JP2799942B2 - ボンディング装置及び該装置に供される治具並びに該装置における可動体の作動基準位置設定方法 - Google Patents

ボンディング装置及び該装置に供される治具並びに該装置における可動体の作動基準位置設定方法

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JP2799942B2
JP2799942B2 JP16748993A JP16748993A JP2799942B2 JP 2799942 B2 JP2799942 B2 JP 2799942B2 JP 16748993 A JP16748993 A JP 16748993A JP 16748993 A JP16748993 A JP 16748993A JP 2799942 B2 JP2799942 B2 JP 2799942B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボンディング装置と、
該装置に供されるべき治具と、該装置が具備する可動体
の作動基準位置設定方法とに関する。
【0002】
【従来技術】この種の装置の一例として、図12及び図
13に示すワイヤボンディング装置がある。なお、当該
装置は実開平4−20232号公報において開示されて
いる。
【0003】図12に示すように、当該ワイヤボンディ
ング装置においては、複数枚のリードフレームL\Fを
配列収容(紙面に対して垂直な方向において配列)した
規制対象物体としてのマガジンMが、ローダ151に装
填される。該各リードフレームL\Fにはその長手方向
に沿って複数のICチップ153が等ピッチにて装着さ
れている。
【0004】ローダ151に装填されたマガジンM内の
各リードフレームL\Fのうち例えば最下段の1枚が、
図示しないフレーム移送手段によって押出され、ヒータ
ープレート155上に搬送される。該フレーム移送手段
により搬送されるリードフレームL\Fは、その両側に
対応するように配置された1対のガイドレール1571
58により案内される。図において矢印Nにて示すよう
に、これらガイドレール157、158は相互の間隔が
調整自在になっており、幅寸法の異なる種々のリードフ
レームに対応可能である。
【0005】上記のようにリードフレームL\Fがヒー
タープレート155上に達すると、上記フレーム移送手
段は該リードフレームL\FをICチップ153の配列
ピッチずつ間欠送りし、これに伴って各ICチップ15
3と該リードフレームに形成されているリード(図示せ
ず)とが、ボンディング手段160により導電性のワイ
ヤを用いてボンディング接続される。そして、ボンディ
ングを完了したリードフレームL\Fは、上記フレーム
移送手段によって更に後送され、ローダ151と同様の
構成を有するアンローダ162に装填されている空のマ
ガジンM内に収容される。
【0006】次に、ローダ151が作動し、該ローダ1
51に装填されているマガジンMがその収容したリード
フレームL\Fの配列ピッチの1ピッチ分だけ下降せら
れ、上記の一連の動作が最下段から2枚目のリードフレ
ームについて行われる。以下、マンガンM内の各リード
フレームL\Fについてボンディングを終了するまで繰
返される。
【0007】ここで、上記ローダ151について詳述す
る。なお、前述したように、アンローダ162に関して
はローダ151と同様の構成である故、その説明を省略
する。
【0008】図12にその概略を示すように、ローダ1
51は、マガジンM内に配列収容された各リードフレー
ムL\Fを前述したフレーム移送手段をして1枚ずつ取
り出させるために該マガジンMをリードフレームL\F
の配列ピッチずつ下降若しくは上昇(紙面に対して垂直
な方向)させて位置決めする位置決め手段165と、該
位置決め手段165を搭載した可動ベース166と、該
可動ベース166上に設けられてマガジンMをその移動
方向に対して垂直な水平面内において規制する規制手段
167とを有している。
【0009】上記可動ベース166は、当該ワイヤボン
ディング装置の本体である架台170上に図示しない案
内機構を介して取付けられ、矢印0にて示す方向、すな
わち前述の両ガイドレール157、158の可動方向T
と平行な方向において可動となっている。
【0010】上記規制手段167は、図13に示すよう
に構成されている。
【0011】図13に示すように、この規制手段167
は、略L字状に形成されたフレーム190を有してお
り、該フレーム190は上記可動ベース166に対して
固定されている。また、該フレーム190の屈曲部の近
傍には断面形状がL字状の規制部材192が配置されて
おり、これも上記可動ベース166に対して固定されて
いる。
【0012】上記フレーム190の一辺には、上記の規
制部材192と協働してマガジンMをその幅方向(矢印
R方向)において規制するための規制部材193すなわ
ち可動体が、該幅方向において移動可能に取付けられて
いる。この規制部材193にはナット194が固着さ
れ、フレーム190に該規制部材193の移動方向と平
行に取付けられたねじ軸195に該ナット194が螺合
している。また、フレーム190上には、該ねじ軸19
5を回転駆動するパルスモータ197が固設されてい
る。なお、両規制部材192、193は、その各々の長
さ(紙面に対して垂直な方向の寸法)が、マガジンMを
少なくとも1つ以上ガイドできるように設定されてい
る。
【0013】一方、フレーム190の他方の辺には、固
定側としての上記規制部材192と協働してマガジンM
をその長さ方向(矢印S方向)において規制するための
規制部材203すなわち可動体が、該長さ方向において
移動可能に取付けられている。該規制部材203にはナ
ット204が固着され、フレーム190に該規制部材2
03の移動方向と平行に取付けられたねじ軸205に該
ナット204が螺合している。また、フレーム190に
は、該ねじ軸205を回転駆動するパルスモータ207
が固設されている。なお、該規制部材203は上記した
規制部材192及び193と略同じ長さを有している。
【0014】なお、上記規制部材203の所定位置には
マガジンプッシャー210が設けられている。
【0015】また、上記両規制部材193及び203に
は、各規制部材192、193及び203によるマガジ
ンMの規制が完了したことを検知するための検知手段2
12及び213が設けられている。
【0016】次に、上記した構成のローダ151の動作
について説明する。
【0017】まず、図13に示す各パルスモータ197
及び207が共に逆回転せられ、各規制部材193及び
203が固定側である規制部材192から離間する方向
に移動し、基準位置に位置決めされる。そして、これら
