JP2797290B2 - フロントサスペンション装置のジオメトリー制御装置 - Google Patents
フロントサスペンション装置のジオメトリー制御装置Info
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- JP2797290B2 JP2797290B2 JP3394091A JP3394091A JP2797290B2 JP 2797290 B2 JP2797290 B2 JP 2797290B2 JP 3394091 A JP3394091 A JP 3394091A JP 3394091 A JP3394091 A JP 3394091A JP 2797290 B2 JP2797290 B2 JP 2797290B2
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- Japan
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- drive
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フロントサスペンショ
ン装置のジオメトリー制御装置に関し、特にそのジオメ
トリー制御によりトルクステアの発生を防止するフロン
トサスペンション装置のジオメトリー制御装置に関す
る。
ン装置のジオメトリー制御装置に関し、特にそのジオメ
トリー制御によりトルクステアの発生を防止するフロン
トサスペンション装置のジオメトリー制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、FF車(前輪駆動車)や4WD
車(4輪駆動車)においては、発進時や加速時に駆動力
により生じるキングピン回りのモーメントの左右差か
ら、トルクステアが発生し易く、その場合、ハンドルが
取られたり車両が偏向したりして走行状態が不安定にな
ることが知られている。
車(4輪駆動車)においては、発進時や加速時に駆動力
により生じるキングピン回りのモーメントの左右差か
ら、トルクステアが発生し易く、その場合、ハンドルが
取られたり車両が偏向したりして走行状態が不安定にな
ることが知られている。
【0003】従来のこのキングピン回りのモーメントの
左右の差は、主に左右のドライブシャフトの折れ角の違
いにより生じていた。すなわち、図6に示すように、左
右ドライブシャフトの上下折れ角をθL 、θR 、車輪W
の半径(タイヤ半径)をd、左右キングピン軸(図中K
/P軸で示している)とタイヤセンターの距離をeL、
eR 、駆動軸トルクをT、左右のキングピン回りのモー
メントをML 、MR 、両モーメントML 、MR の差をΔ
Mとすれば、モーメントの左右差ΔMは、次式(1)で
表される。
左右の差は、主に左右のドライブシャフトの折れ角の違
いにより生じていた。すなわち、図6に示すように、左
右ドライブシャフトの上下折れ角をθL 、θR 、車輪W
の半径(タイヤ半径)をd、左右キングピン軸(図中K
/P軸で示している)とタイヤセンターの距離をeL、
eR 、駆動軸トルクをT、左右のキングピン回りのモー
メントをML 、MR 、両モーメントML 、MR の差をΔ
Mとすれば、モーメントの左右差ΔMは、次式(1)で
表される。
【0004】
【数1】 そこで、従来のフロントサスペンション装置では、この
キングピン回りのモーメントの左右差ΔMを零に近付け
るため、距離寸法eL 、eR を等しくして左右のキング
ピンオフセット量を等しくするとともに、初期のドライ
ブシャフトの上下折れ角θL 、θR を極力等しく設定
し、これによってトルククステアが極力発生しないよう
にしていた。なお、この種のサスペンション装置として
は、例えば図5に示すようなものがある。このフロント
サスペンション装置はダブルウィッシュボーン式のもの
であり、同図において、1は車輪Wを回転自在に支持す
るナックルスピンドル、2は車体側部材、3はナックル
スピンドル1と車体側部材2との間に設けられたアッパ
ーリンク、4はナックルスピンドル1と車体側部材2と
の間に設けられたロアリンク、5はアッパーリンク3の
基端部を上下回動可能に支持する支持部材、6は支持部
材5を車体側部材2に取り付けるための取付けボルト、
7はスタビライザーである。
キングピン回りのモーメントの左右差ΔMを零に近付け
るため、距離寸法eL 、eR を等しくして左右のキング
ピンオフセット量を等しくするとともに、初期のドライ
ブシャフトの上下折れ角θL 、θR を極力等しく設定
し、これによってトルククステアが極力発生しないよう
