JP2799740B2 - ダブルベース系推進薬組成物及び該組成物の製造方法 - Google Patents

ダブルベース系推進薬組成物及び該組成物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、ダブルベース(以下DBと略記する)推進薬
にバインダを添加した架橋型DB推進薬及び同推進薬の製
造方法に関し、特に比推力の向上と燃焼速度の増大をも
たらし、更に製造性に優れた推進薬及び同推進薬の製造
方法に関する。
〈従来の技術〉 ニトロセルロース(以下NCと略記する)及びニトログ
リセリン(以下NGと略記する)ないし液状ニトロエステ
ルを主成分とし不活性可塑剤、安定剤及び燃焼触媒等か
ら成るDB推進薬は、NCの繊維中にNG及び可塑剤が浸透
し、ゲル化させて固体化している為、その機械的性質の
大部分はNCの物性に支配されている。DB推進薬は一般に
燃焼に際して無煙性であるという優れた特徴を有する反
面、高温に於いて強度が低下し、又、高温の強度を保っ
た場合低温の伸びが小さくなるなど温度変化に対して、
その機械的性質が影響を受けやすいという欠点がある。
この問題を解決する為に、DB推進薬にバインダを添加
する所謂バインダ架橋型DB推進薬(コンポジットDB推進
薬(CDB)やエラストマモディファイドDB推進薬(EMDB
又はEMCDB)などと呼ばれている。)が開発されてい
る。
バインダ架橋型DB推進薬に用いられるバインダとして
は、例えば特公昭57−49518号公報には「ポリウレタン
樹脂を含むダブルベース系推進薬の製造工程に於いてテ
トラメチレン基を含むウレタンエラストマ用プレポリマ
2〜15重量部及び必要に応じて添加される触媒を含有せ
しめて成るダブルベース系推進薬の製造方法」が開示さ
れており、又、特公昭57−49519号公報には「ニトロセ
ルロース及びニトログリセリンないし液状ニトロエステ
ルを主成分とし、必要に応じて酸化剤、金属燃料を添加
したダブルベース系推進薬に於いて、可塑剤の一部ない
し全部を末端官能基数が1〜3で且つ平均分子量が500
〜5000の範囲から成るポリエステル又はポリエーテル主
鎖ポリオールとイソシアネート化合物の合計量1〜20重
量%に置換して成ることを特徴とするダブルベース系推
進薬組成物」が開示されている。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかし、これらのバインダは、その生成熱が小さく、
又炭素原子や水素原子を主成分とするポリエーテル又は
ポリエステル化合物であり、推進薬に添加した場合に比
推力の低下が避けられなかった。
本発明の目的は、エネルギー含有量の大きいバインダ
を使用することにより高比推力で且つ高燃速であり、更
に製造性に優れたバインダ架橋型DB推進薬及び同推進薬
の製造方法を提供することにある。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は、ニトロセルロース及びニトログリセリンな
いし液状ニトロエステルを実質的主成分とするダブルベ
ース系推進薬に於いて、原料中に3〜20重量%の一般式 す。)で示される側鎖にアジドメチル基を有する末端水
酸基脂肪族ポリエーテル及びイソシアネート化合物が含
まれ、該末端水酸基脂肪族ポリエーテルと該イソシアネ
ート化合物との三次元架橋物が存在することを特徴とす
るダブルベース系推進薬組成物及びニトロセルロース及
びニトログリセリンないし液状ニトロエステルを実質的
主成分とするダブルベース系推進薬を製造する方法に於
いて、原料中に更に3〜20重量%の一般式 (式中nは10〜50,m+lは1〜10を表わす。)で示され
る側鎖にアジドメチル基を有する末端水酸基脂肪族ポリ
エーテル及びイソシアネート化合物を存在させ、且つポ
リエーテルを三次元架橋構造とすることを特徴とするダ
ブルベース系推進薬組成物の製造方法に関する。
本発明のDB系推進薬は、特に注型式或は鋳造式のDB推
進薬に適している。このために実質的主成分であるNCは
微粒子のプラスチゾルニトロセルロス(PNC)又はボー
ルパウダー(BP)、溶剤圧伸式で成型したNC小粒薬が好
