JP2810518B2 - 半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ装置およびその製造方法

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JP2810518B2
JP2810518B2 JP2240770A JP24077090A JP2810518B2 JP 2810518 B2 JP2810518 B2 JP 2810518B2 JP 2240770 A JP2240770 A JP 2240770A JP 24077090 A JP24077090 A JP 24077090A JP 2810518 B2 JP2810518 B2 JP 2810518B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,分布帰還型半導体レーザ装置およびその製
造方法に関する。
(従来の技術) 一般に,半導体レーザ装置の利得は比較的広いスペク
トル幅を持っており,横モードが制御されていても,軸
モードが完全に単一になることはほとんどない。直流動
作を行った場合に,一見軸モードが単一であるように見
えても,実際は,温度変化などにより,多軸モード発振
状態になる。
そこで,共振器に波長選択性を持たせたのが分布帰還
型半導体レーザ装置である。この半導体レーザ装置で
は,活性領域の近傍に設けた回折格子により,利得スペ
クトル幅の範囲内で単一波長のレーザ光が選択的に反射
されて単一軸モード発振が得られる。
従来,安定な単一横モード発振および単一軸モード発
振が得られる分布帰還型半導体レーザ装置として,例え
ば第5図に示すような半導体レーザ装置が提案されてい
る(Appl.Phys.Lett.,34(11),pp.752〜755(1979)を
参照)。この半導体レーザ装置は,ストライプ埋め込み
型のヘテロ構造を有するので,SBH−DFBレーザ装置と呼
ばれている。
すなわち,共振器方向に形成されたストライプ状のGa
As活性層23が,p−Al0.36Ga0.64As第1埋め込み層30によ
って両側を埋め込まれ,かつ,それらの下側に形成され
たn−Al0.15Ga0.85As光ガイド層25と共に,n−Al0.36Ga
0.64As第1クラッド層22と,p−Al0.36Ga0.64As第2クラ
ッド層26とによって挟み込まれている。そして,分布帰
還構造である回折格子34は,n−Al0.15Ga0.85As光ガイド
層25と,p−Al0.36Ga0.64As第1埋め込み層30との界面に
形成されている。
このような構造を有する半導体レーザ装置では,GaAs
活性層23で発生したレーザ光は,その下側のn−Al0.15
Ga0.85As光ガイド層25へ浸み出して導波される。n−Al
0.15Ga0.85As光ガイド層25はGaAs活性層23に比べて大き
い屈折率を有するので,GaAs活性層23の部分で実効的な
屈折率が大きくなった緩やかな屈折率分布が共振器方向
に対して垂直横方向に形成される。したがって,高出力
動作時においても,安定な基本横モード発振が得られ
る。
また,n−Al0.15Ga0.85As光ガイド層25へ浸み出したレ
ーザ光は,回折格子34によって形成される共振器方向の
屈折率分布と相互作用し,回折格子34の周期に依存する
ブラッグ波長のレーザ光が選択的に反射される。したが
って,駆動電流が発振閾値電流の約3倍程度に大きくな
っても,発振波長が変化せず,安定な単一軸モード発振
が得られる。
しかし,このような従来のSBC−DFBレーザ装置は,そ
の製造工程が繁雑であるので,歩留りが悪く,しかも素
子特性の再現性に乏しいという問題点がある。第5図に
示すSBC−DFBレーザ装置は,例えば以下のようにして製
造される。
まず,エピタキシャル成長法によって,n−GaAs基板21
上に,n−Al0.36Ga0.64As第1クラッド層22と,n−Al0.15
Ga0.85As光ガイド層25と,GaAs活性層23と,p−Al0.36Ga
0.64As第2クラッド層26と,p−GaAsコンタクト層27とを
順次成長させる。
次いで,選択的にエッチング法によって,GaAs活性層2
3と,p−Al0.36Ga0.64As第2クラッド層26と,p−GaAsコ
ンタクト層27とをストライプ状にエッチングし,メサ構
造を形成する。続いて,ホトレジストマスクを用いた光
学エッチング法によって,メサ構造の両側に露出したn
−Al0.15Ga0.85As光ガイド層25の表面に回折格子34を形
