JP2799214B2 - チタン板の脱スケール方法 - Google Patents

チタン板の脱スケール方法

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JP2799214B2 JP4388190A JP4388190A JP2799214B2 JP 2799214 B2 JP2799214 B2 JP 2799214B2 JP 4388190 A JP4388190 A JP 4388190A JP 4388190 A JP4388190 A JP 4388190A JP 2799214 B2 JP2799214 B2 JP 2799214B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、チタン板の脱スケール方法に関し、詳細に
は、純チタンやチタン合金製の板(以降、チタン板とい
う)の連続焼鈍酸洗ラインにおいて焼鈍後のチタン板を
ソルトバスで脱スケールする方法に関する。
(従来の技術) チタン板の連続焼鈍酸洗ラインにおいて、上記チタン
板の脱スケールは、第9図に示す如く、チタン板(1)
を走行させながら、ソルトバス(6)の上部で上下動す
る浸漬用ロール(3)(4)により、ソルトバス(6)
中に順次浸漬する方法により行われている。第9図にお
いて(2)はチタン板(1)の導入用ロールであり、
(5)は浸漬後のチタン板(1)の導出用ロールであ
る。
上記浸漬用ロールとしては、良好な耐食性及び耐磨耗
性を有する事が必要であり、その点を考慮し従来より鋳
鉄製のものが使用されている。
(発明が解決しようとする課題) ところが、前記従来のチタン板の脱スケール方法は、
ソルトバス中においてチタン板と浸漬用ロールとが接触
する際に、スパーク現象が生じてチタン板に凹状のスパ
ーク傷が発生するという問題点がある。かかるスパーク
傷の発生は、品質不良に繋がる深刻な問題点である。
上記スパーク現象発生の原因は、ソルトバス中におい
てチタン板と浸漬用ロール(鋳鉄)との電気化学的電位
差が大きい(約1V)ためである。即ち、ソルトバス中に
おいて上記両者が接触すると、その瞬間に約1Vの起電力
を有する電気化学的セル、即ち電池が形成され、瞬間的
に多大な電流が流れてスパークするからである。
そこで、スパーク現象発生を防止すべく、浸漬用ロー
ルとしてチタン製のものを使用したり、浸漬用ロール
(鋳鉄)に外部電流を印加して上記電位差を小さくする
方法が試みられているが、いづれもロール寿命及び経済
性の大幅な低下を招くという点で問題がある。又、後者
の外部電流印加法は電気分解により発生するガスの回収
設備を必要とする。
本発明はこの様な事情に着目してなされたものであっ
て、その目的は上記の如きロール寿命及び経済性の大幅
な低下を招くことなく、チタン板と浸漬用ロールとの電
位差を小さくし、スパーク傷の発生を防止し得るチタン
板の脱スケール方法を提供しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するために、本発明に係るチタン板
の脱スケール方法は次のような構成としている。
即ち、請求項1に記載のチタン板の脱スケール方法
は、チタン板を走行させながら、ソルトバスの上部で上
下動する浸漬用ロールにより、ソルトバス中に順次浸漬
して脱スケールするチタン板の脱スケール方法におい
て、前記浸漬用ロールにチタン製の犠牲陽極を短絡して
該ロールを電気化学的に陰分極せしめることを特徴とす
るチタン板の脱スケール方法である。
請求項2に記載の方法は、前記犠牲陽極が、前記ロー
ルの一部に直接取り付けられたチタン片である請求項1
に記載のチタン板の脱スケール方法である。
請求項3に記載の方法は、前記犠牲陽極が、リード線
により前記ロールに短絡されたチタン片である請求項1
に記載のチタン板の脱スケール方法である。
請求項4に記載の方法は、前記犠牲陽極が、リード線
を介して前記ロールに短絡された前記チタン板である請
求項1に記載のチタン板の脱スケール方法である。
