JP2806281B2 - 可変多角形断面の電子線形成装置およびこれを用いた電子線描画装置 - Google Patents

可変多角形断面の電子線形成装置およびこれを用いた電子線描画装置

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JP2806281B2
JP2806281B2 JP6314423A JP31442394A JP2806281B2 JP 2806281 B2 JP2806281 B2 JP 2806281B2 JP 6314423 A JP6314423 A JP 6314423A JP 31442394 A JP31442394 A JP 31442394A JP 2806281 B2 JP2806281 B2 JP 2806281B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷陰極アレイを電子源
として可変矩形あるいは可変多角形断面の電子線を形成
する電子線形成装置、ならびに電子線形成装置を使用し
た電子線描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の高密度化のためには、
光学露光装置と比較して微細パターンが形成できる電子
ビーム露光装置(電子線描画装置)が適している。しか
し、光学露光装置が比較的広い面積を一括して露光する
のに対して、電子ビーム露光装置は微小なポイントを移
動させて線パターンを形成し、線パターンの集合によっ
て面積を持つパターンを形成するため、制御が複雑にな
り、面積パターン形成のための処理時間が長くなり、し
たがって単位時間当りの処理量が少ないという問題があ
る。
【0003】この問題を解決するため、可変矩形断面の
電子線を形成する電子線描画装置が開発されている。図
5は従来の可変矩形成形電子線を用いた電子線描画装置
の構成図を示す。図5において、電子銃101から放出
された電子ビーム102は、ブランキング電極130、
照射レンズ104を通り抜けて、第1アパーチャ105
において断面が正方形にされる。その後、成形偏向器1
06で成形すべき電子線断面形状に応じた偏向を受け、
ビーム成形レンズ107で成形されたのちに第2アパー
チャ108に達する。第2アパーチャ108を通り抜け
た電子ビームは成形偏向器106で受けた縦(X)およ
び横(Y)方向の偏向量に応じた縦横比の断面形状を持
つ可変成形ビーム109となる。更に、縮小レンズ11
0により縮小され、投影レンズ111を通り、位置偏向
器112で偏向され、試料113上の適宜な位置に投射
され描画パターンを形成する。
【0004】この電子線描画装置は、矩形パターンを一
括して照射するので微小なポイントを移動させてパター
ンを形成する電子線描画装置と比較して処理時間を短縮
することができ、単位時間当り処理量を増大させること
ができる。
【0005】特開平4−155739号公報には、図
6、図7に示すように電界放射型電子源をアレイ状に並
べた冷陰極を用いて複数の電子ビーム形成し、任意のパ
ターンを一括して露光する技術が開示されている。図6
はこの多数ビーム方式の電子線描画装置を示す構成図で
ある。図6において、電子放射型電子源を使用した多数
ビーム発生装置114では任意のパターン情報を持つ複
数の電子ビームが形成され、縮小レンズ115、偏向器
116でそれぞれ縮小、偏向されて、試料113上に投
射される。
【0006】図7(a)は図6の従来例に用いられてい
る多数ビーム発生装置114を示す断面図、図7(b)
は図7(a)の平面図である。基板120上にアレイ状
に形成された電界放射型電子源(微小冷陰極)121か
らの電子放射はその先端付近に作られたブランキング電
極122に印加する電圧によって個別に制御され、電界
放射型電子源121毎に個別の電子ビームを形成する。
これらの電子ビームは共通の引き出し電極123、加速
電極124で成形、加速されて、縮小レンズ115の領
域に到達する。縮小レンズ115でその断面が縮小され
た電子ビームは偏向器116で偏向され、試料113上
の適宜な位置に投影される。
【0007】また、特開平6−36682号公報には、
図8、図9に示すように、電界放射型電子源をアレイ状
に並べた冷陰極を用いた電子線描画装置の技術が開示さ
れている。図8に示す電子線描画装置は図6に示す電子
線描画装置とほぼ同じ構成となっており、電界放射冷陰
極130から電子ビームが放出され、収束、偏向を受け
