JP2807438B2 - 緊縛装置 - Google Patents

緊縛装置

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JP2807438B2
JP2807438B2 JP8151955A JP15195596A JP2807438B2 JP 2807438 B2 JP2807438 B2 JP 2807438B2 JP 8151955 A JP8151955 A JP 8151955A JP 15195596 A JP15195596 A JP 15195596A JP 2807438 B2 JP2807438 B2 JP 2807438B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は緊縛装置に関する。
さらに詳しくは、鎖等を被拘束物の周囲に巻き付けて緊
縛するための緊縛装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、各地の山林および植林地において、豪雨のために起
きる山崩れや豪雪の重圧による樹木の被害は甚大であ
り、いずれも多重倒伏状態、半倒伏状態に裂解折損する
など、その惨状のまま放置されているのが現状である。
これを伐採、整理しようとしても、幹の切断部分が猛烈
に割裂して危険であるため、作業が極めて困難なものと
なっている。
【0003】すなわち、図5に示すように、山崩れや積
雪によって半倒伏状態にある樹木Wは割裂部(本図では
樹木の長手方向に沿ったひび割れ)Pを有していたり
(図5(a))、その割裂部Pが部分的に切断した状態
にある(図5(b)におけるT部)ことが多い。なお、
図5(b)では、樹木Wの上に積雪した状態が示されて
いる。
【0004】そして、この割裂部を鋸で切断するときに
裂けて弾けるのである。たとえば、図5(a)の樹木が
図5(b)の状態になったり、図5(b)の樹木はさら
に割裂して弾けるのである。かかる事態を回避するため
には、前述のごとき樹木の割裂部近傍を予めその全周に
わたって緊縛しくおけばよい。そうすれば、鋸引き時に
割裂部が弾けることが防止される。その場合、ワイヤー
ロープ等によって縛ろうとすると、かなり厄介な作業と
なり、時間的な損失も大きくなるうえ、ワイヤーロープ
等の器材の搬送にも苦労することとなる。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明はかかる課題を
解決するためになされたものであり、緊縛装置を、その
鎖部材を樹木等の緊縛対象に巻きかけ、これをウォーム
歯車機構を介して樹木等を縛るように移動させうるよう
に構成したため、対象樹木等に容易に取り付けることが
でき、人の軽い力によって速やかに緊縛することがで
き、安全に伐木することが可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】 すなわち、本発明の緊縛装置
は、本体と、該本体にその基端が取り付けられてなる
部材と、前記本体に配設された相互に噛合するウォーム
ホイールおよびウォームギヤからなるウォーム歯車機構
と、前記ウォームホイールに接続されたスプロケット
と、前記ウォームギヤに接続された駆動力付与部とを備
えており、前記鎖部材を緊縛対象物に巻き回したうえで
前記スプロケットに係合し、前記駆動力付与部を操作し
てスプロケットを回転することにより鎖部材をその先端
に向けて移動させて緊縛対象物を緊縛するように構成さ
れている。
【0007】 したがって、前記鎖部材を緊縛対象物の
周囲に巻き回したうえで前記スプロケットに係合させれ
ば簡単に緊縛対象物に取り付けることができ、このスプ
ロケットを駆動して鎖部材をその先端に向かって移動さ
せれば、ウォーム歯車機構の作用によって緩むことなく
緊縛対象物を緊縛することができる。さらに、緊縛装置
の全体を軽量且つコンパクトに構成することができ、携
行に便利である。
【0008】 また、本発明の他の緊縛装置は、本体
と、該本体にその基端が取り付けられてなる鎖部材と、
前記本体に配設された傘歯車機構およびねじ歯車機構の
うちの一つと、該歯車機構の一方の歯車に接続されたス
プロケットと、他方の歯車に接続された駆動力付与部
と、前記歯車機構に配設された、該歯車機構の回転力伝
達方向の不可逆性を担保するためのラチェット機構とを
備えており、前記鎖部材を緊縛対象物に巻き回したうえ
で前記スプロケットに係合し、前記駆動力付与部を操作
してスプロケットを回転することにより鎖部材をその先
端方向に移動させて緊縛対象物を緊縛し得るように構成
されている。
【0009】 また、前記不可逆な回転力伝達機構とし
のウォーム歯車機構、傘歯車機構およびねじ歯車機構
に限定されることはなく、たとえば、ハイポイド歯車機
構等を用いてもよい。
【0010】
【実施例】以下、添付図面に記載の実施例を参照しつつ
本発明の緊縛装置を説明する。
【0011】図1は本発明に係る緊縛装置の一実施例を
示す斜視図、図2は図1の緊縛装置の一部切欠き正面
図、図3は図1の緊縛装置を図1とは異なる方向から見
た斜視図、図4は図1の緊縛装置の一使用例を示す説明
図である。
【0012】図1および図2には、緊縛装置1の本体2
とローラチェーン3の一部とが示されている。4は緊縛
装置1を操作するためのハンドルである。図2に示すよ
うに、前記ハンドル4は本体2に内装されたウォーム歯
車機構5のウォームギヤ6の軸6aに蝶ネジ7によって
着脱自在に取り付けられている。そして、この軸6aは
一対の軸受け8によって回転自在に支持されている。一
方、ウォームホイール9の軸9aにはスプロケット10
が連結されている。したがって、ハンドル4を回転操作
(矢印A)することにより、スプロケット10が回転さ
せられる(矢印B)。
【0013】なお、図示してはいないが、ウォームホイ
ール9の軸9aも軸受けによって支持されている。
【0014】図1において、ローラチェーン3は、その
基端部が蝶番11を用いて本体2に揺動可能に取り付け
られている。このローラチェーン3の他端側が前記スプ
ロケット10に係合させられる。12はスプロケット1
0に係合したローラチェーン3が外れないように案内す
るガイドプレートであり、蝶番13を用いて本体に揺動
可能に取り付けられている。さらに、ガイドプレート1
2をその作用位置(ローラチェーンを案内しうる位置)
に固定することができる錠部材14が本体2に取り付け
られている。そうすることにより、ローラチェーン3を
スプロケット10に係合させるとき、およびスプロケッ
ト10から外すときには前記ガイドプレート12は上方
に退避させることが可能である。
【0015】図1に示すように、かかる緊縛装置1にお
いてハンドル4を右回転させる(矢印A)とローラチェ
ーン3がその先端方向(矢印C)に移動してローラチェ
ーン3が形成するループLが小さくなって物を緊縛する
ことができる。この場合、本体2の面2aがスプロケッ
ト10と平行面を構成して、ローラチェーン3のガイド
をする。
【0016】図中、15は被緊縛物に当接させる当接部
であり、本実施例の緊縛装置1は樹木の幹に用いるため
にその外周面にほぼ沿うように曲面にされている。
【0017】図3は緊縛装置1を図1とは反対側から見
た図である。図中、16は固定ピンであり、本体2にそ
の軸方向に移動自在に取り付けられている。この固定ピ
ン16は、本緊縛装置1を樹木に取り付けるときに樹木
に打ち込んで本体2のを位置決めをし、且つ固定するた
めのものである。本緊縛装置1を樹木以外の物に使用す
るときには使用する必要はない。
【0018】図4には本緊縛装置1の一使用例が示され
ている。この使用例では、図5(a)に示すような状態
にある樹木が使用対象となっている。図示のごとく、樹
木Wの幹の割裂部Pに前記固定ピン16を打ちつけて本
体2を樹木に固定する。その後、ローラチェーン3を幹
の周囲に巻き付けたうえで前記スプロケット10に係合
する。ついで、ハンドル4を回転操作して前記割裂部P
を緊縛する(図4(a))。こうしておけば、樹木の結
合組織が破壊されないため、切断部から裂けて弾けるこ
とがない。ついで、幹における緊縛部の下方を鋸Sによ
って切断する(図4(b))。
【0019】また、図5(b)に示す部分切断した樹木
Wに使用する場合には、切断部Tの上方を緊縛し、さら
なる割裂切断を防止して伐採する。
【0020】なお、本実施例では、図1および図3に示
すように、ローラチェーン3とスプロケット10とが一
個ずつ本体2の片面側に配設されているが、本発明では
このように限定されることはなく、本体2の両面側とも
にローラチェーン3とスプロケット10とを配設しても
よい。その場合、固定ピン16の配設位置は本体2のハ
ンドル取り付け部とは反対側にすればよい。そうするこ
とによって、一本のハンドル4によって、二本のローラ
チェーンを操作することができるので、より強力に緊縛
することが可能となる。
【0021】本緊縛装置1では、前述の樹木緊縛のみな
らず、ローラチェーンの長さや張力またはスプロケット
の直径を変えることにより、大径の樹木を切断したり、
傾倒した樹木を引き起こしたり、所望の方向に伐木する
ことも容易に行うことができる。
【0022】また、本緊縛装置1によれば、倒伏状態の
樹木に適用する他、種々の対象物にも容易な緊縛装置と
しても適用が可能である。
【0023】
【発明の効果】 本発明の緊縛装置は、その鎖部材を樹
木等の緊縛対象に巻きかけ、これを不可逆回転力伝達機
構としてのウォーム歯車機構、傘歯車機構、ねじ歯車機
構等を介して樹木等を縛るように移動させうるように構
成したため、対象樹木に容易に取り付けることができ、
人の軽い力によって緊縛することができ、且つ、その全
体を軽量、コンパクトに構成することができ、携行に便
利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の緊縛装置の一実施例を示す斜視図であ
る。
【図2】図1の緊縛装置の一部切欠き正面図である。
【図3】図1の緊縛装置を図1とは異なる方向から見た
斜視図である。
【図4】図1の緊縛装置の一使用例を示す説明図であ
る。
【図5】図1の緊縛装置の使用対象となりうる樹木の一
例を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・緊縛装置 2・・・本体 3・・・ローラチェーン 4・・・ハンドル 5・・・ウォーム歯車機構 10・・・スプロケット 12・・・ガイドプレート 15・・・当接部 16・・・固定ピン

