JP2813123B2 - 光線の配列を結合する方法と装置 - Google Patents

光線の配列を結合する方法と装置

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  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光線の配列(光線列)
を結合する方法および装置に関し、特に、一表面に複数
の光線列を方向付ける方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光線列および光学的入出力を有する装置
の配列を用いる光学的スイッチングおよびプロセシング
システムにおいて、装置の同一表面上に数個の光線列を
方向付することがしばしば必要になる。このシステムに
生じる主要な問題は、光学的出力の多大な損失および収
差の発生なしにこの要望を満たすことが出来ない点であ
る。
【0003】目的表面に複数光線列を方向付ける1つの
技術は、空間で鏡の反射率を変えるパターン化されてい
る空間偏向鏡を用いることである。光線の1つの配列
は、光線が高透過率である鏡の一部に当たるように配置
されている。光線の第1の配列(第1光線列)は、目標
表面に当たるように鏡を通過する。光線の他の配列は鏡
から目標の表面に反射するように配置されている。映像
レンズは表面上の鏡面に像を結ぶようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、映像面を通過
する透過光は、光線列の大きさを制限するという好まし
くない光の収差をもたらす。さらに、映像レンズの使用
は空間偏向鏡と目標表面間に必要とされる距離を増大さ
せ、またシステム全体の寸法も増大させる。光線列を結
合する他の技術は瞳面結合である。本技術において、第
1光線列はレンズの瞳面の半分を通って透過され、第2
光線列はレンズの瞳面の他の半分を通って透過される。
しかし、この技術はレンズの不完全さにより光の収差を
増大させ易い。このようなことから、光の収差に対する
感受性を最小にし、小さなシステムをもたらし、光の出
力損失を最小にする光線列を結合する方法および装置が
要望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】第2光線列を角度偏向装
置から目的表面に反射させているとき、第1光線列を角
度偏向装置から目的表面に透過させることにより、光の
パワー損失を最小にするような方法で光線列が結合され
る。第1光線列の光線は、角度偏向装置が高透過率であ
るような第1組の角度で、角度偏向装置に当たるように
配置されている。第2光線列の光線は、角度偏向装置が
高反射率であるような第2組の角度で、角度偏向装置に
当たるように配置されている。
【0006】
【実施例】本発明の最良の実施例では、角度偏向装置は
目標表面に対しほぼ45度の角度で配置されたファブリ
ペロー共振器である。一個は目標の表面に対し直角であ
り、他の一個は目標の表面に対しほぼ平行である光源の
二個の光線列はファブリペロー共振器で方向付けられ
る。照準レンズは反射なしに光線が共振器を通過させる
設定角度でファブリペロー共振器に当たるように、光線
を目標の表面に対し直角にする。第2の照準レンズは光
線が共振器から目標の表面に反射させる設定角度でファ
ブリペロー共振器に当たるように、光線を目標の表面に
平行に位置するようにする。
【0007】焦点レンズは光線列から目標の表面上の特
定の点に光線を集中させる。光線が角度偏向装置に当た
る入射角度θは光線が装置で反射するか透過するかを決
定する。角度偏向装置は第1設定角度で装置に入射する
光を透過し、第2設定角度で装置に入射する光を反射す
る。第1光線列が角度偏向装置を透過するように、第1
設定角度で第1光線列が角度偏向装置に当たるように
し、一方第2光線列が角度偏向装置で反射するように、
第2設定角度で第2光線列が角度偏向装置に当たるよう
にすることで光線列を結合させることを実現した。光線
の結合された光線列はほぼ同じ方向に進行し、交互に配
列することが可能である。
【0008】図1は本発明の原理を説明するものであ
る。特に、図1は、角度偏向装置10の各々反対側に入
射され、一般にそれぞれα光線およびβ光線で表示され
る光線の2個の照準された光線列を示している。本発明
の実施例では、角度偏向装置10は、ファブリペロー共
振器(以下ファブリペロー共振器10とする)である。