にしていた。なお、この種のサスペンション装置として
は、例えば図5に示すようなものがある。このフロント
サスペンション装置はダブルウィッシュボーン式のもの
であり、同図において、1は車輪Wを回転自在に支持す
るナックルスピンドル、2は車体側部材、3はナックル
スピンドル1と車体側部材2との間に設けられたアッパ
ーリンク、4はナックルスピンドル1と車体側部材2と
の間に設けられたロアリンク、5はアッパーリンク3の
基端部を上下回動可能に支持する支持部材、6は支持部
材5を車体側部材2に取り付けるための取付けボルト、
7はスタビライザーである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のフロントサスペンション装置にあっては、左
右のキングピンのオフセット量を固定にしていたため、
キングピン回りのモーメントの左右差ΔMを零にするた
めには、ドライブシャフトの上下の折れ角θL 、θR を
常に等しく保つ必要がある。ところが、次のような理由
からドライブシャフトの上下折れ角θL 、θR を常に等
しくはできず、上述したトルククステアの発生を確実に
防止することはできなかった。
うな従来のフロントサスペンション装置にあっては、左
右のキングピンのオフセット量を固定にしていたため、
キングピン回りのモーメントの左右差ΔMを零にするた
めには、ドライブシャフトの上下の折れ角θL 、θR を
常に等しく保つ必要がある。ところが、次のような理由
からドライブシャフトの上下折れ角θL 、θR を常に等
しくはできず、上述したトルククステアの発生を確実に
防止することはできなかった。
【0006】 サスペンションジオメトリー上の制限
から初期のドライブシャフト上下折れ角θL 、θR を等
しくするのが困難である(例えば、不等長ドライブシャ
フトを使用する場合) 加速時のエンジンロールやス
カットによるフロントリフトが生じる際、ドライブシャ
フトの上下折れ角θL 、θR が不規則に変化する。
から初期のドライブシャフト上下折れ角θL 、θR を等
しくするのが困難である(例えば、不等長ドライブシャ
フトを使用する場合) 加速時のエンジンロールやス
カットによるフロントリフトが生じる際、ドライブシャ
フトの上下折れ角θL 、θR が不規則に変化する。
【0007】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
なされたものであり、駆動トルクの大きさに応じてキン
グピンオフセット量を可変制御するジオメトリー制御装
置を実現することにより、キングピン回りのモーメント
が常に左右等しくなるようにサスペンションジオメトリ
ーを制御して、トルクステアの発生を確実に防止するこ
とを目的とする。
なされたものであり、駆動トルクの大きさに応じてキン
グピンオフセット量を可変制御するジオメトリー制御装
置を実現することにより、キングピン回りのモーメント
が常に左右等しくなるようにサスペンションジオメトリ
ーを制御して、トルクステアの発生を確実に防止するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明は、ドライブシャフトから車輪への駆動トルクを検
知する駆動トルク検知手段と、車体側部材とフロントサ
スペンション装置の少なくとも1つのサスペンションリ
ンクとの間に設けられ、該サスペンションリンクを変位
させてキングピンオフセット量を可変するオフセット量
可変手段と、駆動トルク検知手段の出力と所定の記憶デ
ータに基づき、車輪の駆動力により生じるキングピン回
りのモーメントの左右差を減少させるように、オフセッ
ト量可変手段の作動を制御する制御手段と、を備えたこ
とを特徴とするものである。
発明は、ドライブシャフトから車輪への駆動トルクを検
知する駆動トルク検知手段と、車体側部材とフロントサ
スペンション装置の少なくとも1つのサスペンションリ
ンクとの間に設けられ、該サスペンションリンクを変位
させてキングピンオフセット量を可変するオフセット量
可変手段と、駆動トルク検知手段の出力と所定の記憶デ
ータに基づき、車輪の駆動力により生じるキングピン回
りのモーメントの左右差を減少させるように、オフセッ
ト量可変手段の作動を制御する制御手段と、を備えたこ
とを特徴とするものである。
【0009】
【作用】本発明では、駆動トルク検知手段の出力と所定
の記憶データに基づいてオフセット量可変手段の作動が
制御されるとき、該可変手段によりサスペンションリン
クが変位されてキングピンオフセット量が適宜可変さ
れ、これによって、車輪の駆動力により生じるキングピ