ましく、謬化剤としてはNGのほか公知の液状ニトロエス
テルも使用可能である。
次に本発明のダブルベース系推進薬組成物において
も、通常含まれる燃焼触媒、安定剤、可塑剤、酸化剤、
金属燃料等を含み得るので、それらについて説明する。
燃焼触媒としては、サリチル酸鉛、ステアリン酸鉛等
の鉛化合物、サリチル酸銅、ステアリン酸銅等の銅化合
物を使用することができる。安定剤としては、エチルセ
ントラリット(ECL)、2−ニトロジフェニルアミン(2
NDPA)等の公知の安定剤を使用することができる。
不活性可塑剤としては、一般に使用されているジエチ
ルフタレート(DEP)、ジオクチルフタレート(DOP)等
のフタル酸エステル類、ジオクチルアジペート(DO
A)、ジ−nプロピルアジペート(DPA)等のアジピン酸
エステル類、燐酸エステル類、などが使用できる。酸化
剤には過塩素酸アンモニウム(AP)、硝安(AN)等無機
酸化剤、環状ニトラミン化合物(RDX、HMX等)、ペンス
リット等の硝酸エステル類、ニトリール類のニトロ化合
物があげられ、金属燃料にはボロン、アルミニウム等が
含まれる。
次に本発明において特徴である前記式で示されるポリ
エーテルについて説明する。このポリエーテルは、その
分子内にアジド基を有することが特徴である。大きな歪
を持つアジド基を有することで、本ポリエーテルの生成
熱が大きくなり、又窒素原子を多く含有することから、
推進薬の燃焼時に大量の窒素ガスを発生するので比推力
が増大すると同時に燃速が速くなる。又、本ポリエーテ
ルは、NGとの相溶性が良く、NGの感度を鈍化させ、更に
NCとのゲル化速度を速くするという特徴を有し、DB推進
薬に適用するのに好都合である。即ち、NGの感度を鈍化
させる事から製造時に安全に作業することができ、又、
NCとのゲル化速度が速い事からキュアリング時間を短く
できるという特徴を有する。
本発明に用いられる前記一般式で示されるポリエーテ
ルにおいて、nの値が50を越えると粘度が高くなって製
造性は悪くなる。一方、nの値が10未満では、本ポリエ
ーテルの分子量が小さくなり架橋密度が高くなるため推
進薬の低温時の伸びが十分でなくなる。又、アジドメチ
ル基が少なくなるので大きな比推力が得られなくなる。
m+lが10を越えれば、不活性な部分が多くなりエネル
ギーが低下する。好ましくは、m+lがn×0.2以下の
範囲である。
本ポリエーテルの原料中の含有量は3〜20重量%であ
る。好ましくは5〜15重量%である。含有量が3%未満
では、推進薬の機械的特性の改善が十分でなく、20%を
越えると、推進薬の比推力が低下するので実用的でな
い。
本ポリエーテルと反応するイソシアネート化合物は、
一般に知られているイソシアネート化合物で良く、例え
ば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレ
ンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンポリイ
ソシアネート(PPMPI)、イソホロンジイソシアネート
(IPDI)等が挙げられる。
又、本ポリエーテルは二官能であるので、架橋構造を
三次元構造とするため、三官能イソシアネート化合物を
用いるか、或は、例えば、トリメチロールプロパン(TM
P)、ポリエーテルポリオール、ポエステルポリオール
等の三官能以上のポリオールを用いることができる。好
ましいのは、トリメチロールプロパン(TMP)又は、分
子量1000以下の三官能或は、それ以上の官能基を有する
ポリオールである。
又、イソシアネート化合物と水酸基の反応触媒を硬化
時間調整のために用いることができる。本発明に用いら
れる硬化触媒としては、例えばジブチルスズジラウレー
ト(DBTDL)、ジブチルスズ(2−エチルヘキソエー
ト)等の有機スズ化合物やトリフェニルビスマス等の有
機ビスマス化合物及びトリエチレンジアミン等のアミン
類である。
次に、前記一般式で示されるポリエーテルの製造法を
例示する。
エチレングリコール、プロピレングリコール、α−モ
ノクロルヒドリン及びそれらの重合体からなるジオール
類に反応触媒を溶解し、その系中でエピクロルヒドリン
とエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドもしく
は、エピクロルヒドリンとエチレンオキサイドとプロピ
レンオキサイドとを付加反応させて側鎖にクロルメチル
基を持つ末端水酸基脂肪族ポリエーテルを製造し、次い
で前記ポリエーテルとアジ化ナトリウムとをジメチルホ
ルムアジド(DMF)中で反応させる。得られたポリエー
テルは、元素分析、赤外分光分析、分子量測定、水酸基
価測定等により前記一般式で表わされる構造を有してい
る事が確認された。
〈発明の効果〉 本発明で示される側鎖にアジドメチル基を有する末端
水酸基脂肪族ポリエーテルは、NGとの相溶性が良くDB推
進薬のバインダとして適用することができる。本ポリエ
ーテルをバインダとしたCDB推進薬は、従来のCDB推進薬
と比べ高比推力で且つ高燃焼速度を有し、且つ本発明の
製造法は製造が容易であるという優れた特徴を有する。
〈実 施 例〉 以下に実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説
明する。尚、各実施例の部数及び%は全て重量基準であ
る。
実施例 1 攪拌機と加温装置と真空装置を備えた縦型混和機にNG
54部、安定剤である2−ニトロジフェニルアミン2部、
nが25、m=1、l=0である前記式で示されるポリエ
ーテル8.48部、トリメチロールプロパン0.32部、サリチ
ル酸鉛2.0部を加え、40℃、5mmHg以下の真空度で1時間
混合脱水を行ない、均一な液体成分を得た。この混合液
に平均粒径30ミクロンのNC微粒子を34部添加し、手攪拌
による予混合5分間、大気圧下の予混合10分間行なっ
た。更に、40℃、5mmHg以下の真空度で1時間混合を行
ない、次いで、ヘキサメチレンジイソシアネート1.2部
を加え、手攪拌による予混合を5分間行なった後、40
℃、5mmHg以下の真空度で30分間混合を行なった。得ら
れた推進薬スラリーを径40mmの中子を有する径80mmの円
柱状の鋳型に5mmHg以下の真空下で注型した。又、機械
的特性試料用としてブロック状にも注型した。60℃の恒
温槽中で5日間硬化を行ない推進薬を得た。円柱状推進
薬を140mmの長さに切出しロケットモータ用推進薬とし
た。このロケットモータ用推進薬を用いて、圧力80kg/c
m2で燃焼試験を行ない比推力データを得た。尚、用いた
ノズルの開口比は6、ノズル開角は18度である。比推力
測定結果を表1に示した。一方、ブロック推進薬からJA
NNAF型の引張試験試料を切出し、+50℃、−30℃の各温
度で引張速度50mm/分で試験を行なった。前記の原料組
成比推力測定結果、引張速度を表1に示す。
実施例 2 表1の実施例2に示す原料及び配合組成で、実施例1
と同じ方法で推進薬を製造し同様にして燃焼試験、引張
試験を行なった。結果を表1に示す。
実施例 3 表1の実施例3に示す原料及び配合組成で、実施例1
と同じ方法で推進薬を製造し同様にして燃焼試験、引張
試験を行なった。結果を表1に示す。
実施例 4 実施例1において、40℃5mmHg以下の真空度で混合脱
水を行なう際にRDXを25部加えた以外、全て実施例と同
様に処理した。原料組成、比推力測定結果、引張速度を
表1に示す。
実施例 5 実施例1において使用したものと同様の縦型混和機に
NG59部、安定剤である2−ニトロジフェニルアミン2
部、n=25、m=1、n=0である前記式で示されるポ
リエーテル8.48部、トリメチロールプロパン0.32部、サ
リチル酸鉛2.0部、アルミニウム10部を加え、40℃、5mm
Hg以下の真空度で1時間混合脱水を行ない、均一な液体
成分を得た。この混合液に平均粒径30ミクロンのNC微粒
子を29部添加し、手攪拌による予混合5分間、大気圧下
の予混合10分間行なった。更に、40℃、5mmHg以下の真
空度で1時間混合を行ない、次いで、ヘキサメチレンジ
イソシアネート1.2部を加え、手攪拌による予混合を5
分間行なった後、40℃、5mmHg以下の真空度で30分間混
合を行なった。以下、実施例1と同じ方法で注型、硬化
後得られた推進薬について燃焼試験、引張試験を行なっ
た。原料組成、比推力測定結果、引張速度を表1に示
す。
