JP2804054B2 - 光半導体装置 - Google Patents

光半導体装置

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JP2804054B2 JP63309069A JP30906988A JP2804054B2 JP 2804054 B2 JP2804054 B2 JP 2804054B2 JP 63309069 A JP63309069 A JP 63309069A JP 30906988 A JP30906988 A JP 30906988A JP 2804054 B2 JP2804054 B2 JP 2804054B2
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【発明の詳細な説明】 [概要] 光半導体装置、特に入射するコヒーレント光のうち所
定の選択波長のコヒーレント光のみを通過させる光フィ
ルタに関し、 偏波面依存性がなく選択波長を制御することができる
光半導体装置を提供することを目的とし、 縦方向からコヒーレント光を入射する円形断面の入射
面を有し、入射するコヒーレント光のうち所定の選択波
長のコヒーレント光のみを通過させる円形断面の導波路
部と、前記導波路部に電流を注入する電流注入部とを備
え、前記導波路部に注入された電流により前記選択波長
を変更させるように構成する。
[産業上の利用分野] 本発明は光半導体装置、特に入射するコヒーレント光
のうち所定の選択波長のコヒーレント光のみを通過させ
る光フィルタに関する。
光を媒体として伝送路に光ファイバを用いる光通信と
して、より大量のデータを通信するために異なる波長の
光を一本の光ファイバで伝送する波長多重光通信が注目
されている。波長多重光通信のためには精度のよい光フ
ィルタが不可欠である。
[従来の技術] 従来の光フィルタを第4図に示す。InP基板50上にInG
aAsPの混晶からなる導波路52が形成されている。導波路
52は厚いInP層54により覆われて平坦化されている。InP
基板50表面には回折格子54が形成され、導波路52に入射
する光は回折格子54によりフィルタされる。InP基板50
の下面には電極56が形成され、導波路52上部のInP層54
上面には電極58が形成されている。
InGaAsP混晶に電流を流すと屈折率が変わることを利
用して、これら電極56、58により電極を注入して導波路
52の屈折率を変化させ、フィルタされる選択波長を変化
させている。
[発明が解決しようとする課題] 今までは伝送する光の強度を変えてデータを送信する
ことが行われていたが、近年は周波数や位相を変調する
コヒーレント光通信が注目されている。しかしながら、
従来の光フィルタは第4図に示すように導波路52の断面
が長方形であるため、入射光の偏波面により導波のされ
方が異なる偏波面依存性を有している。このため、従来
の光フィルタをコヒーレント光通信で用いることはでき
なかった。
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、偏波面
依存性がなく選択波長を制御することができる光半導体
装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的は、縦方向からコヒーレント光を入射する円
形断面の入射面を有し、入射するコヒーレント光のうち
所定の選択波長のコヒーレント光のみを通過させる円形
断面の導波路部と、前記導波路部に電流を注入する電流
注入部とを備え、前記導波路部に注入された電流により
前記選択波長を変更させることを特徴とする光半導体装
置によって達成される。
[作用] 本発明によれば、導波路部の断面が円形形状をしてい
るので偏波面依存性がなく、導波路部への注入電流によ
り選択波長を変更できる。
[実施例] 本発明の一実施例による光半導体装置としての光フィ
ルタを第1図に示す。
n型InP基板10上に断面が円形の導波路部12が形成さ
れている。導波路部12は入射光のうち選択波長λの光の
みを通過させる分布反射器として作用する波層14と、
波層14を保護するp型InPのクラッド層15が形成され
ている。本実施例では導波路部12の断面が円形であるた
め偏波面依存性がないという特徴がある。
波層14は複数のアンドープInGaAsP層及びInP層とが
積層された多重量子井戸構造(MQW=Multiple Quantum
Well)をしている。すなわち、InP基板10上に第1のInG
aAsP層14a、第1のInP層14b、第2のInGaAsP層14c、第
2のInP層14d、第3のInGaAsP層14eが順番に積層されて
いる。InGaAsP層14A、14c、14dの厚さd1及びInP層14b、
14dの厚さd2は d1=λ/4n1 d2=λ/4n2 となる。ただし、λは選択波長であり、n1はInGaAsP層
の屈折率、n2はInP層の屈折率である。
導波路部12の周囲は電流閉込層16で囲まれている。電
流閉込層16は注入された電流Iが主として導波路部12を
流れるようにするためのものである。n型InP基板10上
にp型InP層16a、n型InP層16b、p型InP層16cが順番に
形成されている。導波路部12及び電流閉込層16上には平
坦化のためにp型InP層の平坦化層18が形成されてい
る。n型InP基板10、p型InP層16a、N型InP層16b、p
型InP層16cとでpnpn構造のサイリスタが形成され、注入
電流Iが導波路部12を流れるように作用する。導波路部
12に電流Iを流すと導波路部12の各層の屈折率n1、n2
変化するため、波される選択波長λを変化させること
ができる。
平坦化層18上にはp型InGaAsPのコンタクト層20を介
して金属の電極層22が形成されている。平坦化層18はp
型InP層であるため、電極層22がオーミックコンタクト
をとるためにp型InGaAsPのコンタクト層20が必要であ
る。電極層22は第1図(b)に示すように円形形状をし
ており、真中に入射光を通すための円形の穴があけられ
ている。
n型InP基板10の下面には金属の電極層24が直接形成
されてオーミックコンタクトが取られている。電極層24