ン回りのモーメントの左右差が減少する。
の記憶データに基づいてオフセット量可変手段の作動が
制御されるとき、該可変手段によりサスペンションリン
クが変位されてキングピンオフセット量が適宜可変さ
れ、これによって、車輪の駆動力により生じるキングピ
ン回りのモーメントの左右差が減少する。
【0010】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1〜図4は本発明に係るフロントサスペンション装置の
ジオメトリー制御装置の一実施例を示す図であり、本発
明をダブルウィッシュボーン式のフロントサスペンショ
ン装置に適用した例を示している。なお、上述した従来
のフロントサスペンション装置と同一の構成について
は、同一符号を用いて説明する。
1〜図4は本発明に係るフロントサスペンション装置の
ジオメトリー制御装置の一実施例を示す図であり、本発
明をダブルウィッシュボーン式のフロントサスペンショ
ン装置に適用した例を示している。なお、上述した従来
のフロントサスペンション装置と同一の構成について
は、同一符号を用いて説明する。
【0011】まず、構成を説明する。図1、図2におい
て、11はトランスミッション、12はこのトランスミッシ
ョン11からの駆動トルクにより車輪Wを駆動するドライ
ブシャフトであり、13はそのドライブシャフト12から車
輪Wへの駆動トルクTを検知する歪ゲージ等の駆動トル
クセンサ(駆動トルク検知手段)である。ここでドライ
ブシャフト12は回転するため、駆動トルクセンサ13は、
ドライブシャフト12側の配線14a、14bとトランスミッ
ション11側の15a、15bとをスリップリング16、17で接
続することにより、後述する制御回路30の入力ポートに
接続されている。
て、11はトランスミッション、12はこのトランスミッシ
ョン11からの駆動トルクにより車輪Wを駆動するドライ
ブシャフトであり、13はそのドライブシャフト12から車
輪Wへの駆動トルクTを検知する歪ゲージ等の駆動トル
クセンサ(駆動トルク検知手段)である。ここでドライ
ブシャフト12は回転するため、駆動トルクセンサ13は、
ドライブシャフト12側の配線14a、14bとトランスミッ
ション11側の15a、15bとをスリップリング16、17で接
続することにより、後述する制御回路30の入力ポートに
接続されている。
【0012】また、20は、アッパーリンク3の基端部を
上下回動可能に支持する支持機構である。この支持機構
20は、両端側でブッシュ18、19を介してアッパーリンク
3の基端部3a、3bに連結されたピン軸21と、このピ
ン軸21と直交しつつピン軸21に回転自在に結合した一端
部22a、23a及び所定のねじが形成された他端部22b、
23bを有する2本のピン軸取付ボルト22、23と、両ピン
軸取付ボルト22、23の他端部22b、23bがねじ結合した
車体側取付ねじ部24、25と、ピン軸取付ボルト22、23の
他端部22b、23bに連結されてピン軸取付ボルト22、23
を回転駆動する駆動モータ26、27とを具備している。
上下回動可能に支持する支持機構である。この支持機構
20は、両端側でブッシュ18、19を介してアッパーリンク
3の基端部3a、3bに連結されたピン軸21と、このピ
ン軸21と直交しつつピン軸21に回転自在に結合した一端
部22a、23a及び所定のねじが形成された他端部22b、
23bを有する2本のピン軸取付ボルト22、23と、両ピン
軸取付ボルト22、23の他端部22b、23bがねじ結合した
車体側取付ねじ部24、25と、ピン軸取付ボルト22、23の
他端部22b、23bに連結されてピン軸取付ボルト22、23
を回転駆動する駆動モータ26、27とを具備している。
【0013】ここでピン軸取付ボルト22、23は、駆動モ
ータ26、27により正逆回転駆動されて所定範囲内で進退
動し、アッパーリンク3の先端部3cから車体側取付ね
じ部24、25を固着した車体側部材2までの距離(以下、
これをアッパーリンク長さという。)を増減させること
ができる。そして、このアッパーリンク長さの増減によ
ってキングピン角度(仮想キングピン軸の倒れ角)が変
化し、キングピンオフセット量が変化する。すなわち、
支持機構20は、車体側部材2とアッパーリンク3(フロ
ントサスペンション装置の少なくとも1つのサスペンシ
ョンリンク)との間に設けられたオフセット量可変手段
であり、この支持機構20は、アッパーリンク3を車幅方
向に変位させてキングピンオフセット量を可変する。
ータ26、27により正逆回転駆動されて所定範囲内で進退
動し、アッパーリンク3の先端部3cから車体側取付ね
