抜き経路に交差する方向に
向けて延設したものである。
用2サイクルエンジンにおいて、オイルポンプとオイル
タンクとを連通する空気戻り管を設け、オイルポンプ
に、オイルタンクからのオイル供給通路が接続されるオ
イル取入路と、オイル取入路に連通するとともにポンプ
室に間欠的に連通するオイル吸込み口と、オイル吐出通
路が接続されるとともにポンプ室に間欠的に連通するオ
イル吐出口と、オイル取入路に連通するとともに空気戻
り管が接続される空気抜き口を設けるに際し、オイル取
入路から空気抜き口に向かう空気抜き経路を略上方に向
けて延設し、オイル取入路からオイル吸込み口に向かう
オイル吸込み経路を上記空気抜き経路に交差する方向に
向けて延設したものである。
[作用] 請求項1に記載の本発明によれば、艇体が転倒した
時、オイルポンプがオイルタンクの上方に位置すること
となるが、空気侵入防止器の存在により、タンク内の空
気がオイル供給通路を経てポンプ側へ侵入することを防
止できる。従って、オイルポンプは、空気を吸込んで潤
滑油を吐出しないことがなく、常に安定的に潤滑油を吐
出できる。
時、オイルポンプがオイルタンクの上方に位置すること
となるが、空気侵入防止器の存在により、タンク内の空
気がオイル供給通路を経てポンプ側へ侵入することを防
止できる。従って、オイルポンプは、空気を吸込んで潤
滑油を吐出しないことがなく、常に安定的に潤滑油を吐
出できる。
請求項2に記載の本発明によれば、下記(A)〜
(D)にて立証する如く、艇体が転倒した時、転倒タン
ク内油面(L4)が転倒空気戻り管内油面(L4′)より高
くなることがなく、結果として、空気戻り管内の空気が
転倒タンク内油面ヘッド圧によりオイルポンプ側に押し
込まれることがない。従って、オイルポンプは、空気を
吸込んで潤滑油を吐出しないことがなく、常に安定的に
潤滑油を吐出できる。尚、第12図(A)は正立時の模式
図、第12図(B)は転倒時の模式図である。
(D)にて立証する如く、艇体が転倒した時、転倒タン
ク内油面(L4)が転倒空気戻り管内油面(L4′)より高
くなることがなく、結果として、空気戻り管内の空気が
転倒タンク内油面ヘッド圧によりオイルポンプ側に押し
込まれることがない。従って、オイルポンプは、空気を
吸込んで潤滑油を吐出しないことがなく、常に安定的に
潤滑油を吐出できる。尚、第12図(A)は正立時の模式
図、第12図(B)は転倒時の模式図である。
(A)正立時のタンク内充満油面レベルをL1、この充満
油面の天地逆転時のレベルをL2とする。これらのL1、L2
はタンク配置により固有となる。
油面の天地逆転時のレベルをL2とする。これらのL1、L2
はタンク配置により固有となる。
そして、本発明にあっては、上記L2で空気戻り管66を
切断した場合に、L2からオイルポンプ42までの空気戻り
管内容積をV1、上記L2から空気戻り管68とオイルタンク
41との連通部(オイル戻り防止器82)までの空気戻り管
内容積をV2とし、V1>V2と設定した。
切断した場合に、L2からオイルポンプ42までの空気戻り
管内容積をV1、上記L2から空気戻り管68とオイルタンク
41との連通部(オイル戻り防止器82)までの空気戻り管
内容積をV2とし、V1>V2と設定した。
(B)空気侵入防止器81からオイルタンク41上端までの
最大オイル収容容積TVに対し、オイルを消費した状態
(油面レベルはL3)のタンク側オイル量Tvは、 Tv<TV=T V1+T V3 …(1) である。T V1は空気侵入防止器81からL2までの容積、T
V3はL1とL2の間の容積である。この時、空気戻り管66の
オイル量はAvである。
最大オイル収容容積TVに対し、オイルを消費した状態
(油面レベルはL3)のタンク側オイル量Tvは、 Tv<TV=T V1+T V3 …(1) である。T V1は空気侵入防止器81からL2までの容積、T
V3はL1とL2の間の容積である。この時、空気戻り管66の
オイル量はAvである。
(3)天地逆転した時のタンク側油面レベル(L4)は、
L2より低く、L1より高い。
L2より低く、L1より高い。
何故ならば、 T V1+T V3=T V3+T V4=T V2 …(2) であり、T V1=T V4である。T V2はL2とオイル防止戻り
器82との間の容積、T V4はL1とオイル戻り防止器82との
間の容積である。今、正立時のL3が容積TaだけL1より低
いとすれば、 Tv=T V1+T V3−Ta …(3) であり、このTvは天地逆転後も不変である。
器82との間の容積、T V4はL1とオイル戻り防止器82との
間の容積である。今、正立時のL3が容積TaだけL1より低
いとすれば、 Tv=T V1+T V3−Ta …(3) であり、このTvは天地逆転後も不変である。
従って、 Tv−T V4=T V1+T V3−Ta−T V4 =TV3−Ta>0 …(4) よって、 Tv>T V4 …(5) 又、 Tv−(T V4+T V3)=−Ta<0 …(6) よって、 Tv<T V4+T V3 …(7) である。(5)式、(7)式より、L4はL1とL2の間にく
る。
る。
(D)正立時、L3までオイルがあり、この時の空気戻り
管66内のオイル量をAvとする。Av>V1である。この量の
差をvxとすると、 Av=V1+vx …(8) となる。天地逆転時の空気戻り管66内のオイル油面レベ
ル(L4′)もAvで定まる。
管66内のオイル量をAvとする。Av>V1である。この量の
差をvxとすると、 Av=V1+vx …(8) となる。天地逆転時の空気戻り管66内のオイル油面レベ
ル(L4′)もAvで定まる。
この時、V1>V2が成立しているから、Av−V2>0とな
る。即ち、V4′はL2より必ず上位にくる。そして、L4は
上記(C)より、L2より必ず下位にくる。
る。即ち、V4′はL2より必ず上位にくる。そして、L4は
上記(C)より、L2より必ず下位にくる。
従って、本発明によれば、艇体の転倒時、転倒タンク
内油面(L4)が転倒空気戻り管内油面(L4′)より高く
なることがないことが証明された。L4とL4′のレベル差
は、第12図(B)において△Lで示した。
内油面(L4)が転倒空気戻り管内油面(L4′)より高く
なることがないことが証明された。L4とL4′のレベル差
は、第12図(B)において△Lで示した。
請求項3に記載の本発明によれば、艇体転倒時におい
て、逆止弁とオイルポンプの間へタンク側のオイルが浸
入することがなく、結果として、空気戻り管内の空気が
オイルポンプ側に押し込まれることがない。従って、オ
イルポンプは、空気を吸い込んで潤滑油を吐出しないこ
とがなく、常に安定的に潤滑油を吐出できる。
て、逆止弁とオイルポンプの間へタンク側のオイルが浸
入することがなく、結果として、空気戻り管内の空気が
オイルポンプ側に押し込まれることがない。従って、オ
イルポンプは、空気を吸い込んで潤滑油を吐出しないこ
とがなく、常に安定的に潤滑油を吐出できる。
請求項4に記載の本発明によれば、オイル取入路から
空気抜き口に向かう空気抜き経路が略真直上方に延設さ
れていて通路抵抗小であるから、空気抜けが容易とな
る。又、空気抜き経路の途中にオイル吸込み口が存在す
るものでないから、空気抜き経路の途上にある空気がオ
