JP2813101B2 - スターチス培養細胞による赤色色素の生産法 - Google Patents

スターチス培養細胞による赤色色素の生産法

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彰英 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスターチス培養細胞によ
る赤色色素の生産法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品用着色剤として合成色素より
安全性の高い天然色素の使用が望まれている。天然色素
は植物等から抽出することにより製造されているが、栽
培のために広大な土地、時間および労力が必要であり、
また収穫は天候、土壌等に左右され、安定した品質の製
品を得ることが困難である。今後の天然色素の生産にお
いては、地価や人件費の高騰を考慮すると、生産条件を
人為的にコントロールして安定した生産量を得ることが
できる細胞培養により色素生産を行う方法が有利であ
る。
【0003】出願人は、先にイソマツ科、イソマツ属の
スターチス(Limonium LatifoliumO. Kuntze)の葉また
は茎の培養細胞から赤色色素を白色光下で効率よく生産
する方法(特開平3−139287号公報)および一定
のpHに調整された液体培地により効率よく赤色色素を
生産する方法を提案した。これらの方法は、生産性を向
上させるために光の影響や培地に添加する植物ホルモン
の影響を考慮した生産方法であり、培地に添加する色素
生産促進物質の影響については調査されていない。植物
培養細胞を用いて色素を生産する場合、細胞中の色素含
有量が低く、効率的な生産が行えないため、細胞中の色
素含有量を向上させる目的で菌糸や多糖等の色素生産刺
激物が添加される場合があるが、これらを使用した場合
には、色素の抽出や精製過程において各種の困難が発生
し、特に菌糸を用いた場合には菌体中からの毒素の溶出
が予測され、生産色素を食品用として使用することが困
難となる場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題を解決し、人体に無害で、色素の抽出や
精製が容易である色素生産促進物質の添加によりスター
チス培養細胞から効率よく赤色色素を生産することがで
きるスターチス培養細胞による赤色色素の生産法を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、スターチス培
養細胞を液体培地で培養して赤色色素を生産するに際
し、液体培地に10〜100ミリモル濃度の塩化ナトリ
ウムを添加することを特徴とするスターチス培養細胞に
よる赤色色素の生産法に関する。本発明に用いられるス
ターチスは、イソマツ属に属する塩生植物であり、通常
園芸種として栽培される、リモニウム・シヌアーツムや
リモニウム・スウォロウィーなどの一年草、リモニウム
・ラティフォリウムやリモニウム・タータリクムなどの
多年草が知られている。スターチス培養細胞は、スター
チス組織から誘導されるカルスを液体培養して得られ
る。該カルス誘導のために用いられるスターチス組織と
しては葉または茎の組織が用いられる。
【0006】スターチス培養細胞を培養する培地として
は、公知のMurashige−Skoog培地(19
62)、Linsmaier−Skoog培地(196
5)、White培地(1963)、Gamorg B
−5(1968)、Nitsch培地(1951)、H
eller培地(1953)、Schenk−Hild
ebrandt培地(1967)、Nitsch−Ni
tsch培地(1967)、Kohlenbach−S
chmidt培地(1975)、Knop培地(186
5)またはこれらの改変培地を用いることができる。赤
色色素の培養に際し、これらの培地に炭素源としてシュ
ークロース、グルコース、ラフィノース、フラクトー
ス、ペントース、マルトースなど、植物ホルモンとして
オーキシン、サイトカニンなどが添加される。オーキシ
ンとしてはインドール−3−酢酸、1−ナフタレン酢
酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、2,4,5−ト
リクロロフェノキシ酢酸などが挙げられ、サイトカニン
としてはゼアチン、ジヒドロゼアチン、リボシルゼアチ
ン、6−ベンジルアデニン、カイネチンなどが挙げられ
る。
【0007】本発明においては、スターチス培養細胞の
液体培地中に10〜100ミリモル濃度、好ましくは2
0〜80ミリモル濃度の塩化ナトリウム(NaCl)が
添加される。培地中に添加されたNaClは、細胞組織
に取り込まれて色素生産を促進する作用をする。培地へ
のNaClの添加量が10ミリモル濃度未満では添加の
効果が少なく、また100ミリモル濃度を超えると、細
胞がネクロシルを起こし、代謝系の機能が停止してしま
う。培地に添加するNaClは純度の高いものが望まし
いが、食塩等でも代用が可能である。
【0008】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 実施例1および比較例1〜5 Murashige−Skoog培地1リットルに対
し、色素生産促進物質として、NaCl、セルロース、
キンタン、キチンおよびKClをそれぞれ3g添加し、
これらの培地を用いてスターチス培養細胞の培養を行っ
た。また比較のために無添加の培地を用いた場合につい
ても同様に行った。スターチス培養細胞を接種して10
日目にそれぞれの色素含有量を調べ、結果を表1に示し
た。培養は、白色光照射下、25℃で100rpmの旋
回培養で行った。色素含有量は、1gの細胞に対して
0.1重量%塩酸を含むメタノール溶液を10ml加え
て色素の抽出を行った後、抽出液の530nmにおける
吸光度を測定して比較した。表1の結果から、NaCl
を添加した場合の抽出液の吸光度が最も高く色素の生産
量が最も高いことがわかった。
【0009】
【表1】
【0010】実施例2〜10および比較例6、7 実施例1において、NaCl濃度を0、10、20、3
0、40、50、60、70、80、100および20
0ミリモル濃度にそれぞれ調整した培地を用いた以外は
実施例1と同様の条件で培養を行い、色素生産量を調
べ、その結果を図1に示した。図1から、培地中に10
〜10ミリモル濃度のNaClを添加することにより色
素の生産量は無添加の倍に比較して高くなることが確認
された。また50ミリモル濃度のNaCl添加の場合に
は色素含有量が無添加の場合の1.5倍となることがわ
かった。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、スターチス培養細胞の
培養に際し、液体培養中に一定量のNaClを添加する
ことにより、赤色色素の生産を効率よく行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】NaClの添加量による赤色色素の生産量の変
化を示す図。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スターチス培養細胞を液体培地で培養し
    て赤色色素を生産するに際し、液体培地に10〜100
    ミリモル濃度の塩化ナトリウムを添加することを特徴と
    するスターチス培養細胞による赤色色素の生産法。
JP29598792A 1992-11-05 1992-11-05 スターチス培養細胞による赤色色素の生産法 Expired - Fee Related JP2813101B2 (ja)

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