JP2815124B2 - 水素吸蔵金属体の製造方法 - Google Patents

水素吸蔵金属体の製造方法

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JP2815124B2 JP3106674A JP10667491A JP2815124B2 JP 2815124 B2 JP2815124 B2 JP 2815124B2 JP 3106674 A JP3106674 A JP 3106674A JP 10667491 A JP10667491 A JP 10667491A JP 2815124 B2 JP2815124 B2 JP 2815124B2
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信之 笹尾
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動力炉・核燃料開発事業団
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室温で多量の水素(重
水素も含む)ガスを吸蔵しうる多孔質金属体を製造する
方法に関するものである。更に詳しく述べると、パラジ
ウム等の金属微粒子を圧粉成形し焼結する水素吸蔵金属
体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属には水素を吸収して貯蔵する性質が
あり、このことは古くから知られた事実である。近年、
各種の金属・合金について、水素の吸収・放出現象に関
する物理的あるいは化学的な研究が系統的に行われ、そ
れによって常温付近で水素ガスを吸収し、加熱すると放
出する、所謂「水素吸蔵合金」が開発されてきた。その
代表的な例としては鉄−チタン系の合金がある。
【0003】従来、この種の水素吸蔵合金は、構成元素
の化学量論的な比が一定であること及び全体として成分
が均一であることなどが要求されるため、一般に金属溶
解法により製造している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところでパラジウム
(Pd)金属が優れた水素吸蔵特性を呈することは知ら
れているが、微粒子状態の場合には取り扱い難く、用途
や使用法の点で大きな制約を受ける。
【0005】他方、バルク材(溶融固化体)の場合は、
パラジウム金属の水素化物生成反応のエンタルピー変化
ΔHが小さいため、試料温度を変化させても水素吸収速
度を大幅に向上させることはできない。
【0006】しかし技術的には電気分解などの湿式法に
より水素吸蔵速度を高めることは可能である。これは、
パラジウムを陰極とし、白金等を陽極として水の電気分
解を行うと、電離した水素イオンが陰極表面で電子を受
け取りパラジウム中に入り込むことを利用した方法であ
る。水素イオンを用いるので吸蔵速度は極めて高くなる
が、水素イオン生成のために電力を使用することになる
から、経済的ではないし、装置製作や取扱いが面倒であ
る。
【0007】本発明の目的は、室温での水素ガス(重水
素ガス)の吸蔵量が大きく且つ吸蔵速度が非常に高く、
取扱いが簡単であり、しかも製造コストを下げることが
できる水素吸蔵金属体の製造方法を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】一般に、金属の微粒子は
ガス吸着特性が優れている。本発明はこの現象に着目し
てなされたものである。本発明は、粒径10μm以下の
パラジウム金属微粒子を、ラバープレスで目的形状に圧
粉成形し、その圧粉成形体を非酸化性雰囲気で焼結する
水素吸蔵金属体の製造方法である。焼結は、例えば純ア
ルゴン(Ar)ガス雰囲気中において900℃で3時間
以上の条件で行うことが望ましい。なお本発明において
「水素吸蔵」とは、重水素(D2 )吸蔵も含む広い概念
の用語として用いている。
【0009】本発明には、パラジウム金属に代えて、金
属ウラン微粒子を用いる場合も含まれる。
【0010】
【作用】金属微粒子の圧粉成形体を焼結するとスポンジ
状の多孔質焼結体が得られる。この焼結体は多孔質であ
るため水素(重水素)ガスが浸透し易く、室温での水素
吸蔵速度が非常に高くなり、水素吸蔵量も多くなる。圧
粉成形法を採用しているため任意の形状に製造でき、取
扱い易くなる。
【0011】
【実施例】図1は本発明方法における圧粉成形工程で用
いるラバープレス装置の一例を示す説明図である。中心
線の右半分は組み込み時の状態を、左半分は加圧時の状
態をそれぞれ示している。円筒状の圧力容器10の上端
部と下端部にそれぞれ上蓋12及び下蓋14を設ける。
圧力容器10の内部にアタッチメント本体16を装着
し、その内側に加圧ゴム型18と成形ゴム型20とを取
り付ける。そして該成形ゴム型20の内部に成形すべき
金属微粒子22を充填する。
【0012】粒径約10μmのパラジウム金属微粒子
(純度99.9%以上)を、上記のラバープレス装置の
成形ゴム型20内に充填し、装置外部から加圧流体を供
給して約1t/cm2 の圧力で圧粉成形した。加圧流体は、
下蓋14に形成した流路24、圧力容器10とアタッチ
メント本体16との隙間26、及びアタッチメント本体
16に形成してある流路28などを通って送り込まれ、
加圧ゴム型18を押圧する。そして成形ゴム型20によ
って金属微粒子22を加圧成形する。本発明で充填する
金属微粒子22には結合剤などを混入する必要はない。
粒径が10μm以下であれば、このようなラバープレス