イル吸込み口からポンプ室の側に吸込まれてしまって空
気戻り管の側に排出されない如くの現象を回避できる。
よって、艇体の転倒後の姿勢復帰時に、オイルタンクか
らオイル供給通路を経てオイルポンプに侵入した空気
を、上述の空気抜き経路にて速やかに空気戻り管の側に
排除できる。従って、オイルポンプは、空気を吸込んで
潤滑油を吐出しないことがなく、常に安定的に潤滑油を
吐出できる。
空気抜き口に向かう空気抜き経路が略真直上方に延設さ
れていて通路抵抗小であるから、空気抜けが容易とな
る。又、空気抜き経路の途中にオイル吸込み口が存在す
るものでないから、空気抜き経路の途上にある空気がオ
イル吸込み口からポンプ室の側に吸込まれてしまって空
気戻り管の側に排出されない如くの現象を回避できる。
よって、艇体の転倒後の姿勢復帰時に、オイルタンクか
らオイル供給通路を経てオイルポンプに侵入した空気
を、上述の空気抜き経路にて速やかに空気戻り管の側に
排除できる。従って、オイルポンプは、空気を吸込んで
潤滑油を吐出しないことがなく、常に安定的に潤滑油を
吐出できる。
[実施例] 第1図は水ジェット推進艇の一例を示す側面図、第2
図は第1図の要部断面図、第3図は第2図のエンジンを
一部破断して示す正面図、第4図は第2図のエンジンを
一部破断して示す側面図、第5図は第4図のオイルポン
プまわりを示す断面図、第6図は第5図のオイルポンプ
内部構造を示す断面図、第7図は第5図のオイルポンプ
外観を示す側面図、第8図は空気侵入防止器の一例を示
す断面図、第9図は空気侵入防止器の他の例を示す断面
図、第10図はオイル戻り防止器の一例を示す断面図、第
11図はオイル戻り防止器の他の例を示す断面図である。
図は第1図の要部断面図、第3図は第2図のエンジンを
一部破断して示す正面図、第4図は第2図のエンジンを
一部破断して示す側面図、第5図は第4図のオイルポン
プまわりを示す断面図、第6図は第5図のオイルポンプ
内部構造を示す断面図、第7図は第5図のオイルポンプ
外観を示す側面図、第8図は空気侵入防止器の一例を示
す断面図、第9図は空気侵入防止器の他の例を示す断面
図、第10図はオイル戻り防止器の一例を示す断面図、第
11図はオイル戻り防止器の他の例を示す断面図である。
水ジェット推進艇10は、第1図、第2図に示す如く、
艇体11の内部に2気筒を有する2サイクルエンジン12を
配置し、艇体11の外部の後方下部に水噴射ユニット13を
配置し、エンジン12と水噴射ユニット13のインペラ14と
を伝動軸15によって連結している。即ち、エンジン12と
水噴射ユニット13とで水ジェット推進装置を形成する。
16は座席、17はハンドル装置である。
艇体11の内部に2気筒を有する2サイクルエンジン12を
配置し、艇体11の外部の後方下部に水噴射ユニット13を
配置し、エンジン12と水噴射ユニット13のインペラ14と
を伝動軸15によって連結している。即ち、エンジン12と
水噴射ユニット13とで水ジェット推進装置を形成する。
16は座席、17はハンドル装置である。
エンジン12は、第3図に示す如く、防振ゴム18を介し
て、艇体11のベッド19に据付けられる。エンジン12は、
クランクケース20、シリンダブロック21、シリンダヘッ
ド22によってエンジン本体を構成している。
て、艇体11のベッド19に据付けられる。エンジン12は、
クランクケース20、シリンダブロック21、シリンダヘッ
ド22によってエンジン本体を構成している。
エンジン12は、第3図、第4図に示す如く、このエン
ジン本体に支持されているクランク軸23の一端部にフラ
イホイール押さえボルト24によってフライホイールマグ
ネト25を固定し、フライホイールマグネト25を覆うカバ
ー26を固定ボルト27によりエンジン本体に取り付けてい
る。
ジン本体に支持されているクランク軸23の一端部にフラ
イホイール押さえボルト24によってフライホイールマグ
ネト25を固定し、フライホイールマグネト25を覆うカバ
ー26を固定ボルト27によりエンジン本体に取り付けてい
る。
エンジン12は、クランク軸23の他端部に継手28を介し
て伝動軸15のエンジン側端部を結合している。エンジン
12には、気化器29Aを備える吸気系配管29が接続される
とともに、排気系配管30が継続されている。尚、第2図
において、30Aは排気箱、30Bは排気ホース、30Cは排気
膨張室を兼ねる水逆流防止箱、30Dは排気ホースであ
る。又、第3図において、31は掃気口、32は排気口であ
る。
て伝動軸15のエンジン側端部を結合している。エンジン
12には、気化器29Aを備える吸気系配管29が接続される
とともに、排気系配管30が継続されている。尚、第2図
において、30Aは排気箱、30Bは排気ホース、30Cは排気
膨張室を兼ねる水逆流防止箱、30Dは排気ホースであ
る。又、第3図において、31は掃気口、32は排気口であ
る。
水噴射ユニット13は、艇体11の後側外面底部に設けら
れる凹部11Aに装着され、伝動軸15に固定されて推力を
発生する前記インペラ14、インペラ14の周囲に設けられ
るケーシング33、ケーシング33に後続する操舵ノズル34
からなっている。ケーシング33の内部におけるインペラ
14の下流側には固定翼35が設けられている。尚、第2図
において、36は冷却水導入管である。
れる凹部11Aに装着され、伝動軸15に固定されて推力を
発生する前記インペラ14、インペラ14の周囲に設けられ
るケーシング33、ケーシング33に後続する操舵ノズル34
からなっている。ケーシング33の内部におけるインペラ
14の下流側には固定翼35が設けられている。尚、第2図
において、36は冷却水導入管である。
又、艇体11の内部のエンジン12に対する前方部には、
点火コイルが内蔵される電装箱37が設置されている。38
は点火プラグである。
点火コイルが内蔵される電装箱37が設置されている。38
は点火プラグである。
然るに、水ジェット推進艇10は、オイルタンク41とオ
イルポンプ42を付帯的に備えている。オイルタンク41
は、第2図、第3図に示す如く、艇体11の内部のエンジ
ン12に対する側方部に配置され、潤滑油を収容してい
る。オイルタンク41は、補給用キャップ43とフィルタ兼
オイルレベル検出器44を備えている。フィルタ兼オイル
レベル検出器44は、タンク内に補給された潤滑油を濾過
してオイル供給口45に流出可能とする筒状フィルタ46
と、フィルタ46の内部においてタンク内油面レベルの変
化に追随して上下動するフロート47と、タンク内に定め
た警報レベルまで低下したフロート47が備える磁石によ
り作動せしめられる警報出力用リードスイッチ48を有し
て構成される。
イルポンプ42を付帯的に備えている。オイルタンク41
は、第2図、第3図に示す如く、艇体11の内部のエンジ
ン12に対する側方部に配置され、潤滑油を収容してい
る。オイルタンク41は、補給用キャップ43とフィルタ兼
オイルレベル検出器44を備えている。フィルタ兼オイル
レベル検出器44は、タンク内に補給された潤滑油を濾過
してオイル供給口45に流出可能とする筒状フィルタ46
と、フィルタ46の内部においてタンク内油面レベルの変
化に追随して上下動するフロート47と、タンク内に定め