α1、α2、α3を含む光線列αは、例えば光検出器の目
標の表面12上へファブリペロー共振器10から反射さ
れる。光線β1、β2、β3を含む光線列βは反射せずほ
ぼ全部が目標の表面12上へ透過する。光線列αの光線
は、共振器10が高反射になる角度でファブリペロー共
振器10に当たり、光線列βの光線は共振器が高透過に
なる角度でファブリペロー共振器10に当たる。光線列
α、βは、光線列の透過および光線列の反射で、両光線
列が目標の表面12に入射するように互いにおよびファ
ブリペロー共振器10に関して方向付けられる。ファブ
リペロー共振器10の表面への垂線に関して測定される
入射角はファブリペロー共振器10が直角に反射するよ
うな45度近傍に選択される。勿論、入射角度の幾多の
選択結合と共振器の方向付けで光線列を結合することが
できる。
【0009】図2は本発明の原理に基づき、ほぼ平行な
光線の2個の光線列を結合する装置の模範的実施例を示
す。本装置はファブリペロー共振器10、照準レンズ1
4、16、焦点レンズ18を有する。光源a1、a2、a
3から発光された光線は照準レンズ14により照準され
る。照準された光線はファブリペロー共振器10の第1
鏡表面20に方向付けられ、高反射率になるような一組
の角度で表面20に当たる。同様に、光源b1、b2、b
3から発光された光線は照準レンズ16により照準さ
れ、ファブリペロー共振器10の第2鏡表面22に方向
付けされる。光源b1、b2、b3から発光された光線は
高透過率になるような一組の角度で表面22に当たる。
光線列α、βとっての模範的な角度は下記に記述し、図
6に示す。照準レンズ14、16の位置は光線の各々の
光線列にとって望ましい角度になるように選択される。
レンズ18は異なる角度で光線列αの光線を反射させ、
光線列βの光線を透過させる。レンズ18は目標の表面
12上の点a1'、b1'、a2'、b2'、a3'、b3'の挟み
込まれた光線列を形成するように光線を集束する。照準
レンズ14、16の位置は、図2に示すように点が挟み
込まれるように調整可能になっている。
【0010】図3、4はファブリペロー共振器10をよ
り詳細に示し、かつ共振器内の光線の角度を図解して示
すものである。各図において、光線はファブリペロー共
振器10の表面の法線に対する角度θで入射する。図3
は表面20で入射する光線α1を示し、図4は表面22
で入射するβ1を示す。表面20を通って透過される光
線α1の一部は表面20の法線に対して角度θ'で伝幡す
る。同様に、表面22を通って透過される光線β1の一
部は表面22の法線に対して角度θ'で伝幡する。
【0011】ファブリペロー共振器10の角度偏向特性
を記述する科学的原理と、最適のシステムとファブリペ
ロー共振器の設計について、以下に説明する。ファブリ
ペロー共振器の特性は、M. Born and E. Wolf, "Princi
ples of Optics", Sixth Ed., Pergamon Press, New Yo
rk, 1980, pp.323-341、に記述されている。本発明の実
施例では、ファブリペロー共振器10の鏡の前平面20
と鏡の裏平面22の反射率は等しい。この場合、ファブ
リペロー共振器の透過率Tは式(1)で表され、共振器
の反射率は式(2)で表され、Fは式(3)で、δは式
(4)で表される。
【数1】 上記の各式において、Rはファブリペロー鏡表面20お
よび22の反射率であり、λ0は光の自由空間波長であ
り、n'は鏡表面20と22を分離する媒質の反射率で
あり、hは鏡表面間の距離であり、θ'は媒質の内側で
測られる光線(α1またはβ1)と鏡表面に対する法線の
間の角度である。装置の動作原理に影響を与えないの
で、鏡表面20と22で反射する光線の位相変化は無視
する。ファブリペロー共振器10はδ=2πmのとき完
全に透明になる。ここで、mは整数であり、鏡表面20
と22の反射率は等しくなっている。ファブリペロー共
振器10は式(5)のような角度θ'で高透過率にな
る。ここで、mはファブリペロー共振器10の共振数で
ある。
【数2】
【0012】スネルの法則によれば、式(6)のよう
に、m番目のファブリペロー透過共振の入射角度を推定
できる。
【数3】 光線列βの光線がファブリペロー共振器10(図1参
照)に入射する角度は高透過率の角度の中から選択され
る。隣り合う高透過率角度間の角分離δθ(ラジアン)
は、共振のうちの1つのmが1に比べて非常に大きいと
すれば、式(7)で与えられる。δθの大きさにのみ関
