JP2801078B2 - アセチレン誘導体の製造法 - Google Patents

アセチレン誘導体の製造法

Info

Publication number
JP2801078B2
JP2801078B2 JP29102690A JP29102690A JP2801078B2 JP 2801078 B2 JP2801078 B2 JP 2801078B2 JP 29102690 A JP29102690 A JP 29102690A JP 29102690 A JP29102690 A JP 29102690A JP 2801078 B2 JP2801078 B2 JP 2801078B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
potassium
derivative
ethylene
acetylene derivative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP29102690A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04164037A (ja
Inventor
修三 秋山
慎一 中辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamamoto Chemicals Inc
Original Assignee
Yamamoto Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamamoto Chemicals Inc filed Critical Yamamoto Chemicals Inc
Priority to JP29102690A priority Critical patent/JP2801078B2/ja
Publication of JPH04164037A publication Critical patent/JPH04164037A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2801078B2 publication Critical patent/JP2801078B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 (発明の分野) 本発明は、アセチレン誘導体の製造法に関する。更に
詳しくは、本発明は、エチレン誘導体から対応するアセ
チレン誘導体の新規な製造法に関する。
(従来技術) エチレン誘導体から対応するアセチレン誘導体製造す
る従来技術は、エチレン誘導体のエチレン基を臭素で臭
素化し、次いで塩基で脱臭化水素する方法が一般的であ
る。しかしながら、この方法は「臭素化」および「脱臭
化水素」の2段階反応であるため煩雑であり、且つ臭素
化に用いられる臭素が結果的に廃棄物になるため高価で
ある。更に、この方法は、アルキル基、アルコキシ基、
ハロゲン原子などの置換基を持つエチレン誘導体には適
用できるが、置換または未置換アミノ基、ニトロ基、シ
アノ基などの置換基を持つエチレン誘導体には適用し難
い欠点がある。
(発明の目的) 本発明の目的は、置換または未置換アミノ基、シアノ
基、ニトロ基などを含めて各種の置換基を持つエチレン
誘導体に適用でき、対応するアセチレン誘導体を1段階
の反応で与える新規な製造法を提供することである。
(発明の構成) 本発明の目的は、一般式[I]で表されるエチレン誘
導体を極性溶媒中、クラウンエーテルの存在下あるいは
不存在下に、t−ブトキシカリウムで処理することによ
り達成され、一般式[II]で表される対応するアセチレ
ン誘導体を1段階の反応で得ることができる。
(式中、R1,R2は個別に水素原子、ハロゲン原子、低級
アルキル基、低級アルコキシ基、アミノ基、低級アルキ
ルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ニトロ基、シア
ノ基を示し、m,nが1〜5の整数を示す。m,nが2〜5の
整数の場合、(R1)m,(R2)nのR1,R2はそれぞれ異な
っても良い。) エチレン誘導体から対応するアセチレン誘導体を1段
階の反応で与える本発明の方法は、特定の極性溶媒と特
定の塩基を用いることにより達成されるものである。
本発明に用いられる特定の極性溶媒の具体例として
は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピ
リジン、キノリン、テトラヒドロキノリン、メチルピロ
リドン、ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホス
ホルアミドなどが挙げられる。特に、ジメチルホルムア
ミドおよびジメチルスルホキシドが好ましく用いられ
る。従って、エチレン誘導体を、ベンゼン、トルエンな
どの非極性溶媒中、あるいはメタノール、エタノールな
どの極性溶媒中、t−ブトキシカリウムで処理しても対
応するアセチレン誘導体を得ることはできない。
更に、本発明の方法は、エチレン誘導体を前記の特定
の極性溶媒中t−ブトキシカリウムで処理することによ
り、対応するアセチレン誘導体が特異的に得られるもの
である。従って、t−ブトキシカリウムの代わりに、他
の金属アルコキシド、例えばメトキシナトリウム、メト
キシリチウムあるいはエトキシナトリウムなど、を用い
る場合にはアセチレン誘導体は得られない。本発明の方
法において、t−ブトキシカリウムは、極性溶媒中に微
量存在する可能性のある水分を考慮して、エチレン誘導
体に対し10モル当量以上用いることが好ましい。
クラウンエーテルは、本発明の方法において必須条件