た警報レベルまで低下したフロート47が備える磁石によ
り作動せしめられる警報出力用リードスイッチ48を有し
て構成される。
オイルポンプ42は、第4図に示す如く、前述したフラ
イホイールマグネト25のカバー26に取付けられ、クラン
ク軸23の端部に後に詳述する如くに連結して駆動され
る。即ち、オイルポンプ42は、艇体11が正立している状
態下でオイルタンク41の下方に配置され、オイルタンク
41内の潤滑油をオイル供給管51から吸込み、第1と第2
の2本のオイル吐出管52、53を経てエンジン12の2つの
気筒の吸気系配管29へ圧送する。各吐出管52、53の中間
部には逆止弁52A、53Aが設けられている。
イホイールマグネト25のカバー26に取付けられ、クラン
ク軸23の端部に後に詳述する如くに連結して駆動され
る。即ち、オイルポンプ42は、艇体11が正立している状
態下でオイルタンク41の下方に配置され、オイルタンク
41内の潤滑油をオイル供給管51から吸込み、第1と第2
の2本のオイル吐出管52、53を経てエンジン12の2つの
気筒の吸気系配管29へ圧送する。各吐出管52、53の中間
部には逆止弁52A、53Aが設けられている。
オイルポンプ42は、第5図〜第7図に示す如く、ポン
プハウジング54の嵌着部54Aを前記カバー26の嵌着口26A
に嵌着する状態で位置決め固定される。
プハウジング54の嵌着部54Aを前記カバー26の嵌着口26A
に嵌着する状態で位置決め固定される。
オイルポンプ42は、クランク軸23に連結して駆動され
る被動軸55、被動軸55に噛合うポンプ軸56、オイル供給
管51が接続されるオイル取入路51A、オイル取入路51Aに
連通するオイル吸込み口57、第1と第2の各オイル吐出
管52、53が接続される第1と第2のオイル吐出口58、5
9、ポンプ軸56の偏心位置に形成されて該ポンプ軸56の
回転に伴いオイル吸込み口57、オイル吐出口58、59に順
次連通するポンプ室60、ポンプ軸56のポンプ室60に装着
されて該ポンプ室60を拡縮するように往復動できるプラ
ンジャ61、ポンプ室60から突出しているプランジャ61の
突出端部を押動できるカム面62Aを備えポンプ軸56の回
転時に該プランジャ61を該ポンプ室60内にて往復動せし
めるカム板62、プランジャ61の突出端部寄りに装着され
るサークリップ63、ポンプ軸56と上記サークリップ63の
間に介装されて該プランジャ61をカム板62のカム面62A
に常時押圧せしめるスプリング64とを有して構成され
る。58P、59Pは埋め栓である。
る被動軸55、被動軸55に噛合うポンプ軸56、オイル供給
管51が接続されるオイル取入路51A、オイル取入路51Aに
連通するオイル吸込み口57、第1と第2の各オイル吐出
管52、53が接続される第1と第2のオイル吐出口58、5
9、ポンプ軸56の偏心位置に形成されて該ポンプ軸56の
回転に伴いオイル吸込み口57、オイル吐出口58、59に順
次連通するポンプ室60、ポンプ軸56のポンプ室60に装着
されて該ポンプ室60を拡縮するように往復動できるプラ
ンジャ61、ポンプ室60から突出しているプランジャ61の
突出端部を押動できるカム面62Aを備えポンプ軸56の回
転時に該プランジャ61を該ポンプ室60内にて往復動せし
めるカム板62、プランジャ61の突出端部寄りに装着され
るサークリップ63、ポンプ軸56と上記サークリップ63の
間に介装されて該プランジャ61をカム板62のカム面62A
に常時押圧せしめるスプリング64とを有して構成され
る。58P、59Pは埋め栓である。
これにより、オイルポンプ42は、ポンプ軸56が一回転
すると、プランジャ61がカム板62により行程Aだけ移動
してオイル吸込み口57から潤滑油を吸込むとともに、各
吐出口58、59から1/2A行程分づつの潤滑油を吐出する。
すると、プランジャ61がカム板62により行程Aだけ移動
してオイル吸込み口57から潤滑油を吸込むとともに、各
吐出口58、59から1/2A行程分づつの潤滑油を吐出する。
尚、オイルポンプ42は、オイル供給管51から侵入した
空気を排出せしめるための空気抜き口65を備え、この空
気抜き口65を空気戻り管66によりオイルタンク41の上部
に設けた空気戻り口67に連通せしめている。
空気を排出せしめるための空気抜き口65を備え、この空
気抜き口65を空気戻り管66によりオイルタンク41の上部
に設けた空気戻り口67に連通せしめている。
従って、オイルポンプ42にあっては、艇体11の転倒後
の姿勢復帰時に、オイルタンク41からオイル供給管51を
経て侵入してくる空気は、オイル取入路51Aを上方に浮
上した後、オイル取入路51Aの上端部から水平に延びる
オイル吸込み兼空来抜き経路57Aを経て、更に被動軸55
とポンプ軸56のギヤ室を通過し、空気抜き口65に到達
し、ひいては空気戻り管66からオイルタンク41の側に排
出せしめられる。
の姿勢復帰時に、オイルタンク41からオイル供給管51を
経て侵入してくる空気は、オイル取入路51Aを上方に浮
上した後、オイル取入路51Aの上端部から水平に延びる
オイル吸込み兼空来抜き経路57Aを経て、更に被動軸55
とポンプ軸56のギヤ室を通過し、空気抜き口65に到達
し、ひいては空気戻り管66からオイルタンク41の側に排
出せしめられる。
ここで、オイルポンプ42の被動軸55は、以下の如くに
て、クランク軸23の端部に連結される。即ち、フライホ
イール押さえボルト24は、ボルト本体71の頭部に設けた
凹部にカップ状のゴムダンパ72を接合し、更にこのゴム
ダンパ72の凹部にポンプ駆動子73を接合し、ポンプ駆動
子73に係合溝74を備えることにて構成されている。そし
て、オイルポンプ42の被動軸55は、上記係合溝74に係合
する係合突片部75を備え、係合突片部75を係合溝74に係
合せしめることにて、クランク軸23の端部に連結され
る。
て、クランク軸23の端部に連結される。即ち、フライホ
イール押さえボルト24は、ボルト本体71の頭部に設けた
凹部にカップ状のゴムダンパ72を接合し、更にこのゴム
ダンパ72の凹部にポンプ駆動子73を接合し、ポンプ駆動
子73に係合溝74を備えることにて構成されている。そし
て、オイルポンプ42の被動軸55は、上記係合溝74に係合
する係合突片部75を備え、係合突片部75を係合溝74に係
合せしめることにて、クランク軸23の端部に連結され
る。
更に、オイルタンク41とオイルポンプ42とを結ぶ上述
のオイル供給管51の中間部には、第2図、第3図、第8
図に示す如く、空気侵入防止器81が介在されている。こ
こで、空気侵入防止器81は、第2図、第3図に示す如
く、オイルタンク41よりもの下方かつオイルポンプ42よ
りも上方に配置されるとともに、前記フライホイールマ
グネト25のカバー26の前方近傍に配置される。そして、
空気侵入防止器81は、容器81Aの一端部にオイルタンク
側接続口81Bを備えるとともに、容器81Aの他端部にオイ
ルポンプ側接続口81Cを備え、オイルポンプ側接続口81C
に設けられるオイル導入筒部81Dを容器内空間に突出せ
しめている。
のオイル供給管51の中間部には、第2図、第3図、第8
図に示す如く、空気侵入防止器81が介在されている。こ