実施例 6 トリメチロールプロパンを0.16部、ヘキサメチレンジ
イソシアネートを0.6部とした以外はすべて実施例1と
同じ方法で推進薬を製造し、得られた推進薬について、
燃焼試験引張試験を行なった。原料組成、比推力測定結
果、引張速度を表1に示す。
比較例 1 実施例1と同様の混和機にNG54部、安定剤2部、ジエ
チルフタレート10部、サリチル酸鉛2.0部を加え、40
℃、5mmHg以下の真空度で1時間混合脱水を行ない、均
一な液体成分を得た。この混合液に平均粒径30ミクロン
のNC微粒子を34部添加し、手攪拌による予混合5分間、
大気圧下の予混合10分間行なった。更に、40℃、5mmHg
以下の真空度で1時間混合を行ない推進薬スラリーを得
た。以下、実施例1と同じ方法で注型、硬化後得られた
推進薬について燃焼試験、引張試験を行なった。原料組
成、比推力測定結果、引張速度を表1に示す。
比較例 2 実施例1と同様の混和機にNG54部、安定剤2部、ジエ
チルフタレート5部、サリチル酸鉛2.0部を加え、40
℃、5mmHg以下の真空度で1時間混合脱水を行ない、均
一な液体成分を得た。この混合液に平均粒径30ミクロン
のNC微粒子を34部添加し、手攪拌による予混合5分間、
大気圧下の予混合10分間行なった。更に、40℃、5mmHg
以下の真空度で1時間混合を行なった。次いで、末端イ
ソシアネートポリエステル化合物「コロネート4076」
(日本ポリエステル社製)を5部加え、手攪拌による予
混合を5分間行なった後、40℃、5mmHg以下の真空度で3
0分間混合を行なった。以下、実施例1と同じ方法で注
型、硬化後得られた推進薬について燃焼試験、引張試験
を行なった。原料組成、比推力測定結果、引張速度を表
1に示す。
比較例 3 実施例1の混和機にNG59部、安定剤2部、ポリエチレ
ングリコール9.4部、サリチル酸鉛2.0部を加え、40℃、
5mmHg以下の真空度で1時間混合脱水を行ない、均一な
液体成分を得た。この混合液に平均粒径30ミクロンのNC
微粒子を34部添加し、手攪拌による予混合5分間、大気
圧下の予混合10分間行なった。更に、40℃、5mmHg以下
の真空度で1時間混合を行ない、次いで、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートを0.6部を加え、手攪拌による予混
合を5分間行なった後、40℃、5mmHg以下の真空度で30
分間混合を行なった。以下、実施例1と同じ方法で注
型、硬化後得られた推進薬について燃焼試験、引張試験
を行なった。原料組成、比推力結果、引張速度を表1に
示す。
比較例 4 n=25、m=20、l=0であるポリエーテルを8.35部
を用い、且つトリメチロールプロパンを0.41部、ヘキサ
メチレンジイソシアネートを1.24部とした以外実施例1
と同じ方法で推進薬を製造しその燃焼試験、引張試験を
行なった。原料組成、比推力測定結果、引張速度を表1
に示す。
比較例 5 n=5、m=1、l=0であるポリエーテルを6.62部
を用い、且つトリメチロールプロパンを0.38部、ヘキサ
メチレンジイソシアネートを3.0部とした以外実施例3
と同じ方法で推進薬を製造しその燃焼試験、引張試験を
行なった。原料組成、比推力測定結果、引張速度を表1
に示す。
ゲル化速度試験 実施例1の組成で、製造工程において、平均粒径30ミ
クロンのNC微粒子を34部添加し、手攪拌による予混合5
分間、大気圧下の予混合10分間行ない、更に、40℃、5m
mHg以下の真空度で1時間混合を行なった後の、ヘキサ
メチレンジイソシアネートを添加する前の推進薬スラリ
ーについて、VISCONIC ED型(東京計器(株)製)を用
いて粘度の測定を行なった。又、比較例1で得られた推
進薬スラリーについても同様に粘度測定を行なった。結
果を図面に示す。
NG感度試験 NGに本発明によるポリエーテルを添加した場合のNG感
度試験結果を示す。落槌感度は5kgのハンマを使用し
た。尚使用せるポリエーテルは前記式においてl=0、
n=25、m=1のものである。
その結果を表2に示す。
落槌感度とはJISK4810−79「火薬類性能試験」により
行なった。
実施例1〜6は、いずれも本発明による前記一般式で