て試料113に照射される。図9は電界放射型冷陰極の
部分断面斜視図で、ピラミッド状のエミッタ131と絶
縁層132を介して形成されたゲート電極133の間に
約30Vの電圧を加えることによって電子が放出され
る。また、同じ特開平6−36682号公報には、図1
0に示すような図9に示す電界放射型冷陰極を用いた平
板型画像表示装置が開示されている。図10において
は、エミッタ、ゲートが相互交差状にネットワーク化さ
れ、これらの各交点に各画素を形成する冷陰極形成領域
134がそれぞれ設定されている。
【0008】ここで使用されている電界放射型冷陰極ア
レイは、Spindtによって1968年に提案されて
いる(Journal of Applied Phy
sics,Vol.39,No.7,p.3504,1
968)。この電界放射冷陰極の構造を図11に示す。
図11において、120はシリコンの基板、132はシ
リコン酸化物の絶縁層で、絶縁層132の上にゲート電
極133が積層されている。絶縁層132とゲート制御
電極133の一部は除去されて、基板120の上に先端
の尖ったエミッタ131が形成されている。この冷陰極
は、熱陰極と比較して高い電流密度が得られ、放出電子
の速度分散が小さい等の利点を有する。また、数10〜
200Vの低い電圧で動作し、比較的真空度の低い環境
中でも動作する。
【0009】加熱せずに電子を放出する冷陰極として
は、このほか、MIM(MOS)陰極、接合型陰極、表
面伝導型などが提案されている。この他に、離散した複
数の微小冷陰極から放出された電子を連続した均一のパ
ターンとするため、特開昭63−000950号公報の
発明は、微小冷陰極を千鳥足状あるいは階段状に配置し
ており、また、特開昭62−290053号公報の発明
は、図12に示すように陰極基板202上で電極208
に覆われた個々の高抵抗薄膜206からなる微小冷陰極
の近くに偏向電極235を設け、ウェハ214を加工す
る技術を開示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図5に示す従
来の技術の可変矩形成形ビーム方式の電子線描画装置に
おいては、可変矩形断面の成形電子ビームを形成するの
に、アレイ状の冷陰極ではなく単一エミッタの電界放出
冷陰極からの電子ビームを用いているため、全電子ビー
ム電流を十分大きくできないという問題がある。このた
め、処理時間は大幅には短縮できない。さらに、電子ビ
ーム電流が単一エミッタの非常に狭い面積から放出され
るため、このエミッタティップの先端の表面状態が電流
量に影響するので、安定な電流を得るためには電子銃1
01付近を高真空に保持したり、エミッタを加熱して表
面を原子レベルで清浄にする必要がある。また、第1ア
パーチャ105で形成した矩形断面の成形電子ビームを
成形偏向器106で偏向して第2アパーチャ108に当
て、これを通り抜けた電子によって所定の断面の成形電
子ビーム109を得ている。このため、装置の構造が複
雑になり、大型の装置となる。 図6に示す従来の電子
線描画装置においては、多数ビーム発生装置114の電
子源に2次元状に配列した電界放射型電子源121を使
用して、複数の電子ビームを形成している。しかし、基
板上の電界放射型電子源121をそれぞれ独立に制御し
ているので電界放射型電子源121(ブランキング電極
122)の制御が複雑になり、多数ビーム発生装置11
4の構成が複雑になる。また、各電界放射型電子源12
1からの電子ビームを個々に利用しているので、各電界
放射型電子源121の特性が充分に均一でないといけな
い。さらに、図5と同様に安定な電流を得るためには多
数ビーム発生装置114付近を高真空に保持したり、エ
ミッタを加熱する必要がある。
【0011】本発明は上記問題に鑑み、露光時間を短く
でき、電子光学系ならびに陰極の構造および制御が簡単
な、可変矩形断面を持つ電子線を形成できる電子線形成
装置およびこれを用いた電子線描画装置を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の可変多角形断面
の電子線形成装置は、それぞれが、電子ビームを放出可
能にされている複数の微小冷陰極を具備する複数の第1
の電極と、微小冷陰極に対面する開口を有し、第1の電
極から電子ビームを放出させる複数の第2の電極と、冷
陰極アレイから放出される電子ビームを収束して電子線
を形成する収束レンズと、複数の第1の電極ならびに複