ではないが、t−ブトキシカリウム中のカリウムを捕捉
することにより、t−ブトキシカリウムを活性化する効
果がある。
なお、本発明の方法において、反応機構の詳細な解明
は未完であるが、酸素が反応の進行に関係する知見を得
ている。
本発明に用いられるエチレン誘導体は、公知の種々の
方法で製造できる。対称型エチレン誘導体は、例えば、
特開昭51−98261号に記載の方法で製造できる。また、
非対称型エチレン誘導体は、9,10−ジホルミルアントラ
センとニトロベンジルトリフェニルホスホニウムハライ
ドを反応して得られる9−ニトロスチリル−10−ホルミ
ルアントラセンを置換または未置換ベンジルトリフェニ
ルホスホニウムハライドと反応することにより得られ
る。
(合成例) 合成例1 対称型9,10−ビス(置換または未置換スチリ
ル)アントラセンの製造 10.00g(36.4mmol)の9,10−ビス(クロロメチル)ア
ントラセンと100mLの亜燐酸トリメチルをキシレン中24
時間撹拌還流した。次いで、キシレンおよび過剰の亜燐
酸トリメチルを留去後、冷却した。析出物を取し、ヘ
キサンで洗浄して、15.17g(99%収率)の9,10−ビス
(アントリルメチル)ホスホン酸ジメチルを黄色結晶と
して得た。
2.00g(4.74mmol)の9,10−ビス(アントリルメチ
ル)スルホン酸ジメチルをジメチルホルムアミドに溶解
し、6mL(14mmol)の2.3Mのメトキシナトリウムを添加
後、室温で撹拌下に、1.00g(9.43mmol)のベンズアル
デヒドのジメチルホルムアミド溶液を添加して、3時間
撹拌した。析出物を取し、メタノールおよび石油エー
テルで洗浄後、再結晶により精製して、1.28gの9,10−
ビス(スチリル)アントラセンを黄色結晶として得た。
ベンズアルデヒドの代わりに各種の置換ベンズアルデ
ヒドを用いて一般式[I]で表される対称型エチレン誘
導体を得た。
このようにして得たエチレン誘導体の収率、物性およ
び分析結果を表1に示す。表1に示す分析結果より各々
目的の化合物であることを確認した。
合成例2 9−(p−メトキシスチリル)−10−(p−
ニトロスチリル)アントラセンの製造 5.31g(11.1mmol)のp−ニトロベンジルトリフェニ
ルホスホニウムブロミドを20mLのメタノールに溶解し、
これに111mL(22.2mmol)の0.2Mのメトキシリチウムを
添加後、室温で撹拌下に2.00g(8.6mmol)の9,10−ジホ
ルミルアントラセンを230mLのジメチルホルムアミドに
溶解した溶液を添加して、30分撹拌した。次いで、氷水
上に1時間静置後、析出した結晶を取して、ヘキサン
で洗浄した。これをシリカゲルカラムクロマトで精製
し、更にジクロロメタンから再結晶し、1.45g(48%収
率)の9−ホルミル10−(p−ニトロスチリル)アント
ラセンを橙色結晶(mp272−273℃)として得た。
0.45g(1.1mmol)の9−ホルミル−10−(p−ニトロ
スチリル)アントラセンをメタノールに溶解し、20mL
(4.0mmol)の0.2Mのメトキシナトリウムを添加後、室
温で撹拌下に0.25g(0.71mmol)のp−メトキシベンジ
ルトリフェニルホスホニウムクロリドのジメチルホルム
アミド溶液を添加し、24時間撹拌した。析出した結晶を
取し、ヘキサンで洗浄後、アルミナカラムクロマトで
精製して、0.12g(65%収率)の9−(p−メトキシス
チリル)−10−(p−ニトロスチリル)アントラセンを
橙色結晶(mp312−313℃)として得た。下記の分析結果
より目的の化合物であることを確認した。
MS(m/z):457(M+) 元素分析: C H N 測定値 81.50 5.22 3.10 計算値(C31H23NO3) 81.38 5.07 3.06 (実施例) 以下に実施例を示すが、本発明はこの実施例に限定さ
れるものではない。
実施例1 9,10−ビス(置換または未置換フェニルエチ
ニル)アントラセンの製造 0.40g(0.76mmol)の合成例1で得た9,10−ビス(p
−ジエチルアミノスチリル)アントラセンを150mLのジ
メチルホルムアミドに溶解し、これに2.56g(22.9mmo
l)のt−ブトキシカリウムを加え、室温で3時間撹拌
した。反応液を水に排出し、ジクロロメタンで抽出し
た。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留
去し、残留物をアミナカラムクロマトで精製して、0.11
gの9,10−ビス(p−ジエチルアミノフェニルエチニ
ル)アントラセンを黄橙色結晶として得た。
9,10−ビス(p−ジエチルアミノスチリル)アントラ
センの代わりに、合成例1および合成例2で得た各種の
9,10−ビス(スチリル)アントラセンを用いて一般式
[II]で表されるアセチレン誘導体を得た。
このようにして得たアセチレン誘導体の収率、物性お
よび分析結果を表2に示す。表2に示す分析結果より各
々目的の化合物であることを確認した。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明の製造法は、
各種の置換または未置換エチレン誘導体から1段階の反
応で、且つ簡便な方法で対応するアセチレン誘導体を与
えるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 41/18 C07C 41/18 43/215 43/215 43/225 43/225 C 201/12 201/12 205/06 205/06 205/35 205/35 211/45 211/45 211/50 211/50 253/30 253/30 255/50 255/50 255/51 255/51