示されるポリエーテルを用いた例である。比較例1,2,3
は前記ポリエーテルを用いない例である。比較例4,5は
前記ポリエーテルにおいて、m+lが11以上の場合、及
び、nが9以下の場合の例である。
そして実施例1,2,4,6と比較例1,2,4及び実施例3,5と
比較例3,5とは夫々ニトロセルロース、ニトログリセリ
ン、2−ニトロジフェニルアミン、サリチル酸鉛の量が
すべて同一であり、夫々実施例と比較例を比べるとその
効果は明らかである。
実施例1と比較例2を比較した場合、推進薬の比推力
は、実施例1では231秒、比較例2では221秒であり、実
に10秒も比推力が増加している。又、燃焼速度は1.75倍
となっている。同様に、実施例3と比較例3を比較した
場合、推進薬の比推力は、実施例3では231秒、比較例
3では223秒であり、9秒の比推力増加が見られ、又、
燃焼速度は1.89倍となっており、本発明による比推力及
び燃焼速度の増加効果がわかる。同様に、機械的特性で
比較した場合でも、特に問題となる高温の強度
(σ)、低温の伸び(ε)は、従来のバインダに比
べてほゞ同等であり、比較例1の非架橋DB推進薬に比べ
高温の強度に著しい改善が見られる。
実施例2、3は、本ポリエーテルのm、n、lを変化
させた例であるが、いずれも十分な機能を果たしてい
る。ところが、比較例4では十分な比推力が得られず、
比較例5では低温時の伸びが小さい。
実施例4、5は、固体の酸化剤或は、燃焼のアルミニ
ウムを添加した例であり、高比推力を達成している。実
施例6は本バインダを実施例1の半分量添加した例であ
る。高比推力及び良好な物性を達成している。
ゲル化速度試験により、本ポリエーテルはNCに対する
ゲル化速度が速いことが解る。更に、NG感度試験結果か
ら本ポリエーテルはNGの衝撃に関する感度を低下させて
おり、製造時の安全性を高めている。
以上、詳細に説明した通り、本発明のポリエーテル
は、高比推力、高燃速及び良好な機械的物性を推進薬に
与えると共に、製造性に優れた特徴を有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
図面は実施例1におけるヘキサメチレンジイソシアネー
ト添加前の推進薬スラリー及び比較例1の推進薬スラリ
ーのゲル化速度試験結果を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 清水 治昭 神奈川県横浜市保土ケ谷区瀬戸ケ谷町 138―6 (56)参考文献 特開 平2−14216(JP,A) 特開 平2−124790(JP,A) 特開 昭62−265192(JP,A) 米国特許4806613(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C06D 5/00 C06B 31/26 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニトロセルロース及びニトログリセリンな
    いし液状ニトロエステルを実質的主成分とするダブルベ
    ース系推進薬において、原料中に3〜20重量%の一般式 (式中nは10〜50,m+lは1〜10を表わす。)で示され
    る側鎖にアジドメチル基を有する末端水酸基脂肪族ポリ
    エーテル及びイソシアネート化合物が含まれ、該末端水
    酸基脂肪族ポリエーテルと該イソシアネート化合物との
    三次元架橋物が存在することを特徴とするダブルベース
    系推進薬組成物。
  2. 【請求項2】ニトロセルロース及びニトログリセリンな
    いし液状ニトロエステルを実質的主成分とするダブルベ
    ース系推進薬を製造する方法において、原料中に更に3
    〜20重量%の一般式 (式中nは10〜50,m+lは1〜10を表わす。)で示され
    る側鎖にアジドメチル基を有する末端水酸基脂肪族ポリ
    エーテル及びイソシアネート化合物を存在させ、且つポ
    リエーテルを三次元架橋構造とすることを特徴とするダ
    ブルベース系推進薬組成物の製造方法。
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