JP2800610B2 - 水中油型乳化物の製造法 - Google Patents

水中油型乳化物の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は常温で乳化安定な水中油
型乳化物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、調理および洋菓子等の原料として
使用されるクリーム類には牛乳から分離した生クリー
ム、動植物性油脂を原料とした合成クリーム、さらに前
記二者を混合したコンパウンドクリームの3種類があ
る。このうち、生クリームは風味の点で最良であるが、
高価であり、乳化安定性が悪くて可塑化現象(ボテ)を
起こし易く輸送中にチャーニング現象を起こしたり、ま
たホイップしたとき終点巾が狭いためオーバーホイップ
し易いなど物性的に弱い面がある。一方、合成クリーム
やコンパウンドクリームは生クリームに比べて安価なこ
とから大量に製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
合成クリームやコンパウンドクリームのような水中油型
乳化物においても、製造中または保存中に、或いは使用
する油脂の種類または使用量によって増粘や可塑化現象
を生じる場合があり、例えば特開昭61−25456 号に見ら
れるように各種乳化剤、安定剤を添加して増粘を防止
し、乳化の安定化を図っている。それでも、このような
水中油型乳化物の油脂含量が30重量%を越えたり使用油
脂の結晶が粗大化したり、あるいは相転移し易い場合に
は、特に増粘や可塑化現象を生じ易くなり、種々の乳化
剤、安定剤を使用しても、かかる乳化物の増粘または可
塑化現象の防止は困難である。
【0004】従って、このような増粘または可塑化現象
を起こし難い、しかも如何なる油脂を用いても常温で乳
化安定な水中油型乳化物を製造する方法の開発が長年の
間切望されてきた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の点に
鑑み、常温で安定な水中油型乳化物の製造方法について
鋭意検討を行った結果、油脂成分中に、非対称型の二長
鎖一短鎖トリグリセリドを添加することにより、増粘ま
たは可塑化現象を起こし難い、常温で安定な水中油型乳
化物を製造し得るという知見を得て、本発明を完成する
に至った。
【0006】即ち本発明は、油相と水相とを使用して水
中油型乳化物を製造するに際し、構成脂肪酸が飽和脂肪
酸から成る、非対称型の二長鎖一短鎖トリグリセリドを
全油脂構成分中に1重量%以上添加使用することを特徴
とする水中油型油型乳化物の製造法、である。
【0007】以下、本発明について詳述する。先ず、水
中油型乳化物を製造するに際してベース油脂は従来クリ
ーム状油脂組成物等の製造に使用されてきた動植物性油
脂であれば如何なる油脂であってもよく、このような油
脂原料として例えば、ナタネ油、大豆油、ヒマワリ種子
油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー
油、カポック油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア
脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性
油脂並びに乳脂、牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物性
油脂が例示でき、上記油脂類の単独又は混合油、或いは
それらの硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂
で融点が45℃以下のものが適する。
【0008】以上の原料油脂のうち、特にカカオ脂或い
はカカオ脂に類似した特性を有する、所謂ハードバター
など、二飽和一不飽和トリグリセリド(S2U)を20重量%
以上含有する油脂およびラウリン系油脂、ナタネ油、大
豆油、パーム油または乳脂などの油脂の使用は、乳化物
の増粘や可塑化現象を生じ易い。
【0009】本発明における水中油型乳化物は、油脂成
分として、上記油脂類を当該乳化物全量に対し5〜55重
量%、好ましくは20〜45重量%使用する。使用する乳化
剤が親油性のものは以上の油脂成分の一部または全部に
添加し溶解ないし分散させておくのが好ましい。
【0010】このような乳化剤としては、例えばレシチ
ン、その他グリセリンモノ脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸
エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル
等、従来公知の乳化剤が例示でき、これらの何れを使用
しても良いが、特にHLB値の低い乳化剤が好ましい。