こで、空気侵入防止器81は、第2図、第3図に示す如
く、オイルタンク41よりもの下方かつオイルポンプ42よ
りも上方に配置されるとともに、前記フライホイールマ
グネト25のカバー26の前方近傍に配置される。そして、
空気侵入防止器81は、容器81Aの一端部にオイルタンク
側接続口81Bを備えるとともに、容器81Aの他端部にオイ
ルポンプ側接続口81Cを備え、オイルポンプ側接続口81C
に設けられるオイル導入筒部81Dを容器内空間に突出せ
しめている。
これにより、艇体11の正立時には、空気侵入防止器81
は第8図(a)に示す如くの姿勢を保ち、オイルタンク
41から供給される潤滑油をオイルタンク側接続口81Bか
ら容器81Aの内部に導き、その後オイル導入筒部81D、オ
イルポンプ側接続口81Cを経てオイルポンプ42の側へ供
給せしめる。
は第8図(a)に示す如くの姿勢を保ち、オイルタンク
41から供給される潤滑油をオイルタンク側接続口81Bか
ら容器81Aの内部に導き、その後オイル導入筒部81D、オ
イルポンプ側接続口81Cを経てオイルポンプ42の側へ供
給せしめる。
そして、艇体11の転倒時には、空気侵入防止器81は第
8図(b)に示す如くの姿勢となり、オイルポンプ42側
のオイル供給管51の途中にあった潤滑油はオイルポンプ
側接続口81C、オイル導入筒部81Dから容器81Aの内部、
オイルタンク側接続口81Bを経てオイルタンク41に僅か
づつ逆流する。一方、オイルタンク41内の空気はオイル
が逆流した分オイルタンク側接続口81Bから容器81Aの上
部空間に浮上しオイル導入筒部81Dの周囲に滞溜する。
即ち、空気侵入防止器81は、この滞溜空気が先端部が容
器81Aを略中央部で開口するオイル導入筒部81D、オイル
ポンプ側接続口81Cを経てオイルポンプ42の側へ侵入す
ることを阻止する。
8図(b)に示す如くの姿勢となり、オイルポンプ42側
のオイル供給管51の途中にあった潤滑油はオイルポンプ
側接続口81C、オイル導入筒部81Dから容器81Aの内部、
オイルタンク側接続口81Bを経てオイルタンク41に僅か
づつ逆流する。一方、オイルタンク41内の空気はオイル
が逆流した分オイルタンク側接続口81Bから容器81Aの上
部空間に浮上しオイル導入筒部81Dの周囲に滞溜する。
即ち、空気侵入防止器81は、この滞溜空気が先端部が容
器81Aを略中央部で開口するオイル導入筒部81D、オイル
ポンプ側接続口81Cを経てオイルポンプ42の側へ侵入す
ることを阻止する。
そして、正立姿勢に戻され、エンジンを直ちに始動し
てもオイル供給管51中には空気は侵入していないので、
オイル切れを起こすことはない。そして、正立姿勢にお
いて容器81A中の空気は浮上してオイルタンクに徐々に
戻り第8図(a)の状態に戻る。
てもオイル供給管51中には空気は侵入していないので、
オイル切れを起こすことはない。そして、正立姿勢にお
いて容器81A中の空気は浮上してオイルタンクに徐々に
戻り第8図(a)の状態に戻る。
尚、本実施例の空気侵入防止器81においては、転倒時
間が短い、或いは長いとしても、逆流するオイル量に比
べ容器81Aの高さを十分に取れば、オイル導入筒部81D先
端部がオイル中に浸漬する高さ(図中a)が確保される
ので、転倒中エンジンが停止しないで運転を継続してい
ても、オイル切れを起こすことはない。
間が短い、或いは長いとしても、逆流するオイル量に比
べ容器81Aの高さを十分に取れば、オイル導入筒部81D先
端部がオイル中に浸漬する高さ(図中a)が確保される
ので、転倒中エンジンが停止しないで運転を継続してい
ても、オイル切れを起こすことはない。
尚、上述のオイル供給管51の中間部に設けられる空気
侵入防止器81は、第9図に示す空気侵入防止器91によっ
て代替できる。空気侵入防止器91は、容器91Aの一端部
にオイルタンク側接続口91Bを備えるとともに、容器91A
の中間側面部にオイルポンプ側接続口91Cを備え、容器9
1Aにころがり自在のボール弁91Dを収容している。
侵入防止器81は、第9図に示す空気侵入防止器91によっ
て代替できる。空気侵入防止器91は、容器91Aの一端部
にオイルタンク側接続口91Bを備えるとともに、容器91A
の中間側面部にオイルポンプ側接続口91Cを備え、容器9
1Aにころがり自在のボール弁91Dを収容している。
これにより、艇体11の正立時には、空気侵入防止器91
は第9図に示す如くの姿勢を保ち、オイルタンク41から
供給された潤滑油をオイルタンク側接続口91Bから容器9
1Aの内部、オイルポンプ側接続口91Cを経てオイルポン
プ42の側へ供給せしめる。
は第9図に示す如くの姿勢を保ち、オイルタンク41から
供給された潤滑油をオイルタンク側接続口91Bから容器9
1Aの内部、オイルポンプ側接続口91Cを経てオイルポン
プ42の側へ供給せしめる。
他方、艇体11の転倒時には、空気侵入防止器91は第9
図と上下を逆転し、オイルタンク側接続口91Bをボール
弁91Dにて閉塞する。そして、オイルポンプ42側のオイ
ル供給管51の途中にあった潤滑油がオイルタンク41に逆
流することをボール弁91Dにて阻止し、同時にオイルタ
ンク41内の空気がオイルポンプ42の側に侵入することを
ボール弁91Dにて阻止する。
図と上下を逆転し、オイルタンク側接続口91Bをボール
弁91Dにて閉塞する。そして、オイルポンプ42側のオイ
ル供給管51の途中にあった潤滑油がオイルタンク41に逆
流することをボール弁91Dにて阻止し、同時にオイルタ
ンク41内の空気がオイルポンプ42の側に侵入することを
ボール弁91Dにて阻止する。
又、オイルタンク41の空気戻り口67には、オイル戻り
防止器82が設けられている。オイル戻り防止器82は、第
10図に示す如く、取付具82Aにより空気戻り口67に固定
される連結管82Bを有し、連結管82Bの一端に空気戻り管
66を接続し、連結管82Bの他端にダックビルタイプの逆
止弁82Cを装着することにより構成されている。これに
より、オイル戻り防止器82は、艇体11の正立時には、オ
イルポンプ42に侵入した空気を前述の如く空気戻り管66
を経て逆止弁82Cからオイルタンク41の上部空間に戻
す。他方、オイル戻り防止器82は、艇体11の転倒時に、
もしそれがなければ、転倒時空気戻り管66内に流入する
オイルが空気をオイルポンプ42側へ一気に押し戻し、直
ちにオイルポンプ42は空気を吐出することになるが、逆
止弁82Cにより動圧を伴うオイルの空気戻り管66内への
流入を防止するので、空気戻り管66内では僅かづつ空気
とオイルの位置が逆転するのみであり、オイル切れは防
止される。尚、逆止弁82Cが艇体の正立状態にてオイル
タンク41より下方にあれば空気侵入防止器81の構成と相
まって転倒中の運転においてもオイル切れを起こすこと
はなくなる。
防止器82が設けられている。オイル戻り防止器82は、第
10図に示す如く、取付具82Aにより空気戻り口67に固定
される連結管82Bを有し、連結管82Bの一端に空気戻り管
66を接続し、連結管82Bの他端にダックビルタイプの逆
止弁82Cを装着することにより構成されている。これに
より、オイル戻り防止器82は、艇体11の正立時には、オ