各規制部材192、193及び203により囲まれる空
間内に、上方から、例えば2つのマガジンMを重ねるよ
うにして挿入し、図12に示す位置決め手段165上に
載置する。この状態で作動指令信号が発せられ、図13
に示す各パルスモータ197、207が共に正回転せら
れる。これにより、両規制部材193及び203が各々
規制部材192に向けて移動し、両マガジンMは規制さ
れる。なお、この規制動作が完了したことは、各検知手
段212(他の検知手段213も同様である)により検
知される。
【0018】上述の規制動作の後、又は同時に、図12
に示す可動ベース166が移動せられ、該図に示す各ガ
イドレール157、158により画定されるフレーム搬
送路に対してマガジンM内のリードフレームL\Fが円
滑に流入すべく、マガジンMの幅方向の位置出しが行わ
れる。但し、このとき、上記各規制部材192、19
3、203とマガジンMとの間には適当な隙間が設けら
れ、図12に示す位置決め手段165の作動によるマガ
ジンMの下降(若しくは上昇)動作を可能とする。ま
た、説明は省略するが、上記ガイドレール157、15
8についても、上記各規制部材192、193及び20
3のマガジン規制動作と同様にして作動せられ、該各ガ
イドレールの間隔が調整される。
【0019】次いで、図12に示す位置決め手段165
が作動せられ、両マガジンMは収容しているリードフレ
ームL\Fの配列ピッチずつ下降する。前述したよう
に、このマガジンMの下降動作に連動して、リードフレ
ームL\Fが1枚ずつマガジン外に取出され、ボンディ
ングが行われる。
【0020】かくして1つ目のマガジンM内のすべての
リードフレームL\Fについてボンディングが終了する
と、図13に示したマガジンプッシャー210が突出動
作せられ、上方に位置する2つ目のマガジンが規制部材
192に対して押圧固定される。そして、空になった1
つ目のマガジンMは更に下降せられて位置決め手段16
5から取外され回収される。
【0021】1つ目のマガジンが回収されると、上記マ
ガジンプッシャー210が引込動作せられ、2つ目のマ
ガジンMが上記位置決め手段165により担持される。
以下、1つ目のマガジンに対すると同様の一連の動作が
行われ、この2つ目のマガジンM内の各リードフレーム
L\Fに関してもボンディングが施される。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のワイヤ
ボンディング装置においては、ローダ151(アンロー
ダ162も)におけるマガジンMの規制調整と、両ガイ
ドレール157、158の間隔調整とを自動的にデジタ
ル制御することによって、マガジンM及びこれに収容さ
れるリードフレームL\Fの品種交換に迅速に対処でき
ると共に、作業者への負担を低減し、しかも、作業者に
よる調整具合の差等も排除することができるものであ
る。しかしながら、下記の問題を擁している。
【0023】すなわち、前述した各規制部材193及び
203並びに両ガイドレール157、158の移動量を
デジタル制御する上で、該各規制部材及びガイドレール
に関しその作動の基準となる位置が必要であり、設定さ
れるのであるが、この基準位置の設定自体が調整者によ
り誤差を生じるものであり、複数台のボンディング装置
を設置する場合、各々の装置において該基準位置は異な
ってしまう。従って、これら規制部材及びガイドレール
について、各々幅寸法が異なる種々のマガジンM及びリ
ードフレームL\Fに対応する停止位置各々を該基準位
置からの距離データとして求めて該距離データを作動管
理データとして記憶手段に記憶させておき、時をおいて
同種のマガジン及びリードフレームが取り扱われる際に
この作動管理データを読み出して直ちに位置設定を行う
ことを考えた場合、これらの作動管理データは上記基準
位置に基づくものであるから夫々のワイヤボンディング
装置に固有のものとなる。故に、各ボンディング装置間
において該作動管理データをそのまま流用することは困
難であり、作業者がデータに修正を加えるなどの作業が
介在し、作業効率の向上は望めないという欠点がある。
【0024】本発明は上記従来技術の欠点に鑑みてなさ
れたものであって、複数のボンディング装置間におい
て、夫々のボンディング装置が具備する可動体の作動管
理データにつき、これに作業者が修正等を加えずとも流
用可能とすることを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明によるボンディン
グ装置は、ボンディングステージの略中心を通る軸線と
して設定された第1基準位置に対して設定可変な第2基
準位置と所定の作用をなすべき作用位置との間で移動自
在な可動体と、該可動体を移動させる駆動手段とを備
え、前記第1基準位置と第2基準位置間の距離データを
求め、該距離データを記憶手段に記憶させるようにした
ものである。また、本発明による治具は、ボンディング
ステージの略中心を通る軸線として設定された第1基準
位置と設定可変な第2基準位置間の距離データを算出す
るために、可動体が当接し得べく前記第1基準位置に対
して装着できるようにしたものである。また、本発明に
よるボンディング装置における可動体の作動基準位置設
定方法は、ボンディングステージの略中心を通る軸線と
して設定された第1基準位置に対して治具を位置決め装
着し、該第1基準位置に対して設定可変な第2基準位置
から所定の作用をなすべき作用位置に向けて可動体を移
動させ、該可動体が前記治具に当接するまでの移動量に
基づいて前記第1基準位置に対する第2基準位置の距離
データを求め、該距離データを記憶手段に記憶させるよ
うにしたものである。
【0026】
【実施例】次に、本発明の実施例としてのワイヤボンデ
ィング装置を添付図面を参照しつつ説明する。なお、当
該ワイヤボンディング装置は以下に説明する部分以外は
図12乃至図13に示した従来のワイヤボンディング装
置と同様に構成されている故、ワイヤボンディング装置
全体としての説明は省略し、要部のみの説明に留める。
また、以下の説明において、該従来のワイヤボンディン
グ装置の構成部材と同一の構成部材に関しては同じ参照
符号を付している。
【0027】図1乃至図4において参照符号1にて示す
のはアンローダであり、該アンローダ1は可動体として
の各ガイドレール157、158及びボンディング手段
160の左側、すなわちリードフレーム搬送方向下流側
に配置される。該アンローダ1にはリードフレームL\
Fを多数配列収容し得る空のマガジンMが装填され、該
ボンディング手段160によりボンディングを施されて
搬送されてくるリードフレームL\Fを該マガジンM内
に順次取入れて配列収納することを行う。なお、図1に
