JP2801662B2 - L―カルニチンの測定法 - Google Patents

L―カルニチンの測定法

Info

Publication number
JP2801662B2
JP2801662B2 JP1196550A JP19655089A JP2801662B2 JP 2801662 B2 JP2801662 B2 JP 2801662B2 JP 1196550 A JP1196550 A JP 1196550A JP 19655089 A JP19655089 A JP 19655089A JP 2801662 B2 JP2801662 B2 JP 2801662B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carnitine
polyoxyethylene
fatty acid
chloride
tetrazolium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1196550A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0361499A (ja
Inventor
守 高橋
Original Assignee
旭化成工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 旭化成工業株式会社 filed Critical 旭化成工業株式会社
Priority to JP1196550A priority Critical patent/JP2801662B2/ja
Publication of JPH0361499A publication Critical patent/JPH0361499A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2801662B2 publication Critical patent/JP2801662B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、L-カルニチンデヒドロゲナーゼ反応系を用
いてなる被験液中のL-カルニチンの測定法に関する。
〔従来の技術〕
L-カルニチンは、長鎖遊離脂肪酸が細胞内でβ酸化を
受ける際に前提となるミトコンドリア膜の通過を媒介す
る必須の物質とされており、その欠乏が起こると、脂質
代謝ばかりでなく種々の代謝にも異常が生じ得る。特に
カルニチンに依存度の高いエネルギー消費が活発で、ま
たカルニチンの生産能を欠く骨格筋や心筋に障害が出現
し易いとされている。これまでカルニチン代謝の先天性
異常による病態への関心が主であったが、最近では、腎
不全・透析患者などにおける二次的カルニチン代謝異常
も問題となっている。また筋・心筋疾患、透析患者など
カルニチン欠損が考えられる病態い対し、薬剤としてカ
ルニチンを投与する試みもなされている。このように、
カルニチンは既に病態の解析、治療など臨床的なレベル
におけるアプローチが必要とされているが、まだ臨床分
野での適当な定量法が開発されていない。
従来、L-カルニチンの測定法としては、L-カルニチン
およびアセチルCoAにカルニチンアセチルトランスフェ
ラーゼ(CAT)を作用させ、遊離したCoASHと5,5′‐ジ
チオビス‐2-ニトロ安息香酸(DTNB)との反応により生
成するチオフェノレートイオンを比色定量する方法(DT
NB法)〔J.Biol.Chem.,238,2509(1963),J.Lipid Rese
arch,5,184〜187(1964)、臨床病理、36(11),1296〜
1302(1988)〕、L-カルニチンおよび〔14C〕または〔3
H〕標識アセチルCoAにCATを作用させて放射標識アセチ
ル‐L-カルニチンとCoASHを生成する反応において放射
活性を測定するラジオアイソトープ法〔Clin.Chim.Act
a,37,235〜243(1972),J.Lipid Research,17,277〜281
(1976),日本栄養・食糧学会誌,41(5),389〜395
(1988)〕、L-カルニチンおよびNADにL-カルニチンデ
ヒドロゲナーゼを作用させて3-デヒドロカルニチンとNA
DHを生成する反応において紫外部におけるNADHの増加を
測定するカルニチンデヒドロゲナーゼ法〔European J.B
iochem.,6,196〜201(1968),同,10,56〜60(1969),
Fresenius Z.Anal.Chem.,320(3),285〜289(198
5)〕、L-カルニチンおよびアセチルCoAにCATを作用さ
せ、生成したCoAにN-{p-(2-ベンズイミダゾリル)‐
フェニル}‐マレイミド(BIPM)を作成させ、生成した
CoA-BIPMの蛍光強度を測定する蛍光法〔厚生省神経病患
研61年度研報,315〜318(1986)〕などが知られてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
DTNB法は、血清中のL-カルニチン測定を行う際に、除
蛋白操作を行う必要があるなど、操作が煩雑であり、ラ