(作 用) 本発明に係るチタン板の脱スケール方法は、前記の如
く、浸漬用ロールにチタン製の犠牲陽極を短絡して該ロ
ールを電気化学的に陰分極せしめるようにしているの
で、該ロールの電位はロール単独の場合の電位(自然電
位)に比し卑になっている。即ち、第1図にロールの陰
分極曲線(a)及び犠牲陽極の陽分極曲線(b)のモデ
ル図を示すが、犠牲陽極を短絡すると、ロールの電位は
その自然電位:E0(r)より卑な電位:E1に移行し、犠牲
陽極の電位はその自然電位:E0(s)より貴な電位:E1
移行する。尚、E1は陽極電流と陰極電流とが等しくなる
電位である。
ここで、犠牲陽極の表面積を上記(b)の場合に比し
大きくすると、その陽分極曲線は(c)に変化し、ロー
ルの電位は上記E1に比してより卑な電位:E2に移行す
る。さらに犠牲陽極の表面積を大きくすると、ロールの
電位を犠牲陽極(即ちチタン)の自然電位:E0(s)に
略等しい電位にし得る。
上記の如くロールの電位を卑な電位にすると、チタン
板(脱スケール材)と浸漬用ロールとの電位差が小さく
なるので、両者接触の際のスパーク現象が生じ難く、そ
のためスパーク傷が発生し難くなる。このとき、犠牲陽
極の表面積を充分大きくしておけば、スパーク傷の発生
を防止し得る。
また、前記浸漬用ロールは陰分極されるので、その防
食効果によりロール寿命が改善され得る。又、チタン製
犠牲陽極の浸漬用ロールへの短絡は、容易に且つ安価に
でき、浸漬用ロールへ外部電流を印加する場合や、チタ
ン製ロールを使用する場合に比し、経済性が優れてい
る。
従って、本発明に係る方法によれば、ロール寿命及び
経済性の大幅な低下を招くことなく、チタン板と浸漬用
ロールとの電位差を小さくし、スパーク傷の発生を防止
し得るようになる。
前記犠牲陽極の短絡手段に関しては、犠牲陽極のチタ
ン片を浸漬用ロールの一部に直接取り付ける方法や、ソ
ルトバス中に犠牲陽極のチタン片を浸漬し、該チタン片
と浸漬用ロールとをリード線により短絡する方法が推奨
される。
又、走行するチタン板(脱スケール材)と浸漬用ロー
ルとをリード線を介して電気的に短絡させる方法による
事も可能である。この場合は、ソルトバス中に浸漬され
たチタン板自体が犠牲陽極として作用する。
(実施例) 実施例1 実施例1に係るチタン板の脱スケール状況の概要図を
第2図に示す。浸漬用ロール(3)及び(4)は厚み:1
0mmの鋳鉄板をロール状に成形したものである。該ロー
ル(3)及び(4)の胴部表面の両端部には、第3〜4
図に示す如く、犠牲陽極として厚み:3mm,幅:50mmのチタ
ン板(7)を密着して巻付け、該端部をボルト(8)で
固定している。該チタン(7)からなる犠牲陽極の表面
積は、ロール(3)(4)の胴部表面積に対して10%の
割合である。上記ロール(3)及び(4)はソルトバス
(6)の上部で上下動している。
第2図に示す如く、脱スケール材のチタン板(1)を
走行させながら、上下動する浸漬用ロール(3)(4)
により、ソルトバス(6)中に順次浸漬し、脱スケール
した。脱スケール後のチタン板(1)は水洗、乾燥し
た。
その結果、スパーク現象及びスパーク傷を生じること
なく脱スケールし得、脱スケール後の表面品質は良好で
あった。
実施例2 実施例2に係るチタン板の脱スケール状況の概要図を
第5図に示す。犠牲陽極の短絡手段は実施例1の場合と
異なり、ソルトバス中に犠牲陽極のチタン片(9)を浸
漬し、該チタン片(9)と浸漬用ロール(3)(4)と
をリード線(10)により短絡している。かかる点を除き
実施例1の場合と同様の方法によりチタン板(1)の脱
スケールを行った。その結果、実施例1の場合と同じ
く、スパーク現象を生じることなく脱スケールし得た。
実施例3 実施例3に係るチタン板の脱スケール状況の概要図を
第6図に示す。走行するチタン板(1)と浸漬用ロール
(3)(4)とをリード線(10)及び金属ロール(11)
を介して電気的に短絡させた。このときチタン板(1)
のソルトバス浸漬部が犠牲陽極として作用する。かかる
点を除き実施例1の場合と同様の方法によりチタン板