成する。
そして,液相エピタキシャル成長法によって,メサ構
造の両側に,p−Al0.36Ga0.64As第1埋め込み層30と,n−
Al0.36Ga0.64As第2埋め込み層31とを順次成長させて,n
−Al0.15Ga0.85As光ガイド層25の表面を被覆すると共
に,メサ構造を埋め込む。
最後に,n−Al0.36Ga0.64As第2埋め込み層31上の所定
領域に,電流注入領域を制限するための誘電体層37を設
け,さらにn−GaAs基板21の裏面にはn側電極32を,誘
電体層37および電流注入領域の表面にはp側電極33を形
成した後,ウエハを劈開して共振器端面を形成すること
により,第5図に示すようなSBC−DBFレーザ装置が得ら
れる。
(発明が解決しようとする課題) 上で述べたように,このSBC−DBFレーザ装置では,光
学的な帰還は,n−Al0.15Ga0.85As光ガイド層25へ浸み出
したレーザ光が,n−Al0.15Ga0.85As光ガイド層25と,p−
Al0.36Ga0.64As第1埋め込み層30との界面に形成された
回折格子34によって選択的に反射することによって行わ
れる。レーザ光と回折格子34との結合効率は,GaAs活性
層23で発生したレーザ光がn−Al0.15Ga0.85As光ガイド
層25へ浸み出す割合に依存する。
したがって,単一横モードでの発振特性を高めるため
に,共振器方向に対して垂直横方向の屈折率差を大きく
すると,レーザ光の浸み出しが少なくなるので,その結
合効率が小さくなり,単一軸モードでの発振特性が低く
なる。逆に,単一軸モードの発振特性を高めるために,
レーザ光の浸み出しを多くすると,基本横モードで発振
安定性が劣化する。
このような問題点を解決するために,第6図に示すよ
うなSBC−DBFレーザ装置が提案されている。この半導体
レーザ装置は,GaAs活性層23と,その下側のn−Al0.15G
a0.85As光ガイド層25との界面にも,回折格子34が形成
されていること以外は,第5図に示すSBC−DBFレーザ装
置と同様である。
しかし,このような構造では,まず,n−GaAs基板21上
に,n−Al0.36Ga0.64As第1クラッド層22と,n−Al0.15Ga
0.85As光ガイド層25とを順次成長させた後,いったん成
長を中止してn−Al0.15Ga0.85As光ガイド層25の表面上
に回折格子34を形成する必要があるので,成長工程が3
つ必要となり,製造工程が繁雑になる。また,回折格子
34上にGaAs活性層23を成長させるので,その結晶性が低
下し,発振閾値電流が大きくなるなど,素子特性に悪影
響を及ぼす可能性がある。
本発明は,上記従来の問題点を解決するものであり,
その目的とすることろは,発振閾値電流が小さく安定な
単一横モード発振および単一軸モード発振が得られる分
布帰還型半導体レーザ装置と,このような半導体レーザ
装置を,歩留りよく,しかも素子特性の再現性よく製造
する方法とを提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本願発明の半導体レーザ装置は、分布帰還型の半導体
レーザ装置であって、半導体基板の上方に形成されたレ
ーザ発振用の活性層と、該活性層の上方に形成された光
ガイド層と、該光ガイド層の表面に形成されたエピタキ
シャルサポート層と、該光ガイド層の表面及び該エピタ
キシャルサポート層に形成された回折格子と、該回折格
子上に形成されたクラッド層と、を有することを特徴と
する。
また、半導体レーザ装置に、さらに前記エピタキシャ
ルサポート層の上方に形成され、共振器方向に平行なス
トライプ溝を有する電流狭搾用の電流ブロック層を備
え、前記クラッド層が該ストライプ溝を埋め込むように
前記回折格子上に形成されていることを特徴とする。
また、前記光ガイド層および前記エピタキシャルサポ
ート層がAlxGa1-xAs(0≦x≦1)からなり、該エピタ
キシャルサポート層のAlの組成が該光ガイド層のAlの組
成よりも小さいことを特徴とする。
特に、前記エピタキシャルサポート層がAlxGa1-xAs
(0≦x≦0.05)からなることを特徴とする。
また、前記エピタキシャルサポート層がGaAsからなる
ことを特徴とする。
また、本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、分布
帰還型の半導体レーザ装置の製造方法であって、半導体
基板の上方に活性層と光ガイド層とエピタキシャルサポ
ート層の順に半導体層を成長させる工程と、該光ガイド