イルポンプ42に侵入した空気を前述の如く空気戻り管66
を経て逆止弁82Cからオイルタンク41の上部空間に戻
す。他方、オイル戻り防止器82は、艇体11の転倒時に、
もしそれがなければ、転倒時空気戻り管66内に流入する
オイルが空気をオイルポンプ42側へ一気に押し戻し、直
ちにオイルポンプ42は空気を吐出することになるが、逆
止弁82Cにより動圧を伴うオイルの空気戻り管66内への
流入を防止するので、空気戻り管66内では僅かづつ空気
とオイルの位置が逆転するのみであり、オイル切れは防
止される。尚、逆止弁82Cが艇体の正立状態にてオイル
タンク41より下方にあれば空気侵入防止器81の構成と相
まって転倒中の運転においてもオイル切れを起こすこと
はなくなる。
尚、上述のオイル戻り防止器82は、第11図に示すオイ
ル戻り防止器92によって代替できる。オイル戻り防止器
92は、空気戻り口67に固定されるT字管92Aを有し、T
字管92Aの絞り付接続端92Bに空気戻り管66を接続され、
T字管92Aの逆止弁付接続端92Cに空気導入管92Dを接続
されている。これにより、オイル戻り防止器92は、艇体
11の正立時には、オイルポンプ42に侵入した空気を空気
戻り管66を経て絞り付接続端92Bからオイルタンク41の
上部空間に戻す。他方、オイル戻り防止器92は、艇体11
の転倒時に、空気戻り管66内の潤滑油がオイルタンク41
へ流入するのを絞り付接続端92Bの絞りにて阻止する。
尚、逆止弁付接続端92Cの逆止弁は、転倒時の潤滑油流
出を防止するとともに、正立航行時オイルの消費に合わ
せてタンク41内に空気を供給し、タンク内圧を大気圧に
保つものである。
ル戻り防止器92によって代替できる。オイル戻り防止器
92は、空気戻り口67に固定されるT字管92Aを有し、T
字管92Aの絞り付接続端92Bに空気戻り管66を接続され、
T字管92Aの逆止弁付接続端92Cに空気導入管92Dを接続
されている。これにより、オイル戻り防止器92は、艇体
11の正立時には、オイルポンプ42に侵入した空気を空気
戻り管66を経て絞り付接続端92Bからオイルタンク41の
上部空間に戻す。他方、オイル戻り防止器92は、艇体11
の転倒時に、空気戻り管66内の潤滑油がオイルタンク41
へ流入するのを絞り付接続端92Bの絞りにて阻止する。
尚、逆止弁付接続端92Cの逆止弁は、転倒時の潤滑油流
出を防止するとともに、正立航行時オイルの消費に合わ
せてタンク41内に空気を供給し、タンク内圧を大気圧に
保つものである。
次に、上記実施例の作用について説明する。
上記実施例によれば、艇体11が転倒した時、オイルポ
ンプ42がオイルタンク41の上方に位置することとなる
が、空気侵入防止器81の存在により、タンク41内の空気
がオイル供給通路51を経てポンプ42側へ侵入することを
防止できる。従って、オイルポンプ42は、空気を吸込ん
で潤滑油を吐出しないことがなく、常に安定的に潤滑油
を吐出できる。
ンプ42がオイルタンク41の上方に位置することとなる
が、空気侵入防止器81の存在により、タンク41内の空気
がオイル供給通路51を経てポンプ42側へ侵入することを
防止できる。従って、オイルポンプ42は、空気を吸込ん
で潤滑油を吐出しないことがなく、常に安定的に潤滑油
を吐出できる。
これにより、艇体11の転倒後もエンジン12が尚運転継
続する時にも、エンジン12が焼き付きをひき起こす虞れ
がない。又、艇体11の転倒後、運転者がハンドル装置17
から離れたことを条件にエンジン12が運転中断するよう
に構成されている場合であっても、該艇体11が姿勢復帰
して該エンジン12が運転再開する時、エンジン12の焼き
付きをひき起こす虞れがない。
続する時にも、エンジン12が焼き付きをひき起こす虞れ
がない。又、艇体11の転倒後、運転者がハンドル装置17
から離れたことを条件にエンジン12が運転中断するよう
に構成されている場合であっても、該艇体11が姿勢復帰
して該エンジン12が運転再開する時、エンジン12の焼き
付きをひき起こす虞れがない。
第12図はタンク内油面と空気戻り管内油面の関係を示
す模式図、第13図は水ジェット推進艇の要部側面図、第
14図はオイル戻り防止器を示す断面図、第15図は空気戻
り管の変形例を示す模式図、第16図はオイルタンクの変
形例を示す模式図である。
す模式図、第13図は水ジェット推進艇の要部側面図、第
14図はオイル戻り防止器を示す断面図、第15図は空気戻
り管の変形例を示す模式図、第16図はオイルタンクの変
形例を示す模式図である。
更に、水ジェット推進艇10にあっては、第12図〜第14
図において示す構成により、艇体11の運転時、オイルタ
ンク41内油面(L4)が空気戻り管66内油面(L4′)より
高くならないように設定してある。
図において示す構成により、艇体11の運転時、オイルタ
ンク41内油面(L4)が空気戻り管66内油面(L4′)より
高くならないように設定してある。
即ち、空気侵入防止器81からオイルタンク41を含ん
で、空気戻り管66とオイルタンク41との連通部となるオ
イル戻り防止器82の最上部までのタンク側全容積(T V1
+T V2)と、空気侵入防止器81からタンク41上端までの
最大オイル収容容積(TV)とを考えた上で、天地を逆
転した時、天地逆転時に最下部となる上記オイル戻り防
止器82を基準として、上記タンク側全容積(T V1+T V
2)に最大オイル収容容積(TV)を占めさせる際に形成
されるタンク側逆転オイル面(L2)で空気戻り管66を切
断するとした場合に、タンク側逆転オイル面(L2)から
オイルポンプ42までの空気戻り管内容積(V1)が、該タ
ンク側逆転オイル面(L2)からオイル戻り防止器82まで
の空気戻り管内容積(V2)より大となるように設定して
ある。尚、第12図において、100は前記逆止弁92Cと同一
機能を持つ逆止弁である。
で、空気戻り管66とオイルタンク41との連通部となるオ
イル戻り防止器82の最上部までのタンク側全容積(T V1
+T V2)と、空気侵入防止器81からタンク41上端までの
最大オイル収容容積(TV)とを考えた上で、天地を逆
転した時、天地逆転時に最下部となる上記オイル戻り防
止器82を基準として、上記タンク側全容積(T V1+T V
2)に最大オイル収容容積(TV)を占めさせる際に形成
されるタンク側逆転オイル面(L2)で空気戻り管66を切
断するとした場合に、タンク側逆転オイル面(L2)から
オイルポンプ42までの空気戻り管内容積(V1)が、該タ
ンク側逆転オイル面(L2)からオイル戻り防止器82まで
の空気戻り管内容積(V2)より大となるように設定して
ある。尚、第12図において、100は前記逆止弁92Cと同一
機能を持つ逆止弁である。
上述のV1>V2の設定により、艇体11の転倒時、オイル
タンク41内の油面(L4)がオイル戻り管66内の油面(L
4′)より高くならないことは、[作用]にて立証した
如くである。
タンク41内の油面(L4)がオイル戻り管66内の油面(L
4′)より高くならないことは、[作用]にて立証した
如くである。
従って、上記実施例によれば、艇体11の転倒時に、転
倒タンク内油面(L4)が転倒空気戻り管内油面(L4′)
より高くなることがなく、結果として、空気戻り管66内