心があるので、式(7)のマイナス記号は無視できる。
【数4】 ファブリペロー共振器10は高透過率の角度間の角度で
高反射率になる。光線列αの光線の入射角度(図1参
照)の選定は高反射率のこの組の角度からである。
【0013】例えば、高透過率の角度間の中程の角度で
起きるδ=(2m+1)πのとき、ファブリペロー共振
器10の反射率Rmaxは式(8)によって与えられる。
【数5】 反射率は非常に大きくなる。例えば、50%の鏡の反射
率でRmaxはほぼ89%になる。最良のシステムすなわ
ちファブリペロー共振器設計について図2を参照して説
明する。直線光線列の光源a、bはd=500μmの距
離だけ離れている。レンズ14、16、18のそれぞれ
の焦点距離f14、f16、f18は1cmである。光線列か
らの光線は関連するレンズにより照準されると、光線列
内で隣接する光線間の角分離は、ほぼδθ=tan
-1(500μm/1cm)=2.86度になる。この共
振器の設計では、波長λ0=0.85μm、屈折率n=
1、n'=1.5にする。
【0014】光の出力としてレーザーダイオードを用い
る光学システムでは一般的にこの波長が用いられる。屈
折率は空気中または真空中でのガラスファブリペロー共
振器10に対応する。ガラスファブリペロー共振器10
が直角に反射するようθ=45度近傍で操作する。スネ
ルの法則により、共振器内角度はθ'=28.13度に
なる。式(7)によりファブリペロー共振器10の厚さ
hがほぼ22.5μmになることが推定できる。所望の
厚さと表面反射率を有するファブリペロー共振器を制作
する方法は当該技術分野では良く知られている。式
(4)から表面入射角度θを用いて式(9)が得られ
る。この式(9)と式(1)、(2)を用いると、ファ
ブリペロー共振器10の透過率Tと反射率Sは入射角度
θの関数として計算できる。
【数6】
【0015】図5は上述した設計基準を用いたファブリ
ペロー共振器10の透過率と反射率のグラフである。線
24、26はθ=45度近傍の範囲での入射角度に対す
る透過率および反射率を表す。グラフはファブリペロー
共振器10の角度偏向特性を明白に説明するものであ
り、一群の入射角度の1つの角度での透過率の最高点
と、一群の入射角度の第2の角度での反射率の最高点
(透過率の最高点間に存在する)を示している。
【0016】図6の表は、上述した実例のシステムすな
わちファブリペロー共振器の設計基準を用いた図1に示
す光線α1、α2、α3、β1、β2、β3の入射角度で生じ
る透過率および反射率を示している。図6からわかるよ
うに、等間隔で配置された二組の光源において、一方の
光源のセット(すなわち、図2の光源a1、a2、a3
からの光線は、88%より大きい反射率でファブリペロ
ー共振器10から反射され、他方の光源のセット(例え
ば、図2の光源b1、b2、b3)からの光線は透過率9
8%以上で透過することにより、交互に配置された像を
作ることができることを示している。
【発明の効果】このように、光の出力損失が極めて少な
い状態で複数の線の光線列を結合しうる角度偏向装置を
設計することができる。本発明を角度偏向装置にファブ
リペロー共振器を引用して説明したが、本発明の原理は
装置の基準面に対する第1組の角度でほとんど反射する
ことなしに光を透過し、かつ装置の基準面に対する第2
組の角度でほとんど角度を反射する如何なる装置にも等
しく適用できる。角度偏向装置は、例えば、屈折光学装
置であっても良く、また如何なる設計、構造であっても
良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理に基づき、照準された光線の2個
の光線列を結合する角度偏向装置を示す簡単な概略図で
ある。
【図2】図1の光線列を結合する方法および装置の本発
明の実施例を示す概略図である。
【図3】図1の各々選択された反射および透過を示すフ
ァブリペロー共振器を示す概略図である。
【図4】図1の各々選択された反射および透過を示すフ
ァブリペロー共振器を示す概略図である。
【図5】入射角の選択された範囲での図3、4のファブ
リペロー共振器における光の入射角に対する透過と反射
のデータを示す説明用のグラフである。
【図6】選択された入射角での図1の光線の透過と反射
値を示す表である。
【符号の説明】
10 角度偏向装置 12 目標の表面 14 照準レンズ 16 照準レンズ 18 焦点レンズ 20 ファブリペロー鏡表面 22 ファブリペロー鏡表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 27/10 WPI/L