層の表面及び該エピタキシャルサポート層に回折格子を
形成する工程と、該回折格子を埋め込むようにクラッド
層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
さらに、分布帰還型の半導体レーザ装置の製造方法で
あって、半導体基板上方に活性層と光ガイド層とエピタ
キシャルサポート層と電流ブロック層の順に半導体層を
成長させる工程と、前記電流ブロック層を選択的にエッ
チングして、共振器方向に平行なストライプ溝を形成
し、前記ストライプ溝の底部に該エピタキシャルサポー
ト層を露出させる工程と、前記ストライプ溝の底部にお
ける該光ガイド層の表面及び該エピタキシャルサポート
層に回折格子を形成する工程と、該ストライプ溝を埋め
込むように該回折格子上にクラッド層を形成する工程
と、を有することを特徴とする。
(作用) 本発明の分布帰還型半導体レーザ装置では,活性層上
に形成された光ガイド層の表面上に回折格子が形成され
ているので,活性層で発生したレーザ光と回折格子との
結合効率を損なうことなく,共振器方向に対して垂直横
方向の屈折率差を大きくすることができる。したがっ
て,安定な単一横モード発振および単一軸モード発振が
得られる。また,回折格子上に活性層を形成していない
ので,活性層の結晶性が低下せず,発振閾値電流が小さ
くなるなど,素子特性が向上する。
本発明による半導体レーザ装置の製造方法は,2つの成
長工程しか必要としない。すなわち,半導体基板上に,
活性層,光ガイド層,および電流ブロック層を含む複数
の半導体層を成長させる第1の成長工程と,回折格子を
形成した後,電流ブロック層のストライプ溝を埋め込む
ように,第2クラッド層およびコンタクト層を順次成長
させる第2の成長工程とである。したがって,製造工程
が簡略化され,歩留りが高くなると共に,素子特性の再
現性が向上する。
(実施例) 以下に本発明の実施例について説明する。
実施例1(参考例1) 第1図に本発明の半導体レーザ装置の一実施例を示
す。この半導体レーザ装置は次のようにして作製され
た。
まず,エピタキシャル成長法によって,n−GaAs基板1
上に,n−Al0.5Ga0.5As第1クラッド層2,Al0.13Ga0.87As
活性層3,p−Al0.5Ga0.5Asキャリアバリア層4,p−Al0.25
Ga0.75As光ガイド層5,およびn−GaAs電流ブロック層9
を順次成長させた。
次いで,ホトリソグラフィおよび化学エッチング法に
よって,n−GaAs電流ブロック層9を選択的にエッチング
して,共振器方向に平行なストライプ溝15(幅約5μ
m)を形成することにより,その底部にp−Al0.25Ga
0.75As光ガイド層5を露出させた。なお,エッチャント
としては,NH4OHとH2O2とH2Oとの混合溶液を用いた。こ
の場合,NH4OHとH2O2との混合比を適当に調整すれば,n−
GaAs電流ブロック層9と,p−Al0.25Ga0.75As光ガイド層
5とのエッチング速度差が得られるので,容易にn−Ga
As電流ブロック層9のみを選択的にエッチングすること
が可能である。
続いて,n−GaAs電流ブロック層9および露出したp−
Al0.25Ga0.75As光ガイド層5の表面にホトレジストを塗
布した後,紫外光レーザを光源として用いた二光束干渉
露光法および化学エッチング法によって,n−GaAs電流ブ
ロック層9および露出したp−Al0.25Ga0.75As光ガイド
層5の表面に,回折格子14(周期3,000Å)を形成し
た。なお,回折格子14の周期は,3,000Åに限定されるこ
とはなく,通常,2,000〜4,000Åの範囲内で選択され
る。
そして,液相エピタキシャル成長法によって,n−GaAs
電流ブロック層9の表面上に,およびストライプ溝15を
埋め込むように,p−Al0.7Ga0.3As第2クラッド層6およ
びp−GaAsコンタクト層7を順次成長させた。なお,p−
Al0.7Ga0.3As第2クラッド層6およびp−GaAsコンタク
ト層7の成長には,液相エピタキシャル成長法に代え
て,有機金属気相成長(MOCVD)法などを用いてもよ
い。
最後に,n−GaAs基板1の裏面にはn側電極12を,p−Ga
Asコンタクト層7の表面にはp側電極13を形成した後,
ウエハを劈開して共振器端面を形成することにより,第
1図に示すような分布帰還型の半導体レーザ装置を得
た。
このようにして得られた半導体レーザ装置は,発振波
長が780nmであり,発振閾値電流が40mAであり,また単