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I]で表されるエチレン誘導体を
    ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジ
    ン、キノリン、テトラヒドロキノリン、メチルピロリド
    ン、ジメチルイミダゾリジノン及びヘキサメチルスルホ
    スホルアミドから選ばれる極性溶媒中、クラウンエーテ
    ルの存在下あるいは不存在下、t−ブトキシカリウムで
    処理することを特徴とする一般式[II]で表されるアセ
    チレン誘導体の製造方法、 (式中、R1、R2は、個別に水素原子、ハロゲン原子、低
    級アルキル基、低級アルコキシキ基、アミノ基、低級ア
    ルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ニトロ基、
    シアノ基を示し、m、nは1〜5の整数を示し、m、n
    が2〜5の整数の場合、(R1)m、(R2)nのR1、R2
    それぞれ異なっても良い)。
  2. 【請求項2】エチレン誘導体に対し10モル当量以上のt
    −ブトキシカリウムを使用する請求項1記載の製造方
    法。
JP29102690A 1990-10-29 1990-10-29 アセチレン誘導体の製造法 Expired - Lifetime JP2801078B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29102690A JP2801078B2 (ja) 1990-10-29 1990-10-29 アセチレン誘導体の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29102690A JP2801078B2 (ja) 1990-10-29 1990-10-29 アセチレン誘導体の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04164037A JPH04164037A (ja) 1992-06-09
JP2801078B2 true JP2801078B2 (ja) 1998-09-21

Family

ID=17763492

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29102690A Expired - Lifetime JP2801078B2 (ja) 1990-10-29 1990-10-29 アセチレン誘導体の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2801078B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101356662B (zh) * 2005-12-12 2014-08-06 西巴控股有限公司 二(取代乙炔基)化合物和包含它们的半导体器件
CN102597168B (zh) 2009-11-04 2014-09-03 默克专利股份有限公司 用于液晶介质的化合物及其用于高频组件的用途

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04164037A (ja) 1992-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS63101368A (ja) 発光化合物および発光共役体
JP2801078B2 (ja) アセチレン誘導体の製造法
JP2825517B2 (ja) 除草性o―カルボキシアリ―ルイミダゾリノン類の製法
JP2948896B2 (ja) アントラセン誘導体の製造法
Shyamasundar et al. Conversion of alkoxy-9, 10-anthraquinones to alkoxyanthracenes
JP4018816B2 (ja) シクロヘプテノン誘導体及びその製造方法並びにそれを利用してシクロヘプトイミダゾール誘導体を製造する方法
JPH0399084A (ja) マロンアミド誘導体金属錯体及び芳香族化合物用分離剤
JPS6054340A (ja) 置換安息香酸エステル化合物の製造方法
JP2004262863A (ja) オルトベンジジン化合物の製造法
CN108191878B (zh) 一种制备夏无碱b的新方法
JPS63225382A (ja) ベンゾキノン誘導体の製造方法
JP2800845B2 (ja) アントラセン誘導体
JP2885537B2 (ja) トラン誘導体の製造法
WO2006059345A2 (en) Process for the preparation of acetylenic retinoid
JP3804080B2 (ja) トリアリールアミン化合物の製造法
JPH0761979A (ja) ビスフェノール誘導体及びその製造方法
KR100376280B1 (ko) 신남알데하이드 유도체의 제조방법
KR100497023B1 (ko) 포스포늄 할라이드 화합물을 사용하는 청색발광재료9,10-비스[4-(2,2-디페닐비닐)페닐]안트라센(dpva)의제조방법
JPS6219419B2 (ja)
JP2009280512A (ja) ポリベンゾホスホール化合物とその製造方法
JPS6249271B2 (ja)
JP2019023167A (ja) 1,3−ピレンジカルボアルデヒドを製造するための方法とその合成中間体
JPS6344579A (ja) 1−アザビシクロノナン類およびその製造法
JPH0556350B2 (ja)
JPS644510B2 (ja)