JP2796594B2 - イミノジ酢酸基と金属との錯体を有する複合機能濾過膜およびその製造法 - Google Patents

イミノジ酢酸基と金属との錯体を有する複合機能濾過膜およびその製造法

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JP2796594B2 JP1023795A JP2379589A JP2796594B2 JP 2796594 B2 JP2796594 B2 JP 2796594B2 JP 1023795 A JP1023795 A JP 1023795A JP 2379589 A JP2379589 A JP 2379589A JP 2796594 B2 JP2796594 B2 JP 2796594B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、バイオテクノロジーに関連した分野におけ
る用水中に含まれるタンパク質と非イオン性物質を同時
に分離、除去する有用なタンパク質吸着用の膜に関す
る。
(従来の技術) タンパク質の分析や分離精製用として、数種のビーズ
状アフィニティ吸着剤が市販されている。しかしなが
ら、ビーズ状吸着剤をカラムに充填して用いるとき、タ
ンパク質の樹脂内部への拡散を速めるために、粒子径は
10μm程度としているので圧力損失が非常に大きい。こ
のことが工業規格でのクロマトグラフィー、すなわち、
分取クロマトグラフィーにアフィニティビーズを使用す
るときの欠点である。アフィニティリガンドへのタンパ
ク質の接近を、拡散ではなく対流によって行うことが有
利であるというアイデアから、バイオアフィニエィメン
ブレンの検討が進められているが、機能の付与に伴って
微細孔が狭められ透水性能の低下が生じるため、前記の
課題を完全に克服することは困難であった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、バイオプロダクトの分離技術において、非
イオン性微粒子を除去する多孔性のマイクロ濾過膜に、
アフィニティリガンドであるイミノジ酢酸基と金属との
錯体を導入して、溶液中のタンパク質を吸着捕集により
分離、濃縮、精製することが可能なタンパク質吸着用の
膜を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究した
結果、ポリオレフィンまたはオレフィンとハロゲン化オ
レフィンの共重合体からなる多孔膜に、イミノジ酢酸基
と金属との錯体を固定化することにより、溶液中のタン
パク質を効率よく吸着分離することが可能であり、化学
的、物理的に安定なタンパク質吸着用の膜が得られるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリオレフィンまたはオレフィ
ンとハロゲン化オレフィンの共重合体からなる多孔膜
に、イミノジ酢酸基と金属との錯体が固定化されてなる
ことを特徴とするイミノジ酢酸基と金属との錯体を有す
るタンパク質吸着用の膜である。
本発明において基材膜である多孔膜は、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスルホ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、またはエチレン、プ
ロピレン、ブテン、ヘキセンなどのオレフィンとテトラ
フルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンなどの
ハロゲン化オレフィンとの共重合体からなるものであ
る。
この基材膜の構造は、平膜状または中空糸状で、平均
孔径が0.01〜10μmのものが好ましい。
基材膜にグラフトされる重合性単量体は、グリシジル
メタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジル
ソルベート、グリシジルメタイタコナート、エチルグリ
シジルマレアート、グリシジルビニルスルホナートなど
が用いられ、エポキシ基を含有するものであれば限定さ
れるものではないが、グリシジルメタクリレートおよび
グリシジルアクリレートなどが好適である。
本発明のグラフト重合に際して用いる電離性放射線
は、α線、β線、γ線、加速電子線、X線、紫外線など
であるが、実用的には加速電子線またはγ線が望まし
い。
基材膜に重合性単量体をグラフト重合させる方法とし
ては、基材膜と単量体を共存下で放射線を照射する同時
照射法と、基材膜のみに予め放射線を照射した後、単量
体と基材膜とを接触させる前照射法のいずれでも可能で