数の第2の電極群のうちからそれぞれ電圧を印加する電
極を適宜に選択し、冷陰極アレイの電子放出領域の形状
を変えることにより電子線の断面形状を変える電子線断
面形状制御手段とを有する。
【0013】また、複数の前記微小冷陰極を備えた電子
放出素子形成領域から、電子光学系の中心軸に対して、
常に対称な矩形状電子放出領域を形成するのが好まし
い。
【0014】さらに、前記第1の電極群および前記第2
の電極群が互いに交差するストライプ状に分割され、中
央のストライプを中心として線対称の位置にある2本の
ストライプが互いに接続されているか、前記第1の電極
群および前記第2の電極群が、前記冷陰極の互いに対角
にあるコーナに形成された矩形の電極とそれを囲む複数
のL字型の電極で構成されているのが好ましい。
【0015】本発明の電子線描画装置は、上述の可変多
角形断面の電子線形成装置と、同装置から放出される電
子線を描画対象物上に偏向させる位置偏向器を有する。
また、前記位置偏向器が電子線を偏向させて描画対象物
を照射中に、電子線の偏向量を僅かに変動させるのが好
ましい。
【0016】
【作用】電子線形成装置においては、電子線断面形状制
御手段が、複数の第1の電極ならびに複数の第2の電極
のうちから、それぞれ適宜な電極を選択し、それぞれ電
圧を印加するすることにより、選択された電極により所
望の冷陰極アレイの電子放出領域の形状を形成すること
ができる。電子ビームは所望の形成された冷陰極アレイ
の電子放出領域の微小冷陰極から、第2の電極に引かれ
加速され放出される。冷陰極アレイから放出された電子
ビームは、収束レンズにより、輪郭が冷陰極アレイの電
子放出領域に対応した所望の断面を有する電子線になる
ように収束される。また、電子線描画装置においては、
位置偏向器が、前記電子線形成装置から放出される電子
線を描画対象物上に偏向させ任意の描画を行なう。
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の電子線描画装置の第1の実
施例を示す構成図、図2は図1の実施例に用いられてい
る冷陰極アレイの構造を示す斜視図、図3は図2の線A
−Aから見た拡大断面図である。
【0018】電子銃1は、冷陰極アレイ2と電極3とで
構成され、収束レンズ4の収束作用とあわせて可変多角
形断面の可変成形ビーム5を作る。可変成形ビーム5は
縮小レンズ6で縮小され、成形ビームの縮小像7を得
る。さらに、投影レンズ8を通り、位置偏向器9で偏向
され、試料10上の任意の位置に投射される。この投射
された可変多角形パターンが組み合わされて、描画パタ
ーン11が形成される。これらの部材1〜11は、全て
真空の外囲器の中に収められている。電子銃1から投影
レンズ8までが可変多角形の断面を有する電子線を形成
する可変多角形電子線形成装置を構成し、電子銃1から
描画パターン11までが、前述の可変多角形電子線形成
装置を用いた可変多角形電子線描画装置を構成してい
る。
【0019】図2,図3を参照すれば明らかなように、
絶縁基板21の上には、X方向(図1参照)に延びるス
トライプ22−1,〜,22−5,22−2’,〜,2
2−5’(総称してエミッタ電極22と称する)と、絶
縁層23と、Y方向に延びるストライプ24−1,〜,
24−5,24−2’,〜,24−5’(総称してゲー
ト電極24と称する)とが順次積層されている。すなわ
ち、エミッタ電極22の複数のストライプと、ゲート電
極24の複数のストライプとは互いに直角に交差してい
る。ゲート電極24には開口34が、絶縁層23にはキ
ャビティ33が中心位置を合わせるように形成されてい
る。キャビティ33の中には、円錐形あるいは角錐形の
形状をしたエミッタ26がエミッタ電極22の上に形成
され、先端が開口34の中心を向いている。また、エミ
ッタ26の底部はエミッタ電極22と電気的に接触して
いる。絶縁層23の厚さおよびゲート電極24の開口3
4の径は約1μmで、エミッタ26の高さも約1μmで
ある。各1個のエミッタ26と、キャビティ33と、ゲ
ート電極24の開口34とで微小冷陰極が形成されてい
る。
【0020】図2に示すようにゲート電極24の中央の
ストライプ24−1には端子H1から電圧が印加され、
ストライプ24−1の両側のストライプ24−2および
24−2′には端子H2から電圧が印加され、同様にス
トライプ24−2および24−2′の外側のストライプ
24−3および24−3′には端子H3から電圧が印加
される。同様に、ストライプ24−4〜24−5には端