一軸モード発振が得られる温度範囲がΔT=70℃という
良好な素子特性を示した。また,このような良好な素子
特性を有する半導体レーザ装置を,歩留りよく,しかも
素子特性の再現性よく,製造することができた。
本実施例の半導体レーザ装置では,n−GaAs電流ブロッ
ク層9に形成されたストライプ溝15の部分にのみ電流が
注入される電流狭搾構造を有するので,Al0.13Ga0.87As
活性層3を含む活性領域がストライプ溝15の下側に形成
され,そこで発生し,共振器方向に対して垂直縦方向に
広がったレーザ光は,n−Al0.5Ga0.5As第1クラッド層2
およびp−Al0.7Ga0.3As第2クラッド層6によって閉じ
込められる。p−Al0.25Ga0.75As光ガイド層5へ浸み出
したレーザ光は,その割合に応じて,回折格子14から光
学的に帰還し,連続的なレーザ発振が起こる。他方,共
振器方向に対して垂直横方向に広がったレーザ光は,n−
GaAs電流ブロック層9がこのレーザ光を吸収するので,
ストライプ溝15の幅が閉じ込められる。したがって,ス
トライプ溝15が利得/損失ガイド光導波路として機能
し,単一横モード発振が得られる。
実施例2(参考例2) 第2図に本発明の他の半導体レーザ装置を示す。この
半導体レーザ装置は,p−Al0.25Ga0.75As光ガイド層5
と,n−GaAs電流ブロック層9との間に,n−AlxGa1-xAs
(0.5≦x≦0.7)エッチングストップ層8が存在するこ
と以外は,実施例1の半導体レーザ装置と同様である。
この半導体レーザ装置は次のようにして作製された。
まず,エピタキシャル成長法によって,n−GaAs基板1
上に,n−Al0.5Ga0.5As第1クラッド層2,Al0.13Ga0.87As
活性層3,p−Al0.5Ga0.5Asキャリアバリア層4,p−Al0.25
Ga0.75As光ガイド層5,n−AlxGa1-xAs(0.5≦x≦0.7)
エッチングストップ層8,およびn−GaAs電流ブロック層
9を順次成長させた。
次いで,ホトリソグラフィおよび化学エッチング法に
よって,n−GaAs電流ブロック層9およびn−AlxGa1-xAs
エッチングストップ層8を選択的に順次エッチングし
て,共振器方向に平行なストライプ溝15(幅約5μm)
を形成することにより,その底部にp−Al0.25Ga0.75As
光ガイド層5を露出させた。なお,エッチャントとして
は,n−GaAs電流ブロック層9に対しては,NH4OHとH2O2
H2Oとの混合溶液を用い,n−AlxGa1-xAsエッチングスト
ップ層8に対しては,HF系エッチャントを用いた。
そして,以下,実施例1と同様にして,第2図に示す
ような分布帰還型の半導体レーザ装置を得た。
実施例1では,n−GaAs電流ブロック層9をエッチング
する際に,NH4OHとH2O2とH2Oとの混合溶液を用いた。上
述したように,NH4OHとH2O2との混合比を適当に調整すれ
ば,n−GaAs電流ブロック層9と,p−Al0.25Ga0.75As光ガ
イド層5とのエッチング速度に差をつけられるので,n−
GaAs電流ブロック層9のみを,ある程度は選択的にエッ
チングすることが可能である。
しかし,一般に,AlxGa1-xAs結晶のAl混晶比xが小さ
い場合には,このAlxGa1-xAs結晶とGaAs結晶との間のエ
ッチング速度差は,それほど大きくない。それゆえ,n−
GaAs電流ブロック層9のエッチング終点が明確ではな
く,ストライプ溝15の幅が再現性よく決まらない。
これに対し,本実施例では,p−Al0.25Ga0.75As光ガイ
ド層5と,n−GaAs電流ブロック層9との間に,p−Al0.25
Ga0.75As光ガイド層5に比べてAl混晶比xが大きいn−
AlxGa1-xAs(0.5≦x≦0.7)エッチングストップ層8を
設けているので,n−GaAs電流ブロック層9のエッチング
を,n−AlxGa1-xAsエッチングストップ層8の表面で実質
的に停止させることができる。また,n−AlxGa1-xAsエッ
チングストップ層8をエッチングする際には,HF系エッ
チャントを用いているので,p−Al0.25Ga0.75As光ガイド
層5の表面を乱すことなく,n−AlxGa1-xAsエッチングス
トップ層8のみを選択的にエッチングすることができ
る。したがって,本実施例によれば,n−GaAs電流ブロッ
ク層9ストライプ溝15を精度よく形成することができ,
得られた半導体レーザ装置の素子特性の再現性が向上す
る。
実施例3(参考例3) 第3図に本発明のさらに他の半導体レーザ装置を示
