JP2811415B2 - リサイクル材を用いた騒音低減型軌道構造 - Google Patents

リサイクル材を用いた騒音低減型軌道構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道列車が発する騒音
を吸収低減するという特性を有する騒音低減型軌道構造
に関する。特には、吸音特性に優れ、かつ施工費の安い
リサイクル材を用いた騒音低減型軌道構造に関する。
【0002】
【従来の技術】列車が走行する際に発する騒音として
は、以下の4種類が主要である。 構造物音: 列車が走行する際に、高架橋等の構造
体が振動して発する騒音である。 転動音: 列車の車輪がレールと接触して生じる騒
音である。 空力音: 車体が空気を引き裂くことによって生じ
る騒音である。 パンタグラフ音: パンタグラフが架線とこすれて
生じる騒音である。 このうち、構造物音と転動音は、軌道の構造を工夫する
ことによって低減可能である。
【0003】従来、列車走行時にスラブ軌道から発生す
る騒音の防止対策として、(1)軌道スラブの下部に弾
性材を敷設する方法(図5)、(2)軌道スラブの上面
に吸音材料を設置する方法(図6)、(3)軌道スラブ
に凹部を設け、そこに道床バラスト等を散布する方法
(図7)が採用されている。
【0004】図5は、従来の弾性材敷設法の施された軌
道を示す断面図である。軌道スラブ23(コンクリート
製の板状体)の上面にレール21が敷かれており、軌道
スラブ23の下部には弾性材25(ゴム板等)が敷設さ
れている。
【0005】図6は、従来の吸音材敷設法の施された軌
道を示す断面図である。軌道スラブ23の上面には、レ
ール21の周囲に、吸音材27が敷設されている。吸音
材27は発泡軽量コンクリート等により形成されてい
る。
【0006】図7は、従来の道床バラスト散布法の施さ
れた軌道を示す図である。(A)は平面図、(B)は側
面断面図、(C)は正面断面図である。軌道スラブ31
の表面には、列状に凹部35(深さ13cm、巾20〜
30cm)が設けられており、同凹部には、道床バラス
ト33(粒径1.9〜6.4cm)が敷かれている。ま
た、軌道スラブ31の側部にも道床バラスト33が積ま
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記(1)の
方法(弾性材敷設法、図5)の場合は、主として構造物
音の抑制には効果があるが、転動音の低減効果は低く、
また既設のスラブ軌道に後から施工する事は困難である
という欠点がある。前記(2)(吸音材敷設法、図6)
の場合は、転動音に対する一定の低減効果はあるが、一
般に吸音材料が高価(例えば厚さ60mmの発泡コンク
リート板が10,000円/m2 )であるため、工事費
が高くなるという欠点がある。
【0008】前記(3)(道床バラスト敷設法、図7)
の場合は、道床バラストは吸音材料と比較して安価であ
るが、散布厚が薄いと騒音低減効果が低く、図7に示す
軌道スラブ31の厚さ、すなわち道床バラスト33の散
布厚を増加すると、レール位置が高くなり不経済とな
る。
【0009】本発明は、施工費が安く、吸音層の厚さが
薄くても(例えば10cm以下でも)騒音低減効果の高
い騒音低減型軌道構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のリサイクル材を用いた騒音低減型軌道構造
は、一般廃棄物の焼却残渣を粉砕・分級することにより
製造された実質的に無機質粒子よりなるリサイクル材の
層を表面に有することを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明に言うリサイクル材は、都市ゴミ等の一
般廃棄物を焼却炉(流動床式焼却炉等)で焼却する際
に、燃え残るガラス、陶磁器、砂利等を粉砕・分級して
得られる無機質粒子である。このようなリサイクル材
は、適当な粒度に調整することができ、鉄道の軌道スラ
ブ上に敷いた場合、吸音効果を発揮する。また、その価
格もきわめて安い(3,000円/m3 (運送費を含
む、以下同じ)、10cm厚に敷いて300円/m2
ので、防音施工費が安くてすむ。ちなみに、単粒度砕石
7号(粒径2.5〜5mmが大半)の場合、5,500
円/m3 、10cm厚に敷いて550円/m2 である。
また、道床砕石の場合3,550円/m3 、40cm厚
に敷いて1,420円/m2 である。なお、リサイクル
材は主成分がガラス、陶磁器、砂利等であるので、耐久
性については特に問題はない。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は、
