JP2815052B2 - 防寒被服セット - Google Patents

防寒被服セット

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JP2815052B2 JP2116080A JP11608090A JP2815052B2 JP 2815052 B2 JP2815052 B2 JP 2815052B2 JP 2116080 A JP2116080 A JP 2116080A JP 11608090 A JP11608090 A JP 11608090A JP 2815052 B2 JP2815052 B2 JP 2815052B2
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正幸 今福
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祥貢 坂本
武 大内
俊英 武田
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和義 土田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は肌着から外衣までの組合せからなる防寒被服
セット。
[従来の技術] 防寒のためには、肌着の上にセーター等の下着あるい
は中衣等を着込み、さらにその上に防寒用外衣を着用す
るのが通常であるが、この場合、発汗による内部のむれ
や濡れによる不快感が問題となり、極寒状態では該濡れ
による体温の低下が問題になってくることがある。この
ような発汗による衣服内部のむれや濡れの問題を解決す
るため、近年、特に外衣について注目して改良が行なわ
れてきている。一般に、外衣は合成樹脂により防水加工
された布帛あるいはこの布帛を表地とし、これと裏地ま
たは中綿層と裏地等とを複合した複合布帛(例えばキル
ティング布)からつくられているが、これらの防寒外衣
の多くは、内部の汗等の水分を外部へ発散し易いよう
に、例えば前記防水加工樹脂層を微多孔化してこの層が
透湿性を有するよう工夫されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、このような透湿性について改善された
防寒衣料であっても、発汗による肌着の濡れ感やべとつ
き感、下着、中間衣等の湿潤感あるいは内部のむれ感等
の不快感を伴うことが多く、特に運動時体温が上昇し、
発汗が多くなる場合には、外部に発散されない汗が肌面
に水滴あるいは水膜として存在するようになり、肌着の
濡れの問題がクローズアップされる。さらにこのような
状態で運動を中止して人体の発熱量が低下したとき、前
記濡れや湿潤感が冷感やそのための悪感に変わることは
通常経験されるところであり、衣服殊に肌着の濡れや湿
潤は体温低下をまねき、場合によっては生命の危険をも
たらすことがある。
本発明は、防寒衣料において、肌着、下着、中衣およ
び外衣として特定のものを選びかつそれらの組合せるこ
とにより汗等の水分を外部への発散をスムーズに行わし
め、前述した発汗による不快感や悪感をなくし、着心地
性を改善するとともに体温の低下を抑え保温性、防寒性
を十分に発揮させんとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、肌着、下着および防寒外衣、あるいは肌
着、下着、中衣および防寒外衣、さらには肌着、下着、
中衣、防寒外衣および擬装外衣の組合せからなり、各々
の層の被服が以下の要件を満足する布帛から構成された
ことを特徴とする防寒被服セットである。
肌 着:吸水率が5%以下、濡れ蒸散係数(以下C′
値という)が10000以上、濡れ負荷率(以下W′値とい
う)が0.6以下の有毛編地。
下 着:親水性繊維からなる層を含み、吸湿率が6%
以上、水分蒸散係数(以下C値という)が7000以上の編
地。
中 衣:C値が6000以上で下着をを構成する編地のC値
の60%以上であり、表裏布帛と中綿層から構成される複
合布帛。
防寒外衣:C値が6000以上でかつ下着を構成する編地のC
値の60%以上であり、通気度が2cc/cm2・sec以下、耐水
度が500mmH2O以上である表面が撥水加工された透湿防水
加工布帛またはこの布帛を少なくとも表地として構成さ
れた複合布帛。
擬装外衣:可視光線、赤外線および/または紫外線に対
する迷彩もしくは擬装加工および撥水加工が施されたC
値6000以上の布帛。
まず、発明の肌着は、有毛編地からなるもので、該編
地としては、例えば紡績糸ような毛羽を有する糸からな
る編地、少なくとも肌面が起毛された編地、少なくとも
肌面にパイルが形成された編地さらには該パイル面が起
毛された編地等が採用される。
該編地の毛羽、パイルまたは起毛層は、肌着着用時の
感触を良くするばかりでなく、この編地は肌面側の毛
羽、パイルまたは起毛層が比較的粗で地部が密となって
いるため、肌面の汗等の水滴を毛細管現象により毛羽、
パイルまたは起毛層から速かに地部へ吸い上げ、この地
部の水分を本発明の被服セットを構成する他の層との組
合せにより外方へ移行させるのに適している。特に本発
明においては、肌面にパイルまたは起毛層を有するか、
さらにパイル表面を起毛した構造の有毛編地が好適であ
る。
しかしながら、このような編地構造のみでは肌着から
次層の下着への水分の移行がスムーズに行われにくく、
肌面の濡れ状態を改善し、濡れ感、べとつき感をなくす
ることはできない。本発明においては、肌面の発汗によ
る水滴、水膜を速かに肌着を通して下着側に移行させ、
肌面をできるだけドライの状態に保つために、該肌着を
構成する編地が、吸水率5%以下、C′値10000以上お
よびW′値0.6以下であることが必要である。ここで吸
水率とは編地自体の吸水率、C′値は、液体としての水
を編地を通して反対面に蒸散させるときの蒸散の程度の
大きさおよびW′値は生地の濡れ方を表わすもので、そ
れらの測定法は後述する。
該編地の吸水率が5%以上で、W′値が0.6以上の場
合、編地の肌面側の水滴または水膜状の濡れを大きくし
て肌面のドライ感を失わせ、また、C′値が10000以下
では、編地に吸収した汗を外方へ十分に移動させること
ができず、本発明の被服セットとして、発汗による水分
を順次に外方に移行して放出し、肌面を常にドライに近
い快適な状態に保持することができず、また濡れによる
肌着の保温性を著しく低下することがある。
このような肌着用の編地は前述した有毛構造とすると
ともに主として疎水性繊維から構成される。疎水性繊維
としては、20℃、65%RHにおける公定水分率(JIS L
−1096)がほぼ5%以下のもので、例えば、ポリエステ
ル系、ポリアクリロニトリル系、ポリアミド系、ポリ塩
化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリオレフィン系
等の繊維がある。
編地としては、緯編地あるいは経編地のいずれでもよ
いが、特に伸縮性が大きく、人体の活動に対して即応性
のあるものとして緯編地が良い。
なお、該編地を構成する疎水性繊維は、肌面の汗等の
水滴をより確実に地部、さらにはその外方へ移行させる
ために、表面のみを軽度に親水性加工することができ
る。
このような加工は、例えば、ポリエステル繊維の場
合、アルカリ処理により繊維表面に微小凹凸を形成した
り、ポリアルキレングリコール系等の吸水性加工剤(例
えば、I.C.I製パーマローズ等)を付与することによっ
て行うことができる。ただ、表面の吸水性が過度に大き
くなると、肌面に対する濡れ、べとつき感が増すので、
このような加工後であっても、編地としての吸水率は5
%以下とすることが必要である。このためには、例えば
前記加工剤の繊維に対する付着率は1%以下とすること
が望ましい。
また、該編地は、防寒用としての保温性を有している
必要から見掛けクロー値(以下Iclo値という)が0.6以
上のものが選ばれる。ここでIclo値とは、布帛等の保温
性を示すもので測定法については後述する。
なお、本発明における肌着は、例えば第1図に示すよ
うな上下からなり、一般に防寒用として適した長袖のも
ので、首廻り、袖口、ウエスト部、足首等がゴム編組織
あるいは絞り紐等により十分にフイットされる構造のも
のであればよい。
次に、本発明の下着等は、保温性を与えるとともに、
肌着に吸収された水分を直ちに取り込み、一時的に吸湿
した状態に保持する機能とさらに水分を外衣側に放出さ
せる機能を有するものである。このために、該下着を構
成する布帛はその吸湿率が6%以上、C値が7000以上で
あり、保湿性、伸縮性と水分の蒸散による移行性を考慮
して、バルキーな編地からなる。
ここで吸湿率は、布帛の水蒸気の状態の水分の吸収の
程度を示し、C値は布帛の水蒸気の透過性の程度を示す
ものであって、それらの測定法は後述する通りである。
この布帛の吸湿率が6%以下、C値が7000以下の場
合、肌着からこの下着への水分の移行がスムーズに行わ
れにくく、さらに、この層から外層への水分移行も行な
われにくくなり、水分が繊維に結露し水滴となって衣服
内部の湿潤感を高めて好ましくない。この傾向は過剰の
発汗を生じたとき著しくなる。好ましい吸湿率は6〜12
%である。なお、該吸湿率が過度に大きくになるとこの
下着及び肌着の湿潤感が高くなり冷感が増す傾向を示
す。
このような肌着を構成する編地は主として親水性繊維
から編成され、特に裏面側(肌着側)に該繊維を配した
ものが有効である。親水性繊維としては、20℃、65%RH
における公定水分率(JIS L−1096)が5%以上のも
ので、肌着に用いた繊維の同水分率より大きく、好まし
くは1%以上の差を有するものであって、例えば、羊
毛、麻、綿などの天然繊維、ビスコースレーヨンなどの
再生繊維が有効である。このような編地は、伸縮性によ
り人体の活動を妨げないものであり、かつ大きな空気層
を形成し保温性に寄与するばかりでなく、肌着に吸収さ
れた水分を液状あるいは蒸気として速かに取り込み、過
剰の発汗がある場合には一度この層で保持しながら、さ
らに外側に向かって蒸気として移行させる作用をする。
さらに本発明の中衣は、所望により主として保温性を
補う目的でセットとして下着と外衣の間に組み込まれる
ものであり、編織物からなる表地、裏地と中綿層からな
るキルティング地等の複合布帛から構成される。表地、
裏地は保温性、伸縮性および水分の蒸散による移行を考
慮して編地がよい。この層は少なくとも、下着から外衣
への水分の移行をスムーズに行うものではなくてはなら
ない。このために、中衣を構成する布帛のC値は6000以
上であることが望まれる。好ましい複合布帛としては、
疎水性繊維編織物からなる表、裏地と、疎水性繊維層/
親水性繊維層/疎水性繊維層の3層ウエブの中綿層とか
らなる複合布帛であり、このことにより、ある程度の水
分を一時的に吸湿保持させることができる。
本発明における下着および中衣を構成する布帛は、保
温性の点からIclo値が0.6以上であるものが良い。
なお、本発明でいう下着および中衣は、第2図および
第3図に示すような上下からなり防寒用として適した長
袖のものとし、首廻り、袖口、ウエスト部、足首を絞り
込むようにしたものが好適であるが、中衣は、作業性の
点などから袖なし等の構造とすることも可能である。
本発明の防寒外衣は、十分な防風性を有するととも
に、透湿性と適度の防水、撥水性を有する加工布を少な
くとも表地とした布地からなる。このような加工布は、
例えばポリテトラフロロエチレン(PTFE)の微多孔膜
や、ポリウレタンの湿式あるいは乾式凝固微多孔膜、そ
の他延伸法や電子線法で微多孔化したミクロポーラスフ
ィルム等を織物に貼合わせたもの、織物にポリウレタン
溶液を塗布し湿式または乾式凝固し、織物表面または裏
面に微多孔膜を形成したもので、さらに表面にフッ素
系、シリコン系の撥水剤処理をしたものである。なお、
表面の着色、撥水加工等により前記微多孔被膜の微多孔
構造による蒸気透湿性が阻害されることがあるので、好
ましくは、該微多孔被膜は織物の裏面に貼合わせたもの
が好適である。この加工布を少なくとも表地とした複合
布帛とは、該加工布そのもの以外に、裏地と一体化した
ものあるいはさらに両布の間に中綿を入れたものをい
う。
前記加工布は、防風性、防水性の面から、通気度が2c
c/cm2・sec以下、耐水性500mmH2O以上のものが良い。さ
らに、該加工布は、肌面から肌着、下着あるいはさらに
中衣を通して移行してくる水分を最終的に外気中に放出
するために、C値が6000以上であることが必要である。
加えて、外衣構成布帛の表面は撥水加工されていること
が必要で、この加工がなされていない場合、低温下で
は、外衣表面に水が付着し、場合によっては外衣内に侵
入して氷結し、該布帛の透湿性を妨げることになる。
また、該外衣用加工布は、目的により難燃性を有して
いることが望まれる場合があり、そのために公知の難燃
性繊維を主体として生地を構成したり、表面に公知の難
燃加工が施される。特に難燃性繊維からなる生地を用い
ることは、難燃樹脂加工による布帛の重量増加、通気
性、透湿性の低下を防ぐことができるので有効である。
難燃性繊維として、例えばスズ酸およびポリ塩化ビニル
を混合したPVA繊維、リン化合物を混入したポリエステ
ル繊維あるいはアラミド繊維、ポリアリレート繊維等が
使用される。さらに必要によりこの外衣は、可視光、赤
外線、紫外線等に対する各種の迷彩、擬装加工が施され
てもよい。擬装加工としては、淡緑、濃緑、茶、黒等の
色を所望のパターンでプリントする方法があるが、特に
赤外線擬装の場合は例えばクロム系の顔料、スレン系染
料等の中で赤外線反射効果のあるものを使用し、通常可
視光迷彩と併用して加工を行う。また、紫外線擬装の場
合は、例えば、外衣用布帛を綿、PVA繊維等紫外線反射
効果のある繊維からなる布帛をさらに亜塩素酸に晒した
ものを用いる等の手段が採用される。
防寒外衣の構造は従来の防寒外衣と同様に作成すれば
よいが、適度の呼吸性を与え、適度の運動時の発汗によ
る水分あるいは、熱の発散を補助するために、例えば、
脇部に通気孔等を設けたり、開閉自在な開口部を設けて
もよい。また、保温性を調節するために、外衣内面にラ
イナーを着脱可能な状態でセットすることもできる。第
4図は防寒外衣の例を示すものである。
尚、外衣は必ずしも一層である必要はなく、例えば、
擬装を目的とした衣服は防寒外衣とは別に準備すること
ができる。具体的には、複数の迷彩または擬装が求めら
れるとき、前記防寒外衣に可視光線、赤外線擬装加工を
行ない、紫外線擬装加工を施した擬装外衣は別途準備す
ればよい。第5図は擬装外衣の例を示す。その場合、そ
の構成布帛のC値はほぼ同等か外側程大であることが望
ましい。
さらに、本発明では、前記の下着から外衣までの組合
せにおいて、各層の被服を構成する布帛または複合布帛
のC値はそれぞれの内側の布帛等のC値に比べて極端に
低くないことが望まれ、外側の被服を構成する布帛のC
値が内側の被服を構成する布帛のC値の60%以上、好ま
しくは80%以上になるように組み合わされるのがよい。
すなわち、外側の被服の布帛のC値が内側被服の布帛の
C値の60%以下の場合、水分の外法への移行、放出がス
ムーズに行われにくく、衣服内部の蒸気圧が高くなり、
肌着からの水分の蒸散が悪くなって、場合によっては中
衣、外衣内面に水分が結露することになる。好ましく
は、最終的に少なくとも防寒外衣の布帛のC値が下着の
編地のC値の60%以上、より好適には80%以上とするこ
とが有効である。
なお、本発明の被服セットは、防寒性の点から各層を
構成する布帛の見掛けのIclo値の総和が2以上であるこ
とが望まれる。この場合、軽労働時で外気温−5℃、風
速1m/sec程度の環境に対応できるが、例えば軽作業時で
外気温−20℃程度、風速1m/sec程度の環境に耐えるもの
を想定すれば、Iclo値の総和は3以上、運動を行わない
ときは5以上が必要となる。
本発明においては、以上のようなものに加えて保温用
の手袋、靴下、面覆、足首巻等をセットとして準備する
ことができる。
[発明の作用] 以上のように、本発明は、上記のように特定の条件を
満足する肌着−下着−防寒外衣、肌着−下着−中衣−防
寒外衣あるいは肌着−下着−中衣−防寒外衣−擬装外衣
の組合せからなるセットであり、これを着用するとき、
発汗による肌面の水分(水滴または水膜状)は、速かに
肌着構成布帛に吸い上げられ、一部は液体としての水分
の移動作用、多くは水分の肌着からの蒸散作用、さらに
は、下着、中衣を構成する布帛の吸湿、蒸散作用および
外衣構成布帛の蒸散作用によってスムーズに外衣より外
気中に放出され、肌着構成布帛、殊にその肌面に水分が
液状でほとんど止まることがない。尚、肌着側より移行
した水分が、過剰な場合は一時的に該中衣構成布帛中に
保たれるが、比較的速やかに外気中に放出される。した
がって、本発明によれば、衣服内部の湿度を大きい不快
感を与えない範囲に保持し特に肌面をドライに近い状態
に保つことができる。
また、本発明の防寒衣服セットはそれぞれの層が十分
な保温性を有し、しかも防寒外衣は防風性に優れている
ので、十分な防寒性を発揮する。さらに、同外衣が十分
な防水性、撥水性を有し、所望により難燃、迷彩あるい
は擬装加工が付加されることにより、本発明の防寒被服
セットは複合的防護効果を有するものとなる。
本発明の被服セットは、通常前述した肌着−下着−中
衣−防寒外衣あるいは肌着−下着−中衣−防寒外衣−擬
装外衣の組み合せとして準備し、環境あるいは運動状態
により、中衣、擬装外衣等を適宜除いて着用することが
できるが、所望により、十分なC値を有するものであれ
ば、他の被服をセットとして加えることも可能である。
各種の測定: 水分蒸散係数(C値): 第6図に示すシミユレーション装置は、環境ボックス
1内に、熱板2(10cm×10cm)、その上に載置される水
保護ネット3(0.5mm厚)、断熱性スペーサー4(厚さ5
mm)およびさらにその上のサンプル押え枠6からなる模
擬人体部が形成され、該熱板を一定温度(または一定消
費電力)に保つヒーター7、該ヒーターの発熱量を測定
するための電力計8を備え、模擬人体部に相当する、熱
板2とサンプル5との間には湿度センサー9を有してい
る。10は熱板温度センサー、11、12はボックス内の湿
度、温度センサーである。
C値の測定に当っては、まず、ボックス内を25±0.2
℃、50±2%RH、風速0.1m/secに保持し、熱板上に水保
護ネット上に注水し(4g/10cm×10cm)、スペーサ4上
に布帛サンプル5を載置しこれをサンプル押え枠6で押
え、ヒーターにより熱板の温度を36.0℃に保持する。こ
の状況で10分経過後の、消費電力W(w)から発熱量q
(kcal/m2hr)を求め、以下の式からC値(g/m2hr)を
求める。
C=m・B/(F−f) ただし、m=q/0.58 q=86(Ww−Wd) Ww:ウエットでの消費電力(w)…注水あり Wd:ドライでの消費電力(w)…注水なし m:水の気化量(g/m2hr) B:大気圧(mmHg) F:水滴界面の飽和蒸気圧(mmHg) (熱板温度での飽和水蒸気圧とする) f:ボックス内の水蒸気分圧(mmHg) (センサー11、12の温度、湿度から求める。) 濡れ蒸散係数(C′値): C値の測定と同様の装置を用い、熱板上に36℃の水滴
を付着(4g/10cm×10cm)した後、サンプルの布帛(10c
m×10cm)を直接載置し、サンプル押え枠6で押え、C
値と同様にm、q、B、F、fを求め、次式でC′値
(g/m2hr)を求める。
C′=m・B/(F−f) 濡れ負荷率(W′値): C値の測定と同様の装置を用い、36.0℃熱板上に、36
℃の水滴を付着(4g/10cm×10cm)した後、サンプルの
布帛(10cm×10cm)を直接載置し、サンプルの定常乾燥
(恒率乾燥)に要する平均消費電力W(w)を求め、一
方、サンプルなしで熱板上の水保護ネット上に注水し
(4g/10cm×10cm)、同様にして平均消費電力Wo(w)
を求め、以下の式から、W′値を求める。
W′=W/Wo ただしW=Ww−Wd Wo=Wh−Wn Ww:注水ウエットでの定常乾燥(恒率乾燥)平均消費
電力(w) Wd:注水なしドライでの消費電力(w) Wh:サンプルなし注水での平均消費電力(w) Wn:裸熱板での消費電力(w) 見掛けクロー値(Iclo値): 前記と同様の装置を用い、熱板の上にサンプル布帛を
載置し、押え枠で押えて測定したときの熱板の発熱量Q
(kcal/m2hr)およびアンプルなしの場合の同Q′(kca
l/m2hr)から、熱抵抗IAおよびIBを(1)、(1)′式
で求め、ΔI(=IA−IB)から、クロー値の一般式
(2)により真のクロー値ICを求め、空気層の熱抵抗を
0.57として(3)式より見掛けクロー値Icloを求める。
IA=(Ts−Ta)/Q ……(1) IB=(Ts−Ta)/Q′ ……(1)′ IC=ΔI/0.18 ……(2) Iclo=IC+0.57 ……(3) [ただし、Tsは熱板温度36℃ Taはボックス内の環境温度25℃] 吸水率:JIS L1018メリヤス生地試験方法に準じる。
但し、ローラー絞り機に替えて、遠心脱水機1000G、1
0分間絞りとする。
吸湿率:JIS L−1018に準じ、20℃、65%RHの水分率と
する。
通気度:JIS L−1018のフランジール法による。
耐水度:JIS L−1092防水性試験方法のA法による。
撥水性:JIS L−1092のスプレー法による。
[実施例] 実施例および比較例 以下のような布帛により、肌着、下着、中衣、防寒外
衣および白色擬装外衣を作成する。
イ.肌着(デザイン 第1図) A:SR1000(高松油脂)を0.5重量%付着したポリエス
テル繊維紡績糸からなるパイル緯編地(パイル面起
毛)。
B:ポリアクリルニトリル繊維30重量%と綿70重量%と
の混紡糸からなる緯編地。
ロ.下着(デザイン 第2図) C:ウール/ポリエステル/ウールの3層緯編地(ウー
ル70重量%、ポリエステル繊維30%) D:ポリアクリルニトリル繊維75重量%、ナイロン15重
量%およびウール10重量%の混紡糸からなる両面立毛緯
編地。
ハ.中衣(デザイン 第3図) E.ポリエステル繊維経編地を表裏地に用い、ポリエス
テル/ポリノジック/ポリエステルの3層ウェブを中綿
とした複合布帛。
ニ.防寒外衣(デザイン 第4図) F:<表地>難燃性ビニロン70重量%と綿30重量%から
なる織物(タフタ)の裏綿に、PFTEフィルム(ゴアテッ
クス社)を貼り合わせ、表面に迷彩色をプリントし、さ
らにフッ素系樹脂で撥水加工した透湿防水加工布。
<裏地>ポリエステル繊維織物(タフタ)。
G:<表地>ナイロン織物(タフタ)の表面にポリウレ
タン湿式凝固フィルム(μm)を貼り合わせた透湿防水
加工布。
<裏地>ナイロン織物(タフタ)。
ホ.白色擬装外衣(デザイン 第5図) H.ビニロン/綿混紡糸(50:50)からなり、紫外線偽
装加工およびフッ素系撥水加工された織物。
前記の各層の衣服を第1表の組合せにより着用試験
(10名)を行ない、その結果を第2表に示す。
[発明の効果] 本発明の防寒被服セットは、十分な防寒性を有するこ
とはもちろん、発汗による水分の衣服外への放出がスム
ーズで、しかも外衣表面の氷結による水分蒸散低下の問
題もなく、通常の運動時には衣服内部が適度な湿度に保
たれ肌着の濡れ感が少ない。
また過激な運動により発汗が多くなった場合にも、一
時的に衣服内部の湿度は高くなるが、すぐにその過湿状
態は解消され、肌面の濡れ感、べとつき感も比較的短時
間で解消される。肌着の濡れや衣服内の湿潤化による体
温の低下も少なく、発汗後の悪感や、体温低下による生
命の危険性もない。
【図面の簡単な説明】
第1〜5図は本発明の各層の例を示すデザイン図、第6
図は、C値、C′値、W′値、Iclo値を測定するシミュ
レーション装置の概要を示す断面図である。 1……環境ボックス、2……熱板 3……水保護ネット、4……断熱性スペーサー 5……サンプル、6……サンプル押え枠 7……ヒーター、8……電力計 9……湿度センサー、10……熱板温度センサー 11……湿度センサー、12……温度センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若松 義文 千葉県松戸市五香六実17番地 陸上自衛 隊需品学校内 (72)発明者 結城 京子 千葉県松戸市五香六実17番地 陸上自衛 隊需品学校内 (72)発明者 作田 淳 千葉県松戸市五香六実17番地 陸上自衛 隊需品学校内 (72)発明者 首藤 敏明 千葉県松戸市五香六実17番地 陸上自衛 隊需品学校内 (72)発明者 小渕 信夫 千葉県松戸市五香六実17番地 陸上自衛 隊需品学校内 (72)発明者 才木 浩 千葉県松戸市五香六実17番地 陸上自衛 隊需品学校内 (72)発明者 今福 正幸 千葉県松戸市五香六実17番地 陸上自衛 隊需品学校内 (72)発明者 山内 健一 千葉県松戸市五香六実17番地 陸上自衛 隊需品学校内 (72)発明者 坂本 祥貢 千葉県松戸市五香六実17番地 陸上自衛 隊需品学校内 (72)発明者 大内 武 東京都港区元赤坂1丁目3番12号 鐘紡 株式会社東京営業所内 (72)発明者 武田 俊英 滋賀県長浜市鐘紡町1番11号 鐘紡株式 会社加工研究所内 (72)発明者 山口 新司 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社ク ラレ倉敷工場内 (72)発明者 原田 和人 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社ク ラレ倉敷工場内 (72)発明者 土田 和義 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋 紡績株式会社総合研究所内 (72)発明者 山岸 正弘 大阪府大阪市北区堂島浜2丁目2番8号 東洋紡績株式会社本店内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A41D 1/00,13/00 - 13/02 A41B 9/12

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも肌着、下着および防寒外衣の組
    合せからなり、各々の層の被服が以下の要件を満足する
    布帛から構成されたことを特徴とする防寒被服セット。 肌 着:吸水率が5%以下、濡れ蒸散係数(C′値)
    が10000以上、濡れ負荷率(W′値)が0.6以下の有毛編
    地。 下 着:親水性繊維からなる層を含み、吸湿率が6%
    以上、水分蒸散係数(C値)が7000以上の編地。 防寒外衣:C値が6000以上でかつ下着を構成する編地のC
    値の60%以上であり、通気度が2cc/cm2・sec以下、耐水
    度が500mmH2O以上である表面が撥水加工された透湿防水
    加工布帛またはこの布帛を少なくとも表地として構成さ
    れた複合布帛。
  2. 【請求項2】肌着、下着、中衣および少なくとも一枚の
    防寒外衣の組合せからなり、各々の層の被服が以下の要
    件を満足する布帛から構成されたことを特徴とする防寒
    被服セット。 肌 着:吸水率が5%以下、濡れ蒸散係数(C′値)
    が10000以上、濡れ負荷率(W′値)が0.6以下の有毛編
    地。 下 着:親水性繊維からなる層を含み、吸湿率が6%
    以上、水分蒸散係数(C値)が7000以上の編地。 中 衣:C値が6000以上でかつ下着を構成する編地のC
    値の60%以上であり、表裏布帛と中綿層から構成される
    複合布帛。 防寒外衣:C値が6000以上でかつ下着および中衣を構成す
    る編地および複合布帛のC値の60%以上であり、通気度
    が2cc/cm2・sec以下、耐水度が500mmH2O以上である表面
    が撥水加工された透湿防水加工布帛またはこの布帛を少
    なくとも表地として構成された複合布帛。
  3. 【請求項3】肌着、下着、中衣、防寒外衣および擬装外
    衣の組合せからなり、各々の層の被服が以下の要件を満
    足する布帛から構成されたことを特徴とする防寒被服セ
    ット。 肌 着:吸水率が5%以下、濡れ蒸散係数(C′値)
    が10000以上、濡れ負荷率(W′値)が0.6以下の有毛編
    地。 下 着:親水性繊維からなる層を含み、吸湿率が6%
    以上、水分蒸散係数(C値)が7000以上の編地。 中 衣:C値が6000以上でかつ下着を構成する編地のC
    値の60%以上であり、表裏布帛と中綿層から構成される
    複合布帛。 防寒外衣:C値が6000以上でかつ下着および中衣を構成す
    る編地および複合布帛のC値の60%以上であり、通気度
    が2cc/cm2・sec以下、耐水度が500mmH2O以上である表面
    が撥水加工された透湿防水加工布帛またはこの布帛を少
    なくとも表地として構成された複合布帛。 擬装外衣:可視光線、赤外線および/または紫外線に対
    する迷彩もしくは擬装加工および撥水加工が施されたC
    値6000以上の布帛。
  4. 【請求項4】中衣が疎水性繊維編物からなる表裏布帛と
    疎水性繊維層/親水性繊維層/疎水性繊維層の3層ウエ
    ブの中綿層からなる複合布帛にて形成された請求項2ま
    たは3に記載の防寒被服セット。
  5. 【請求項5】少なくとも肌着および中衣の各層を形成す
    る布帛または複合布帛の見掛けクロー値(Iclo値)が0.
    6以上で、肌着から外衣までの各層のIclo値の総和が2
    〜6である請求項1、2、3または4に記載の防寒被服
    セット。
  6. 【請求項6】肌着が、肌面にパイル層および/または起
    毛層を有する有毛緯編地から形成された請求項1、2、
    3、4または5に記載の防寒被服セット。
  7. 【請求項7】防寒外衣を構成する少なくとも表地側の布
    帛が難燃性を有する請求項1、2、3、4、5または6
    に記載の防寒被服セット。
  8. 【請求項8】防寒外衣を構成する表地の布帛が可視光
    線、赤外線および/または紫外線に対する迷彩もしくは
    擬装加工された請求項1、2、3、4、5、6または7
    に記載の防寒被服セット。
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