す。この半導体レーザ装置は,n−GaAs電流ブロック層9
の表面上に,n−Al0.25Ga0.75Asエピタキシャルサポート
層16が存在すること以外は,実施例2の半導体レーザ装
置と同様である。この半導体レーザ装置は次のようにし
て作製された。
まず,エピタキシャル成長法によって,n−GaAs基板1
上に,n−Al0.5Ga0.5As第1クラッド層2,Al0.13Ga0.87As
活性層3,p−Al0.5Ga0.5Asキャリアバリア層4,p−Al0.25
Ga0.75As光ガイド層5,n−AlxGa1-xAs(0.5≦x≦0.7)
エッチングストップ層8,およびn−GaAs電流ブロック層
9,そしてさらにn−Al0.25Ga0.75Asエピタキシャルサポ
ート層16を順次成長させた。
次いで,ホトリソグラフィおよび化学エッチング法に
よって,n−Al0.25Ga0.75Asエピタキシャルサポート層1
6,n−GaAs電流ブロック層9およびn−AlxGa1-xAsエッ
チングストップ層8を選択的に順次エッチングして,共
振器方向に平行なストライプ溝15(幅約5μm)を形成
することにより,その底部にp−Al0.25Ga0.75As光ガイ
ド層5を露出させた。エッチャントとしては,n−Al0.25
Ga0.75Asエピタキシャルサポート層16およびn−GaAs電
流ブロック層9に対しては,NH4OHとH2O2とH2Oとの混合
溶液を用いた。この場合,NH4OHとH2O2との混合比を適当
に調整すれば,n−Al0.25Ga0.75Asエピタキシャルサポー
ト層16およびn−GaAs電流ブロック層9のみを同時にか
つ選択的にエッチングすることが可能である。他方,n−
AlxGa1-xAsエッチングストップ層8に対しては,HF系エ
ッチャントを用いた。
そして,以下,実施例1と同様にして,第3図に示す
ような分布帰還型の半導体レーザ装置を得た。
本実施例では,n−GaAs電流ブロック層9の表面上に,p
−Al0.25Ga0.75As光ガイド層5と同じAl混晶比を有する
n−Al0.25Ga0.75Asエピタキシャルサポート層16を設け
ているので,ストライプ溝15を埋め込むように,p−Al
0.7Ga0.3As第2クラッド層6を成長させる際に,ストラ
イプ溝15の底部に露出したp−Al0.25Ga0.75As光ガイド
層5の表面上と,n−Al0.25Ga0.75Asエピタキシャルサポ
ート層16の表面上とにおけるエピタキシャル成長速度が
等しくなる。また,特に液相エピタキシャル成長法を用
いた場合には,メルトバックによるストライプ溝15の形
状変化が防止される。したがって,本実施例によれば,n
−GaAs電流ブロック層9にストライプ溝15を極めて精度
よく形成することができ,得られた半導体レーザ装置の
素子特性の再現性がさらに向上する。
なお,本実施例では,p−Al0.25Ga0.75As光ガイド層5
およびn−Al0.25Ga0.75Asエピタキシャルサポート層16
は同じAl混晶比を有するが,これらのAl混晶比が異なる
と,エピタキシャル成長速度に差が生じる。この場合,
ストライプ溝15を埋め込むように成長させたp−Al0.7G
a0.3As第2クラッド層6の表面をより平坦にできるの
で,得られた半導体レーザ装置の素子特性がさらに向上
する。
実施例4 第4図に本発明のさらに他の半導体レーザ装置を示
す。この半導体レーザ装置は,以下の2つのエピタキシ
ャルサポート層を有すること以外は,実施例3の半導体
レーザ装置と同様である。つまり,p−Al0.25Ga0.75As光
ガイド層5の表面上に存在するp−Al0.05Ga0.95Asエピ
タキシャルサポート層17と,n−Al0.25Ga0.75Asエピタキ
シャルサポート層16の表面上に存在するn−Al0.05Ga
0.95Asエピタキシャルサポート層18である。この半導体
レーザ装置は次のようにして作製された。
まず,エピタキシャル成長法によって,n−GaAs基板1
上に,n−Al0.5Ga0.5As第1クラッド層2,Al0.13Ga0.87As
活性層3,p−Al0.5Ga0.5Asキャリアバリア層4,p−Al0.25
Ga0.75As光ガイド層5,p−Al0.05Ga0.95Asエピタキシャ
ルサポート層17(厚さ約50Å),n−AlxGa1-xAs(0.5≦
x≦0.7)エッチングストップ層8,およびn−GaAs電流
ブロック層9,n−Al0.25Ga0.75Asエピタキシャルサポー
ト層16,そしてさらにn−Al0.05Ga0.95Asエピタキシャ