本発明の一実施例に係るリサイクル材を用いた騒音低減
型軌道構造を示す斜視図である。図2は、図1のリサイ
クル材を用いた騒音低減型軌道構造の断面図である。
【0013】軌道スラブ2の上面に突設されているレー
ル締結台3上には、ボルトやレール締結具(図示され
ず)によってレール5が取付けられている。また、軌道
スラブ2上にはリサイクル材層1が、レール締結台3の
部分を除いて設けられている。軌道スラブ2の側辺に設
けられている側堤4は、リサイクル材層1のリサイクル
材が軌道スラブ2の側方にこぼれ落ちるのを防止してい
る。
【0014】図1、2のリサイクル材を用いた騒音低減
型軌道構造においては、リサイクル材を敷きつめること
によりリサイクル材層1を形成している。高速鉄道(新
幹線等)で列車の風圧によるリサイクル材の飛散が問題
となる場合には、リサイクル材層1の表面部に連結剤を
散布して、リサイクル材層1の表面を固める必要があ
る。なお、リサイクル材層1の側部をも同様にして固め
れば、側堤4は不要である。なお、側堤4の代わりに板
等を立ててもよい。
【0015】連結剤散布の一例として、アクリルエマル
ジョンを1.4kg/m2 の割合でジョロで散布したと
ころ、リサイクル材層1の表面部は良好に連結され、樹
脂を散布してもリサイクル材の吸音特性は変わらないこ
とが確認された。アクリルエマルジョンの代わりに、酢
酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂またはシリコン樹脂等
を散布しても、同様の効果が得られる。なお、連結剤を
リサイクル材層1の表面部に散布する代わりに、リサイ
クル材層1の表面部をネットで覆う方法、またはリサイ
クル材を目の細かい袋等に詰めて軌道スラブ2の上面に
並べる方法がある。さらに、リサイクル材層1を工場内
で予め所定の形状の成形品として製造し、軌道スラブ2
の上面に並べる方法もある。成形方法の一例としては、
リサイクル材を有機バインダとともにミキサー混合した
ものを型に入れてプレスし、その後型から出して乾燥さ
せる方法を挙げることができる。
【0016】次に、リサイクル材層の吸音特性につい
て、道床バラストや単粒度砕石7号等と比較しつつ説明
する。ここで、リサイクル材の一例として、以下のリサ
イクル材を用いた。 粒径分布 : 1.3〜2.5mmの範囲54.6wt% 2.5〜5.0mmの範囲に37.7wt% 上記範囲合計 92.3wt% 成分 : ガラス 60wt% 陶磁器片 20wt% 砂利 20wt%
【0017】製造方法:一般廃棄物を流動床式の焼却炉
で焼却した残渣から鉄分・塩分等を除去した後粉砕し
た。これをふるいにかけて粒径1.3〜5mmに分級し
た。
【0018】図3は、上述のリサイクル材の粒度分布を
示す図である。実線はリサイクル材の粒度分布を、左下
がりのハッチングで示した範囲は比較材である単粒度砕
石7号(JIS A 5001)の粒度分布を、右下が
りのハッチングで示した範囲は参考としてのコンクリー
ト用砕砂(JISA 5005)の粒度分布を示す。こ
の図から示されているように、リサイクル材と単粒度砕
石7号の粒度分布は概ね似ているが、リサイクル材の方
が、粒度分布1.3〜2.5mmの範囲の粒子の割合が
高い。
【0019】図4は、上記リサイクル材と、比較材とし
ての単粒度砕石7号及び道床バラストの吸音特性を示す
グラフである。このグラフは、JIS A 1409に
基づく残響室法吸音率測定法による測定結果を示す。な
お、比較材の道床バラストは粒径1.9〜6.4cmで
あり、この道床バラストを厚さ40cm敷いて測定を行
った。他のリサイクル材及び単粒度砕石7号について
は、いずれも厚さ10cm敷いて測定を行った。
【0020】図4を見ると、まずリサイクル材の残響室
法吸音率(以下吸音率と言う)が高いことが判る。すな
わち、リサイクル材の吸音率(実線、黒丸)は、315
〜4,000Hzの周波数帯の全域において、0.8以
上の吸音特性を備えていることが確認された。なお鉄道
車両の転動音は、非常に広い周波数帯帯域に渡ってお
り、このなかで特に人間の耳に感じやすいのは400〜
2,000Hz近辺と言われている。
【0021】一方、単粒度砕石7号(一点鎖線、白四
角)や道床バラスト(細線、白丸)は、リサイクル材よ
りもかなり低い。単粒度砕石7号の吸音特性カーブは、
一見リサイクル材のカーブに近いようには見えるが、両
者にはかなりの差がある。また、周波数1,000〜
1,250Hzにおいて吸音率が0.8以下となってい
る。道床バラストの吸音特性カーブは、リサイクル材や
単粒度砕石7号よりもはるかに下である。結局、本実施
例のリサイクル材の吸音特性は、層厚が10cmと薄い