おいて、各ガイドレール157、158の右側には、未
ボンディング状態のリードフレームを収容した状態で装
填されたマガジンMから該リードフレームを1枚ずつ取
出してボンディング手段160に向けて供給するローダ
2が配設されるが、該ローダ2は上記アンローダ1とほ
ぼ対称の構成である故、その説明は省略し、アンローダ
1についてのみ説明する。
【0028】アンローダ1は、図3乃至図5において参
照符号5にて示す位置決め手段を有している。この位置
決め手段5には空のマガジンMが装着され、該マガジン
Mをその収容すべきリードフレームL\Fの配列ピッチ
ずつ間欠的に下降させて位置決めすることを行う。この
間欠的な位置決め動作に合わせ、上記ボンディング手段
160によりボンディングを施されたリードフレームL
\Fが図示しないフレーム移送手段により順次持ち来さ
れ、該マガジンM内に収容される。
【0029】上記位置決め手段5は下記のように構成さ
れている。
【0030】図5から特に明らかなように、この位置決
め手段5は装置架台170に固定されたベース8上に設
けられており、矢印Zにて示す上下方向において延在し
て設けられて軸受10を介して該ベース8に取付けられ
たねじ軸12と、該ねじ軸12を回転駆動するパルスモ
ータ13と、該ねじ軸12に螺合した昇降部材14と、
該昇降部材14に結合し、マガジンMを受けるマガジン
受部15とを有している。ねじ軸12の上端部及びパル
スモータ13の出力軸13aには夫々歯付ベルト車12
b、13bが嵌着され、該両歯付ベルト車に歯付ベルト
17が掛回されており、これによって動力の伝達がなさ
れる。なお、これらパルスモータ13等は図2にも示し
ている。また、パルスモータ13はブラケット19を介
して上記ベース8に取付けられている。
【0031】ローダ1は、上述の位置決め手段5により
移動せられるマガジンMをその移動方向に対して垂直な
水平面内において規制してずれを防止する規制手段を有
しており、以下、この規制手段について説明する。
【0032】図2乃至図4に示すように、当該規制手段
は、上記ベース8上に固設された固定フレーム21と、
各々固定フレーム21上に矢印Gにて示す方向において
往復動自在に設けられた一対の可動フレーム23及び2
4と、該各可動フレーム23、24を夫々移動させる駆
動手段26及び27とを有している。両可動フレーム2
3、24と固定フレーム21との間には、トラックレー
ル29a、30a及びスライダ29b、30bからなる
直動案内ユニットが介装され、これによって該両可動フ
レーム23、24が矢印G方向において可動となってい
る。
【0033】上記各駆動手段26及び27については次
のように構成されている。
【0034】まず、駆動手段26は、図2及び図3に示
すようにこれが駆動すべき可動フレーム23の移動方向
Gにおいて延在して設けられて軸受33を介して固定フ
レーム21に取付けられたねじ軸34と、該ねじ軸34
を回転駆動するパルスモータ35と、該ねじ軸34に螺
合すると共に可動フレーム23に固着されたナット36
とを有している。ねじ軸34の一端部及びパルスモータ
35の出力軸35aには各々歯付ベルト車34b、35
bが嵌着され、該両歯付ベルト車に歯付ベルト37が掛
回されており、これによってパルスモータ35よりの動
力がねじ軸34に伝達される。また、ねじ軸34の一端
部にはカップリング39を介して信号発生手段としての
エンコーダ40が連結されている。このエンコーダ40
は、上記パルスモータ35の回転量に応じたパルス信号
を発する。
【0035】一方、可動フレーム24を駆動する駆動手
段27に関しても同様であり、図2及び図4に示すよう
に、可動フレーム24の移動方向Gにおいて延在して設
けられて軸受43を介して固定フレーム21に取付けら
れたねじ軸44と、該ねじ軸44を回転駆動するパルス
モータ45と、該ねじ軸44に螺合すると共に可動フレ
ーム24に固着されたナット46とを有している。ねじ
軸44の一端部及びパルスモータ45の出力軸45aに
は各々歯付ベルト車44b、45bが嵌着され、該両歯
付ベルト車に歯付ベルト47が掛回されており、これに
よって動力伝達が行われる。また、ねじ軸44の一端部
にはカップリング49を介して信号発生手段としてのエ
ンコーダ50が連結されている。このエンコーダ50
は、上記パルスモータ45の回転量に応じたパルス信号
を発する。
【0036】図2及び図4に示すように、上記した可動
フレーム24上には、可動ブラケット53が矢印H(図
2参照)にて示す方向において往復動自在に設けられて
いる。詳しくは、この可動ブラケット53と可動フレー
ム24との間にはトラックレール54a及びスライダ5
4bからなる直動案内ユニットが介装され、これによっ
て該可動ブラケット53が可動となっている。
【0037】なお、上記矢印H方向は前述した矢印G方
向に対して垂直であり、マガジンMの長さ方向及び幅方
向がこれら矢印H及びG方向に夫々一致するようになさ
れている。
【0038】上記可動ブラケット53を移動させる駆動
手段56が設けられており、該駆動手段56は次のよう
に構成されている。
【0039】図2乃至図4に示すように、この駆動手段
56は、可動ブラケット53が移動すべき矢印H方向
(図2参照)において延在して設けられて軸受63を介
して可動フレーム24に取付けられたねじ軸64と、該
ねじ軸64を回転駆動するパルスモータ65と、該ねじ
軸64に螺合すると共に可動ブラケット53に固着され
たナット66とを有している。ねじ軸64の一端部及び
パルスモータ65の出力軸65aには各々歯付ベルト車
64b、65bが嵌着され、該両歯付ベルト車に歯付ベ
ルト67が掛回されており、これによってパルスモータ
65よりの動力がねじ軸64に伝達される。また、ねじ
軸64の一端部にはカップリング69を介して信号発生
手段としてのエンコーダ70が連結されている。このエ
ンコーダ70は、上記パルスモータ65の回転量に応じ
たパルス信号を発する。
【0040】図2乃至図4に示すように、前述した各可
動フレーム23及び24並びに可動ブラケット53に
は、マガジンMを規制するための長尺の規制部材73、
74及び75すなわち可動体が上下方向(矢印Z方向)
において延在した状態にて取付けられている。これら規
制部材73乃至75は、これらを夫々搭載した可動フレ
ーム23、24並びに可動ブラケット53の作動によ
り、互いに相対的に近接及び離間する。
【0041】図から明らかなように、規制部材73は全
体として矩形板状に形成され、一対設けられている。ま
た、他の規制部材74及び75は1本ずつ設けられ、図
2から明らかなように各々断面形状はL字状となってい
る。マガジンMは、該両規制部材74及び75の各一辺