じ部24、25を固着した車体側部材2までの距離(以下、
これをアッパーリンク長さという。)を増減させること
ができる。そして、このアッパーリンク長さの増減によ
ってキングピン角度(仮想キングピン軸の倒れ角)が変
化し、キングピンオフセット量が変化する。すなわち、
支持機構20は、車体側部材2とアッパーリンク3(フロ
ントサスペンション装置の少なくとも1つのサスペンシ
ョンリンク)との間に設けられたオフセット量可変手段
であり、この支持機構20は、アッパーリンク3を車幅方
向に変位させてキングピンオフセット量を可変する。
【0014】30は、駆動トルクセンサ13及び駆動モータ
26、27に接続する制御回路である。この制御信号30は、
図示しないCPU、RAM、ROM及びI/O回路等を
含んでなり、前記ROM内に予め格納された制御プログ
ラムに従って所定の処理を実行し、駆動トルクセンサ13
の検知トルクに応じた制御信号を駆動モータ26、27に出
力してアッパーリンク長さを制御する。
26、27に接続する制御回路である。この制御信号30は、
図示しないCPU、RAM、ROM及びI/O回路等を
含んでなり、前記ROM内に予め格納された制御プログ
ラムに従って所定の処理を実行し、駆動トルクセンサ13
の検知トルクに応じた制御信号を駆動モータ26、27に出
力してアッパーリンク長さを制御する。
【0015】具体的には、制御回路30のCPUは、駆動
トルクセンサ13の検知トルクと所定の記憶データ(RO
Mに予め格納した演算式、その他後述する変換のたのデ
ータ等)に基づき、キングピンオフセット量の左右差の
最適値Lを次式(2)により演算するとともに、 L=a・tan(bT+c) ……(2) 但し、L:キングピンオフセット量の左右差の最適値 a:タイヤ径で決定される定数 b:エンジンロール特性、加振時フロントリフト量で決
定される定数 c:ドライブシャフト初期折れ角で決定される定数 その算出結果に対応するアッパーリンク長さを所定の基
準回転位置に対する駆動モータ26、27の絶対的な回転量
(ピン軸取付ボルト22、23の進退位置に対応する360 度
以上の回転量)に変換して、その回転量になるよう駆動
モータ26、27に制御信号を出力する。
トルクセンサ13の検知トルクと所定の記憶データ(RO
Mに予め格納した演算式、その他後述する変換のたのデ
ータ等)に基づき、キングピンオフセット量の左右差の
最適値Lを次式(2)により演算するとともに、 L=a・tan(bT+c) ……(2) 但し、L:キングピンオフセット量の左右差の最適値 a:タイヤ径で決定される定数 b:エンジンロール特性、加振時フロントリフト量で決
定される定数 c:ドライブシャフト初期折れ角で決定される定数 その算出結果に対応するアッパーリンク長さを所定の基
準回転位置に対する駆動モータ26、27の絶対的な回転量
(ピン軸取付ボルト22、23の進退位置に対応する360 度
以上の回転量)に変換して、その回転量になるよう駆動
モータ26、27に制御信号を出力する。
【0016】ここで、上式(2)について説明すると、
まず、図3において、左右それぞれのドライブシャフト
の上下折れ角をθL 、θR 、車輪Wの半径(タイヤ半
径)をd、左右キングピン軸とタイヤセンターの距離を
eL 、eR 、駆動軸トルクをT、左右のキングピン回り
のモーメントをML 、MR とし、モーメントML 、MR
の差をΔMとすれば、差ΔMは、上述した式(1)で表
される。そして、この式(1)にて、左右ドライブシャ
フト12の上下折れ角が等しくなく(θL ≠θR )、か
つ、キングピン回りのモーメントの左右差ΔMが零であ
ることを条件とすれば、次式(3)が求められ、
まず、図3において、左右それぞれのドライブシャフト
の上下折れ角をθL 、θR 、車輪Wの半径(タイヤ半
径)をd、左右キングピン軸とタイヤセンターの距離を
eL 、eR 、駆動軸トルクをT、左右のキングピン回り
のモーメントをML 、MR とし、モーメントML 、MR
の差をΔMとすれば、差ΔMは、上述した式(1)で表
される。そして、この式(1)にて、左右ドライブシャ
フト12の上下折れ角が等しくなく(θL ≠θR )、か
つ、キングピン回りのモーメントの左右差ΔMが零であ
ることを条件とすれば、次式(3)が求められ、
【0017】
【数2】 これを簡単な近似式に置き換えて式(2)を得ることが
できる。本実施例におけるジオメトリー制御の基本は、
上式(3)を満足するようキングピンオフセット量を最
適制御するということであり、ここでは、ドライブシャ
フト12の上下折れ角θL 、θR を、初期折れ角、エンジ