にもかかわらず、人間の耳に感じやすい周波数帯400
〜2,000Hzの全域にわたって吸音率0.8以上
と、極めて良好な吸音特性を有することは、特筆される
べきである。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のリサイクル材を用いた騒音低減型軌道構造は以下の効
果を発揮する。 リサイクル材は安価であるので防音工事の施工費を
安くすることができる。 リサイクル材の粒度や成分を適当に選択することに
より、優れた吸音特性が得られる。
【0023】 社会問題となっている廃棄物の有効活
用の観点からも非常に有意義である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るリサイクル材を用いた
騒音低減型軌道構造を示す斜視図である。
【図2】図1のリサイクル材を用いた騒音低減型軌道構
造の断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係るリサイクル材層を形成
するのに用いたリサイクル材の粒度分布を示す図であ
る。実線はリサイクル材の粒度分布を、左下がりのハッ
チングで示した範囲は比較材である単粒度砕石7号(J
IS A 5001)の粒度分布を、右下がりのハッチ
ングで示した範囲は参考としてのコンクリート用砕砂
(JISA 5005)の粒度分布を示す。
【図4】リサイクル材(一例)と、比較材としての単粒
度砕石7号及び道床バラストの吸音特性を示すグラフで
ある。
【図5】従来の弾性材敷設法の施された軌道を示す断面
図である。
【図6】従来の吸音材敷設法の施された軌道を示す断面
図である。
【図7】従来の道床バラスト敷設法の施された軌道を示
す図である。
【符号の説明】
1 リサイクル材層 2 軌道スラブ 3 レール締結台 4 側堤 5 レール 21 レール 23 軌道スラブ 25 弾性材 27 吸音材 31 軌道スラブ 33 道床バラスト 35 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 明圓 桂一 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財 団法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 服部 幸夫 千葉県千葉市稲毛区轟町5−1−9− 201 (72)発明者 山本 光雄 神奈川県横浜市西区霞ケ丘52 (72)発明者 工藤 和広 神奈川県川崎市宮前区土橋1−8−4 (72)発明者 岩本 新一 千葉県千葉市中央区汐見丘町8−7 メ イツ汐見丘404 (72)発明者 小島 勝 千葉県市原市能満1347 (56)参考文献 特開 昭52−88903(JP,A) 特開 平7−109702(JP,A) 特開 平6−190355(JP,A) 実開 平5−64201(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E01B 1/00 E01B 19/00 B09B 3/00 301

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般廃棄物の焼却残渣を粉砕・分級する
    ことにより製造された実質的に無機質粒子よりなるリサ
    イクル材の層を表面に有することを特徴とするリサイク
    ル材を用いた騒音低減型軌道構造。
  2. 【請求項2】 上記無機質粒子が、主として、ガラス
    片、陶磁器片、砂利から構成されている請求項1記載の
    リサイクル材を用いた騒音低減型軌道構造。
  3. 【請求項3】 上記無機質粒子の粒径が実質的に1〜5
    mmの範囲内にある請求項1記載のリサイクル材を用い
    た騒音低減型軌道構造。
  4. 【請求項4】 上記リサイクル材層が、リサイクル材を
    敷き詰めた後に該層表面部に連結剤を散布して形成した
    連結層を有する請求項1、2又は3記載のリサイクル材
    を用いた騒音低減型軌道構造。
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JP4724804B2 (ja) * 2005-07-15 2011-07-13 小田急電鉄株式会社 軌道の吸音材及び軌道の吸音化工法
CN105297562A (zh) * 2015-11-02 2016-02-03 西南交通大学 降噪型复合轨道板的施工方法以及降噪型复合轨道板

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