に形成された規制面74a、75aと、上記の矩形板状
の規制部材73とによってその幅方向において規制され
る。また、両規制部材74及び75の各他辺に形成され
た規制面74b75bにより、マガジンMの長さ方向の
規制が行われる。なお、図3に示すように、規制部材7
4には、ボンディングが施された後のリードフレームL
\FをマガジンM内に収納させる際に該リードフレーム
L\Fを通過させるためのスリット74dが形成されて
いる。
【0042】ところで、図2及び図3に示すように、マ
ガジンMの幅方向における片側に配置された各規制部材
73には、リードフレーム搬送レベル80に対応する位
置を始めとして、その長手方向に沿って複数の回転部材
としてのローラ81が回転自在に設けられている。これ
らのローラ81のうち、特に、リードフレーム搬送レベ
ル80に対応するものは、マガジンMをその他側に設け
られた規制部材74、75に向けて付勢するためのもの
である。
【0043】なお、ローラ81の回転軸はマガジンMの
移動方向Zに対して垂直に設定されている。
【0044】図6に示すように、前述した各エンコーダ
40、50及び70より発せられるパルス信号は当該ワ
イヤボンディング装置の作動制御を司る制御部(以下、
CPUと称する)95に送られ、該CPUはこれらの信
号や、キーボード96及び撮像装置97(図1に示すン
ボンディング手段160の近傍に配置されている)等よ
り送信される信号を受けて、各パルスモータ35、4
5、65及び13並びにフレーム移送手段(図6のみに
示すだけであり、具体的には図示してはいない)99及
びボンディング手段160(図1参照)を後述のタイミ
ングを以て作動させる。
【0045】次に、上記構成のワイヤボンディング装置
において、取り扱われるリードフレームL\Fの種類が
変更される場合の調整動作について、図7乃至図10を
も参照しつつ説明する。この場合、上記CPU95(図
6参照)はROM(ReadOnly Memory)
101に予め入力されている作業手順情報を読み出して
これに基づき作動制御を行う。また、後述のように、R
AM(RandomAccess Memory)10
2に情報を入力し、記憶させる。
【0046】まず、キーボード96(図6参照)が操作
されることなどによって指令信号が発せられると、CP
U95は、図2に示す各パルスモータ35、45及び6
5を夫々逆回転させて各ねじ軸34、44及び64を回
転駆動し、以て各可動フレーム23、24及び可動ブラ
ケット53を移動させ、各規制部材73、74及び75
を図7に示すように外側、すなわち互いに離間する方向
に移動させ、夫々の基準位置に位置決めする。この各規
制部材73、74、75の相互離間方向における基準位
置を第2基準位置と称する。この第2基準位置は、上記
各規制部材73、74、75の作動の基準となる位置で
あり、ボンディングステージの中心104(図1参照)
若しくはその近傍を通る軸線として設定された第1基準
位置105に対して設定され、可変である。なお、該第
2基準位置の設定方法について後に後述する。また、上
記ボンディングステージとは、リードフレームL\Fの
全長のうち、ボンディングを行おうとするICチップ及
びその前後の複数のICチップが装着されている部分を
担持するヒータプレート155(図12に図示)上のス
テージ部分を指称するものである。また、図1には該ヒ
ータプレート155は示してはおらず、該ヒータプレー
ト155を加熱すべくこれを担持するヒータブロック1
06が示されている。図示のように、このヒータブロッ
ク106には上記ヒータプレート155を装着するため
の2本の位置決めピン106a、106bが突設されて
いる。上記第1基準位置105は、これらピン106
a、106bの各中心を通過するものである。但し、該
各ピン106a、106bを通る軸線がボンディングス
テージの中心104を必ず通るとは限らず、そうでない
設定の場合もある。
【0047】また、上記第1及び第2基準位置と共に、
各規制部材73、74、75の相互近接方向における基
準位置も第3基準位置として設定している。各規制部材
73、74及び75がこの第3基準位置にあるとき、当
該ワイヤボンディング装置にて取扱われるべき最小寸法
のマガジンでも、これら規制部材間に挿入することはで
きない。すなわち、該第3基準位置とは、各規制部材7
3、74、75の相互の間隔が、この最小のマガジンの
外径寸法よりも小となるように設定されているのであ
る。
【0048】従って、CPU95は、各規制部材73、
74、75が上記第2基準位置から互いに近接する方向
への移動を開始した後、該第3基準位置に至ると、これ
を以てマガジンが装填されていない状態の検知と判定す
る。また、各規制部材73、74、75が上記第2基準
位置より発進して第3基準位置に向う間に各エンコーダ
40、50及び70よりのパルス信号が得られなくなる
と、これを以て、マガジンMの規制完了及びその存在の
検知とする。
【0049】すなわち、マガジンMが存在する場合にお
いては、各規制部材73、74、75がマガジンMに係
合した状態となればそれ以上移動し得ないことから、上
記各エンコーダ40、50、70よりのパルス信号が断
たれる。この状態を以て検知として該各パルスモータを
停止する訳である。
【0050】さて、前述のように、各規制部材73、7
4、75が相互に離間して第2基準位置に達すると、こ
の状態で該各規制部材の間に新たに取り扱うべきリード
フレームを収容すべき空のマガジンMを例えば2つ、上
下に重ねた状態で上方から挿入し、位置決め手段5が具
備するマガジン受部15上に載置する。
【0051】この状態で作動指令信号が発せられ、例え
ば、マガジンMの幅方向における片側に位置する規制部
材73を駆動するためのパルスモータ35が正回転せら
れ、図8に示すように該規制部材73が他側の規制部材
74、75に向けて移動する。これにより、マガジンM
は該規制部材73により押圧されて該両規制部材74、
75に押し付けられ、各規制部材73、74、75によ
り幅方向において挾持された状態となる。但し、規制部
材73に関してはそれ自体がマガジンMに当接するので
はなく、図2及び図3に示すローラ81が当接する。こ
の挾持状態になると、移動して来た規制部材73はそれ
以上移動し得ないことからパルスモータ35が停止し、
エンコーダ40からのパルス信号が得られなくなる。C
PU95(図6参照)はこの状態を以てマガジン幅方向
の規制完了と共にマガジンの存在を確認してパルスモー
タ35への給電を停止する。なお、この際、パルスモー
タ35がその慣性によって数パルス分は余分に回転して
しまうことを考慮し、パルスモータ停止後にこの数パル
ス分だけ逆回転させることが好ましい。