【0011】本発明においては、以上の好ましくは親油
性乳化剤を含有する油相と無脂乳固形分を溶解ないし分
散させた水相とを常法にしたがって混合乳化する。
【0012】無脂乳固形分としては脱脂乳、脱脂粉乳、
ナトリウムカゼイン等が例示でき、固形分換算でクリー
ム類全量に対して3〜10重量%程度になる量を使用すれ
ばよい。なお、無脂乳固形分として牛乳や全脂粉乳由来
の物を利用することもできる。また、これらの無脂乳固
形分の一部または全部を大豆蛋白質等の植物性蛋白質で
置換して使用してもよい。
【0013】以上の無脂乳固形分の他に使用する乳化剤
が親水性のものは、この水相の一部または全部に添加し
溶解ないし分散させておくのが好ましい。このような乳
化剤として、たとえば蔗糖脂肪酸エステル、その他グリ
セリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エス
テル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタ
ン脂肪酸エステル等、従来公知の乳化剤の内のHLB値
の高い乳化剤が例示でき、本発明においてはこれらの何
れを使用してもよい。
【0014】以上の乳化剤の他に各種乳化安定剤を添加
してもよいことはいうまでもない。また、水相には各種
リン酸塩、例えばピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、ヘ
キサメタリン酸塩等を使用してもよく、その他着香料等
も添加してよい。
【0015】本発明は、以上の油相と水相及びその他の
成分に付加して、非対称型の二長鎖一短鎖型のトリグリ
セリドを油相の前記の油脂に添加使用することによっ
て、水中油型乳化物の品質を改良するものである。この
非対称型の二長鎖一短鎖トリグリセリドは、その三種の
結合脂肪酸の内の一種が炭素原子数2〜8個の飽和脂肪
酸であり、残りの二種は炭素原子数16〜22個の飽和脂肪
酸であればよく、特に結合脂肪酸の種類にこだわるもの
ではないが、短鎖脂肪酸として炭素原子数4個の酪酸、
もしくは6個のカプロン酸、長鎖脂肪酸として炭素原子
数16個のパルミチン酸または炭素原子数18個のステアリ
ン酸の構成が良好のようである。
【0016】また、グリセリン基への短鎖アシル鎖の結
合位置は1位もしくは3位に限定された非対称型のトリ
グリセリドでなければならない。このような非対称型の
二長鎖一短鎖トリグリセリドは如何なる方法で製造され
てもよいが、注意しなければならないのは、例えばラン
ダムエステル交換法によって製造したとき、副製する対
称型の二長鎖一短鎖トリグリセリド或いは非対称型また
は対称型の一長鎖二短鎖トリグリセリドの存在が本発明
における非対称型二長鎖一短鎖トリグリセリドの作用効
果を阻害するため、このような不純なトリグリセリド類
を除去しなければならないという点である。従って、好
ましい方法は1,3位特異性リパーゼを使用する酵素エ
ステル交換法が推奨される。
【0017】本発明においては、このような方法によっ
て製造される非対称型の二長鎖一短鎖トリグリセリドの
純度が67%以上、好ましくは85%以上であれば有効であ
る。エステル交換はトリグリセリド間、またはトリグリ
セリドと脂肪酸のメチルエステルなど低級アルコールエ
ステルとの間で行うことによって目的とする非対称型の
二長鎖一短鎖トリグリセリドを得ることができる。
【0018】本発明においては、以上の非対称型の二長
鎖一短鎖トリグリセリドをトリグリセリド換算で全油脂
分に対し1重量%以上、好ましくは5重量%以上添加使
用する。下限未満では効果を得難く、また上限は使用量
が多ければ多い程良好である。
【0019】かくして、常法に従い乳化して得られる水
中油型乳化物を殺菌処理する。ここに、殺菌は超高温加
熱滅菌(UHT)処理するのがよく、装置として例えば
APVプレート式UHT処理装置(APV社製)、CP
−UHT殺菌装置(クリマリィ・パッケージ社製)、ス
トルク・チューブラー型滅菌装置(ストルク社製)、コ
ンサーム掻取式UHT滅菌装置(アルファラバル社製)
等の間接加熱方式と、ユーペリゼーション滅菌装置(ア
ルプラ社製)、VTIS滅菌装置(アルファラバル社
製)、ラギアーUHT滅菌装置(ラギアー社製)、パラ
リゼーター(パッシュ・アンド・シルケボーグ社製)、
C.P.Vac-Heat・UHT殺菌装置(クリマリィー・パ
ッケージ社製)等の直接加熱方式が例示でき、これらの
何れの装置を使用してもよい。
【0020】殺菌処理後の水中油型乳化物は、ホモゲナ
イザーまたはコロイドミル等で均質化し無菌的に容器に
充填し販売に供される。このようにして製造された水中
油型乳化物は常温での乳化安定性に優れるという特徴を
有する。
【0021】
【実施例】以下に実施例及び比較例を例示して本発明効
果をより一層明瞭にするが、これらは例示であって本発