あるが、前照射法がグラフト重合以外の副反応を生成し
にくい特徴を有する。
グラフト重合の際に、基材膜を単量体と接触させる方
法は、液状の単量体あるいは単量体溶液と直接接触させ
る液相重合法と、単量体の蒸気あるいは気化状態で接触
させる気相グラフト重合法とがあるが、いずれの方法も
目的に合った選択が可能である。
イミノジ酢酸基と錯体を形成する金属としては、銅、
ニッケル、コバルト、亜鉛などが挙げられる。グラフト
重合およびイミノジ酢酸基固定化反応で得られるキレー
ト樹脂と、重金属イオンの水溶液とを接触させることに
より、イミノジ酢酸基と金属との錯体を有するタンパク
質吸着用の膜を得ることができる。このタンパク質吸着
用の膜のイミノジ酢酸基と金属との錯体の含有量は、膜
重量1g当たり0.1〜8mmolが好ましい。
(実施例) 以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は、
これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 ポリエチレン製の多孔膜中空糸(内径0.62mmφ、外径
1.24mmφ、平均孔径0.1μm)に電子線加速器(加速電
圧2Mev、電子線電流1mA)を用いて、窒素雰囲気下で200
KGyを照射した後、減圧下でグリシジルメタクリレート
の蒸気と40℃で6時間接触させ、気相グラフト重合反応
を行った。このときの重量増加率は130%であった。炭
酸ナトリウムでpHを12に調整したイミノジ酢酸ナトリウ
ムの0.4mol/水溶液中に、このグラフト膜を浸して80
℃で24時間反応させ、イミノジ酢酸器が基材膜1g当たり
2mmolのキレート形成基を有するタンパク質吸着用の膜
を得た。さらに、膜を0.01mol/の硫酸第二銅水溶液中
に浸すことにより、イミノジ酢酸基と銅との錯体をアフ
ィニティリガンドとして有するタンパク質吸着用の膜を
得た。
この中空糸膜を用いて、圧力1kg/cm2でタンパク質の
アフィニティ吸着による捕集を伴う透水試験を行った。
リン酸緩衝液でpHを6に調整した1mg/mlの牛血清アルブ
ミン水溶液を、膜の内面から外面へ透過させると、透過
流束は1m3/(m2hr)であった。膜外面から出てくる透過
液を5mlずつ分画した結果、10分画においても透過液中
の牛血清アルブミン濃度は、0.01mg/ml以下であった。
イミノジ酢酸基と金属との錯体を有するタンパク質吸着
用の膜が、牛血清アルブミンに対して明らかに優れた結
果を得た。
実施例2 ポリエチレン製の多孔性平膜(膜厚100μm、平均孔
径0.1μm)を基材膜にして、実施例1と同様な方法で
グリシジルメタクリレートをグラフトした結果、グラフ
ト率100%のグラフト膜を得た。これに実施例1と同様
にイミノジ酢酸基と金属との錯体を固定化し、イミノジ
酢酸基と金属との錯体量が基材膜1g当たり1.5mmolのタ
ンパク質吸着用の膜とした。
この平膜にリン酸緩衝液でpHを6に調整した1mg/mlの
γ−グロブリン水溶液を透過させた。このとき、透過液
中のγ−グロブリン濃度は、1時間後も0.20mg/mlであ
り、γ−グロブリンについても高い吸着性能を示した。
実施例3 ポリプロピレン製多孔膜(膜厚100μm、平均孔径0.1
μm)を基材膜として、実施例1と同様な方法でグラフ
ト重合反応、イミノジ酢酸基の固定化反応および金属イ
オンとの錯体形成反応を行った結果、グラフト率110
%、イミノジ酢酸基と金属との錯体量が基材膜1g当たり
1.5mmolのタンパク質吸着用の膜を得た。
この平膜に1mg/mlの牛血清アルブミン水溶液を0.1
濾過したときの透過液の牛血清アルブミン濃度は、0.02
mg/ml以下という優れた吸着性能を示した。
(発明の効果) 本発明により、溶液中のタンパク質に対して高い吸着
性能を示し、同時に濾過性能を備えたタンパク質吸着用
の膜を提供することができた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィンまたはオレフィンとハロゲ
    ン化オレフィンの共重合体からなる多孔膜に、イミノジ
    酢酸基と金属との錯体が固定されてなることを特徴とす
    るイミノジ酢酸基と金属との錯体を有するタンパク質吸
    着用の膜。
JP1023795A 1989-02-03 1989-02-03 イミノジ酢酸基と金属との錯体を有する複合機能濾過膜およびその製造法 Expired - Lifetime JP2796594B2 (ja)

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