JP2800330B2 - N―ビニルホルムアミドの製造方法 - Google Patents

N―ビニルホルムアミドの製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はN−ビニルホルムアミドの製造法に関するも
ので、詳しくは、N−(α−置換−エチル)ホルムアミ
ドを減圧下、蒸発させたガスを気相で熱分解反応器に供
給し、200〜600℃の温度において熱分解することにより
N−ビニルホルムアミドを製造する方法に関するもので
ある。
〔従来の技術〕
N−ビニルホルムアミドは優れた凝集剤の水溶性ポリ
マーを与える重合性モノマーとして重要なものであり、
その製造法としては、たとえば、N−(α−アルコキシ
エチル)ホルムアミドを気相で熱分解する方法、N−
(α−シアノエチル)ホルムアミドを気相で熱分解する
方法などが知られている。
熱分解方法としては、従来、N−(α−アルコキシエ
チル)ホルムアミドもしくはN−(α−シアノエチル)
ホルムアミドを蒸発器で加熱してガス状にし、これを30
0〜600℃の温度で空塔、または充填物を充填した管状反
応器において熱分解を行い、次いで、分解ガスを冷却し
てN−ビニルホルムアミドを得る方法が知られている
(特開昭50−76015、特開昭61−134359)。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、この方法で熱分解反応を行う際、管状反応
器の壁または充填物にタール状粘性物、及び固体状ハル
ツが付着する傾向があり、甚だしきは管状反応管を閉塞
させ、安定運転を困難にすることがある。
反応器内のハルツ付着を抑えるため熱分解反応の条件
を最適化するなどの検討がなされているが未だ充分とは
いえない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は上記実情に鑑み、管状反応器内に付着す
るハルツを抑える方法について鋭意検討を行った結果、
特定の構造の複合反応器を用いることによりハルツの付
着が防止できることも見いだした。即ち、本発明の要旨
は、N−(α−置換−エチル)ホルムアミドを減圧下、
蒸発させ、200〜600℃の温度において気相で熱分解する
ことによりN−ビニルホルムアミドを製造する方法にお
いて、前段が空塔式管状反応器で、後段が充填式管状反
応器により構成された、熱分解反応器を用いることを特
徴とするN−ビニルホルムアミドの製造方法に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の出発原料のN−(α−置換−エチル)ホルム
アミドのエチル基のα−置換基としては、例えば、メト
キシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキ
シ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ
基などの低級アルコキシ基又はシアノ基などが挙げられ
る。なお、高級のアルコキシ基を有するN−(α−置換
−エチル)ホルムアミドも使用できるが、蒸発が難しい
ので上記化合物が特に好ましい。
これらの原料を熱分解すると、N−ビニルホルノアミ
ドと副生物として、原料のα−置換基にアルコキシ基を
採用した場合は、対応するアルコール、シアノ基を採用
した場合は、シアン化水素が生成する。
上記原料を減圧下において蒸発させガス状とするが、
その際の圧力は、通常、3〜600Torrであり、また、加
熱温度は、通常、80〜210℃である。そして、蒸発した
ガスは直ちに、本発明の管状反応器に供給され、熱分解
を行う。
本発明においては、熱分解反応の管状分解器として、
前段が空塔式管状反応器で、後段が充填式管状反応器で
あることを必須の要件とする。この場合の空塔部と充填
部との比率は、通常、体積で1:9〜9:1である。また、充
填部に用いられる充填材としては、通常、粒径3〜12mm
のガラスもしくはステンレス等のビーズ又は径5〜15mm
のガラスもしくはステンレス等のラシヒリング等が用い
られる。なお、充填部は常法に従って、端部を金網など
で仕切り充填材を保持する。
本発明の管状反応器は単管式、多重管式又はこれらを
組合せたものでよく、管径についても特に限定されない
が、熱分解反応が吸熱反応であるため、特に、空塔部に
おいてはガス混合物を所望の温度に十分、加熱保持し得
る大きさを選ぶ必要がある。また、反応器としては特別
の装置を用いることなく、通常の配管をそのまま利用し
た、所謂、パイプリアクターでも差し支えない。更に、
例えば、前段の空塔式反応器としてパイプリアクターを
用い、続く、後段の充填式管状反応器として多重管式の
ものを用いることもできる。
かかる熱分解反応器は、外観上、前段と後段を複合・
一体化して1つの反応器の如く構成する場合(複合式管
状反応器)が多いが、必ずしもこれらに限られるもので
はない。前述したように、前段を単管空塔式に、後段を
多管充填式として、後段の外径を前段と異なるように設
計することもできる。また、空塔式反応器と、充填式反
応器の2つを独立して設計、それを接続して用いること
もできる。この場合、2つの反応器の接続部分にハルツ
が生成しないように、該部分の温度を空塔式反応器の温
度より低下しないように保持することが好ましい。
本発明における熱分解温度は200〜600℃、好ましくは
300〜500℃であるので、反応器を外部より加熱し、内部
を熱分解温度に保持する必要がある。本発明の管状反応
器の加熱方法としては、通常、線状あるいは面状の電気
ヒーターを内蔵した発熱体又は、例えば、蒸気、油、お
よび溶融した無機塩などにより反応器外部から加熱する
方法が考えられる。また、前段と後段の温度は同一であ
っても異なっていてもよい。反応圧力は上記の蒸発圧力
と同様でよい。反応管内のガスの滞留時間は、通常、0.
