JP2797607B2 - 防虫装置付き組み合わせ家具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ゴキブリ等の侵入を防止する電撃式防虫装
置付き組み合わせ家具に関するものである。

従来の技術 従来のこの種の組み合わせ家具は、第６図に示すよう
に、複数の収納キャビネット１を組み合わせてなる家具
において、前記各収納キャビネットの開口部を独立して
囲む電撃用の電極体２を設け、電源３に接続されたプラ
ス，マイナス極の一対の母線４を、ウォールキャビネッ
ト部５の上方と、トールキャビネット部６等の背部、及
びフロアキャビネット部７のワークトップ８下面に、各
収納キャビネットに連続するよう配線し、各電極体２を
リード線９で母膜に結線した構成としてなるものであっ
た。

発明が解決しようとする課題 このような従来の構成では、母線を各キャビネット部
に引き回す際、母線４は長い一対の連続した線で構成さ
れているため、引き回しにくく、またキャビネット背部
の壁面を通す部分においては、キャビネットの背部に母
線を通すための逃げとして切り欠き10を設ける必要があ
り、施工性に難点があった。またメンテナンス性に関し
ては、母線４がワークトップ８下面に配されているため
ワークトップ８の取外しが必要となったり、電極体２の
短絡発生箇所を電気的に調べる場合、各収納キャビネッ
ト１のリード線９を母線４から順番にはずしていかなけ
ればならないという課題があった。

本発明はこのような課題を解決するもので、組み合わ
せ家具における防虫装置の配線作業及びメンテナンス性
を容易にしたものである。

課題を解決するための手段 本発明の防虫装置付き組み合わせ家具は、組み合わさ
れた複数の収納キャビネットの開口部にそれぞれ独立し
て、前記開口部を囲む防虫電撃用の電極体を設け、電源
に接続され、かつ、各収納キャビネットに連続する母線
を配線し、前記母線は上方設置のキミビネットと天井面
との空間に配した上部撚り電線と、床面設置キャビネッ
トの蹴込み部空間に配した下部撚り電線と、床面から天
井部に連続したキャビネット設置部の壁面に配した２芯
平電線からなり、前記の上部撚り電線と下部撚り電線は
２芯平電線を介してコネクターで接続自在とし、前記の
各電撃用の電極体をリード線により、上部撚り電線又は
下部撚り電線に結線したものである。

作用 本発明の防虫装置付き組み合わせ家具は、母線を上部
撚り電線,2芯平電線及び下部撚り電線の３種で構成し、
各線をコネクターで連結接続できるようにしているた
め、各線の長さは短かく配線引き回しが容易となる。ま
たコネクターをはずせば母線は３種に分断されるため、
電極の短絡発生箇所を電気的に調べるにあたって、３種
のうちどの線に結がっている電極なのかをすばやく判定
することができる。なおかつ、２芯平行線は厚みが極め
て薄いため、配線のためのスペースが不要であり、撚り
電線は任意の位置で線の撚りを広げてリード線を接続で
きるため、作業が極めて容易なるものである。

実 施 例 以下、本発明の一実施例について、図面を参照しなが
ら説明する。

図において、１は前面開口を、扉２で開閉するように
した複数の収納キャビネットで、収納キャビネット１は
それぞれの前面開口部を囲む防虫電撃用の電極体３が取
付けられている。電極体３は小許の絶縁間隔４を介して
並設した一対の導電帯５がループ状に形成されたもので
あり、この一対の導電帯５間に電源６により直流電圧を
加えておくと、ゴキブリ等の虫の肢や触角が一対の導電
帯５間にまたがって接触するとゴキブリに電撃が加わ
り、それを撃退するものである。７は各収納キャビネッ
ト１の電極体３を電気的に接続するための母線であり、
母線７は上方に設置されたウォールキャビネット８と天
井面９との空間に沿って配置された２本のビニル電線等
を撚ってなる上部撚り電線10と、床面11に設置されたフ
ロアキャビネット12の蹴込み空間13に沿って配置された
前記と同様の下部撚り電線14と床面11から天井面９に連
続したトールキャビネット15設置部の壁面16に沿って配
置された、厚みが0.3mm程度以下でフラットに形成され
たる２芯平電線17の３種の電線により構成されている。