【0052】この後、上記パルスモータ35が僅かに逆
回転せられる。これにより、上記各規制部材73、7
4、75とマガジンMの側面との間に適当な隙間(図示
せず)が設けられる。
【0053】次に、パルスモータ65が正回転せられ
て、マガジンMの長さ方向における片側に位置する規制
部材75が図9に示すように他側に位置する規制部材7
4に向けて移動する。これにより、マガジンMは該規制
部材75により押圧されて規制部材74に押し付けら
れ、該両規制部材74、75により長さ方向において挾
持された状態となる。上記規制部材73の近接動作時と
同様に、このように挾持状になると、規制部材75はそ
れ以上移動し得ないことからパルスモータ65が停止
し、エンコーダ70からのパルス信号が得られなくな
る。上記CPU95はこの状態を以てマガジン長さ方向
の規制完了を確認してパルスモータ65への給電を停止
する。この後、パルスモータ65が僅かに逆回転せられ
る。これにより、上記両規制部材74、75とマガジン
Mの端面との間に適当な隙間(図示せず)が設けられ
る。
【0054】かくして、マガジンMは、各規制部材7
3、74、75により囲まれた状態にて上下方向におい
て移動自在となり、位置決め手段5によるマガジンMの
昇降動作が可能となる。
【0055】次いで、パルスモータ35が逆回転せられ
ると共にパルスモータ45が正回転せられ、図10に示
すように、各規制部材73、74、75がマガジン幅方
向に同じ分解能及び同じ速度にて同期して移動せられ、
リードフレームL\Fを案内すべき経路の中心、すなわ
ち第1基準位置105に対して、マガジンMの幅方向に
おける中心が一致した時点で停止せられる。
【0056】上記のようにマガジンMの幅方向中心をリ
ードフレーム搬送経路の中心に一致させるべく各規制部
材73、74、75を同じ方向に移動させる際(図10
に図示の状態)、これら各規制部材の移動量について
は、その前工程として行われる一方の規制部材73のみ
の第2基準位置から停止位置までの移動量をW1 とする
ならば、W1 /2に設定される。
【0057】なお、上記のマガジンMの位置出し動作と
並行して図1に示す各ガイドレール157、158が、
該マガジンMに収容されるべきリードフレームL\Fを
搬送し得るようにそのレール間隔を調整される。このレ
ール間隔の調整は上記各規制部材73、74及び75の
調整と同様に行われる。
【0058】上述のようにして、新たに取り扱うべきリ
ードフレームL\F及びマガジンMに応じた調整が完了
する。CPU95(図6参照)は、上記のようにして調
整を完了すると、各規制部材73、74及び75並びに
各ガイドレール157、158(図1参照)の設定位置
をRAM101(図6参照)に入力して記憶させる。そ
して、再び同種のリードフレームL\F及びマガジンM
が取り扱われる際にこの記憶した情報を読み出して直ち
に位置設定を行う。このように、各規制部材73、7
4、75並びに各ガイドレール157、158の位置設
定を自動的にデジタル制御にて行い、品種毎のデータを
記憶し、必要に応じて該データを読み出すので品種交換
時の設定が容易に行え、時間の短縮、作業の簡素化が図
られる。なお、上記設定位置については、これを作用位
置と称する。すなわち、各規制部材73、74及び75
はこの作用位置にあるときにマガジンMを規制する作用
をなし、両ガイドレール157、158に関しては該作
用位置においてリードフレームL\Fを案内する作用を
なす。
【0059】上述のように調整が完了すると、当該ワイ
ヤボンディング装置がボンディングのための作動を開始
し、ローダ2(図1参照)に装填されているマガジンM
内に収容されているリードフレームL\Fが1枚ずつ順
に取り出されてボンディングが施され、ボンディング後
のリードフレームは前述のアンローダ1上のマガジンM
内に収容される。そして、アンローダ1において、所定
数のリードフレームを収容したマガジンMは、図3に示
すプッシャ110により前方に押し出され、ストッカ1
11(図2にも示す)上にストックされる。
【0060】続いて、前述したアンローダ1が具備する
各規制部材73、74、75についてその作動の基準と
すべく相互離間方向において設定される第2基準位置の
設定方法について図1及び図11に基づいて説明する。
【0061】まず、図1に示すように、略平板状にして
長尺の治具115を用意し、該治具115を第1基準位
置105に対して位置決め装着する。具体的には、図1
において、ヒータブロック106上には2本の位置決め
ピン106a及び106bが植設されており、治具11
5に該各位置決めピンに嵌合し得る孔(図示せず)を形
成し、両者を密接に嵌合させることを行う。但し、この
治具115の装着時、図2に示す各パルスモータ35、
45及び65を作動させ、各規制部材73、74、75
を相互離間方向における移動限界位置若しくはその近傍
に位置させる。図1に示すように、この治具115の一
端部及びその近傍には上記各規制部材73、74、75
が夫々当接するための当接面115a、115b及び1
15cが形成されており、他端部及びその近傍にはこれ
らの当接面と同様にしてローダ2が具備する各規制部材
(参照符号は付していない)が夫々当接するための当接
面115d、115e及び115fが形成されている。
また、治具115の中央部分には、両ガイドレール15
7及び158が当接するための当接面115g及び11
5hが形成されている。
【0062】これらの当接面115a乃至115hのう
ち両端の2面115c及び115fを除く各当接面につ
いては上記第1基準位置105と平行となされている。
また、図1から明らかなように、該両当接面115c、
115fについては、該第1基準位置105に対して垂
直にしてボンディングステージの中心104を通る軸線
として設定された他の第1基準位置117と平行となさ
れている。
【0063】上記のようにして治具115が装着された
ら、図2に示す各パルスモータ35、45及び65を作
動させ、各規制部材73、74、75を前述の作用位
置、すなわちマガジン規制作用をなすべき位置に向けて
移動させる。すると、図11において実線にて示すよう
に、該各規制部材は該作用位置に至る前にその各々の規
制面が治具115の当接面115a、115b及び11
5cに当接する。このように当接状態になると、各規制
部材73、74、75はそれ以上移動し得ないことか
ら、各パルスモータ35、45、65が停止し、図2に
示すエンコーダ40、50及び70からのパルス信号が
得られなくなる。CPU95(図6参照)はこの状態を
以て当接完了を確認して各パルスモータ35、45、6
5への給電を停止する。
【0064】図11において、各規制部材73、74、