(1)の脱スケールを行った。その結果、実施例1の場
合と同じく、スパーク現象を生じることなく脱スケール
し得た。
実施例4 チタン片(9)から成る犠牲陽極の表面積を種々変化
させる事により、ロール(3)(4)の胴部表面積に対
する犠牲陽極の表面積率を変化させた。かかる点を除き
実施例2の場合と同様の方法によりチタン板(1)の脱
スケールを行った。
その結果、第7図に示す如く、上記ロール(3)
(4)の表面積率が1%以下のときはスパーク傷の発生
の頻度が高いが、表面積率が増大するに伴いスパーク傷
発生頻度が減少し、ロール(3)(4)の表面積率が5
%以上になるとスパーク傷を全く発生しなかった。
又、チタン板(1)に対するロール(3)(4)の電
位差を測定した。その結果、第8図に示す如く、上記表
面積率が零(即ち、犠牲陽極を短絡せず)のときの電位
差は約1.2Vであり、ロール(3)(4)の表面積率が増
大するに伴って上記電位差が小さくなる事が確認され
た。尚、上記表面積率が5%のとき、電位差が約0.5Vで
あり、スパーク傷が発生しないので、電位差的には0.5V
以内にする事がスパーク傷発生を完全に防止するための
必要条件と言える。
(発明の効果) 本発明に係るチタン板の脱スケール方法によれば、ロ
ール寿命及び経済性の大幅な低下を招くことなく、チタ
ン板と浸漬用ロールとの電位差を小さくし、スパーク傷
の発生を防止し得るようになる。従って、スパーク傷発
生によるチタン板の歩留低下を防止し得るようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は浸漬用ロールへチタン製犠牲陽極を短絡した際
の作用を説明するための浸漬用ロールの陰分極曲線及び
犠牲陽極の陽分極曲線のモデル図、第2図は実施例1に
係るチタン板の脱スケール状況の概要図、第3図は実施
例1に係るチタン板製犠牲陽極をロール胴部表面に取り
付けた状態を示す図、第4図は該チタン板製犠牲陽極の
固定状況の概要図、第5図は実施例2に係るチタン板の
脱スケール状況の概要図、第6図は実施例3に係るチタ
ン板の脱スケール状況の概要図、第7図は実施例4に係
る浸漬用ロールの胴部表面積に対する犠牲陽極の表面積
率とスパーク傷発生頻度との関係を示す図、第8図は実
施例4に係る脱スケール材のチタン板に対する浸漬用ロ
ールの電位差に及ぼす前記表面積率の影響を示す図、第
9図は従来法に係るチタン板の脱スケール状況の概要図
である。 (1)……チタン板、(2)……導入用ロール (3)(4)……浸漬用ロール、(5)……導出用ロー
ル (6)……ソルトバス、(7)……チタン板製犠牲陽極 (8)……ボルト、(9)……犠牲陽極のチタン片 (10)……リード線、(11)……金属ロール (a)……浸漬用ロールの陰分極曲線 (b)……チタン製犠牲陽極の陽分極曲線 (c)……犠牲陽極の表面積が前記(b)の場合よりも
大きい場合のチタン製犠牲陽極の陽分極曲線

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン板を走行させながら、ソルトバスの
    上部で上下動する浸漬用ロールにより、ソルトバス中に
    順次浸漬して脱スケールするチタン板の脱スケール方法
    において、前記浸漬用ロールにチタン製の犠牲陽極を短
    絡して該ロールを電気化学的に陰分極せしめることを特
    徴とするチタン板の脱スケール方法。
  2. 【請求項2】前記犠牲陽極が、前記ロールの一部に直接
    取り付けられたチタン片である請求項1に記載のチタン
    板の脱スケール方法。
  3. 【請求項3】前記犠牲陽極が、リード線により前記ロー
    ルに短絡されたチタン片である請求項1に記載のチタン
    板の脱スケール方法。
  4. 【請求項4】前記犠牲陽極が、リード線を介して前記ロ
    ールに短絡された前記チタン板である請求項1に記載の
    チタン板の脱スケール方法。
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