で目的形状に成形できる。ラバープレスを用いるのは、
金属微粒子のみによって直接成形できることと、全方向
から圧力をかけることができ、任意の形状の成形体を得
ることができるためである。
【0013】次に、このようにして得たパラジウム金属
微粒子の圧粉成形体を焼結する。焼結工程で使用する加
熱炉の一例を図2に示す。加熱炉40は、炉心管42の
外周に加熱コイル44を配置した雰囲気制御が可能な構
成の炉である。炉心管40内に圧粉成形体30を挿入
し、所定の条件で焼結する。パラジウム金属微粒子の圧
粉成形体の場合、焼結条件は下記の通りとした。 焼結温度…900℃ 焼結時間…3時間以上 焼結雰囲気…純アルゴンガス中 ガス流通条件…50ml/分 得られた焼結体における充填密度は約56.5%(比重
6.8)であった。
【0014】ところで低温核融合研究において、乾式法
(重水素ガスを金属に吸蔵させる方式)では、パラジウ
ムやチタンが用いられる。パラジウムは水素吸蔵金属で
あるが、その吸蔵速度はチタンに比較してかなり小さ
い。本発明方法により製造した金属焼結体は多孔質であ
り、それを使用することにより、簡単に多量の重水素ガ
スを吸蔵させることができ、その吸蔵速度も大きい。以
下、その特性について説明する。
【0015】図3は本発明により得られたパラジウム金
属微粒子焼結体についての重水素ガスの吸蔵特性線図で
ある。横軸は測定時間(1目盛りが10分間に相当す
る)を示し、縦軸は重水素ガスD2 圧力を示している。
測定は、圧力容器内に弁付き重水素ガス配管と圧力計を
取り付け、内部に焼結体試料を設置して室温で行った。
最初、a点(580Torr)まで重水素ガスを送入し、そ
のまま放置すると約15分後にはb点(115Torr)ま
で圧力が低下する。その分、重水素ガスが焼結体試料に
吸蔵されたことになる。以下同様に、c点まで重水素ガ
スを送入してd点まで放置し、更にe点まで重水素ガス
を送入してf点まで放置した。このことから、焼結体試
料に多量の重水素ガスが急速に吸蔵されていくことが分
かる。
【0016】本発明の有効性を示すため、パラジウム金
属の微粒子焼結体とバルク材との重水素吸蔵性能の比較
結果を表1に示す。この比較データは、外部から重水素
ガス圧力を常に500Torr以上負荷し、平衡圧が500
Torrになるまで放置したときのPd原子比及び吸収ガス
量を求めたものであり、Pd原子比は増加重量により計
算した値である。
【0017】
【表1】
【0018】上記の実施例はいずれもパラジウムについ
ての結果であるが、ウランの微粒子を用いて同様の方法
で得た焼結体も優れた水素吸蔵特性を示す。この場合、
成形には金属ウラン微粒子のみが用いられ結合剤などは
一切含まれておらず、且つ非酸化性雰囲気中で焼結する
ために、何ら特別な問題はなく焼結でき、良好な焼結体
が得られた。本発明において、金属微粒子の粒径を10
μm以下としたのは、10μmを超えるとラバープレス
で成形し難くなるからである。焼結雰囲気は、不活性ガ
ス雰囲気の他、水素ガスによる還元性雰囲気でもよい。
【0019】
【発明の効果】本発明は上記のように、金属微粒子をラ
バープレスで成形するため、用途に見合った任意の形状
の水素吸蔵金属体を製造でき、使用し易い。そして得ら
れる水素吸蔵金属体は多孔質であるため、通常のバルク
材に比して室温での水素(重水素)吸蔵速度が非常に高
くなり、吸蔵量も増大する。更に湿式のカッター(高速
カッターや放電加工機)で切断しても水素吸蔵特性が変
化しないから、薄片が必要な時は容易に所望形状に加工
でき、取扱いも非常に簡単となる。更にラバープレスを
用いるため、HIP(熱間静水圧プレス)装置などを使
用する場合と比較して、製造コストが低くなり有利であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の成形工程で使用するラバープレス
の説明図。
【図2】本発明方法の焼結工程で使用する加熱炉の説明
図。
【図3】焼結体試料についての重水素ガスの吸蔵特性線
図。
【符号の説明】
10 圧力容器 12 上蓋 14 下蓋 16 アタッチメント本体 18 加圧ゴム型 20 成形ゴム型 22 金属微粒子 30 圧粉成形体 40 加熱炉 42 炉心管 44 加熱コイル

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径10μm以下のパラジウム金属微粒
    のみを、ラバープレスで目的形状に圧粉成形し、その
    圧粉成形体を非酸化性雰囲気中で焼結することを特徴と
    する水素吸蔵金属体の製造方法。
  2. 【請求項2】 純アルゴンガス雰囲気中において900
    ℃で3時間以上の焼結を行う請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 パラジウム金属微粒子に代えて金属ウラ
    ン微粒子を使用する請求項1記載の方法。
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JPS59219429A (ja) * 1983-05-25 1984-12-10 Toyobo Co Ltd 多孔性水素吸蔵用金属成形体
JPH0266105A (ja) * 1988-07-15 1990-03-06 Corning Inc 金属粉末から構造への焼結助剤を用いない焼結方法およびその使用方法

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