JP2805560B2 - 光結合装置 - Google Patents

光結合装置

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JP2805560B2
JP2805560B2 JP4039016A JP3901692A JP2805560B2 JP 2805560 B2 JP2805560 B2 JP 2805560B2 JP 4039016 A JP4039016 A JP 4039016A JP 3901692 A JP3901692 A JP 3901692A JP 2805560 B2 JP2805560 B2 JP 2805560B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プログラムコントロー
ラ等において、出力遅延の必要のある遅延装置として用
いられる光結合装置に関し、特に軽量化、小型化および
遅延時間の定量化を図り得る光結合装置に係る。
【0002】
【従来の技術】従来のプログラムコントローラー用の光
結合装置(フオトカプラ)は、出力遅延を得るため、受
光部は、第2図の如く、受光素子(フオトダイオード)
1、演算増幅器(アンプ)2、コンパレータ回路3,4
およびコンデンサ5を用いて回路構成されている。
【0003】なお、第2図中、6は定電流回路、7はN
PNトランジスタ、8は負帰還抵抗である。
【0004】そして、受光部において、コンデンサ5を
除く各部はモノリシツクに集積化されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、遅延時間td2
は、 td2=C21×Vref22/I21 … (1) で表わされる。
【0006】ここで、C21はコンデンサ5の容量、Vre
f22はコンパレータ4の基準電圧、I21は定電流回路6
の電流である。
【0007】(1)式より、遅延時間td2を長くするに
は、電流I21を少なくする方が簡単で有利だが、そうす
ると、モノリシツク内の回路と外付けコンデンサ5との
結線箇所に誘導ノイズ等の外乱ノイズによる影響を受け
たり、他の配線へのもれ電流が生じることによつて、充
電時間が不安定となつてしまい、安定した遅延時間を得
ることができなかつた。
【0008】また、遅延時間td2を長くするためには、
(1)式におけるコンデンサ5の容量C21を大とする方
法が考えられる。この場合、例えばtd2に1msecを
得たい場合、Vref22=2V,I21=1μAとすると、
(1)式より、C21には500pF必要である。また、
td2に10msec得たい場合には、C21として500
0pF必要である。これらの容量を集積回路で得ること
は、大面積を必要としほとんど集積できないため、コン
デンサ5のみ外付けしなければならない。このため、プ
ログラムコントローラー用の光結合装置として小型、軽
量化の支障となつていた。
【0009】本発明は、上記に鑑み、コンデンサを外付
けすることなく、大きなかつ安定した遅延を得ることが
でき、しかも軽量、小型化を図り得る光結合装置の提供
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、図1の如く、入力信号を発光部で一旦光に変換
し、この光を受光部で再び電気信号に変換して出力する
ものであつて、前記受光部は、受光素子10と、該受光
素子10からの信号を遅延させる出力遅延回路13とを
備え、該出力遅延回路13は、前記受光素子10の受光
時に充電するコンデンサ22と、該コンデンサ22への
入力電流I14を安定させる定電流回路24と、前記コン
デンサ22での充電電圧が基準電圧Vref12より大とな
つたときに外部へ信号Voを出力する比較器23とを備
えた光結合装置において、前記定電流回路24に、電源
Vccからの入力電流を減少させる電流制限手段28が設
けられ、前記コンデンサ22を含む出力遅延回路13
と、前記受光素子10とは、モノリシツクに集積された
ものである。
【0011】本発明請求項2による課題解決手段は、請
求項1記載の定電流回路24はカレントミラー回路26
を有し、前記電流制限手段28は、電流調整用トランジ
スタQ14を有し、前記カレントミラー回路26および電
流調整用トランジスタQ14は並列に接続されて並列接続
体27が構成され、前記カレントミラー回路26の一側