子H4〜5から電圧が印加される。同様に、エミッタ電
極22にも端子V1〜V5から電圧が印加される。
【0021】端子H1とH2の間には端子H2からH1
に向けて電流が流れるようにダイオード27が接続さ
れ、同様に、端子H2からH5の間にもダイオード27
が接続されている。同様に、端子V1とV2の間には端
子V1からV2に向けて電流が流れるようにダイオード
27が接続され、同様に、端子V2からV5の間にもダ
イオード27が接続されている。
【0022】いま、端子H1に50V、端子V1に−5
0Vの電圧を印加するとストライプ22−1とストライ
プ24−1とが交差する部分にはエミッタ26とゲート
電極24との間に100Vの電圧が印加され、エミッタ
26の先端から電子が放出される。ほかの部分では、エ
ミッタ26とゲート電極24の間の電圧は50Vである
ので電子は放出されない。
【0023】また、端子H2に50V、端子V3に−5
0Vの電圧を印加すると、ストライプ22−1、22−
2、22−2′、22−3、22−3′とストライプ2
4−1、24−2、24−2′とが交差する部分にはエ
ミッタ26とゲート電極24との間に100Vの電圧が
印加されることとなり、エミッタ26の先端から電子が
放出される。
【0024】同様にして、端子H1からH5の間の端子
および端子V1からV5の間の端子にそれぞれ+50V
および−50Vの電圧が印加されると、選ばれた端子の
接続された電極の内側で、ゲート電極24とエミッタ電
極22が交差する部分からは電子が放出される。このよ
うに、端子の間にダイオード27を接続することによっ
て、任意の一つの電極を選択すればその内側の電極全て
に電圧が加わり、外部からの制御が極めて容易になる。
【0025】したがって、端子H1からH5および端子
V1からV5の任意の端子を選択することによって、電
子放出領域を縦および横それぞれ5段階合計25種類の
矩形パターンに設定することができる。さらに、常に、
端子H1、V1で選択した領域を中心に縦、横ともに対
称の領域を設定できるので、端子H1、V1で選択した
領域の中心を電子光学系の中心軸に一致させれば、位置
偏向器9の入力側までは常に軸対称の電子ビームが自動
的に形成される。このため、装置の制御が容易で、歪み
の小さいパターンが形成できる。
【0026】電子を放出する部分は微細なエミッタ26
の先端であり、隣のエミッタ26との間には電子を放出
しない領域がある。さらに、ストライプの間のエミッタ
間隔はストライプ上のエミッタ間隔よりも広くなってい
る。微小冷陰極から放出される電子ビームは周辺部では
横方向の速度成分をもっているため、試料10上では電
子ビームが照射される面積は広くなるが、連続性が途切
れる可能性がある。これを解決するためには、位置偏向
器9の偏向量を電子ビームの照射中に僅かに変動させる
方法がある。この方法は、位置偏向器9を駆動する信号
に微小信号を重畳させればよく、陰極構造を複雑にする
ことがない。
【0027】なお、冷陰極アレイ2のゲート電極24、
エミッタ電極22の分割数は必ずしも9分割5段階パタ
ーンに限られず、描画方式に応じた数に設定すればよ
い。また、各ストライプの幅は必ずしも同一にする必要
はなく、たとえば中心のストライプ幅を他よりも広くす
ることも可能である。中心のストライプ(22−1、2
4−1)のみほかのストライプ幅の2倍とすれば、エミ
ッション領域の変化量を常に一定にすることが出来る。
【0028】また、図2および図3では簡単のために1
ストライプの幅方向に対応して2個のエミッタ26を形
成するように示してあるが、この数に限定されるもので
なく、実際には、例えば1ストライプ幅当たり10個〜
100個のエミッタが形成されている。
【0029】次に、本発明の電子線描画装置の第2の実
施例について図4を参照して説明する。本実施例は図1
の実施例の冷陰極アレイ2を図4に示すような冷陰極ア
レイ20に置き換えたものである。なお、図4は本発明
の第2の実施例に用いられる冷陰極アレイ20の構成を
示す。図4(a)から明らかなように、ゲート電極44
は冷陰極アレイ20のひとつのコーナに設けられたゲー
ト矩形電極44−1と、ゲート矩形電極44−1の隣接
する2辺に沿って設けられたL字形ストライプ44−
2,〜,44−5とから構成されている。ゲート矩形電
極44−1には端子G1が接続され、L字形ストライプ
44−2,〜,44−5には端子G2,〜,G5が接続