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体と、該本体にその基端が取り付けら
    れてなる鎖部材と、前記本体に配設された相互に噛合す
    るウォームホイールおよびウォームギヤからなるウォー
    ム歯車機構と、前記ウォームホイールに接続されたスプ
    ロケットと、前記ウォームギヤに接続された駆動力付与
    部とを備えており、前記鎖部材を緊縛対象物に巻き回し
    たうえで前記スプロケットに係合し、前記駆動力付与部
    を操作してスプロケットを回転することにより鎖部材
    その先端に向けて移動させて緊縛対象物を緊縛するよう
    に構成されてなる緊縛装置。
  2. 【請求項2】 本体と、該本体にその基端が取り付けら
    れてなる鎖部材と、前記本体に配設された傘歯車機構お
    よびねじ歯車機構のうちの一つと、該歯車機構の一方の
    歯車に接続されたスプロケットと、他方の歯車に接続さ
    れた駆動力付与部と、前記歯車機構に配設された、該歯
    車機構の回転力伝達方向の不可逆性を担保するためのラ
    チェット機構とを備えており、前記鎖部材を緊縛対象物
    に巻き回したうえで前記スプロケットに係合し、前記駆
    動力付与部を操作してスプロケットを回転することによ
    り鎖部材をその先端方向に移動させて緊縛対象物を緊縛
    し得るように構成されてなる緊縛装置。
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