75につき、その作動開始から停止までの移動距離を夫
々c、d及びeにて示す。但し、規制部材75について
は、規制すべきマガジンM(図1参照)の幅方向におい
て規制部材74と共に距離dを移動する一方、自体は該
マガジンMの長さ方向においてeだけ移動し、平面的な
移動を行う。
【0065】上記した各距離c、d及びeは、図2に示
す各エンコーダ40、50、70より各パルスモータ3
5、45、65の回転量に応じて発せられるパルス信号
を、CPU95(図6に図示)がその具備したカウンタ
(図示せず)によって計数することにより得られる。
【0066】ここで、図11において、治具115の幅
寸法gに関してはその製作寸法が定められることによっ
て既知であり、従って、第1基準位置105を振分け位
置とする該治具115の振分寸法h及びi(h=iとし
てもよい)についても既知である。よって、各規制部材
73、74、75に関し、その作動開始位置(二点鎖線
で示す状態の位置)とこの第1基準位置105との距離
p及びqは、p=c+h、q=d+iとして求めること
が出来る。また、規制部材75については、規制部材7
3、74の移動方向に対して垂直な方向への移動もなす
ものであるが、この方向における規制部材75の作動開
始位置(二点鎖線で示す状態の位置)と他の第1基準位
置117との距離vは、v=e+tとして求めることが
できる。このtは、該第1基準位置117を振分け位置
とする治具115の振分寸法であり、既知である。
【0067】図6に示すように、CPU95は、上記の
各式に基づき演算を行う演算回路95aを備えており、
上記各距離p、q及びvを算出する。そして、図11に
おいて夫々二点鎖線にて示した各規制部材73、74、
75の位置を前述した第2基準位置として設定し、この
得られた各距離p、q、vのデータを図6に示すRAM
102に記憶させる。この記憶は、例えば磁気ディスク
若しくは光ディスク等からなる記憶媒体に記憶させる。
【0068】なお、上記した第2基準位置の設定は、図
1に示したローダ2が具備する各規制部材に関しても同
様に行われると共に、リードフレームL\Fの案内をな
すガイドレール157、158に関しても同様に行われ
るものである。但し、該両ガイドレール157、158
ついての第2基準位置の設定は、図1に示した治具11
5の中央部の当接面115g及び115hを用いて行わ
れる。
【0069】また、図1に示すように、ローダ2側に
は、該ローダ2に装填されているマガジンMよりリード
フレームL\Fを一枚ずつ押し出すためのプッシュ機構
120が設けられているが、該プッシュ機構120が具
備するリードフレーム押出し用のプッシャ120aに関
してもこれを可動体としてその作動基準位置としての第
2基準位置の設定が上記と同様にして行われ、RAM1
02(図6参照)に記憶される。但し、このプッシュ機
構については、例えば特開平4−286342号公報に
おいて詳しく開示されているから、ここでは全体として
の構成は説明しない。具体的には、このプッシャ120
aについて、これがマガジンM外にリードフレームL\
Fを押し出し切る状態の位置を作用位置とし、プッシャ
120aをこの作用位置に向けて作動させて治具115
の端面に当接するまでの移動距離をuとする。すると、
図1において、プッシャ120aの作動開始位置と第1
基準位置117との距離xは、x=u+wとして求める
ことができる。図1から明らかなように、このwは該第
1基準位置117を振分け位置とする治具115の振分
寸法であり、既知である。また、上記の移動距離uは、
プッシャ120aを移動させるべく設けられたモータの
回転量をエンコーダ等を用いて計測することにより判明
する。
【0070】CPU95(図6参照)は、上記の式x=
u+wに基づいて上記距離xを算出する。そしてプッシ
ャ120aの作動開始位置を上記第2基準位置として設
定し、この得られた距離xのデータを図6に示すRAM
102に記憶させる。
【0071】なお、上記プッシュ機構120において、
プッシャ120aが治具115の端面に当接したことの
検知は、前述したアンローダ1及びローダ2並びに両ガ
イドレール157、158と同様に、可動体としての各
規制部材73、74、75及びガイドレール157、1
58が治具115に当接することによるエンコーダより
のパルス信号の断を以て行ってもよいし、該プッシュ機
構120において、プッシャ120aが何等かの障害物
によってその作動を阻まれた際にこれを検知すべく設け
られているセンサを用いて行ってもよい。また、これら
の検知手段の他、図13に示した従来の装置が具備する
検知手段212、213のような手段を用いてもよい。
【0072】上記したように、ボンディング装置が具備
する規制部材73、74、75、ガイドレール157、
158、プッシャ120a等の各種可動体について、そ
の作動の基準となる位置を第2基準位置とし、ボンディ
ングステージの中心104を通る軸線として設定された
第1基準位置105、117と該第2基準位置との距離
データを記憶手段に記憶させるものであるから、複数の
ボンディング装置間において、該各ボンディング装置が
具備する可動体の作動管理データについて、作業者が該
データに修正等を加えずとも相互の流用が可能となる。
【0073】すなわち、ある1台のボンディング装置に
おいて、幅寸法が夫々異なる種々のマガジン及びリード
フレームに対応する各可動体の停止位置を設定し記憶さ
せること、すなわちティーチングを行えば、この記憶し
たデータをティーチングを全く行っていない他のボンデ
ィング装置に流用し、この後者のボンディング装置を前
者のボンディング装置と全く同様に作動させることがで
きる訳である。但し、この場合、これら各ボンディング
装置において、前述の治具115を使用して可動体の作
動基準位置となる第2基準位置を夫々求め且つ記憶させ
ておく。そして、他のボンディング装置にてティーチン
グされたデータを流用する際、流用される側と流用する
側の各ボンディング装置で設定された夫々の第2基準位
置同士の差を求め、上記のティーチングデータについて
この差分を補正すればよい。
【0074】また、上記のように全くティーチングを行
っていないボンディング装置にデータを流用して可動体
の作動管理データを新規に設定するに限らず、既にティ
ーチングがなされているボンディング装置にデータを流
用してその作動管理データを設定しなおす場合もある。
【0075】ところで、図1及び図11に示すように、
当該ボンディング装置においては、両ガイドレール15
7及び158に沿って各種のセンサ121、122、1
23、124及び125が配置されている。これらのセ
ンサとしては、例えば、発光素子及び受光素子を備えた
フォトセンサが選定され、その発輝すべき機能の適否に