されている。端子G1とG2の間には、端子G2からG
1に向けて電流が流れるようにダイオード27が接続さ
れ、同様に、端子G2,〜,G5の各端子間にもダイオ
ード27がそれぞれ接続されている。
【0030】図4(b)にはエミッタ電極42のパター
ンを示すために、エミッタ電極42を図4(a)の冷陰
極アレイ20から抜き出して示している。エミッタ電極
42には、ゲート電極44の矩形電極44−1と対角の
コーナに位置するエミッタ矩形電極42−1と、エミッ
タ矩形電極42−1の2辺に沿って設けられたL字形ス
トライプ42−2,〜,42−5とから構成されてい
る。エミッタ矩形電極42−1には端子E1が接続さ
れ、L字形ストライプ42−2,〜,42−5には端子
E2,〜,E5が接続されている。端子E1とE2の間
には、端子E1からE2に向けて電流が流れるようにダ
イオード27が接続され、同様に、端子E2,〜,E5
の各端子間にもダイオード27がそれぞれ接続されてい
る。この構成により、冷陰極アレイの中心に対し対称な
矩形状電子放出領域が形成できる。
【0031】なお、ダイオード27は必須ではなく、制
御信号形式を変えることによってダイオード27がなく
ても同様な制御が可能であることは明らかである。ま
た、本発明の実施例では電界放射冷陰極について説明し
たが、電界放射冷陰極ばかりでなく、MIM陰極(MO
S陰極)、接合型冷陰極、表面伝導型冷陰極にも適用で
きる。
【0032】なお、エミッタ電極22やゲート電極2
4,44等の形状を変えることによって、電子線の断面
を矩形に限らず平行四辺形や五角形並びに六角形等の多
角形に形成することが可能である。例えば、図2におい
て、エミッタ電極22とゲート電極24の交差する角度
を90゜以外にすれば平行四辺形の断面となる。さら
に、図4において、角形電極42−1,44−1,L形
ストライプ42−2,〜,44−2,〜のパターンを角
のとれた形状にすれば、六角形断面を有する電子線を形
成することができる。
【0033】図5から図11に示す従来の技術と本発明
の技術を100×100の微小冷陰極、10×10のス
トライプを持つ冷陰極アレイによって比較する。図5に
示す従来技術でエミッタから10μAの電流を取り出し
たとして有効に利用できる矩形ビーム電流はたかだか5
μAである。これに対して、本発明ではエミッタ当たり
0.1μA取り出したとしても放出電流は全て有効に利
用できるため全電流は1000μAとなり、200倍の
電流が利用でき、処理の高速化が可能である。さらに、
エミッタ当たりの電流が少ないので、イオンの影響を受
けにくく、電流変動が小さく寿命が長い。また、図6、
7に示す従来技術においては外に取り出す端子数が10
000本で、同じく図8では20本であるのに対し、本
発明では10本でよく構造が著しく簡単になる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電子線形成
装置においては、電子線断面形状制御手段が、所望の冷
陰極アレイの電子放出領域の形状を形成し、例えば、矩
形あるいは多角形の電子放出領域の多数の微小冷陰極を
もとに、矩形あるいは多角形の断面を持つ電子ビームを
形成することにより、大きな電子ビーム電流が利用で
き、パターン形成時間が短縮できる。さらに、個々の微
小冷陰極からの放出電流変動があっても全体の電子ビー
ム電流の変動や矩形あるいは多角形内の電流密度分布の
変動はきわめて小さく抑えられるので、装置内の真空度
や個々の微小冷陰極特性のバラツキに関する条件が緩和
される。さらに、電子銃部の制御が簡単であり、電子銃
部ならびにその制御装置の構成をきわめて簡単にでき、
ひいては、電子線描画装置の構造を格段に簡略化でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子線描画装置の第1の実施例を示す
構成図である。
【図2】図1の実施例に用いられている冷陰極アレイの
構造を示す斜視図である。
【図3】図2の線A−Aから見た拡大断面図である。
【図4】(a)は本発明の第2の実施例に用いられる冷
陰極アレイの構成を示す斜視図である。(b)は(a)
の冷陰極アレイからエミッタ電極を抜き出して示してい
る図である。
【図5】可変矩形成形ビームを用いた電子線描画装置の
従来例を示す構成図である。
【図6】多数ビーム方式の電子線描画装置の従来例を示
す構成図である。
【図7】(a)は図6の従来例に用いられている多数ビ
ーム発生装置を示す断面図である。(b)は(a)の平