また上部撚り電線10と下部撚り電線14はコネクター18
により、２芯平電線17を介して接続されている。各電極
体３より導出したリード線19は、圧接式タップ20によ
り、上部撚り電線10又は下部撚り電線14にそれぞれ接続
され、ここで各収納キャビネット１の電極体３はすべて
電気的に結がった状態となる。

なお母線７はプラス極とマイナス極の一対の線で構成
されており、各電極体３の導電帯５の内側と外側が異極
になるように、リード線19は母線７につながれている。
また圧接式タップ20は、電線の絶縁被覆の上からタップ
20をかしめると、タップ20の接続子が絶縁被覆を突き破
って自動的に電気接続ができるものである。リード線19
を接続する任意の位置で上下撚り電線10,14の撚りを広
げて接続する。

次に、収納キャビネット１の一部に設けられた電源６
が電極体３に結がれ、防虫装置は作動状態となる。

なお、本実施例では蹴込み板21の上部に配線格納用の
隙間22を設け、ここから結線が完了した電線を蹴込みの
奥に格納し、配線カバー23をはめ込めるようになってい
る。また、蹴込み板21の前方取付ねじをはずして配線を
奥に格納することも可能である。

上記構成において、母線７は上部撚り電線10と下記撚
り電線14及び２芯平電線17に３分割されているため、収
納キャビネット１の各ブロックごとに母線７を引き回し
て後、接続すればよいため、一本の連続した長い母線を
引き回す場合に比べて作業が非常に容易である。

また母線７の立ち上げ部は、厚みの極めて薄い２芯平
電線17で構成されており、壁面に沿って配線する際、キ
ャビネット背部に電線を通す逃げとしての切り欠きを設
ける必要がなく、キャビネットを壁面にそのまま直付し
ても断線しない構造となっているため、配線作業に際す
る付帯作業を廃除することができる。

また上下撚り電線10,14は、２本の線を一本にまとめ
ながら、しかも任意の位置でリード線19をタップ20で接
続できるため、極めて作業性が良い。

次に電極体３は時として短絡状態となる不良箇所が発
生する場合があるが、このとき母線７のコネクター18を
はずして、上下キャビネットを電気的に遮断した状態
で、上部撚り電線10の接続側電極体と下部撚り電線14の
接続側電極体の絶縁状態を、テスター等で測定すれば、
上下のいずれの方に不良箇所が生じたかを判別できるた
め、不良の発生した側だけを調べれば良いため補修作業
を半減させることもできる。

発明の効果 以上の実施例の説明により明らかなように、本発明に
よれば、以下の効果を奏する。

（１） 組み合わせ家具に装着された防虫装置における
配線の引き回し性の向上，配線接続性の向上，配線の際
に付随するキャビネット切欠き加工などの廃除により配
線施工性の改善が行える。

（２） 防虫装置のメンテナンスを行う際、配線接続部
を組み合わせ家具の最上部と最下部に位置させているた
め、接続部を容易に前方に引き出せ、また組み合わせ家
具全体の電気接続を行なう母線が３分割に構成されてい
るため、防虫電撃用の電極体の絶縁不良部チェックが効
果的に行えるため、メンテナンス性が極めて良好であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す防虫装置付き組み合わ
せ家具の斜視図、第２図は同配線図、第３図は同縦断面
図、第４図は同要部縦断面図、第５図は同要部斜視図、
第６図は従来例を示す防虫装置付き組み合わせ家具の斜
視図である。 １……収納キャビネット、３……電極体、６……電源、
７……母線、10……上部撚り電線、14……下部撚り電
線、17……２芯平電線、18……コネクター、19……リー
ド線。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A47B 77/00 - 77/18 A47B 97/00

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】組み合わされた複数の収納キャビネットの
   開口部にそれぞれ独立して、前記開口部を囲む防虫電撃
   用の電極体を設け、電源に接続され、かつ、各収納キャ
   ビネットに連続する母線を配着し、前記母線は上方設置
   のキミビネットと天井面との空間に配した上部撚り電線
   と、床面設置キャビネットの蹴込み部空間に配した下部
   撚り電線と、床面から天井部に連続したキャビネット設
   置部の壁面に配した２芯平電線からなり、前記の上部撚
   り電線と下部撚り電線は２芯平電線を介してコネクター
   で接続自在とし、前記の各電撃用の電極体をリード線に
   より、上部撚り電線又は下部撚り電線に結線してなる防
   虫装置付き組み合わせ家具。