JP2813205B2 - 電気温水器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電気温水器の電気ヒータ取付け部の隙間腐
食防止構造に関するものである。

〔従来の技術〕

従来のステンレス製電気温水器のヒータ口の構造およ
びパッキン形状を第６図，第７図に示すように、組立て
方法によっては、パッキンＡが、フランジＢの加工アー
ル部にずれる場合もある構造であり、加工アール部をこ
れてパッキンがずれると、パッキンＡとフランジＢのア
ール部により、隙間を形成し、隙間腐食感受性を高め、
隙間腐食をおこす可能性が大きくなる。なお第６図，第
７図において、Ａはパッキン、Ｂは缶体側フランジＣは
胴板、Ｄはヒータフランジ、Ｆはスペーサを示す。

またこの種の構造として関連するものに、例えば、特
開昭54−113534号、実開昭54−127253号等に挙げられ
る。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来技術は、ステンレス製電気温水器の、最も腐
食が大となる隙間腐食について、ヒータ取付け時の組立
てのバラツキにより、パッキンがずれて、フランジアー
ル部との間に隙間を形成することにより、隙間腐食感受
性を高める問題があった。

本発明は、パッキンのずれを防止し、さらに合理的な
ずれ防止構造により、加工、組立工数を増加させない
で、耐隙間腐食防止構造を有する電気温水器を提供する
ことを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、ヒータ取付け作業時、パ
ッキンがずれても、ヒータ口アール部の外径より、パッ
キン内径の方が大になるように固定ボルト位置を決定す
れば良いが、ボルト数を増加させると加工および組立て
工数が増加になり経済的ではない。そこでスペーサとパ
ッキンに結合部をもたせて、パッキンのずれを防止した
ものである。

〔作用〕

電気ヒータ取付用パッキンのずれを防止するために、
スペーサとパッキンに結合部を設け、パッキンがずれな
いようにした構造は、パッキンと、フランジアール部と
の間で、隙間を形成することがない。

それによって、ステンレス電気温水器で最大の腐食箇
所を示す。パッキンと、フランジ間の隙間腐食の感受性
を、組立てのバラツキにより高めることを防止できるも
のである。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を第１図〜第５図により説明
する。

１は電気温水器のタンクを形成する胴板で、２は上鏡
板、３は下鏡板で、胴板１と上鏡板２および下鏡板３は
溶接構造となっている。

胴板１下方側面に電気ヒータ４を取付けるヒータ口５
を設け、パッキン６を介して電気ヒータ４をヒータ口５
に取付けてあり、スペーサ７はパッキンの圧縮率を制限
するものである。なお８は固定ボルトを示し、第５図は
固定ボルトと固定ボルトの中間の断面図を示す。

かかる構成において、第５図の如く、パッキン６が、
パッキン６′の位置にずれると、パッキン６′と、５フ
ランジのアール部との間で10隙間を形成する。この隙間
10が形成されることにより、パッキン６′とフランジ５
のアール部間で、ステンレスの隙間腐食を生じるように
なる。

そこで、パッキンずれを防止するために、パッキン６
と、スペーサ７に結合部11をつくり、第５図，第２図に
示すように、 の関係を満足するように、固定ボルト、結合部11を設定
すると、パッキン６とフランジ５アール部で隙間を形成
しなくなり、組立て要因による隙間腐食感受性を高める
ことを防止できる。

なお結合部の形状は、第１図には円形を示してある
が、第１図の結合部11が方向12（中心方向）に移動する
のを防止すれば良いため、円形、だ円、多角形、扇形お
よびこれらの組合せ形状とすることができる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、製品組立のバラツキの要因によるス
テンレスタンクで最大腐食箇所を示すヒータフランジパ
ッキン部の隙間腐食助長の要因を防心できる。

また固定ボルトの本数を増加させることなく、また加
工、組立工数も増加させることなく経済的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のパッキンスペーサ部の平面
図、第２図は第１図のパッキンの寸法説明の部分図、第
３図は電気温水器の構造を示す縦断面図、第４図、第５
図は異なる切断面におけるヒータ口拡大縦断面図、第６
図は従来例のパッキンスペーサ部の平面図、第７図は従
来例のヒータ口縦断面図およびパッキン平面図である。 １……胴板、２……上鏡板、３……下鏡板、４……電気
ヒータ、５……ヒータ口、６……パッキン、７……スペ
ーサ、８……固定ボルト。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−228852（ＪＰ，Ａ) 実開 昭51−163561（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−83281（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−9648（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭51−70949（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F24H 9/00 F24H 1/18

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】胴板と上下鏡板でタンクを形成し、タンク
   下方側面にヒータ取付口を設けた電気温水器において、
   ヒータ口に設けるパッキン内径を（r₂）を、ヒータ口ア
   ール部の外径（r₁）より大径にし、且つｎ個の固定ボル
   トによりパッキンを固定し、パッキンの外側に配したス
   ペーサとパッキンに設けた複数個の結合部により結合
   し、結合部とボルト中心角、またはボルト間、結合部間
   の最大角度をαとするとき、 を満足するように形成してなることを特徴とする電気温
   水器。
2. 【請求項２】特許請求範囲第１項記載のものにおいて、
   パッキンとスペーサの結合部の形状を円形、だ円形、多
   角形、扇形のいずれかの形状、およびこれらの形状の組
   合せ形状とすることを特徴とする電気温水器。