面図である。
【図8】電子線描画装置の従来例を示す構成図である。
【図9】図8で示されたの従来例に用いられている電界
放射型冷陰極を示す部分断面斜視図である。
【図10】図9に示す電界放射型冷陰極を用いた平板型
画像表示装置の従来例を示す構成図である。
【図11】電界放射冷陰極の従来例の構造を示す断面図
である。
【図12】従来例である偏向手段を設けた電界放射冷陰
極アレイ
【符号の説明】
1 電子銃 2,20 冷陰極アレイ 3 電極 4 収束レンズ 5 可変成形ビーム 6 縮小レンズ 7 成形ビームの縮小像 8 投影レンズ 9 位置偏向器 10 試料 11 描画パターン 21 絶縁基板 22 エミッタ電極 22−1,〜,22−5,22−2’,〜,22−5’
エミッタ電極を構成するストライプ 23 絶縁層 24 ゲート電極 24−1,〜,24−5,24−2’,〜,24−5’
ゲート電極を構成するストライプ 26 エミッタ 27 ダイオード 33 キャビティ 34 開口 44−1 角形電極 44−2,〜,44−5 L字形ストライプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 37/06 - 37/077 H01J 37/30 - 37/317 H01J 1/30 H01L 21/027

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれが、電子ビームを放出可能にさ
    れている複数の微小冷陰極を具備する複数の第1の電極
    と、 微小冷陰極に対面する開口を有し、第1の電極から電子
    ビームを放出させる複数の第2の電極と、 冷陰極アレイから放出される電子ビームを収束して電子
    線を形成する収束レンズと、 複数の第1の電極ならびに複数の第2の電極群のうちか
    らそれぞれ電圧を印加する電極を適宜に選択し、冷陰極
    アレイの電子放出領域の形状を変えることにより電子線
    の断面形状を変える電子線断面形状制御手段とを有し、 複数の前記微小冷陰極を備えた電子放出素子形成領域か
    ら、電子光学系の中心軸に対して、常に対称な矩形状電
    子放出領域を形成する 可変多角形断面の電子線形成装
    置。
  2. 【請求項2】 それぞれが、電子ビームを放出可能にさ
    れている複数の微小冷陰極を具備する複数の第1の電極
    と、 微小冷陰極に対面する開口を有し、第1の電極から電子
    ビームを放出させる複数の第2の電極と、 冷陰極アレイから放出される電子ビームを収束して電子
    線を形成する収束レンズと、 複数の第1の電極ならびに複数の第2の電極群のうちか
    らそれぞれ電圧を印加する電極を適宜に選択し、冷陰極
    アレイの電子放出領域の形状を変えることにより電子線
    の断面形状を変える電子線断面形状制御手段とを有し、 前記第1の電極群および前記第2の電極群が互いに交差
    するストライプ状に分割され、中央のストライプを中心
    として線対称の位置にある2本のストライプが互いに接
    続されている可変多角形断面の電子線形成装置。
  3. 【請求項3】 それぞれが、電子ビームを放出可能にさ
    れている複数の微小冷陰極を具備する複数の第1の電極
    と、 微小冷陰極に対面する開口を有し、第1の電極から電子
    ビームを放出させる複数の第2の電極と、 冷陰極アレイから放出される電子ビームを収束して電子
    線を形成する収束レンズと、 複数の第1の電極ならびに複数の第2の電極群のうちか
    らそれぞれ電圧を印加する電極を適宜に選択し、冷陰極
    アレイの電子放出領域の形状を変えることにより電子線
    の断面形状を変える電子線断面形状制御手段とを有し、 前記第1の電極群および前記第2の電極群が、前記冷陰
    極の互いに対角にあるコーナに形成された矩形の電極と
    それを囲む複数のL字型の電極で構成されている可変多
    角形断面の電子線形成装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか一つの可変多
    角形断面の電子線形成装置から放出される電子線を描画
    対象物上に偏向させる位置偏向器を前記電子線形成装置
    に配設した電子線描画装置。
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