ジオアイソトープ法は、感度、特異性において優れた方
法であるが、ラジオアイソトープを使用しなければなら
ず、測定できる施設に制限があるなどの問題がある。
カルニチンデヒドロゲナーゼ法は、NADHの340nmにお
ける分子吸光係数がε=6.22(cm2/μモル)と小さい
ために、例えばカルニチン欠損症〔Neurology,25,16〜2
4(1975)〕患者の血清カルニチン量を測定することは
困難であること、また血清中に含まれる脱水素酵素、例
えば乳酸脱水素酵素などによって生成されたNADHが減少
し、測定上の誤差が生じるなどの問題があった。
そこで、本発明者らは、操作の簡便性、経済性および
安全性の点で実施し得るL-カルニチン測定法を開発すべ
く酵素法に着目して種々研究を開始した。
本発明者が着目した点は、 を組合せし、酵素反応で生成したNADHを酵素反応を
利用して可視部で比色定量可能なホルマザンを生成さ
せ、これを比色定量することによりL-カルニチン量を測
定することであり、この場合、ホルマザンの分子吸光係
数εが約20cm2/μモルであることから、NADHを直接定
量する従来法より約3倍の感度が得られるものと予想さ
れた。
上記の酵素反応によるL-カルニチン量の測定を試みる
に当り、L-カルニチンデヒドロゲナーゼ生産菌として公
知のシュードモナス・アエルギノーサNCTC A7244[Euro
pean J.Biochem.,6,196〜201(1968)]キサントモナス
・トランスルッセンスIFO 13558[Agric.Biol.Chem.,5
2,851〜852(1988)を各々European J.Biochem.,6,196
〜201(1968)に記載の公知の方法により培養、精製し
たL-カルニチンデヒドロゲナーゼを使用し、テトラゾリ
ウム塩としてニトロテトラゾリウム・ブルー(NTB)を
使用し、生成されるホルマザンを550nm付近で比色定量
を行った。
しかしながら、生成されるホルマザンの理論量が得ら
れず、およびの組合せによる酵素反応は終了しなか
った。そのため、微量のL-カルニチンを測定することは
困難であった。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明者らは、上記のおよびの組合せに
よる酵素反応が終了しないという欠点を解決すべく、さ
らに種々研究を続けた結果、全く意外にも、上記酵素反
応系に非イオン性界面活性剤を添加することにより化学
量論的にL-カルニチンを測定でき、可視部で比色定量可
能なL-カルニチンデヒドロゲナーゼを用いるL-カルニチ
ンの新規な測定法を見い出した。非イオン性界面活性剤
を添加することにより上記酵素反応が化学量論的に進行
する理由については定かではないが、少なくともホルマ
ザンの沈澱の防止を助けるための非イオン性界面活性剤
が添加されたものではない。
本発明は、上記の知見に基いて完成されたものであっ
て、被験液中のL-カルニチンの測定において、被験液に
L-カルニチンデヒドロゲナーゼの作用によりL-カルニ
チンおよびNAD+またはチオNAD+から3-デヒドロカルニチ
ン、H+およびNADHまたはチオNADHを生成する酵素反応系
および電子伝達剤の存在下、テトラゾリウム塩、生成
したNADHまたはチオNADHおよびH+からホルマザンおよび
NAD+またはチオNAD+に変換する変換反応系との組合せに
よる反応を行わせるに際し、該反応系に非イオン性界面
活性剤を添加して反応を行わせ、生成したホルマザンを
比色定量することを特徴とするL-カルニチンの測定法を
提供するものである。
本発明における反応系は次の反応式で示される反応系
の組合せに基づくものである。
本発明で用いられるL-カルニチンデヒドロゲナーゼは
公知の酵素であるが、細菌由来のL-カルニチンデヒドロ
ゲナーゼ生産菌の産生する酵素が励用される。このよう
なL-カルニチンデヒドロゲナーゼ生産菌の例としては、
Pseudomonas aeruginosa IFO 13130、Pseudomonas puti
da B−0781(FERM BP−2665)、Pseudomonas putida IF
03738などのシュードモナス属細菌、Xanthomonas tran
slucens IFO 13558などのキサントモナス属細菌などが
挙げられる。上記の細菌由来のL-カルニチンデヒドロゲ
ナーゼはEuropean J.Biochem.,6,196〜201(1968),同
誌,10,56〜60(1969),Agric.Biol.Chem.,52(1),24
9〜250(1988)などに記載の方法により上記生産菌を培
養し、該培養物から分離精製することによっても製造さ
れる。また上記生産菌から得られたL-カルニチンデヒド
ロゲナーゼ遺伝子を遺伝子組み換え技術によって得られ
た宿主細胞を培養し、精製することによって製造される
〔Agric.Biol.Chem.,52(3),851〜852(1988)〕。
本発明で用いられる電子伝達剤としては、後記のテト
ラゾリウム塩、NADH(またはチオNADH)およびH+からホ
ルマザンおよびNAD+(またはチオNAD+)に変換すること
のできる試薬であり、例えばジアホラーゼ、フェナジン