の空気が転倒タンク41内油面ヘッド圧によりオイルポン
プ42側に押し込まれることがない。従って、オイルポン
プ42は、空気を吸込んで潤滑油を吐出しないことがな
く、常に安定的に潤滑油を吐出できる。
倒タンク内油面(L4)が転倒空気戻り管内油面(L4′)
より高くなることがなく、結果として、空気戻り管66内
の空気が転倒タンク41内油面ヘッド圧によりオイルポン
プ42側に押し込まれることがない。従って、オイルポン
プ42は、空気を吸込んで潤滑油を吐出しないことがな
く、常に安定的に潤滑油を吐出できる。
尚、上記実施例において、オイル戻り防止器82は、第
14図の如くであり、絞り82Hの存在により転倒時オイル
戻り管66内のオイルがオイルタンク41へ流入するのを防
止する。
14図の如くであり、絞り82Hの存在により転倒時オイル
戻り管66内のオイルがオイルタンク41へ流入するのを防
止する。
又、上記実施例にあっては、第12図、第13図に示す如
く、空気戻り管66をポンプ側戻り管66Aと、タンク側戻
り管66Bとに分割し、タンク側戻り管66Bの内径をポンプ
側戻り管66Aの内径より細くしてある。これにより、転
倒時、転倒空気戻り管内油面のレベル(L4′)を転倒タ
ンク内油面(L4)より高く位置せしめ、このレベル(L
4′)とレベル(L4)との差を可及的に大きく確保可能
とし、オイル戻り管66内の空気をオイルポンプ42の側に
押し込む危険性を確実に防止するものである。
く、空気戻り管66をポンプ側戻り管66Aと、タンク側戻
り管66Bとに分割し、タンク側戻り管66Bの内径をポンプ
側戻り管66Aの内径より細くしてある。これにより、転
倒時、転倒空気戻り管内油面のレベル(L4′)を転倒タ
ンク内油面(L4)より高く位置せしめ、このレベル(L
4′)とレベル(L4)との差を可及的に大きく確保可能
とし、オイル戻り管66内の空気をオイルポンプ42の側に
押し込む危険性を確実に防止するものである。
尚、上記転倒後空気戻り管内油面のレベル(L4′)を
転倒タンク内油面(L4)より高く位置せしめ、このレベ
ル(L4′)とレベル(L4)との差を大きくする他の構成
として、第15図の如く空気戻り管66の断面形状をオイ
ル戻り防止器82との連結側で小面積、オイルポンプ42と
の連結側で大面積となるように、その長手方向において
連続的もしくは段階的に変化させ、或いは、第16図の
如くオイルタンク41の断面形状をオイル戻り防止器82と
の連結側で大面積、空気侵入防止器81の側で小面積とな
るように、その長手方向において連続的もしくは段階的
に変化させるものであっても良い。
転倒タンク内油面(L4)より高く位置せしめ、このレベ
ル(L4′)とレベル(L4)との差を大きくする他の構成
として、第15図の如く空気戻り管66の断面形状をオイ
ル戻り防止器82との連結側で小面積、オイルポンプ42と
の連結側で大面積となるように、その長手方向において
連続的もしくは段階的に変化させ、或いは、第16図の
如くオイルタンク41の断面形状をオイル戻り防止器82と
の連結側で大面積、空気侵入防止器81の側で小面積とな
るように、その長手方向において連続的もしくは段階的
に変化させるものであっても良い。
尚、第13図に示すように、タンク側戻り管66Bをタン
クに沿って真直ぐ下方に伸ばすことにより長さを短く設
定し、ポンプ側戻り管66Aの配管にゆとりをもたせるこ
とにより、V1>V2となるよう設定しても良い。
クに沿って真直ぐ下方に伸ばすことにより長さを短く設
定し、ポンプ側戻り管66Aの配管にゆとりをもたせるこ
とにより、V1>V2となるよう設定しても良い。
第17図は空気戻り管の変形例を示す模式図である。
即ち、空気戻り管66において、オイルタンク41の下端
を通る水平面とオイルポンプ42との間の領域Bに、逆止
弁201を配置した。これにより、オイルポンプ42と逆止
弁201の間の空気戻り管66内には、使用中常にオイルが
満たされる。そして、艇体転倒時には、逆止弁201の存
在により、オイルタンク41の側からオイル或いは空気が
オイルポンプ42の側に流入することがなく、逆止弁201
とオイルポンプ42の間の空気戻り管66はオイルで満たさ
れた状態を維持する。尚、第17図において、202は前記
逆止弁92Cと同一機能を持つ逆止弁、203は絞りを持たな
い3方分岐管、204は注入口キャップである。
を通る水平面とオイルポンプ42との間の領域Bに、逆止
弁201を配置した。これにより、オイルポンプ42と逆止
弁201の間の空気戻り管66内には、使用中常にオイルが
満たされる。そして、艇体転倒時には、逆止弁201の存
在により、オイルタンク41の側からオイル或いは空気が
オイルポンプ42の側に流入することがなく、逆止弁201
とオイルポンプ42の間の空気戻り管66はオイルで満たさ
れた状態を維持する。尚、第17図において、202は前記
逆止弁92Cと同一機能を持つ逆止弁、203は絞りを持たな
い3方分岐管、204は注入口キャップである。
第18図はオイルポンプにおける空気抜き経路の変形例
を示す断面図、第19図は第18図のXIX−XIX線に沿う断面
図、第20図は第18図のXX−XX線に沿う断面図、第21図は
第18図のXXI−XXI線に沿う断面図である。
を示す断面図、第19図は第18図のXIX−XIX線に沿う断面
図、第20図は第18図のXX−XX線に沿う断面図、第21図は
第18図のXXI−XXI線に沿う断面図である。
第18図〜第21図のオイルポンプ42Aにおいて、前記オ
イルポンプ42と同一部分は同一符号を付してある。即
ち、このオイルポンプ42Aは、オイルタンク41と空気戻
り管66により連通されている。そして、オイルポンプ42
Aは、オイルタンク41からのオイル供給管51が接続され
るオイル取入路51Aと、オイル取入路51Aに連通するとと
もにポンプ室60に間欠的に連通するオイル吸込み口57
と、第1と第2のオイル吐出管52、53が接続されるとと
もにポンプ室60に間欠的に連通する第1と第2のオイル
吐出口58と59と、オイル取入路51Aに連通するとともに
空気戻り管66が接続される空気抜き口65Aを備えてい
る。
イルポンプ42と同一部分は同一符号を付してある。即
ち、このオイルポンプ42Aは、オイルタンク41と空気戻
り管66により連通されている。そして、オイルポンプ42
Aは、オイルタンク41からのオイル供給管51が接続され
るオイル取入路51Aと、オイル取入路51Aに連通するとと
もにポンプ室60に間欠的に連通するオイル吸込み口57
と、第1と第2のオイル吐出管52、53が接続されるとと
もにポンプ室60に間欠的に連通する第1と第2のオイル
吐出口58と59と、オイル取入路51Aに連通するとともに
空気戻り管66が接続される空気抜き口65Aを備えてい
る。
この時、オイルポンプ42Aは、前記オイルポンプ42と
異なり、オイル取入路51Aから空気抜き口65Aに向かう
空気抜き経路65Bを上方に向けて延設し、オイル取入
路51Aからオイル吸込み口57に向かうオイル吸込み経路5
7Bを上記空気抜き経路65Bに直交する水平方向に向けて
延設し、オイル吸込み経路57Bから、被動軸55とポン
プ軸56のギヤ室を経て空気抜き口65Aに連通するオイル