も、電極層22と同様に真ん中に穴が開けられた円形形状
をしている。
光ファイバ26、28は電極層22、24の円形穴に臨むよう
に設けられている。
入射光は光ファイバ26から入射され、平坦化層18、ク
ラッド層15、液層14、InP基板10を通り、選択波長λ
の光のみが通るようにフィルタされて出射光として光フ
ァイバ28に入る。クラッド層15及び波層14から構成さ
れる導波路部12の断面が円形形状をしているため入射光
の偏波面により導波のされ方が異なることはなく偏波面
依存性がない。
本実施例の光半導体装置では電極層22、24間に電圧を
印加して電流Iを注入する。注入電流Iは電流閉込層16
があるので主として導波路部12を流れる。InP層及びInG
aAsP層は流れる電流Iの大きさにより屈折率が変化する
という特性があるため、注入電流の大きさによりフィル
タされる選択波長λが変化する。これにより選択波長λ
を所望の値に調整することができる。
本実施例の光半導体装置の製造方法を第2図を用いて
説明する。
まず、n型InP基板10上に、アンドープのInGaAsP層14
a、InP層14b、InGaAsP層14c、InP層14d、InGaAsP層14e
からなる液層14を形成し、また波層14上にp型InP
のクラッド層15を形成する。クラッド層15上には更に酸
化シリコン層30をCVD法により形成する(第2図
(a))。
次に、酸化シリコン層30を1〜2μmの円形形状にパ
ターニングし、この円形の酸化シリコン層30をマスクと
して異方性エッチングにより円形メサ型形状を形成する
(第2図(b))。これにより断面が円形の偏波面依存
性のない導波路部12が形成される。
次に、液相成長により、導波路部12の周囲にp型InP
層16a、n型InP層16b、p型InP層16cを順番に成長さ
せ、電流閉込層16を形成する(第2図(c))。
次に、酸化シリコン層30を除去し、液相成長によりp
型InP層の平坦化層18を形成して、凹凸のある導波路部1
2及び電流閉込層16を平坦化し、この平坦化層18上にp
型InGaAsPのコンタクト層20を更に液相成長させる。次
に、コンタクト層20上にCVD法により酸化シリコン層32
を堆積させる(第2図(d))。
次に、酸化シリコン層32を真ん中に穴があいた円形形
状にパターニングし、この酸化シリコン層32をマスクと
してコンタクト層20をエッチングする第2図(e))。
次に、酸化シリコン層32を除去した後、コンタクト層
20上に真ん中に穴の開いた円形形状の電極層22を形成す
る。続いて、InP基板10の下面に電極22とほぼ同じ形状
の電極層24を形成し(第2図(f))、光半導体装置の
製造を終了する。
本発明の他の実施例による光半導体装置としての光フ
ィルタを第3図に示す。本実施例の光フィルタは電流閉
込層16としてInP基板10上の導波路部12の周囲に鉄をド
ープした高抵抗のInPを用いたものである。
本実施例の光フィルタを製造するには、第2図(b)
に示す円形メサ型の導波路部12を形成した後、有機金属
基相成長法(MOVPE=Metal Organic Vapor Phase Epita
xy)により鉄ドープの高抵抗InPを成長させ、電流閉込
層16を形成する。電流閉込層16形成後の製造方法は第2
図(e))以下に示す方法と同じである。
本発明は上記実施例に限らず種々の変形が可能であ
る。
例えば、上記実施例では電極層22、24を真ん中に円形
の穴が開けられた円形形状としたが、導波路部12に対応
する位置に光が通る穴が開けられていれば、電極層22、
24の穴の形状及び全体の形状はいかなる形でもよい。
また、上記実施例では電流閉込層16を設け、ほとんど
の注入電流が導波路部12を流れるようにしたが、電流閉
込層16を設けなくともよい。要は、導波路部12に屈折率
を変化させるための電流が注入できれば、いかなる構成
でもよい。
[発明の効果] 以上の通り、本発明によれば導波路部の断面が円形形
状をしているため偏波面依存性がなく、導波路部への注
入電流により選択波長を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による光半導体装置を示す
図、 第2図は同光半導体装置の製造方法を示す工程断面図、 第3図は本発明の一実施例による光半導体装置を示す
図、 第4図は従来の光フィルタを示す図 である。 図において、 10……n型InP基板、 12……導波路部、 14……波層、 14a、14c,14e……InGaAsP層、 14b、14d……InP層、 15……クラッド層(p型InP)、 16……電流閉込層、 16a,16c……p型InP層、 16b……n型InP層、 18……平坦化層(p型InP)、 20……コンタクト層(p型InGaAsP) 22、24……電極層、 26、28……光ファイバ、 30、32……酸化シリコン層、 50……InP基板、 52……導波路、 54……InP層、 56、58……電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/00 - 1/025 G02F 1/29 - 3/02 H01S 3/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縦方向からコヒーレント光を入射する円形
    断面の入射面を有し、入射するコヒーレント光のうち所
    定の選択波長のコヒーレント光のみを通過させる円形断
    面の導波路部と、 前記導波路部に電流を注入する電流注入部とを備え、 前記導波路部に注入された電流により前記選択波長を変
    更させることを特徴とする光半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0656456B2 (ja) * 1986-07-02 1994-07-27 日本電気株式会社 平面型光制御素子
JPH0719928B2 (ja) * 1986-11-26 1995-03-06 日本電気株式会社 光フイルタ素子

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