のコレクタ端子は、請求項1記載のコンデンサ22に接
続され、前記カレントミラー回路26の他側のコレクタ
端子は、前記電流調整用トランジスタQ14のベース端子
に接続されたものである。
【0012】本発明請求項3による課題解決手段は、請
求項1記載の電流制限手段28に、請求項2記載の並列
接続体27への入力電流をさらに制限する副制限回路2
9が設けられたものである。
【0013】
【作用】上記請求項1〜3による課題解決手段におい
て、受光素子10が光を受けると、コンデンサ22は充
電を開始する。
【0014】このとき、定電流回路24内において、副
制限回路29により、並列接続体27への供給電流を制
限する。
【0015】また、並列接続体27内においても、カレ
ントミラー回路26の一側のコレクタ電流を電流調整用
トランジスタQ14のベース端子に供給することで、その
ベース電流I13を電流調整用トランジスタQ14のコレク
タ電流I12に比べて減少させる。そして、ベース電流I
13に等価なカレントミラー回路26の他側のコレクタ電
流I14をコンデンサ22へ入力する。
【0016】そうすると、コンデンサ22への入力電流
I14は、電源Vccからの当初の電流に比べて極めて小さ
くなり、その充電時間を遅くできる。
【0017】したがつて、コンデンサ22として、モノ
リシツクに集積可能となるような小容量小面積のものを
使用しても、遅延時間を充分に大きく維持できる。
【0018】
【実施例】図1は本発明の一実施例の光結合装置にかか
る受光部の回路図である。図1の如く、本実施例の光結
合装置(フオトカプラ)は、発光部と受光部を同一パツ
ケージ内にもち、入力信号を発光部で一旦光に変換し、
この光を受光部で再び電気信号に変換して出力するもの
であつて、前記受光部は、受光素子10(フオトダイオ
ード)と、演算増幅器11(アンプ)と、第一比較器1
2(第一コンパレータ回路)と、出力遅延回路13とが
モノリシツクに集積されて成る。
【0019】前記アンプ11の負論理側入力端子には、
そのフオトダイオード10のカソードが、正論理側入力
端子には、そのフオトダイオード10のアノードが夫々
接続されている。
【0020】前記第一コンパレータ回路12の負論理側
入力端子には、アンプ11の出力端子が接続され、正論
理側入力端子には、基準電圧Vref11が印加される。
【0021】なお、第1図中、15は負帰還抵抗であ
る。
【0022】前記出力遅延回路13は、前記第一コンパ
レータ12からの信号に基づいて受光素子10の受光時
にオフ状態となるスイツチング素子21と、該スイツチ
ング素子21のオフ時に電源からの電流を充電するコン
デンサ22と、該コンデンサ22への入力電流I14を安
定させる定電流回路24と、前記コンデンサ22での充
電電圧が基準電圧Vref12より大となつたときに外部へ
信号Voを出力する第二比較器23(第二コンパレータ
回路)とを備えている。
【0023】前記スイツチング素子21は、従来と同様
のNPNトランジスタが用いられ、前記第一コンパレー
タ回路12の出力がハイ状態からロー状態となつたとき
に、オン状態からオフ状態に切り換わる。
【0024】前記コンデンサ22は、酸化膜、窒化膜等
の絶縁薄膜が利用され、その容量C11は50pF程度の
小容量とされている。これにより、モノリシツク回路に
他の部品と共に集積可能なほど小面積とすることができ
る。
【0025】前記第二コンパレータ回路23の正論理側
入力端子には、前記定電流回路24の出力端子が接続さ
れ、負論理側入力端子には、基準電圧Vref12が印加さ
れる。
【0026】前記定電流回路24は、一対の同一特性の
PNPトランジスタQ12,Q13からなるカレントミラー
回路26と、電源Vccからのカレントミラー回路26へ
の入力電流を減少させる電流制限手段28とから構成さ
れている。
【0027】前記カレントミラー回路26の一側のトラ
ンジスタQ12のコレクタ端子は、前記コンデンサ22に
接続され、また共通エミツタ端子は入力電源Vccに接続
されている。
【0028】前記電流制限手段28は、3個のNPNト
ランジスタQ14,Q15,Q16および抵抗R12を用いて回
路構成されている。
【0029】このうち、前記電流調整用トランジスタQ
14は、そのエミツタ端子が前記カレントミラー回路26
に並列に接続されることにより並列接続体27が構成さ
れている。該並列接続体27の電流調整用トランジスタ