循環経路57Cを備えることとしている。被動軸55のウォ
ームとポンプ軸56のウォーム歯車の噛合い回転による歯
車ポンプ機能により、オイルが僅かにオイル吸込み経路
57Bからオイル循環経路57Cを経て空気抜き口65Aへ循環
する。
異なり、オイル取入路51Aから空気抜き口65Aに向かう
空気抜き経路65Bを上方に向けて延設し、オイル取入
路51Aからオイル吸込み口57に向かうオイル吸込み経路5
7Bを上記空気抜き経路65Bに直交する水平方向に向けて
延設し、オイル吸込み経路57Bから、被動軸55とポン
プ軸56のギヤ室を経て空気抜き口65Aに連通するオイル
循環経路57Cを備えることとしている。被動軸55のウォ
ームとポンプ軸56のウォーム歯車の噛合い回転による歯
車ポンプ機能により、オイルが僅かにオイル吸込み経路
57Bからオイル循環経路57Cを経て空気抜き口65Aへ循環
する。
尚、57P、57Rは埋め栓である。
上記オイルポンプ42Aによれば、艇体11の転倒後の姿
勢復帰時に、オイルタンク41からオイル供給管51を経て
侵入してくる空気は、オイル取入路51Aから空気抜き経
路65Bを経ることによりプランジャ61とカム板62とが押
接するカム室を通過し、空気口65Aに到達し、ひいては
空気戻り管66からオイルタンク41の側に排出せしめられ
る。又、オイル取入路51Aからオイルとともにオイル吸
込み経路57Bの側に流れ込む若干の空気は、オイル循環
経路57Cを経ることにより被動軸55とポンプ軸56のギヤ
室を通過し、空気抜き口65Aに合流する。
勢復帰時に、オイルタンク41からオイル供給管51を経て
侵入してくる空気は、オイル取入路51Aから空気抜き経
路65Bを経ることによりプランジャ61とカム板62とが押
接するカム室を通過し、空気口65Aに到達し、ひいては
空気戻り管66からオイルタンク41の側に排出せしめられ
る。又、オイル取入路51Aからオイルとともにオイル吸
込み経路57Bの側に流れ込む若干の空気は、オイル循環
経路57Cを経ることにより被動軸55とポンプ軸56のギヤ
室を通過し、空気抜き口65Aに合流する。
従って、上記オイルポンプ42Aによれば、オイル取入
路51Aから空気抜き口65Aに向かう空気抜き経路65Bが真
直上方に延設されていて通路抵抗小であるから、空気抜
けが容易となる。又、空気抜き経路65Bの途中にオイル
吸込み口57が存在するものでないから、空気抜き経路65
Bの途上にある空気がオイル吸込み口57からポンプ室60
の側に吸込まれてしまって空気戻り管66の側に排出され
ない如くの現象を回避できる。よって、艇体11の転倒後
の姿勢復帰時に、オイルタンク41からオイル供給管51を
経てオイルポンプ42Aに侵入した空気を、上述の空気抜
き経路65Bにて速やかに空気戻り管66の側に排除でき
る。従って、オイルポンプ42Aは、空気を吸込んで潤滑
油を吐出しないことがなく、常に安定的に潤滑油を吐出
できる。
路51Aから空気抜き口65Aに向かう空気抜き経路65Bが真
直上方に延設されていて通路抵抗小であるから、空気抜
けが容易となる。又、空気抜き経路65Bの途中にオイル
吸込み口57が存在するものでないから、空気抜き経路65
Bの途上にある空気がオイル吸込み口57からポンプ室60
の側に吸込まれてしまって空気戻り管66の側に排出され
ない如くの現象を回避できる。よって、艇体11の転倒後
の姿勢復帰時に、オイルタンク41からオイル供給管51を
経てオイルポンプ42Aに侵入した空気を、上述の空気抜
き経路65Bにて速やかに空気戻り管66の側に排除でき
る。従って、オイルポンプ42Aは、空気を吸込んで潤滑
油を吐出しないことがなく、常に安定的に潤滑油を吐出
できる。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、艇体の転倒時にオイル
タンク内の空気がオイルポンプ側へ侵入することを防止
し、オイルポンプが常に安定的に潤滑油を吐出すること
ができる。
タンク内の空気がオイルポンプ側へ侵入することを防止
し、オイルポンプが常に安定的に潤滑油を吐出すること
ができる。
又、本発明によれば、艇体の転倒時に空気戻り管内の
空気がオイルポンプ側へ侵入することを防止し、オイル
ポンプが常に安定的に潤滑油を吐出することができる。
空気がオイルポンプ側へ侵入することを防止し、オイル
ポンプが常に安定的に潤滑油を吐出することができる。
又、本発明によれば、艇体の転倒後の姿勢復帰時に、
オイルタンクからオイル供給通路を経てオイルポンプに
侵入する空気を速やかに空気戻り管の側に排除し、オイ
ルポンプが常に安定的に潤滑油を吐出することができ
る。
オイルタンクからオイル供給通路を経てオイルポンプに
侵入する空気を速やかに空気戻り管の側に排除し、オイ
ルポンプが常に安定的に潤滑油を吐出することができ
る。
第1図は水ジェット推進艇の一例を示す側面図、第2図
は第1図の要部断面図、第3図は第2図のエンジンを一
部破断して示す正面図、第4図は第2図のエンジンを一
部破断して示す側面図、第5図は第4図のオイルポンプ
まわりを示す断面図、第6図は第5図のオイルポンプ内
部構造を示す断面図、第7図は第5図のオイルポンプ外
観を示す側面図、第8図は空気侵入防止器の一例を示す
断面図、第9図は空気侵入防止器の他の例を示す断面
図、第10図はオイル戻り防止器の一例を示す断面図、第
11図はオイル戻り防止器の他の例を示す断面図、第12図
はタンク内油面と空気戻り管内油面の関係を示す模式
図、第13図は水ジェット推進艇の要部側面図、第14図は
オイル戻り防止器を示す断面図、第15図は空気戻り管の
変形例を示す模式図、第16図はオイルタンクの変形例を
示す模式図、第17図は空気戻り管の変形例を示す模式
図、第18図はオイルポンプにおける空気抜き経路の変形
例を示す断面図、第19図は第18図のXIX−XIX線に沿う断
面図、第20図は第18図のXX−XX線に沿う断面図、第21図
は第18図のXXI−XXI線に沿う断面図である。 10……水ジェット推進艇、 12……2サイクルエンジン、 23……クランク軸、25……フライホイールマグネト、26
……カバー、 41……オイルタンク、 42、42A……オイルポンプ、 51……オイル供給管、 51A……オイル取入路、 52、53……オイル吐出管、 57……オイル吸込み口、 57B……オイル吸込み経路、 58、59……オイル吐出口、 60……ポンプ室、 65、65A……空気抜き口、 65B……空気抜き経路、 66……空気戻り管、 81、91……空気侵入防止器、 82……オイル戻り防止器、 201……逆止弁。
は第1図の要部断面図、第3図は第2図のエンジンを一
部破断して示す正面図、第4図は第2図のエンジンを一
部破断して示す側面図、第5図は第4図のオイルポンプ
まわりを示す断面図、第6図は第5図のオイルポンプ内
部構造を示す断面図、第7図は第5図のオイルポンプ外
観を示す側面図、第8図は空気侵入防止器の一例を示す
断面図、第9図は空気侵入防止器の他の例を示す断面
図、第10図はオイル戻り防止器の一例を示す断面図、第
11図はオイル戻り防止器の他の例を示す断面図、第12図
はタンク内油面と空気戻り管内油面の関係を示す模式