誘導体が挙げられる。
ジアホラーゼは公知の酵素であり、市販品を入手する
ことができる。
フェナジン誘導体としては、フェナジンメトサルフェ
ート、メルドラブルー、メトシキフェナジンメトサルフ
ェートなどが挙げられる。
本発明で用いられるテトラゾリウム塩としては、3,
3′‐(3,3′‐ジメトキシ‐4,4′‐ビフェニレン)‐
ビス〔2-(p-ニトロフェニル)‐5-フェニル‐テトラゾ
リウムクロライド〕〔別名;ニトロテトラゾリウム(NT
B)〕、3,3′‐(3,3′‐ジメトキシ‐4,4′‐ビフェニ
レン)‐ビス〔2,5-ビス(p-ニトロフェニル)‐テトラ
ゾリウムクロライド〕、3,3′‐(3,3′‐ジメトキシ4,
4′‐ビフェニレン)‐ビス(2,5-ジフェニル‐テトラ
ゾリウムクロライド、2-(p-ニトロフェニル)‐3-(p-
ヨードフェニル)‐5-フェニル‐テトラゾリウムクロラ
イド(INT)、3-(4,5-ジメチル‐2-チアゾリル)‐2,5
-ジフェニル‐テトラゾリウムクロライド(4,5-MTT)、
3-(4,5-ジメチル‐2-トリアゾリル)‐2,4-ジフェニル
‐テトラゾリウムクロライド(MTT)、2,2′,5,5′‐テ
トラ‐(p-ニトロフェニル)‐3,3′‐(3-ジメトキシ
‐4-ジフェニレン)‐ジテトラゾリウムクロライド(TN
BT)、2,3,5-トリフェニル‐テトラゾリウムクロライド
(TT)、ネオテトラゾリウムクロライド(NT)などが挙
げられる。
本発明の反応系に添加される非イオン性界面活性剤と
しては、本発明の反応系の反応を阻害するような悪影響
を与えず、且つHLB約10以上の水溶性の非イオン性界面
活性剤が用いられる。好ましくは約11〜17のHLBを有す
る非イオン性界面活性剤を使用するのが望ましい。例え
ば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシ
エチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリ
ルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポ
リオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエ
チレントリデシルエーテルなどのポリオキシエチレンア
ルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル、ポリオキシオクチルフェニルエーテルなどのポ
リオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテルなどの
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル;ポ
リオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレ
ンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレエート
などのポリオキシエチレンアルキルエステル;ソルビタ
ンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソル
ビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレー
ト、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレ
エート、ソルビタントリオレエート;グリセリンモノス
テアレート、プロピレングリコールモノステアレート、
グリセリンモノオレエートなどのグリセリン・プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソル
ビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタン
モノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステ
アレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエー
ト、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエートなど
のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリ
オキシエチレンソルビトールモノラウレート、ポリオキ
シエチレンソルビトールテトラオレエート、ポリオキシ
エチレンソルビトールヘキサステアレートなどのポリオ
キシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリオキシ
エチレングリセリンモノステアレートなどのポリオキシ
エチレングリセリン脂肪酸エステル;ポリオキンエチレ
ンステアリルアミンなどのポリオキシエチレンアルキル
アミン;ポリオキシエチレンステアリルアミドなどのポ
リオキシエチレンアミド;ラウリン酸ジエタノールアミ
ド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドなどの脂肪酸アル
カノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導
体などのポリオキシエチレンヒマシ油誘導体;アデカノ
ール(旭電化工業社製)などの第1級アルコールエトキ
シレート;アデカトール(旭電化工業社製)などの第2
級アルコールエトキシレート;テトロニック(旭電化工
業社製)などのエチレンジアミンのポリオキシプロピレ
ンポリオキシエチレンエーテルなどが挙げられるが、プ
ロニックF−68(旭電化工業社製)などのポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレンエーテル、ニッコールTO−
10(日光ケミカルズ社製)、ポリオキシエチレン(20)
ソルビタンモノオレエート(和光純薬社製)などのポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン
脂肪酸エステル、アデカトール(旭電化工業社製)など
の第2級アルコールエトキシレートが好ましい一例であ
る。
上記の非イオン性界面活性剤は1種単独で使用しても
よいし、また2種以上を組合せて使用してもよい。
被験液中のL-カルニチン量の測定を実施するための酵
素および必要な試薬の濃度は、一般的には、次の濃度の
範囲で適宜決定し、本発明の反応系の反応を行わせるの
が望ましい。
緩衝剤 L-カルニチンデヒドロゲナーゼ 1〜30U/m1 NAD+(またはチオNAD+) 0.1〜5mM ジアホラーゼ 0.5〜50U/m1 テトラゾリウム塩 0.01〜0.1% 非イオン性界面活性剤 0.1〜5% 被験液としては、正常群および各種疾患患者より得ら
れた血清または尿、動物の血清、尿または組織から抽出
された抽出液、牛乳、乳製品などの食品から抽出された
抽出液などが挙げられる。
上記の酵素および必要な試薬は、同一系または2以上
からなる系として、水溶液状に保存してもよいし、また
乾燥した粉末状に保存してもよい。特に凍結乾燥により
乾燥保存することが有利である。上記の酵素および必要
な試薬を安定に保存するためには、安定性に悪影響を与
えないような成分と共に保存するのが好ましい。例え
ば、L-カルニチンデヒドロゲナーゼと非イオン性界面活
性剤、NAD+またはチオNAD+とテトラゾリウム塩、電子伝
達剤とテトラゾリウム塩、非イオン性界面活性剤とテト
ラゾリウム塩は互いにできるだけ同一系で長期保存しな
い方が望ましい。
本発明の反応系の反応を行うに当っては、通常37℃付
近で1分以上反応させればよい。上記反応において、に
ごりが生じる場合には、反応液のにごりを除去する目的
でKCl,NaClなどの添加物を適宜添加して反応を行っても
よい。
本発明におけるL-カルニチンの測定は、上記反応系に
おける反応によって生じたホルマザンの特異的吸収波長
である吸収波長域、例えば500〜550nm付近における極大
吸収波長域に基いて比色定量することにより求められ
る。
本発明によれば、遊離のL-カルニチンだけでなく、ア
セチルカルニチンなどのアシルカルニチンを加水分解す
ることにより遊離されてくるL-カルニチンも測定するこ
とができる。例えば、被験液に存在するL-カルニチンの
みを測定する場合には、被験液を加水分解処理すること
なく、そのまゝ本発明の反応系を利用してL-カルニチン
量を測定すればよく、L-カルニチンおよびアシルカルニ
チンの総カルニチン量を測定する場合には、被験液を加
水分解処理した後、測定すればよい。逆にアシルカルニ
チン量のみを測定する場合には、加水分解処理した後の
被験液のL-カルニチン量から加水分解処理しない被験液
のL-カルニチン量を差引くことによりアシルカルニチン
量を測定することができる。従って、本発明は、遊離の
L-カルニチン量の測定方だけでなく、総カルニチン量お
よびアシルカルニチン量の測定法も包含されるものであ
る。
〔発明の効果〕
従来、L-カルニチンの測定に用いられてきたDTNB法
は、被験液を除蛋白する必要があり、操作が煩雑になる
上、被験液が希釈されるという問題があり、またラジオ
アイソトープ法は測定できる施設が限られるなどの問題
があったが、本発明方法によれば、DTNB法の如く除蛋白
する必要がなく、例えば血清を被験液としてそのまゝ血
清中のL-カルニチン量を測定できるし、また、どこの施
設にも設置されている一般的な分光光度計で測定可能な
方法であり、しかも従来のカルニチンデヒドロゲナーゼ
法より約3倍の感度で得られるので、経済性、簡便性、
安全性の点で優れた方法である。従って、L-カルニチン
に係る臨床生化学検査、食品検査、カルニチン製造にお
けるモニタリングに有利に使用される測定法が提供でき
る。
〔実施例〕
次に参考例および実施例を挙げて本発明について具体
的に説明するが、これに限定されるものではない。
参考例1 L-カルニチンデヒドロゲナーゼ生産菌株の培養 DL-カルニチン塩酸塩400g、K2HPO420g、KH2PO420g、MgS
O4・7H2O10g、酵母エキス10g、FeSO4・7H2O0.01g、MnSO
4・nH2O0.01gおよび消泡剤KS−66(信越シリコーン社