応じて透過型及び反射型のいずれかが用いられる。
【0076】ガイドレール157、158の前端部近傍
に設けられたセンサ121は、プッシュ機構120の作
動によってローダ2上のマガジンMからボンディングに
供されるべきリードフレームL\Fが突出されたかどう
か、すなわち、そのリードフレームL\Fの有無を検知
するためのものである。また、ガイドイレール157、
158の後端部近傍に配置されたセンサ122は、ボン
ディングを終了したリードフレームL\Fが他の図示し
ないプッシュ機構によってアンローダ1上のマガジンM
内に収納されたことを確認するために設けられている。
【0077】一方、上記したセンサ121の後方におい
て、各ガイドレール157、158のフレーム案内面1
57a、158a(図11参照)に近接して配置された
2つのセンサ123及び124は、これらガイドレール
157、158により案内されるべきリードフレームL
\Fの幅寸法を検出するためのものである。また、ボン
ディングステージの近傍に設けられたセンサ125は、
ローダ2上のマガジンMから送り出されたリードフレー
ムL\Fの先端がこの位置に到来したことを検知して信
号を発するものである。
【0078】ここで上記した2つのセンサ123、12
4を用いたリードフレームL\Fの幅寸法検出について
説明する。
【0079】まず、図11において、相互近接動作を行
う前の両ガイドレール157、158は予め設定された
前述の第2基準位置にあることから、相互のフレーム案
内面157a、158a同士の距離Tは既知である。こ
の静止状態から、一方のガイドレール、例えば、ガイド
レール158のみを作動させて他方のガイドレール15
7に向けて移動させる。すると、リードフレームL\F
はこのガイドレール158により押され、結果として両
ガイドレール157、158により挾まれることとな
る。このときのガイドレール158の移動量をW2 とす
れば、リードフレームL\Fの幅寸法Uは上記距離Tか
らこのW2 を減じた値として得ることができる。なお、
このガイドレール158の作動は図示しないパルスモー
タの回転により行われ、該パルスモータはその回転量に
応じたパルス信号を発するエンコーダを備えており、上
記の移動距離W2 は、CPU95(図6参照)がその具
備したカウンタによってこのパルス信号を計数すること
により得られる。
【0080】続いて、センサ125の用法につき説明す
る。
【0081】まず、ローダ2よりプッシュ機構120
(図1参照)によって押し出されたリードフレームL\
Fが、図示しないフレーム移送手段により搬送され、そ
の先端がこのセンサ125により検出される。すると、
該センサ125より発せられた信号に基づいて該フレー
ム移動手段はその作動を停止せられ、リードフレームL
\Fは停止する。このリードフレームL\Fの停止位置
が、ボンディング作業を行うに際しての基準位置として
設定される。
【0082】この後、上記フレーム移送手段を更に作動
させて、リードフレームL\Fを後方に向けて所定距離
だけ送り、該リードフレームL\F上に並設された複数
のICチップ(図12において参照符号153にて示
す)のうち最初にボンディングを施すべき1つ目のIC
チップをボンディングステージ上のボンディング位置に
位置決めする。なお、上記所定距離とは、種々あるリー
ドフレームについて、その端縁から1つ目のICチップ
の中心までの距離を予め測定しておき、この測定値をR
OM101(図6参照)に記憶させておき、これを読み
出すことにより設定する。
【0083】この後、この1つ目のICチップについて
ボンディングを行い、それが完了したらリードフレーム
L\Fを各ICチップの配列ピッチの1ピッチ分ずつ送
り、同様に他のICチップについて順次ボンディングを
続ける。
【0084】以上が、センサ123、124及び125
の用法である。
【0085】上記センサ123及び124は、夫々ガイ
ドレール157、158に対して取り付けられている。
この取付位置は、取り付ける作業者により誤差が生ず
る。この誤差を補正するため、下記の動作が行われる。
【0086】すなわち、図11において、各ガイドレー
ル157、158のフレーム案内面157a、158a
に対するこれらセンサ123、124の光軸の離間距離
を夫々α及びβで示す。このα、βの値が作業者の取付
状況により誤差を生ずる訳である。よって、このα、β
の値を記憶させ、複数台のボンディング装置間において
作動管理データの流用を行う際の機差補正を行う。
【0087】具体的には、まず、図11に示すように取
り付けた治具115に対して、両ガイドレール157、
158をその設定された第2基準位置より発進させて近
接させてゆく。そして、両センサ123、124が治具
115の側端縁を検知して信号を発した時点までの両ガ
イドレール157、158の移動量を前述と同様にして
計測し、これを夫々W3 、W4 とする。この後、両ガイ
ドレール157、158をそのフレーム案内面157
a、158aが治具115の当接面115g、115h
に当接するまで移動させ、上記第2基準位置からこのと
きまでの移動量を計測し、これをW5 、W6 とする。す
ると、上記α、βは、夫々、α=W5 −W3 、β=W6
−W4 にて求まることとなる。この値をRAM102
(図6参照)に記憶させる。
【0088】次に、センサ125についてであるが、こ
のセンサ125は、上記ガイドレール157、158上
ではなく、固定側に取り付けられており、その位置が、
二軸方向、すなわち平面的に調整可能となっており、適
宜作業者により位置調整される。ところが、この調整に
ついても勿論誤差を生ずるのである。よって、下記の動
作が行われる。
【0089】すなわち、このセンサ125については、
図11において、γにて示す距離、すなわち、ボンディ
ング中心104からのセンサ125の光軸中心までの距
離の設定が重要である。よって、この距離γを治具11
5を利用して厳密に調整することを行う。
【0090】具体的には、図11に示すように、治具1
15には予め、ボンディング中心104からこの距離γ
を隔てた位置にスリット115jを形成しておく。そし
て、作業者がセンサ125の位置調整を行い、該センサ
125がこのスリット115jを検知したところで位置
を固定することを行う。
【0091】なお、センサ125は、リードフレームL
\Fの幅方向においても位置の調整が可能となっている
が、これは、各種あるリードフレームは、その端部の形
状についても凹凸を有するものなどまちまちであり、こ
れに対処するためである。すなわち、該各リードフレー
ムの端部の最突端に合致すべくセンサ125をリードフ
レーム幅方向において位置調整するのである。この位置