明の精神がこれらの例示に限定されるものではない。特
に添加剤の添加順序或いは油相を水相へ又は水相を油相
へ加える等の乳化順序が以下の例示によって限定される
ものでないことは云うまでもない。なお、例中部及び%
は何れも重量基準を意味する。
【0022】実施例1 ○ 非対称型二長鎖一短鎖トリグリセリドの調製 融点62℃、純度95%のトリパルミチン80部と酪酸メチル
エステル20部を53℃で混合し、1,3位特異性リパーゼ
( Lipozyme,ノボ社製)6部を添加して同温度でエステ
ル交換反応を行い、反応物を蒸留して脂肪酸エステルを
除去した。このようにして得たエステル交換油は、その
組成が非対称型二長鎖一短鎖トリグリセリド45%、対称
型一長鎖二短鎖トリグリセリド20%、未反応トリグリセ
リド35%であった。これを溶剤分別して純度90%の非対
称型二長鎖一短鎖トリグリセリド画分を得た。
【0023】水56部に脱脂粉乳4部、蔗糖脂肪酸エステ
ル0.2 部を加えてホモミキサーにより20℃、20分間攪拌
して分散させた後、カカオ脂(S2U 75重量%)36部に、
上で調製した非対称型の二長鎖一短鎖トリグリセリド4
部及びレシチン0.3 部を添加した油相を加え、予備乳化
した後ホモゲナイザーを使用して75Kg/cm2の圧力下で均
質化し、次いでVTIS滅菌機(アルファラバル社製U
HT滅菌機)で140 ℃3秒間滅菌処理し、10Kg/cm2の圧
力下で均質化後、約5℃の冷蔵庫中で24時間以上エージ
ングして水中油型乳化物を得た。
【0024】かくして得た水中油型乳化物を20℃および
25℃にて保存し、経時的に3ケ月間ヘキサンにて乳化物
中の遊離脂質を抽出し定量したが何れも1〜3%と低
く、乳化状態は極めて安定であった。
【0025】比較例1 実施例1において、カカオ脂40部を使用し、非対称型の
二長鎖一短鎖トリグリセリドは全く使用せず、他は全て
同様にして水中油型乳化物を得た。この乳化物を20℃で
保存したところ、経時的に乳化物の増粘や固化が見ら
れ、約2時間で遊離脂質量は60%に達し、乳化が破壊さ
れていた。
【0026】実施例2 実施例1において融点32℃、沃素価34.2のパーム油中融
点画分(S2U 80重量%)30部と実施例1で調製した非対
称型の二長鎖一短鎖トリグリセリド10部を使用した以外
は全て実施例1と同様に実施して水中油型乳化物を得
た。
【0027】この乳化物を実施例1と同様にして実施し
た保存テストの結果、抽出された遊離脂質量は2%以下
で、乳化物の増粘あるいは固化は見られなかった。
【0028】実施例3 実施例1において、融点32℃、沃素価34.2のパーム中融
点画分(S2U 80重量%)20部と融点30℃のコーン油硬化
油19.4部を使用し、実施例1で調製した非対称型の二長
鎖一短鎖トリグリセリドを0.6 部使用した以外は全て実
施例1と同様に実施して水中油型乳化物を得た。
【0029】この乳化物を実施例1と同様にして実施し
た保存テストの結果、抽出された遊離脂質量は3%以下
で、乳化物の増粘あるいは固化は見られなかった。
【0030】実施例4 ○ 非対称型二長鎖一短鎖トリグリセリドの調製 融点60℃、沃素価0.1 のパーム油中融点画分の極度硬化
油54部とカプリル酸メチルエステル46部を53℃で混合
し、1,3位特異性リパーゼ( Lipozyme,ノボ社製)6
部を添加して同温度でエステル交換反応を行い、反応物
を蒸留して脂肪酸エステルを除去した。このようにして
得たエステル交換油は、その組成が非対称型二長鎖一短
鎖トリグリセリド25%、対称型一長鎖二短鎖トリグリセ
リド52%、未反応トリグリセリド23%であった。これを
溶剤分別して純度88%の非対称型二長鎖一短鎖トリグリ
セリド画分を得た。
【0031】水56部に脱脂粉乳4部、蔗糖脂肪酸エステ
ル0.2 部を加えてホモミキサーにより20℃、20分間攪拌
して分散させた後、パーム核油硬化油(融点31℃)36部
に先に調製した非対称型の二長鎖一短鎖トリグリセリド
4部及びレシチン0.3 部を添加した油相を加え予備乳化
した後75Kg/cm2の圧力下で均質化し、次いでVTIS滅
菌機(アルファラバル社製UHT滅菌機)で140 ℃3秒
間滅菌処理し、10Kg/cm2の圧力下で均質化後、約5℃の
冷蔵庫中で24時間以上エージングして水中油型乳化物を
得た。
【0032】かくして得た水中油型乳化物を20℃および
25℃にて保存し、経時的に3か月間ヘキサンにて乳化物
中の遊離脂質を抽出し定量したが何れも1〜3%と低
く、乳化状態は安定であった。
【0033】比較例2 実施例4において、パーム核油硬化油(融点31℃)39.6
部を使用し、実施例4で調製した非対称型の二長鎖一短
鎖トリグリセリドを0.4 部使用した以外は全て実施例4
と同様に実施して水中油型乳化物を得た。この乳化物を
実施例4と同様にして実施した20℃での保存テストの結