製)10m1からなる培地(pH7.5)20lを30l容ジャーファ
ーメンターに仕込み、120℃、20分間蒸気滅菌した後、
上記と同一組成の培養液で前培養したPseudomonas aeru
ginosa IFO 13130の種培養液100m1を移植し、通気量20l
/分、攪拌速度200r.p.m.、円圧0.4kg/cm2、28℃で20時
間培養し、培養物19.5lを得た。
参考例2 L-カルニチンデヒドロゲナーゼの分離精製 参考例1で得た培養液19.5lを遠心分離で集菌し、こ
の菌体に20mMリン酸緩衝液(pH7.5)、0.1%リゾチーム
および20mMエチレンジアミン四酢酸ジナトリウム塩(ED
TA・2Na)5lを加え、37℃で30分間可溶化した後、沈澱
物を遠心分離し、上清4500m1(酵素活性6.1U/m1)を得
た。この上清に硫安1094gを溶解した後、遠心分離し
た。得られた上清に再び硫安890gを溶解した後、遠心分
離した。沈澱物を20mMリン酸緩衝剤(pH7.5)1に溶
解し、この溶液(酵素活性24.1U/m1)をセファデックス
G−25(5l)のカラムに通し、20mMリン酸緩衝液(pH7.
5)1.5lで溶出した。得られた酵素活性区分1.5lを20mM
リン酸緩衝液(pH7.5)で緩衝化したDEAEセファロースC
L−6B(ファルマシア社製)200m1のカラムに通した後、
0.2M KClを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.5)200m1で溶出
した。得られた酵素活性区分200m1をセファデックスG
−25(1)のカラムに通し、10mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.5)で溶出した。得られた酵素活性区分300m1を10
mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で緩衝化したハイドロキ
シルアパタイト(KOKEN社製)(50m1)のカラムに流
し、2mMリン酸緩衝液(pH7.5)50m1で溶出した。溶出さ
れた酵素活性区分に牛血清アルブミン50mgを溶解した
後、凍結乾燥してL-カルニチンデヒドロゲナーゼ粉末
(酵素活性15U/mg)271mgを得た。
実施例1 L-カルニチンデヒドロゲナーゼを用いたL-カルニチンの
定量 反応液組成 トリス塩酸緩衝液(pH9.0) 100mM NAD+(オリエンタル酵母社製) 1mM ジアホラーゼ(東洋醸造社製) 5U ニトロテトラゾリウム・ブルー(和光純業社製) 0.025% ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート(和
光純薬社製) 1% KCl 50mM L-カルニチンデヒドロゲナーゼ 15U 上記反応液1m1にL-カルニチンを1,5,10,20,30,40μM
となるように添加し、37℃で10分間インキュベートした
後、550nmにおける吸光度を測定した。
上記反応はL-カルニチンの全ての濃度で理論量通りに
終了し、L-カルニチンの標準曲線(−○−)を示すと第
1図の通りであって、原点を通る直線が得られた。上記
方法での分子吸光係数εは21.5cm2/μモルであった。
上記の反応液において、ポリオキシエチレン(20)ソ
ルビタンモノオレエートを除いた以外は上記と同様に行
った実験結果(−●−)は、第1図の通りであって、理
論量の反応が起っていないことを示した。この実験での
分子吸光係数εは17.8cm2/μモルであった。
実施例2 血清中のL-カルニチンの測定 反応液組成 1Mトリス塩酸緩衝液(pH9.0) 0.1m1 10mMNDA+ 0.1m1 100U/m1ジアホラーゼ(東洋醸造社製) 0.05m1 10%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエー
ト(和光純薬社製) 0.1m1 1M KCl 0.05m1 0.25%ニトロテトラゾリウム・ブルー(和光純薬社製) 0.1m1 150U/m1 L-カルニチンデヒドロゲナーゼ 0.1m1 合計 0.6m1 上記反応液0.60m1に健康人男子(32才)の血清を各々
25,50,75,100μlおよび蒸留水375,350,325,300μlを
添加し、37℃,10分間インキュベートした後、550nmにお
ける吸光度を測定した。
測定した結果は第2図の通りであって、原点を通る直
線が得られた。実施例1で示した本発明方法での550nm
における分子吸光係数εは21.5cm2/μモルであるか
ら、本血清中のL-カルニチン量は51.1μMであると算定
される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法および非イオン性界面活性剤の存在
しない条件で測定したL-カルニチンの標準曲線を示し、
第2図は本発明方法により健康人血清中のL-カルニチン
を測定した結果を示す。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被験液中のL-カルニチンの測定において、
    被験液にL-カルニチンデヒドロゲナーゼの作用により