調整についても、リードフレームの種類が判明すればそ
の固有の形状に基づき、自動的に行うことができる。図
11に示すように、このリードフレーム幅方向の調整を
行うため、センサ125により検知されるべく治具11
5に形成されたスリット115jは、このリードフレー
ム幅方向において伸長している。
【0092】なお、本実施例においてはワイヤボンディ
ング装置を例として示しているが、他に、テープボンデ
ィング装置及びダイボンディング装置においては勿論の
こと、可動体を有する種々の装置に本発明が利用し得る
ことは言及するまでもない。
【0093】また、本実施例においては、可動体の位置
検知をなす検知手段として、各パルスモータ35、4
5、65の回転量に応じたパルス信号を発するエンコー
ダが設けられているが、この他、種々の検知手段が適用
可能である。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ボ
ンディング装置が具備する可動体の作動基準位置を第2
基準位置とし、ボンディングステージの略中心を通る軸
線として設定された第1基準位置と該第2基準位置との
距離データを記憶手段に記憶させることにより、複数の
ボンディング装置間において各装置の可動体の作動管理
データにつき、作業者がこれに手を加えることなく相互
の流用を可能とするものである。従って、複数のボンデ
ィング装置各々において、種々のマガジンあるいはリー
ドフレームに対応する可動体の停止位置は、熟練した作
業者の技術を必要とすることなく、また、バラつきを伴
う作業者自身による調整作業も介在しないことから、全
て同一となり、機差がなくなるという効果がある。ま
た、かかる構成によれば、複数のボンディング装置にお
いて、種々のマガジンあるいはリードフレームに対応す
る可動体の停止位置を設定して記憶させること、すなわ
ちいわゆるティーチングを行うべきは1台のボンディン
グ装置のみで済み、他の装置についてはティーチングを
行わずにデータを流用するだけでよいため、作業性の向
上が図れるという効果が得られる。また、これと同じ理
由から、これら他のボンディング装置においてはマガジ
ンあるいはリードフレームの品種毎のデータを記憶させ
なくともよいから、管理が容易になるという効果もあ
る。更に、上記した第1基準位置と第2基準位置との距
離データについて、これを所定のエンコーダ等からの信
号等に基づいて自動的に算出する機能を備えれば、作業
性の更なる向上が達成されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るワイヤボンディング装置
の平面図である。
【図2】図2は、図1に示したワイヤボンディング装置
の要部の、一部断面を含む平面図である。
【図3】図3は、図2に関する、一部断面を含むA−A
矢視図である。
【図4】図4は、図2に関するB−B矢視図である。
【図5】図5は、図2に関する、一部断面を含むC−C
矢視図である。
【図6】図6は、図1乃至図5に示したワイヤボンディ
ング装置の動作制御系を示すブロック図である。
【図7】図7は、図1乃至図6に示したワイヤボンディ
ング装置の動作説明図である。
【図8】図8は、図1乃至図6に示したワイヤボンディ
ング装置の動作説明図である。
【図9】図9は、図1乃至図6に示したワイヤボンディ
ング装置の動作説明図である。
【図10】図10は、図1乃至図6に示したワイヤボン
ディング装置の動作説明図である。
【図11】図11は、図1に示したワイヤボンディング
装置の要部の動作説明図である。
【図12】図12は、従来のワイヤボンディング装置の
平面図である。
【図13】図13は、図12に示したワイヤボンディン
グ装置が具備するローダの平面図である。
【符号の説明】
M マガジン L\F リードフレーム 1 アンローダ 2 ローダ 13、35、45、65 パルスモータ 26、27、56 駆動手段 40、50、70 エンコーダ 73、74、75 規制部材(可動体) 95 制御部(CPU) 101 ROM 102 RAM(記憶手段) 104 ボンディングステージの中
心 105、117 第1基準位置 106 ヒータブロック 115 治具 155 ヒータプレート 157、158 ガイドレール(可動体) 120a プッシャ(可動体)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボンディングステージの略中心を通る軸
    線として設定された第1基準位置に対して設定可変な第
    2基準位置と所要の作用をなすべき作用位置との間で移
    動自在な可動体と、該可動体を移動させる駆動手段とを
    備え、前記第1基準位置と第2基準位置間の距離データ
    を求め、該距離データを記憶手段に記憶させるようにし
    たことを特徴とするボンディング装置。
  2. 【請求項2】 前記第1基準位置に対して治具を装着
    し、前記可動体を前記第2基準位置から移動させること
    によって該治具までの距離データを求めることを特徴と
    する請求項1記載のボンディング装置。
  3. 【請求項3】 前記記憶手段は記憶媒体であることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載のボンディング装
    置。
  4. 【請求項4】 装置間において前記記憶手段を流用する
    際、前記記憶手段に記憶された距離データに基づいて前
    記第2基準位置を自動的に設定するようにしたことを特
    徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1記載の
    ボンディング装置。
  5. 【請求項5】 ボンディングステージの略中心を通る軸
    線として設定された第1基準位置と設定可変な第2基準
    位置間の距離データを算出するために、可動体が当接し
    得べく前記第1基準位置に対して装着できるようにした
    治具。
  6. 【請求項6】 ボンディングステージの略中心を通る軸
    線として設定された第1基準位置に対して治具を位置決
    め装着し、該第1基準位置に対して設定可変な第2基準
    位置から所定の作用をなすべき作用位置に向けて可動体
    を移動させ、該可動体が前記治具に当接するまでの移動
    量に基づいて前記第1基準位置に対する第2基準位置の
    距離データを求め、該距離データを記憶手段に記憶させ
    るようにしたことを特徴とするボンディング装置におけ
    る可動体の作動基準位置設定方法。
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