Q14のベース端子は、前記カレントミラー回路26の共
通ベース端子および他側のトランジスタQ13のコレクタ
端子に接続されている。
【0030】ここで、一般にトランジスタはそのベース
電流がコレクタ電流に対して極めて微細であるため、Q
14のベース電流I13は、そのコレクタ電流I12に比べて
極めて微細となる。そして、カレントミラー回路26の
両コレクタ電流I13,I14は常に等価とされるため、I
14もI12に比べて極めて微細となる。これを利用して、
該並列接続体27により、電源Vccからの電流を前記コ
ンデンサ22への微細な入力電流I14に安定的に減少さ
せることが可能となる。
【0031】また、前記抵抗R12は前記並列接続体27
の電源側に並列に接続され、該抵抗R12の接地側には前
記トランジスタQ16のコレクタ端子が接続されている。
【0032】さらに、前記電流調整用トランジスタQ14
のエミツタ端子には前記トランジスタQ15のコレクタ端
子が接続されている。両トランジスタQ15,Q16のベー
ス端子は、前記抵抗R12に共通に接続され、そのエミツ
タ端子は共通にグランド接続される。
【0033】これらQ15,Q16,R12により、前記並列
接続体27への入力電流をさらに制限する副制限回路2
9としての定電流回路が構成されている。
【0034】次に、前記出力遅延回路13の出力遅延時
間td1を算出する。まず、PNPトランジスタQ12から
流れ出すコレクタ電流をI14とすると、出力遅延時間t
d1は次の(2)式の通りとなる。
【0035】td1=C11×Vref12/I14 …(2) トランジスタQ16のコレクタ端子およびベース端子に供
給される電流I11は、トランジスタQ16の順方向電圧を
VF16として、次の(3)式で示される。
【0036】I11=(Vcc−VF16)/R12 …(3) また、前記電流調整用トランジスタQ14に流れる電流I
12は、Q15とQ16とのエミツタ面積比を1:Nとする
と、次の(4)式の通りである。
【0037】I12=I11/N …(4) 前記PNPトランジスタQ13に流れる電流I13は、Q14
の出力電流I12をQ14の直流電流増幅率(HFE)で割つ
た値であることから、次の(5)式が導かれる。
【0038】 I13=I12/HFE =(Vcc−VF16)/(HFE・R12・N) …(5) 前記PNPトランジスタQ12からの電流I14は、Q12と
Q13とがカレントミラー接続されていることより、 I14=I13 …(6) となる。
【0039】上記(5)(6)式より、次の(7)式が
得られる。
【0040】 I14=(Vcc−VF16)/(HFE・R12・N) …
(7) (2)(7)式より、該出力遅延回路13の出力遅延時
間td1は、(8)式の通りとなる。
【0041】td1=(C11・Vref12・HFE・R12・
N) /(Vcc−VF16) …(8) 上記構成において、アンプ11は、受光状態においてそ
の出力電圧が上昇するものとすると、フオトダイオード
10が光を受けるとアンプ11の出力電圧は上昇する。
【0042】アンプ11の出力電圧が、第一コンパレー
タ回路12の一側入力電圧、すなわち基準電圧Vref11
を越えると、第一コンパレータ回路12の出力はハイ状
態からロー状態となる。
【0043】このため、スイツチング素子21はオン状
態からオフ状態となり、定電流回路24のカレントミラ
ー回路26からの電流I14は、コンデンサ22に充電さ
れる。
【0044】コンデンサ22の電圧が、第二コンパレー
タ回路23の一側入力電圧、すなわち基準電圧Vref12
を越えると、第二コンパレータ回路23の出力Voはロ
ー状態からハイ状態となる。
【0045】この際、コンデンサ22での充電時間td1
だけ遅れて、第二コンパレータ回路23がVoを出力す
ることとなる。
【0046】このtd1として、例えば10msecを得
たい場合には、Vcc=5V、VF16=0.7V、Vref12
=2V,HFE=100、R12=430kΩ、N=10の
環境条件で、(8)式より、コンデンサ22の容量C11
は50PFとなる。この容量値であれば、コンデンサ2
2の面積をモノリシツクに集積可能なほど極めて小さく
できる。
【0047】したがつて、出力遅延回路13は、従来で
はコンデンサ22を外付けしないと得られないような大
きな遅延をコンデンサ22の外付けなしで得られるた