1〜4秒である。
本発明において熱分解は、通常、反応の一部が前段の
空塔部で進行し、残りが後段の充填部で完結する。前段
の空塔部では、通常、反応の1〜90%が進行する。本発
明ではこの結果、熱分解反応が良好に進行し、反応管内
壁へのタール状粘性物及びハルツの付着が大幅に抑制さ
れるのである。
本発明の熱分解反応を実施するには、減圧下、蒸発器
で原料のN−(α−置換−エチル)ホルムアミドを加熱
して蒸発させ、そのガスを直ちに、上記反応器へ導入
し、熱分解反応を行ない、次いで分解したガスを冷却す
ることにより、N−ビニルホルムアミドと上記副生物お
よび若干の出発原料を含む混合物を凝縮回収することが
できる。なお、蒸発器で蒸発された原料ガスは引き続
き、200〜600℃の温度に保たれた熱分解反応器の前段工
程を構成する空塔部に、直ちに導入することが望まし
い。また、凝縮回収した混合物は、必要に応じて、蒸溜
によりN−ビニルホルムアミドを単離することができ
る。
本発明により反応器内壁へのハルツ付着が防止できる
理由については詳細は不明であるが以下のように考えら
れる。すなわち、N−(α−置換−エチル)ホルムアミ
ドを熱分解してN−ビニルホルムアミドとする際、N−
ビニルホルムアミドより高沸の副生物が少量生成するこ
とがわかっているが、反応器の内壁や充填物の温度が局
部的に200℃以下になると、この高沸物が凝縮し、更に
加熱されてハルツ化するものと推定される。特に、この
熱分解反応は吸熱反応であるため、急激に反応が進む
と、吸熱により反応器の壁温が低下しハルツ化が起り易
い。しかし、本発明によれば、前段の反応器が空塔式で
あるので、熱分解反応が急激には進まず、そのため、壁
温が高く保たれるため反応器の内壁にハルツは付着せ
ず、更に、ある程度反応が進んだ後で、続く充填式反応
器に入るため、ここで熱分解反応を完結することができ
る上、充填式反応器の内壁や充填物の温度が吸熱によっ
てそれほど下がらないためと推定される。
以下に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、
本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定さ
れるものではない。
〔実施例〕
実施例1 第1図に示す装置で実施した。
濡れ壁式蒸発器1でN−(α−メトキシエチル)ホル
ムアミド2kg/hrを120Thrrの減圧下、178℃の温度で蒸発
させ、(沸点151℃)このガスを直ちに、直径40mm、長
さ1mの空塔反応器部(2a)、続いて、直径6mmのステン
レス製ラシヒリングを充填した直径40mm長さ1mの充填反
応器部(2b)をもち、外側を電気ヒーターで450℃に加
温した反応器2に(2a,2bに順次)気相で導入し、熱分
解反応を行ない、次いで、熱分解ガスを冷却器において
15℃に冷却し、反応ガスを凝縮させ、N−ビニルホルム
アミドを含む混合物を得た。このような熱分解反応を66
0時間、連続的に行った。この際、N−ビニルホルムア
ミドの収率は94%であった。
反応後に装置を分解して管状反応器の内部に付着した
ハルツの量を測定した結果を第1表に示す。
実施例2 実施例1と全く同一の装置で、加熱温度を空塔反応器
部を350℃、充填反応器部を450℃とし、(α−メトキシ
エチル)ホルムアミド2kg/hrの熱分解反応を100時間連
続運転を行った後の結果を第1表に示す。
比較例1 実施例1と全く同一の装置で、加熱温度を、空塔反応
器部を178℃、充填反応器部を450℃とし、(α−メトキ
シエチル)ホルムアミド2kg/hrの熱分解反応を24時間連
続運転を行った後の結果を第1表に示す。
比較例2 比較例1において、管状反応器として直径40mm、長さ
1mの空塔反応器のみを用い充填反応器部を持たないこと
以外は全く同一の装置で(α−メトキシエチル)ホルム
アミド2kg/hrの熱分解反応を行ったところ、反応器内部
へのハルツ付着はなかったが、N−ビニルホルムアミド
の収率は56%と著しく低いものであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例で用いた実験装置を示す説明図
であり、1は蒸発器、2は複合式管状反応器(2aは空塔
反応器部、2bは充填反応器部)、3は冷却器、4は真空
ポンプを示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−(α−置換−エチル)ホルムアミドを
    減圧下、蒸発させ、200〜600℃の温度において気相で熱
    分解することによりN−ビニルホルムアミドを製造する
    方法において、前段が空塔式管状反応器で、後段が充填
    式管状反応器により構成された、熱分解反応器を用いる
    ことを特徴とするN−ビニルホルムアミドの製造方法。
  2. 【請求項2】N−(α−置換−エチル)ホルムアミドの
    置換基が低級アルコキシ基あるいはシアノ基である特許
    請求の範囲(1)記載の方法。
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