ンロール特性、加振時フロントリフト量等によって決ま
る駆動トルクTの関数と考えている。
できる。本実施例におけるジオメトリー制御の基本は、
上式(3)を満足するようキングピンオフセット量を最
適制御するということであり、ここでは、ドライブシャ
フト12の上下折れ角θL 、θR を、初期折れ角、エンジ
ンロール特性、加振時フロントリフト量等によって決ま
る駆動トルクTの関数と考えている。
【0018】すなわち、制御回路30は、駆動トルクセン
サ13の出力と前記所定の記憶データに基づき、車輪Wの
駆動力により生じるキングピン回りのモーメントの左右
差を零に近付ける(減少させる)ように、支持機構20の
駆動モータ26、27を駆動し、前記アッパーリンク長さを
リアルタイムで最適制御する制御手段である。次に、作
用を説明する。
サ13の出力と前記所定の記憶データに基づき、車輪Wの
駆動力により生じるキングピン回りのモーメントの左右
差を零に近付ける(減少させる)ように、支持機構20の
駆動モータ26、27を駆動し、前記アッパーリンク長さを
リアルタイムで最適制御する制御手段である。次に、作
用を説明する。
【0019】このような構成を有する本実施例では、車
両の走行中において、所定時間毎に図4に示すような処
理が繰り返し実行される。その毎回の処理においては、
まず、駆動トルクセンサ13の出力から駆動トルクTが読
み込まれ(ステップP11)、次いで、キングピンオフセ
ット量の左右差の最適値、すなわち、キングピン回りの
モーメントの左右差を零に近付けるのに最適な値Lが上
式(2)により演算される(ステップP12)。次いで、
この算出結果に対応する前記アッパーリンク長さとなる
ように、算出値Lが駆動モータ26、27の回転量(ピン軸
取付ボルト22、23を最適な進退位置に移動させるための
回転量)に換算され(ステップP13)、その回転量に対
応する制御信号が駆動モータ26、27に出力される(ステ
ップP14)。したがって、キングピン回りのモーメント
の左右差が零になるよう支持機構20の駆動モータ26、27
が駆動制御され、前記アッパーリンク長さがリアルタイ
ムで最適制御される。
両の走行中において、所定時間毎に図4に示すような処
理が繰り返し実行される。その毎回の処理においては、
まず、駆動トルクセンサ13の出力から駆動トルクTが読
み込まれ(ステップP11)、次いで、キングピンオフセ
ット量の左右差の最適値、すなわち、キングピン回りの
モーメントの左右差を零に近付けるのに最適な値Lが上
式(2)により演算される(ステップP12)。次いで、
この算出結果に対応する前記アッパーリンク長さとなる
ように、算出値Lが駆動モータ26、27の回転量(ピン軸
取付ボルト22、23を最適な進退位置に移動させるための
回転量)に換算され(ステップP13)、その回転量に対
応する制御信号が駆動モータ26、27に出力される(ステ
ップP14)。したがって、キングピン回りのモーメント
の左右差が零になるよう支持機構20の駆動モータ26、27
が駆動制御され、前記アッパーリンク長さがリアルタイ
ムで最適制御される。
【0020】このように本実施例においては、駆動トル
クTの大きさに応じて前記アッパーリンク長さを最適制
御し、キングピン回りのモーメントが常に左右等しくな
るようにキングピンオフセット量(サスペンションジオ
メトリー)を制御している。したがって、左右ドライブ
シャフトの上下折れ角θL 、θR が異なる車両におい
て、あるいは、走行中に折れ角θL 、θR が不規則に変
動する車両にあっても、トルクステアの発生を確実に防
止することができる。
クTの大きさに応じて前記アッパーリンク長さを最適制
御し、キングピン回りのモーメントが常に左右等しくな
るようにキングピンオフセット量(サスペンションジオ
メトリー)を制御している。したがって、左右ドライブ
シャフトの上下折れ角θL 、θR が異なる車両におい
て、あるいは、走行中に折れ角θL 、θR が不規則に変
動する車両にあっても、トルクステアの発生を確実に防
止することができる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、ドライブシャフトから
車輪への駆動トルクの大きさに応じてオフセット量可変
手段を作動させ、車輪の駆動力によるキングピン回りの
モーメントが常に左右等しくなるようにキングピンオフ
セット量を制御しているので、左右ドライブシャフトの
折れ角が異なったり変動したりする車両にあっても、ト
ルクステアの発生を確実に防止することができる。
車輪への駆動トルクの大きさに応じてオフセット量可変
手段を作動させ、車輪の駆動力によるキングピン回りの