図、第13図は水ジェット推進艇の要部側面図、第14図は
オイル戻り防止器を示す断面図、第15図は空気戻り管の
変形例を示す模式図、第16図はオイルタンクの変形例を
示す模式図、第17図は空気戻り管の変形例を示す模式
図、第18図はオイルポンプにおける空気抜き経路の変形
例を示す断面図、第19図は第18図のXIX−XIX線に沿う断
面図、第20図は第18図のXX−XX線に沿う断面図、第21図
は第18図のXXI−XXI線に沿う断面図である。 10……水ジェット推進艇、 12……2サイクルエンジン、 23……クランク軸、25……フライホイールマグネト、26
……カバー、 41……オイルタンク、 42、42A……オイルポンプ、 51……オイル供給管、 51A……オイル取入路、 52、53……オイル吐出管、 57……オイル吸込み口、 57B……オイル吸込み経路、 58、59……オイル吐出口、 60……ポンプ室、 65、65A……空気抜き口、 65B……空気抜き経路、 66……空気戻り管、 81、91……空気侵入防止器、 82……オイル戻り防止器、 201……逆止弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01M 11/00 F01M 1/02 F02M 37/00
Claims (4)
- 【請求項1】クランク軸の一端にフライホイールマグネ
トを固定し、このフライホイールマグネトを覆うカバー
をエンジン本体に取付け、オイルタンクとオイルポンプ
を付帯的に備え、オイルポンプをクランク軸に連結して
駆動するとともに上記カバーの前面に取付けてオイルタ
ンクの下方に配置し、オイルタンク内の潤滑油をオイル
ポンプによりエンジン側へ圧送するように構成した小型
艇用2サイクルエンジンにおいて、 艇体転倒時におけるオイルタンクからオイルポンプへの
空気の移動を防止する空気侵入防止器を、オイルタンク
よりも下方かつオイルポンプよりも上方に配置するとと
もに、上記カバーの前方近傍に配置し、オイルタンクと
オイルポンプとを結ぶオイル供給通路に配置したことを
特徴とする小型艇用2サイクルエンジン。 - 【請求項2】オイルポンプとオイルタンクとを連通する
空気戻り管を設け、空気侵入防止器からオイルタンクを
含んで、空気戻り管とオイルタンクとの連通部の内最上
部までのタンク側全容積と、空気侵入防止器からタンク
上端までの最大オイル収容容積とを考えた上で、天地を
逆転した時、天地逆転時に最下部となる上記最上部を基
準として、上記タンク側全容積に最大オイル収容容積を
占めさせる際に形成されるタンク側逆転オイル面で空気
戻り管を切断するとした場合に、タンク側逆転オイル面
からオイルポンプまでの空気戻り管内容積(V1)が、該
タンク側逆転オイル面から前記最上部までの空気戻り管
内容積(V2)より大となるように設定した請求項1記載
の小型艇用2サイクルエンジン。 - 【請求項3】オイルポンプとオイルタンクとを連通する
空気戻り管を設け、空気戻り管にオイルポンプ側からタ
ンク側への空気及びオイルの流れを許容するとともに、
逆方向の流れを防止する逆止弁を配置した請求項1記載
の小型艇用2サイクルエンジン。 - 【請求項4】オイルポンプとオイルタンクとを連通する
空気戻り管を設け、オイルポンプに、オイルタンクから
のオイル供給通路が接続されるオイル取入路と、オイル
取入路に連通するとともにポンプ室に間欠的に連通する
オイル吸込み口と、オイル吐出通路が接続されるととも
にポンプ室に間欠的に連通するオイル吐出口と、オイル
取入路に連通するとともに空気戻り管が接続される空気
抜き口を設けるに際し、オイル取入路から空気抜き口に
向かう空気抜き経路を略上方に向けて延設し、オイル取
入路からオイル吸込み口に向かうオイル吸込み経路を上
記空気抜き経路に交差する方向に向けて延設した請求項
1記載の小型艇用2サイクルエンジン。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2125400A JP2816890B2 (ja) | 1989-08-01 | 1990-05-17 | 小型艇用2サイクルエンジン |
US07/702,637 US5167207A (en) | 1989-08-01 | 1991-05-17 | Two cycle engine for small boat |
US07/909,655 US5239957A (en) | 1990-05-17 | 1992-07-07 | Two cycle engine for small boat |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1-197997 | 1989-08-01 | ||
JP19799789 | 1989-08-01 | ||
JP25891389 | 1989-10-05 | ||
JP1-258913 | 1989-10-05 | ||
JP2125400A JP2816890B2 (ja) | 1989-08-01 | 1990-05-17 | 小型艇用2サイクルエンジン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03206312A JPH03206312A (ja) | 1991-09-09 |
JP2816890B2 true JP2816890B2 (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=27315122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2125400A Expired - Fee Related JP2816890B2 (ja) | 1989-08-01 | 1990-05-17 | 小型艇用2サイクルエンジン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2816890B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6416373B1 (en) * | 2000-10-12 | 2002-07-09 | Bombardier Motor Corporation Of America | Oil system vent with remote oil reservoir |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58156112U (ja) * | 1982-04-15 | 1983-10-18 | 株式会社クボタ | 耐転倒内燃機関のブレザ−装置 |
JPS6166656U (ja) * | 1984-10-05 | 1986-05-07 |
-
1990
- 1990-05-17 JP JP2125400A patent/JP2816890B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03206312A (ja) | 1991-09-09 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |