JP2813790B2 - 化合物半導体単結晶基板の洗浄、乾燥方法 - Google Patents
化合物半導体単結晶基板の洗浄、乾燥方法Info
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Description
燥技術、特にGaAs単結晶基板を鏡面研磨した後に行
なう洗浄、乾燥に利用して好適な技術に関し、洗浄後の
基板表面の乾燥むらおよび重金属汚染を防止するのに有
効な技術である。
基板(ウェハ)は、研磨加工時に基板の固定に用いたワ
ックスの残渣や基板表面に付着している塵埃を除去する
ため、ワックスの溶解性を考慮してトリクレン、アセト
ン、メタノール等の有機溶剤の中から適当な有機溶剤を
選択しあるいはそれらを組み合わせた溶剤を用いて基板
を洗浄した後、超純水により有機溶剤並びに水溶性の汚
染物質を洗い落してからスピン乾燥あるいは窒素ガスの
吹き付けによるブロー乾燥で基板表面を乾燥させるよう
にしていた。なお、スピン乾燥は、スピナー等を用い単
結晶基板を高速回転し、表面の水切りを行うものであ
る。
来方法にあっては、乾燥後の基板表面にいわゆる乾燥む
らと呼ばれる斑紋状の汚れが生じ、基板表面の品質を低
下させることがあった。このような乾燥むらは、サブミ
クロン〜10ミクロン程度の微粒子の集合体であり、基
板表面に強固に付着しているので、窒素ガスの吹き付け
や超純水による再度の洗浄を行なっても取ることができ
ないという欠点があった。
超純水による洗浄の過程で基板が酸化されて表面に比較
的厚くかつ面内バラツキの大きな酸化膜が形成されると
いう欠点があった。そのため、従来は、上記エピタキシ
ャル成長の直前に、硫酸系のエッチング液を用いてエッ
チングを行なうようにしていた。ところが、このエッチ
ング方法は、しばしばエッチング量のバラツキを生じ、
基板表面の平坦度を損なうとともに、エッチング後に再
び酸化膜が生成されてしまうため、基板の表面酸化膜を
完全に除去することができない。しかも、表面酸化膜が
厚いとそれだけ汚染物質としての重金属の表面濃度が高
くなるという問題点を有していることが明らかになっ
た。
成長の直前に基板を熱処理(熱エッチング)すること
で、ある程度除去することも可能であるが、このような
熱処理では、時として酸化膜の一部が残ってしまった
り、基板の表面欠陥を発生させる原因となるので好まし
くないことが分かった。また、表面酸化膜を熱エッチン
グしても重金属までは除去できないため、重金属の汚染
が多いと、基板表面にエピタキシャル層を成長させたと
きに基板との界面に重金属がシート状に残ってしまい、
電子デバイスを作成したときにトラップとして作用して
動作速度を遅くするという欠点がある。
止するためイソプロピルアルコール等を用いて基板表面
の水をアルコールで置換して蒸発させる蒸気乾燥法を提
案した(特願平3−150893号)。ところが、上記
蒸気乾燥法は、乾燥むらを無くすには有効であるが、イ
ソプロピルアルコール等の溶剤中に水分や不純物が蓄積
されるためかなりの頻度で溶剤を交換する必要がありコ
ストが高くなるとともに、Fe,Cu,Ni等の重金属
の汚染が基板表面全体に拡がることがあるので好ましく
ないことが分かった。
されたもので、その目的とするところは、蒸気乾燥法を
使わずにスピン乾燥またはブロー乾燥のみで乾燥むらの
でない簡易な基板洗浄方法を提供することにある。本発
明の他の目的は、基板表面の酸化膜の厚さが薄くかつ均
一となるような基板洗浄方法を提供することにある。さ
らに、本発明の他の目的は、基板表面の重金属汚染の少
ない基板洗浄方法を提供することにある。
よる洗浄の過程で基板が酸化されてバラツキの大きな表
面酸化膜が形成されるのは、超純水中の溶存酸素濃度が
関係するのではないかと考えて、上記エッチング後の洗
浄に使用する超純水の条件について検討を行なった。図
1には、実験により得られた超純水中の溶存酸素濃度と
基板表面に残る酸化膜の厚さとの関係を示す。同図よ
り、超純水中の溶存酸素濃度を1.0ppm以下とする
ことによって、酸化膜の厚さを2nm以下にできるこ
と、およびそのときの酸化膜の厚さのバラツキを測定誤
差範囲の0.5nm以下にできることが分かる。ただ
し、洗浄中に超純水中に溶解する酸素があることを考慮
すると、溶存酸素濃度が0.5ppm以下の超純水を使
用するのが望ましい。
布をエリプソメータを用いて、また基板表面の重金属の
面内分布を全反射蛍光X線分析でそれぞれ調べたとこ
ろ、酸化膜の厚みの面内分布と重金属の面内分布が対応
していることが分かった。これより、重金属は表面酸化
膜の中に局在しており、酸化膜を洗浄中に除去できれば
重金属濃度を低減することができ、それには脱酸素水を
使用すれば良いと考え、溶存酸素濃度を低くした超純水
による洗浄実験を行なった。その結果、溶存酸素濃度が
0.5ppm以下好ましくは0.1ppm以下の超純水
を使用すれば、重金属濃度を1×1010原子/cm2以
下にすることができることを見つけた。
電子分光法)で調べた結果、乾燥むらと酸化膜中に含ま
れるAsの比率が高い部分とが対応しており、これより
乾燥むらはおそらく基板表面に残った水滴中の溶存酸素
がGaAsと反応してAs2O3が生じ、このAs2O
3が乾燥中に濃縮して析出したものであると考えられ
る。因みに、前述した特願平3−150893号におい
ても、乾燥むらはAs2O3微粒子であるとしている。
超純水による洗浄を行なえば、水滴中の溶存酸素がGa
Asと反応してAs2O3が生じ乾燥むらとして残るのを
防止できると考え、上記実験結果の再検討を行なった。
その結果、超純水の溶存酸素濃度が0.5ppmより高
いときに乾燥むらが発生しており、溶存酸素濃度が0.
5ppm〜0.1ppmのときには乾燥むらが発生して
いないこと、また溶存酸素濃度が0.1ppm未満のと
きは場合によって乾燥むらが発生することがあることを
見い出した。溶存酸素濃度が0.1ppm未満で乾燥む
らが発生するのは、そのような超純水は基板との濡れ性
が良すぎるのでたまたま水切れが悪かった場合にスピン
乾燥では吹き飛ばされず、もっぱら蒸発に依存するため
乾燥に時間がかかってしまうのが原因であると考えられ
る。従って、溶存酸素濃度が0.1ppm未満の場合に
も、超純水による洗浄時間を長くして表面酸化膜をより
均一に生成させたり、スピン乾燥の仕方、例えばスピン
乾燥時の単結晶を回転する速度ならびに回転する時間等
の条件を工夫して水切れを良くすることで乾燥むらを無
くすことが可能である。なお、超純水は、水中に溶存す
る金属イオン等の不純物を除去したものであり、その品
質は電気抵抗率が少なくとも5MΩ・cm以上、通常は
10MΩ・cm以上となるように管理されている。溶存
酸素濃度が低い超純水は、上記の不純物を含まない超純
水に窒素ガスを吹き込む方法等により得ることができ
る。なお、窒素ガスは、前記の目的に沿うように高純度
のものを用いる。
もので、鏡面研磨され、有機溶剤で洗浄された化合物半
導体単結晶基板を超純水で洗浄するにあたり、溶存酸素
濃度が0.5ppm以下の超純水を用いて洗浄を行ない
スピン乾燥またはブロー乾燥させるものである。更に、
上記の発明の別な態様として、以下の発明を提供する。
すなわち、鏡面研磨され、有機溶剤で洗浄された化合物
半導体単結晶基板を超純水で洗浄するにあたり、まず溶
存酸素濃度が0.1ppm以下の超純水を用いて洗浄を
行い、引き続いて溶存酸素濃度が0.1ppm以上0.
5ppm以下の超純水を用いて洗浄を行なった後、スピ
ン乾燥またはブロー乾燥させるものである。前記発明
は、最初に溶存酸素濃度が0.1ppm以下の超純水を
用いて洗浄を行なうことで、主に基板表面に残留する重
金属の除去を図り、引き続いて溶存酸素濃度が0.1p
pm以上0.5ppm以下の超純水を用いて洗浄を行な
うことで、超純水による洗浄終了後表面に残る酸化膜の
低減を図るとともに、乾燥むらの発生を抑えるものであ
る。
スピン乾燥またはブロー乾燥のみで乾燥むらの生じない
基板洗浄を簡易に行なうことができる。また、上記した
手段によれば、基板の表面酸化膜の厚さが2nm以下と
非常に薄くかつ均一となるとともに、洗浄後の重金属の
表面濃度が1×1010原子/cm2以下である極めて重
金属の汚染が少ない基板を得ることができる。
を(100)面に沿って厚さ1mmの薄板状に切断した
後、粗研磨、鏡面研磨加工を行なった。それから、基板
の固定に用いたワックスの残渣や基板表面に付着してい
る塵埃を除去するため、トリクレン、アセトン、メタノ
ールによる有機洗浄を施した。次に、溶存酸素濃度を
0.5ppmとした超純水による最終洗浄を5分間行な
って有機溶剤を洗い落してからスピン乾燥装置により基
板表面を乾燥させた。
で洗浄、乾燥した。乾燥後、基板表面の状態を目視検査
したところ、表面に乾燥むらの発生している基板は皆無
であった。また、レーザ光照射式パーティクルカウンタ
により、基板表面に付着している微粒子数を測定した結
果、直径0.2μm以上の微粒子の数は平均1cm2当
たり1個であった。
まで行なった100枚のGaAs単結晶基板を、溶存酸
素濃度を測定下限である0.05ppmとした超純水に
より洗浄してから、引き続き溶存酸素濃度を0.3pp
mとした超純水により洗浄した後、スピン乾燥した。第
1と第2の洗浄時間の合計は実施例1と同一の5分間と
した。乾燥後、基板表面の状態を目視検査したところ、
基板の表面に乾燥むらの発生している基板は皆無であっ
た。また、乾燥むらの発生していた基板も基板の外苑部
に僅かに存在するのみであった。また、レーザ光照射式
パーティクルカウンタにより、基板表面に付着している
微粒子数を測定した結果、直径0.2μm以上の微粒子
の数は実施例1と同様平均1cm2当たり1個であっ
た。
まで行なった100枚のGaAs単結晶基板を、溶存酸
素濃度を測定下限である0.05ppmとした超純水に
よる最終洗浄を5分間行なって、スピン乾燥した。乾燥
後、基板表面の状態を目視検査したところ、80枚の基
板の表面には乾燥むらが発生していなかった。また、乾
燥むらの発生していた20枚の基板も基板外縁部に僅か
に乾燥むらが存在するのみであった。さらに、乾燥むら
のない基板について、レーザ光照射式パーティクルカウ
ンタにより、基板表面に付着している微粒子数を測定し
た結果、直径0.2μm以上の微粒子の数は実施例1と
同様平均1cm2当たり1個であった。
で行なった100枚のGaAs単結晶基板を、溶存酸素
濃度が8ppmの超純水による最終洗浄を5分間行なっ
て、スピン乾燥した。乾燥後、基板表面の状態を目視検
査したところ、100枚すべての基板の表面に乾燥むら
が発生していた。また、レーザ光照射式パーティクルカ
ウンタにより、基板表面に付着している微粒子数を測定
した結果、直径0.2μm以上の微粒子の数は実施例
1,2,3よりも多かった。
の洗浄、乾燥を行なった基板について、全反射蛍光X線
分析装置で表面の重金属の濃度それぞれを測定した。そ
のうち、代表的な重金属であるFe、Ni、Cuおよび
Znの表面濃度の測定値の平均値を、表1に示す。実施
例1,実施例2および実施例3の基板では、Fe、N
i、Cuの濃度は、測定下限の1×1010原子/cm2
以下であった。表1では区別できないが、実施例2では
最初に、より溶存酸素濃度が低い超純水を用いて洗浄し
ているので、重金属濃度は実施例1よりも低くなってい
ると予想される。
例の洗浄、乾燥を行なった基板について、表面酸化膜の
厚さを測定したところ、実施例1,実施例2および実施
例3では1〜2nmであり、比較例では5〜10nmで
あった。なお、上記実施例では、GaAs単結晶基板の
洗浄方法について説明したが、この発明はそれに限定さ
れるものでなく、InP単結晶基板その他化合物半導体
単結晶基板の洗浄に利用することができる。また、上記
実施例では、スピン乾燥によりGaAs単結晶基板の乾
燥を行なったが、不活性ガスの吹き付けによるブロー乾
燥を使用することが可能である。
研磨され、有機溶剤で洗浄された化合物半導体単結晶基
板を超純水で洗浄するにあたり、溶存酸素濃度が0.5
ppm以下の超純水を用いて洗浄を行ないスピン乾燥ま
たはブロー乾燥させるようにしたので、蒸気乾燥法を使
わずにスピン乾燥またはブロー乾燥のみで乾燥むらので
ない基板洗浄を簡易に行なうことができ、これによって
コストが高くなるのを回避できるという効果がある。特
に、半導体基板は大口径化が望まれており、基板が大口
径になると多量の乾燥用溶剤を必要とするため、本発明
は蒸気乾燥法に比べて今後ますます有用性が高くなる。
また、本発明を適用した基板は、表面酸化膜の厚さが2
nm以下と非常に薄くかつ均一であるため、直前のエッ
チングを行なうことなくエピタキシャル成長させること
ができるので、エピタキシャル成長用に好適な化合物半
導体単結晶基板を得ることができる。さらに、本発明方
法を適用した基板は洗浄後の重金属の表面濃度が1×1
010原子/cm2以下であり、重金属の汚染が少ないの
で基板表面にエピタキシャル層を成長させたときに基板
との界面に重金属が残ることがなく、これを基板とする
電子デバイスの特性を向上させることができる。
表面に残る酸化膜の厚さとの関係を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 鏡面研磨され、有機溶剤で洗浄された化
合物半導体単結晶基板を超純水で洗浄するにあたり、溶
存酸素濃度が0.5ppm以下の超純水を用いて洗浄を
行ないスピン乾燥またはブロー乾燥させることを特徴と
する化合物半導体単結晶基板の洗浄、乾燥方法。 - 【請求項2】 鏡面研磨され、有機溶剤で洗浄された化
合物半導体単結晶基板を超純水で洗浄するにあたり、ま
ず溶存酸素濃度が0.1ppm以下の超純水を用いて洗
浄を行ない、引き続いて溶存酸素濃度が0.1ppm以
上0.5ppm以下の超純水を用いて洗浄を行なった
後、スピン乾燥またはブロー乾燥させることを特徴とす
る化合物半導体単結晶基板の洗浄、乾燥方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5075608A JP2813790B2 (ja) | 1993-04-01 | 1993-04-01 | 化合物半導体単結晶基板の洗浄、乾燥方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5075608A JP2813790B2 (ja) | 1993-04-01 | 1993-04-01 | 化合物半導体単結晶基板の洗浄、乾燥方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06291105A JPH06291105A (ja) | 1994-10-18 |
JP2813790B2 true JP2813790B2 (ja) | 1998-10-22 |
Family
ID=13581099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5075608A Expired - Fee Related JP2813790B2 (ja) | 1993-04-01 | 1993-04-01 | 化合物半導体単結晶基板の洗浄、乾燥方法 |
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5670376A (en) * | 1994-12-14 | 1997-09-23 | Lucent Technologies Inc. | Methodology for monitoring solvent quality |
-
1993
- 1993-04-01 JP JP5075608A patent/JP2813790B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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