    L-カルニチンおよびNAD+またはチオNAD+から3-デヒドロ
    カルニチン、H+およびNADHまたはチオNADHを生成する酵
    素反応系および電子伝達剤の存在下、テトラゾリウム
    塩、生成したNADHまたはチオNADHおよびH+からホルマザ
    ンおよびNAD+またはチオNAD+に変換する変換反応系との
    組合せによる反応を行わせるに際し、該反応系に非イオ
    ン性界面活性剤を添加して反応を行わせ、生成したホル
    マザンを比色定量することを特徴とするL-カルニチンの
    測定法。
  2. 【請求項2】L-カルニチンデヒドロゲナーゼがシュード
    モナス属細菌またはキサントモナス属細菌由来のもので
    ある請求項1記載の測定法。
  3. 【請求項3】電子伝達剤がジアホラーゼまたはフェナジ
    ン誘導体である請求項1記載の測定法。
  4. 【請求項4】フェナジン誘導体がフェナジンメトサルフ
    ェート、メルドラブル−またはメトキシフェナジンメト
    サルフェートである請求項3記載の測定法。
  5. 【請求項5】テトラゾリウム塩が3,3′‐(3,3′‐ジメ
    トキシ‐4,4′‐ビフェニレン)‐ビス〔2-(p-ニトロ
    フェニル)‐5-フェニル‐テトラゾリウムクロライ
    ド〕、3,3′‐(3,3′‐ジメトキシ‐4,4′‐ビフェニ
    レン)‐ビス〔2,5-ビス(p-ニトロフェニル)‐テトラ
    ゾリウムクロライド〕、3,3′‐(3,3′‐ジメトキシ‐
    4,4′‐ビフェニレン)‐ビス(2,5-ジフェニル‐テト
    ラゾリウムクロライド)、2-(p-ニトロフェニル)‐3-
    (p-ヨードフェニル)‐5-フェニル‐テトラゾリルクロ
    ライド、3-(4,5-ジメチル‐2-チアゾリル)‐2,5-ジフ
    ェニル‐テトラゾリウムクロライド、3-(4,5-ジメチル
    ‐2-トリアゾリル)‐2,4-ジフェニル‐テトラゾリウム
    クロライド、2,2′,5,5′‐テトラ‐(p-ニトロフェニ
    ル)‐3,3′‐(3-ジメトキシ‐4-ジフェニレン)‐ジ
    テトラゾリウムクロライド、2,3,5-トリフェニル‐テト
    ラゾリウムクロライドまたはネオテトラゾリウムクロラ
    イドである請求項1記載の測定法。
  6. 【請求項6】非イオン性界面活性剤がHLB約10以上の水
    溶性の非イオン性界面活性剤である請求項1記載の測定
    法。
  7. 【請求項7】非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレ
    ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリ
    ールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
    ンエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソ
    ルビタン脂肪酸エステル、グリセリン・プロピレングリ
    コール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン
    脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪
    酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エス
    テル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシ
    エチレンアミド、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキ
    シエチレンヒマシ油誘導体、第1級アルコールエトキシ
    レート、第2級アルコールエトキシレートまたはエチレ
    ンジアミンのポリオキシプロピレンポリオキシエチレン
    エーテルの1種または2種以上の組合せよりなる請求項
    6記載の測定法。
JP1196550A 1989-07-31 1989-07-31 L―カルニチンの測定法 Expired - Lifetime JP2801662B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1196550A JP2801662B2 (ja) 1989-07-31 1989-07-31 L―カルニチンの測定法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1196550A JP2801662B2 (ja) 1989-07-31 1989-07-31 L―カルニチンの測定法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0361499A JPH0361499A (ja) 1991-03-18
JP2801662B2 true JP2801662B2 (ja) 1998-09-21