め、数msec〜数10msecの出力遅延が必要なプ
ログラムコントローラー用の光結合装置においても、コ
ンデンサ22を含めて、受光素子10、アンプ11、コ
ンパレータ回路12および出力遅延回路13をモノリシ
ツクに集積して受光部とすることが可能となり、光結合
装置の軽量、小型化が図れる。
【0048】また、モノリシツク回路に外付けコンデン
サを接合する必要がないため、両者の接合部で発生する
ノイズを考慮する必要がなくなる。
【0049】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。
【0050】例えば、上記実施例では、コンデンサ22
として酸化膜や窒化膜等の絶縁薄膜を利用していたが、
小容量小面積であれば、これ以外の構成であつてもよ
い。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明請
求項1〜3によると、定電流回路に、電源からの入力電
流を微細に減少させる電流制限手段を設けているので、
電源からの電流を前記コンデンサへの微細な入力電流へ
安定的に減少させて、従来よりもコンデンサへの電流供
給を遅くすることができ、大容量大面積のコンデンサを
外付けしないと得られなかつたような大きな遅延を、コ
ンデンサを小容量小面積としてモノリシツクに集積した
状態でも得ることができる。
【0052】したがつて、数msec〜数10msec
の出力遅延が必要なプログラムコントローラー用の光結
合装置においても、外付けコンデンサを省略できるた
め、外部からのノイズ、もれ電流に影響されない安定し
た出力の遅延を得ながら、光結合装置の軽量、小型化が
図れるといつた優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の光結合装置にかかる受光部
の回路図
【図2】従来の光結合装置にかかる受光部の回路図
【符号の説明】
10 受光素子 13 出力遅延回路 21 スイツチング素子 22 コンデンサ 23 比較器 24 定電流回路 26 カレントミラー回路 27 並列接続体 28 電流制限手段 29 副制限回路 Q14,Q15,Q16 トランジスタ R12 抵抗 GND 接地端子 Vcc 電源 I14 入力電流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H03H 11/02 H03K 5/13,17/78 H04L 25/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を発光部で一旦光に変換し、こ
    の光を受光部で再び電気信号に変換して出力するもので
    あつて、前記受光部は、受光素子と、該受光素子からの
    信号を遅延させる出力遅延回路とを備え、該出力遅延回
    路は、前記受光素子の受光時に充電するコンデンサと、
    該コンデンサへの入力電流を安定させる定電流回路と、
    前記コンデンサでの充電電圧が基準電圧より大となつた
    ときに外部へ信号を出力する比較器とを備えた光結合装
    置において、前記定電流回路に、電源からの入力電流を
    減少させる電流制限手段が設けられ、前記コンデンサを
    含む出力遅延回路と、前記受光素子とは、モノリシツク
    に集積されたことを特徴とする光結合装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の定電流回路はカレントミ
    ラー回路を有し、前記電流制限手段は、電流調整用トラ
    ンジスタを有し、前記カレントミラー回路および電流調
    整用トランジスタは並列に接続されて並列接続体が構成
    され、前記カレントミラー回路の一側のコレクタ端子
    は、請求項1記載のコンデンサに接続され、前記カレン
    トミラー回路の他側のコレクタ端子は、前記電流調整用
    トランジスタのベース端子に接続されたことを特徴とす
    る光結合装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電流制限手段に、請求項
    2記載の並列接続体への入力電流をさらに制限する副制
    限回路が設けられたことを特徴とする光結合装置。
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