ルサポート層18(厚さ約50Å)を順次成長させた。
次いで,ホトリソグラフィおよび化学エッチング法に
よって,n−Al0.05Ga0.95Asエピタキシャルサポート層1
8,n−Al0.25Ga0.75Asエピタキシャルサポート層16,n−G
aAs電流ブロック層9,およびn−AlxGa1-xAsエッチング
ストップ層8を選択的に順次エッチングして,共振器方
向に平行なストライプ溝15(幅約5μm)を形成するこ
とにより,その底部にp−Al0.05Ga0.95Asエピタキシャ
ルサポート層17を露出させた。ここで,エッチャントと
しては,n−Al0.05Ga0.95Asエピタキシャルサポート層1
8,n−Al0.25Ga0.75Asエピタキシャルサポート層16,およ
びn−GaAs電流ブロック層9に対しては,NH4OHとH2O2
H2Oとの混合溶液を用いた。この場合,NH4OHとH2O2との
混合比を適当に調整すれば,n−Al0.05Ga0.95Asエピタキ
シャルサポート層18,n−Al0.25Ga0.75Asエピタキシャル
サポート層16,およびn−GaAs電流ブロック層9のみの
同時にかつ選択的にエッチングすることが可能である。
他方,n−AlxGa1-xAsエッチングストップ層8に対して
は,HF系エッチャントを用いた。
そして,以下,実施例1と同様にして,第4図に示す
ような分布帰還型の半導体レーザ装置を得た。
本実施例では,p−Al0.25Ga0.75As光ガイド層5および
n−Al0.25Ga0.75Asエピタキシャルサポート層16の表面
上に,p−Al0.05Ga0.95Asエピタキシャルサポート層17お
よびn−Al0.05Ga0.95Asエピタキシャルサポート層18を
設けているので,二光束干渉露光法および化学エッチン
グ法によって回折格子14を形成すると,その凸部に,こ
れらのエピタキシャルサポート層が残存することにな
る。それゆえ,ストライプ溝15を埋め込むように,p−Al
0.7Ga0.3As第2クラッド層6を容易にエピタキシャル成
長させることができる。これは,下地となるエピタキシ
ャルサポート層のAl混晶比が小さいほど,その上へのエ
ピタキシャル成長が容易になるからであり,液晶エピタ
キシャル成長法の場合には,この傾向が特に顕著とな
る。したがって,本実施例によれば,p−Al0.25Ga0.75As
光ガイド層5およびn−Al0.25Ga0.75Asエピタキシャル
サポート層16の表面上に形成された回折格子14を,第2
の成長工程において容易に埋め込むことができ,成長不
良や結晶欠陥を発生させることなく,素子特性の優れた
半導体レーザ装置を歩留り製造することができる。
なお,本実施例では,エピタキシャルサポート層17お
よび18を構成するAlGaAs混晶のAl混晶比を0.05とした
が,これに限定されることはなく,例えばAl混晶比が0
のGaAs混晶を用いてもよい。GaAs混晶を用いれば,液晶
エピタキシャル成長法による第2の成長工程において,
これらのGaAsエピタキシャルサポート層をメルトバック
によって除去した後,回折格子14をp−Al0.7Ga0.3As第
2クラッド層6によって埋め込くことができる。この場
合も,上記の実施例と同様の効果が得られ,素子特性の
優れた半導体レーザ装置を歩留りよく製造することがで
きる。
また,上記の実施例1〜4では,AlGaAs系の分布帰還
型半導体レーザ装置について説明したが,例えば,GaInA
sP/InP系の分布帰還型半導体レーザ装置についても,同
様の結果が得られる。
(発明の効果) このように,本発明によれば,活性層の上方に形成さ
れた光ガイド層及びエピタキシャルサポート層の表面上
に回折格子に形成されているので,発振閾値電流が小さ
く安定な単一横モード発振および単一軸モード発振が可
能な分布帰還型半導体レーザ装置が得られる。さらに,
この半導体レーザ装置を作製する際には,2つの成長工程
しか必要とされないので,歩留りよく,しかも素子特性
の再現性よく製造する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の半導体レーザ装置の一実施例を示す一
部破断斜視図,第2図は本発明の半導体レーザ装置の他
の実施例を示す一部破断斜視図,第3図は本発明の半導
体レーザ装置のさらに他の実施例を示す一部破断斜視
図,第4図は本発明の半導体レーザ装置のさらに他の実
施例を示す一部破断斜視図,第5図および第6図はそれ
ぞれストライプ埋め込み型のヘテロ構造を有する従来の