モーメントが常に左右等しくなるようにキングピンオフ
セット量を制御しているので、左右ドライブシャフトの
折れ角が異なったり変動したりする車両にあっても、ト
ルクステアの発生を確実に防止することができる。
【図1】本発明に係るフロントサスペンション装置のジ
オメトリー制御装置の一実施例を示すその要部平面図で
ある。
オメトリー制御装置の一実施例を示すその要部平面図で
ある。
【図2】一実施例の駆動トルクセンサの取付け状態を示
すドライブシャフト基端部近傍の正面図である。
すドライブシャフト基端部近傍の正面図である。
【図3】一実施例の作用説明図である。
【図4】一実施例のジオメトリー制御の流れを示すフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
【図5】従来例のフロントサスペンション装置の斜視図
である。
である。
【図6】従来例の課題の説明図である。
1 ナックルスピンドル(車輪支持部材) 2 車体側部材 3 アッパーリンク(サスペンションリンク) 4 ロアリンク(サスペンションリンク) 12 ドライブシャフト 13 駆動トルクセンサ(駆動トルク検知手段) 20 支持機構(オフセット量可変手段) 21 ピン軸 22、23 ピン軸取付ボルト 24、25 車体側取付ねじ部 26、27 駆動モータ 30 制御回路(制御手段) eL 、eR 左右キングピン軸とタイヤセンターの距
離 T 駆動軸トルク ML 、MR 左右のキングピン回りのモーメント W 車輪 θL 、θR 左右ドライブシャフトの上下折れ角
離 T 駆動軸トルク ML 、MR 左右のキングピン回りのモーメント W 車輪 θL 、θR 左右ドライブシャフトの上下折れ角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60G 17/015
Claims (1)
- 【請求項1】ドライブシャフトから車輪への駆動トルク
を検知する駆動トルク検知手段と、車体側部材とフロン
トサスペンション装置の少なくとも1つのサスペンショ
ンリンクとの間に設けられ、該サスペンションリンクを
変位させてキングピンオフセット量を可変するオフセッ
ト量可変手段と、駆動トルク検知手段の出力と所定の記
憶データに基づき、車輪の駆動力により生じるキングピ
ン回りのモーメントの左右差を減少させるように、オフ
セット量可変手段の作動を制御する制御手段と、を備え
たことを特徴とするフロントサスペンション装置のジオ
メトリー制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3394091A JP2797290B2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | フロントサスペンション装置のジオメトリー制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3394091A JP2797290B2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | フロントサスペンション装置のジオメトリー制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04274913A JPH04274913A (ja) | 1992-09-30 |
JP2797290B2 true JP2797290B2 (ja) | 1998-09-17 |
Family
ID=12400507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3394091A Expired - Lifetime JP2797290B2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | フロントサスペンション装置のジオメトリー制御装置 |
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JP (1) | JP2797290B2 (ja) |
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-
1991
- 1991-02-28 JP JP3394091A patent/JP2797290B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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