果、抽出された遊離脂質量は1日経過時点で35%に達
し、乳化物は増粘した。
【0034】実施例5 ○ 非対称型二長鎖一短鎖トリグリセリドの調製 融点62℃、純度95%のトリパルミチン55部とカプロン酸
メチルエステル45部を53℃で混合し、1,3位特異性リ
パーゼ( Lipozyme,ノボ社製)6部を添加して同温度で
エステル交換反応を行い、反応物を蒸留して脂肪酸エス
テルを除去した。このようにして得たエステル交換油
は、その組成が非対称型二長鎖一短鎖トリグリセリド27
%、対称型一長鎖二短鎖トリグリセリド54%、未反応ト
リグリセリド19%であった。これを溶剤分別して純度88
%の非対称型二長鎖一短鎖トリグリセリド画分を得た。
【0035】水56部に脱脂粉乳4部、蔗糖脂肪酸エステ
ル0.2 部を加えてホモミキサーにより20℃、20分間攪拌
して分散させた後、カカオ脂(S2U 75重量%)36部に上
で調製した非対称型の二長鎖一短鎖トリグリセリド4部
及びレシチン0.3 部を添加した油相を加え予備乳化した
後75Kg/cm2の圧力下で均質化し、次いでVTIS滅菌機
(アルファラバル社製UHT滅菌機)で140 ℃3秒間滅
菌処理し、10Kg/cm2の圧力下で均質化後、約5℃の冷蔵
庫中で24時間以上エージングして水中油型乳化物を得
た。
【0036】かくして得た水中油型乳化物を20℃および
25℃にて保存し、経時的に3か月間ヘキサンにて乳化物
中の遊離脂質を抽出し定量したが何れも1〜3%と低
く、乳化状態は安定であった。
【0037】比較例3 ○ 対称型二長鎖一短鎖トリグリセリドの調製 純度92%のトリカプロン14部とパルミチン酸エチルエス
テル86部を53℃で混合し、1,3位特異性リパーゼ( L
ipozyme,ノボ社製)6部を添加して同温度でエステル交
換反応を行い、反応物を蒸留して脂肪酸エステルを除去
した。このようにして得たエステル交換油は、その組成
が対称型二長鎖一短鎖トリグリセリド68%、非対称型一
長鎖二短鎖トリグリセリド20%、未反応トリグリセリド
12%であった。これを溶剤分別して純度92%の対称型二
長鎖一短鎖トリグリセリド画分を得た。
【0038】実施例5において、非対称型の二長鎖一短
鎖トリグリセリドの代わりに上で得た対称型の二長鎖一
短鎖トリグリセリドを4部使用した以外は全て実施例5
と同様に実施して水中油型乳化物を得た。この乳化物を
実施例5と同様にして実施した20℃での保存テストの結
果、抽出された遊離脂質量は1日経過時点で45%に達
し、乳化物は増粘した。
【0039】比較例4 ○ 混合型二長鎖一短鎖トリグリセリドの調製 融点60℃、沃素価0.1 のパーム油中融点画分の極度硬化
油72部とトリカプロン28部を混合し、ナトリウムメチラ
ート0.3 部を添加してエステル交換反応を行い、反応物
を蒸留して脂肪酸エステルを除去した。このようにして
得たエステル交換油は、その組成が何れも対称型と非対
称型の混合型である、二長鎖一短鎖トリグリセリド25%
と一長鎖二短鎖トリグリセリド16%及び未反応トリグリ
セリド59%であった。これを溶剤分別して純度86%の対
称・非対称混合型の二長鎖一短鎖トリグリセリド画分を
得た。
【0040】実施例5において、カカオ脂を30部使用し
上で得た対称・非対称混合型の二長鎖一短鎖トリグリセ
リドを10部使用した以外は全て実施例5と同様に実施し
て水中油型乳化物を得た。この乳化物を実施例5と同様
にして実施した20℃での保存テストの結果、抽出された
遊離脂質量は1日経過時点で52%に達し、乳化物は増粘
した。
【0041】
【効果】以上の如く、従来より水中油型乳化物を製造す
るに際して製造中または保存中に、或いは使用する油脂
の種類または使用量によって増粘または可塑化現象を起
こし易かったのであるが、本発明により製造中または保
存中に、或いは如何なる油脂を使用しても、増粘または
可塑化現象を起こし難く、常温で極めて乳化安定性に優
れた水中油型乳化物を製造することができるようになっ
たのであって、極めて有益である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/19 A23D 7/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油相と水相とを使用して水中油型乳化物を
    製造するに際し、構成脂肪酸が飽和脂肪酸から成る、
    対称型の二長鎖一短鎖トリグリセリドを全油脂構成分中
    に1重量%以上添加使用することを特徴とする、水中油
    型油型乳化物の製造法。
  2. 【請求項2】二長鎖一短鎖トリグリセリドの短鎖が炭素
    原子数2〜8個、長鎖が16〜22個の鎖長を有する構成脂
    肪酸から成る、請求項1に記載の方法。
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