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1表面(22)と第2表面(20)と
    を有し、第1組の角度で入射する光線(β)を透過し、
    第2組の角度で入射する光線(α)を反射する角度偏向
    装置(10)と、 第1光線列(β)が、角度偏向装置を通って、目標表面
    (12)に透過されるように、第1組の入射角度で、第
    1光線列を角度偏向装置の第1表面に方向付ける手段
    (16)と、 第2光線列(α)が、角度偏向装置から、目標表面に反
    射するように、第2組の入射角度で、第2光線列を角度
    偏向装置の第2表面に方向付ける手段(14)とを有す
    ることを特徴とする、光線の配列を結合する装置。
  2. 【請求項2】 第3光線列が、角度偏向装置(10)を
    通って目標表面(12)に透過されるように、第1組の
    入射角度の中から選ばれた所定の角度で、第3光線列を
    角度偏向装置の第1表面(22)に方向付ける手段をさ
    らに有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 第3光線列が、角度偏向装置(10)か
    ら目標表面(12)に反射されるように、第2組の入射
    角度の中から選ばれた所定の角度で、第3光線列を角度
    偏向装置の第2表面(20)に方向付ける手段をさらに
    有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  4. 【請求項4】 角度偏向装置は、ファブリペロー共振器
    であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  5. 【請求項5】 第1、第2光線列の少なくとも一方が、
    複数の次元の配列であることを特徴とする請求項1に記
    載の装置。
  6. 【請求項6】 光線を角度偏向装置(10)から目標表
    面(12)上に集束するために、角度偏向装置と目標表
    面の間に配置された焦点手段(18)をさらに有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の装置。
  7. 【請求項7】 第1光線列が角度偏向装置(10)を透
    過して目標表面(12)に当たるように、第1光線列の
    各光線を、角度偏向装置が高透過率になる第1組の入射
    角度で角度偏向装置に当てるステップと、 第2光線列が角度偏向装置で反射して目標表面に当たる
    ように、第2光線列の各光線を、角度偏向装置が高反射
    率になる第2組の入射角度で角度偏向装置に当てるステ
    ップとからなることを特徴とする、光線の配列を結合す
    る方法。
  8. 【請求項8】 第3光線列が、角度偏向装置を透過して
    目標表面に当たるように、第1組の入射角度の中から選
    ばれた所定の角度で角度偏向装置に第3光線列を方向付
    けるステップをさらに有することを特徴とする請求項7
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】 第3光線列が、角度偏向装置から目標表
    面に反射されるように、第2組の入射角度の中から選ば
    れた所定の角度で角度偏向装置に第3光線列を方向付け
    るステップを有することを特徴とする請求項7に記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 角度偏向装置が、ファブリペロー共振
    器であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  11. 【請求項11】 第1、第2光線列の少なくとも一方
    が、複数の次元の配列であることを特徴とする請求項7
    に記載の方法。
  12. 【請求項12】 角度偏向装置で透過あるいは反射され
    る光線を目標表面上に集束するステップをさらに有する
    ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
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