Family

ID=16359604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1196550A Expired - Lifetime JP2801662B2 (ja) 1989-07-31 1989-07-31 L―カルニチンの測定法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2801662B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7446875B2 (ja) * 2020-03-16 2024-03-11 オリエンタル酵母工業株式会社 L-カルニチン測定方法及びl-カルニチン測定キット

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Analytical Biochemistry,179(1989)P.382−388

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0361499A (ja) 1991-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Bayleran et al. Synthesis of 4-methylumbelliferyl-β-dN-acetylglucos-amine-6-sulfate and its use in classification of GM2 gangliosidosis genotypes
Brown et al. Malonyl coenzyme A decarboxylase deficiency
JPH07500005A (ja) コカイン検出用微生物エステラーゼ
Wanders et al. 3-Hydroxy-3-methylglutaryl-CoA lyase in human skin fibroblasts: study of its properties and deficient activity in 3-hydroxy-3-methylglutaric aciduria patients using a simple spectrophotometric method
JP2801662B2 (ja) L―カルニチンの測定法
Jones et al. β‐Mannosidosis: Prenatal biochemical and morphological characteristics
JP2001190299A (ja) 糖尿病予備群の検査方法
JPH0673478B2 (ja) L―カルニチンの高感度測定法および測定用組成物
JP3059735B2 (ja) L―カルニチンデヒドロゲナーゼおよびその製造法
Mao et al. Hepatic. beta.-oxidation of 3-phenylpropionic acid and the stereospecific dehydration of (R)-and (S)-3-hydroxy-3-phenylpropionyl-CoA by different enoyl-CoA hydratases
Kølvraa et al. D-glyceric acidemia: Biochemical studies of a new syndrome
US5100795A (en) Bile acid sulfate sulfatase, process for its preparation and method for assaying bile acid
Munro et al. Effects of external osmolarity on phospholipid metabolism in Escherichia coli B
JPS639839B2 (ja)
Kodama et al. Synthesis of linkages-specific sialoside substrates for colorimetric assay of neuraminidases
JP2827002B2 (ja) アシルカルニチンの測定法
Audet et al. Polyglycerophosphatide metabolism in Escherichia coli
Fujibayashi et al. Properties of α-L-iduronidase in cultured skin fibroblasts from α-L-iduronidase-deficient patients
US5385829A (en) Method of assaying for acyl-L-carnitines and short-chain acyl-carnitines
Nair Enzymes in bile acid metabolism
JP2929100B2 (ja) アシルカルニチンの高感度測定法
Wanders et al. Measurement of dihydroxyacetone-phosphate acyltransferase (DHAPAT) in chorionic villous samples, blood cells and cultured cells
JP5470906B2 (ja) カタラーゼ
Kato et al. Enzymatic determination of galactosylceramide galactosidase in tissues by NAD cycling
JP2017158441A (ja) カタラーゼ

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090710

Year of fee payment: 11

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090710

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090710

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100710

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100710

Year of fee payment: 12