半導体レーザ装置を示す一部破断斜視図である。 1,21……n−GaAs基板,2……n−Al0.5Ga0.5As第1クラ
ッド層,3……Al0.13Ga0.87As活性層,5……p−Al0.25Ga
0.75As光ガイド層,6……p−Al0.7Ga0.3As第2クラッド
層,9……n−GaAs電流ブロック層,14,34……回折格子,1
5……ストライプ溝,22……n−Al0.36Ga0.64As第1クラ
ッド層,23……GaAs活性層,25……n−Al0.15Ga0.85As光
ガイド層,26……p−Al0.36Ga0.64As第2クラッド層,30
……p−Al0.36Ga0.64As第1埋め込み層,31……n−Al
0.36Ga0.64As第2埋め込み層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 千登勢 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 菅原 聰 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−206191(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/18

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分布帰還型の半導体レーザ装置であって、 半導体基板の上方に形成されたレーザ発振用の活性層
    と、 該活性層の上方に形成された光ガイド層と、 該光ガイド層の表面に形成されたエピタキシャルサポー
    ト層と、 該光ガイド層の表面及び該エピタキシャルサポート層に
    形成された回折格子と、 該回折格子上に形成されたクラッド層と、を有すること
    を特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】前記エピタキシャルサポート層の上方に形
    成され、共振器方向に平行なストライプ溝を有する電流
    狭搾用の電流ブロック層を備え、前記クラッド層が該ス
    トライプ溝を埋め込むように前記回折格子上に形成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ
    装置。
  3. 【請求項3】前記光ガイド層および前記エピタキシャル
    サポート層がAlxGa1-xAs(0≦x≦1)からなり、該エ
    ピタキシャルサポート層のAlの組成が該光ガイド層のAl
    の組成よりも小さいことを特徴とする請求項1または2
    に記載の半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】前記エピタキシャルサポート層がAlxGa1-x
    As(0≦x≦0.05)からなることを特徴とする請求項3
    に記載の半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】前記エピタキシャルサポート層がGaAsから
    なることを特徴とする請求項3または4に記載の半導体
    レーザ装置。
  6. 【請求項6】分布帰還型の半導体レーザ装置の製造方法
    であって、 半導体基板の上方に活性層と光ガイド層とエピタキシャ
    ルサポート層の順に半導体層を成長させる工程と、 該光ガイド層の表面及び該エピタキシャルサポート層に
    回折格子を形成する工程と、 該回折格子を埋め込むようにクラッド層を形成する工程
    と、を有することを特徴とする半導体レーザ装置の製造
    方法。
  7. 【請求項7】分布帰還型の半導体レーザ装置の製造方法
    であって、 半導体基板上方に活性層と光ガイド層とエピタキシャル
    サポート層と電流ブロック層の順に半導体層を成長させ
    る工程と、 前記電流ブロック層を選択的にエッチングして、共振器
    方向に平行なストライプ溝を形成し、前記ストライプ溝
    の底部に該エピタキシャルサポート層を露出させる工程
    と、 前記ストライプ溝の底部における該光ガイド層の表面及
    び該エピタキシャルサポート層に回折格子を形成する工
    程と、 該ストライプ溝を埋め込むように該回折格子上にクラッ
    ド層を形成する工程と、を有することを特徴とする半導
    体レーザ装置の製造方法。
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