JP2795377B2 - ウイックの乾燥検知方法 - Google Patents

ウイックの乾燥検知方法

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JP2795377B2 JP1123587A JP12358789A JP2795377B2 JP 2795377 B2 JP2795377 B2 JP 2795377B2 JP 1123587 A JP1123587 A JP 1123587A JP 12358789 A JP12358789 A JP 12358789A JP 2795377 B2 JP2795377 B2 JP 2795377B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、恒温恒湿器等における湿度測定、湿度制御
等に用いられる乾湿球温度測定装置における湿球温度測
定用ウイックの乾燥傾向を検知する方法に関する。
〔従来の技術〕
上記乾湿球式湿度測定装置における湿球温度の測定
は、所定水位に水を溜めたウイックパンにウイックの下
部を浸し、該ウイックの毛細管現象により水を吸い上げ
るとともに該ウイックに予め設けた湿球温度検出端にて
行うものである。
前記従来湿度測定装置によると、ウイックは毛細管現
象により水を吸い上げ蒸発させるのであるが、ウイック
を長時間使用するうちに水中の不純物によりウイックの
繊維が目詰まりし、水の吸い上げが困難になって蒸発量
が徐々に減少し、最終的には乾燥し始める。このような
乾燥はウイックパンの水からより遠い部分から進行す
る。このようにウイックが乾燥すると、正しい湿度を測
定することができない。
従来、このような問題を解決する方法として、 ウイックが乾燥傾向になると、検知する湿度は見かけ
上、上昇しにくいので(最終的に100%RH近辺にな
る)、湿度の上限警報装置を設けてウイックの乾燥傾向
を検知する、 ウイック乾燥傾向検出用のウイックを別途設けたり、
ウイックを使わないで湿度センサを採用する、という方
法があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、湿度の上限警報装置を設けるという方法で
は、警報が発せられた時点ではすでに湿度の測定結果が
ずれてしまっている。
また、別系統でウイックを設ける方法はコスト高につ
き、湿度センサでは、検出の精度が悪く、さらに該セン
サを使用できる温湿度範囲が限られている。
そこで本発明は、乾湿球式湿度測定装置における湿球
温度測定用ウイックが乾燥し始め、しかしまだ温度の測
定結果に悪影響が無い時点で、精度良く該ウイックの乾
燥傾向を検知でき、それによって正確な湿度測定に寄与
することができ、且つ前記ウイックの乾燥傾向の検知を
低コストで実現できるウイック乾燥検知方法を提供する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は前記目的に従い研究の結果、ウイックのう
ち湿球温度検出端が装着されている部分より乾燥し易い
部分、すなわちウイックパンの水からより遠く離れた部
分に第2の温度検出端を装着して該温度検出端と前記湿
球温度検出端の双方で温度を測定したとき、ウイックが
乾燥し始めると、該第2の温度検出端で検出される温度
が上昇し始めるか、または両温度検出端により検出され
る温度の差が大きくなることを見出し、本発明を完成し
た。
すなわち本発明は、第1に、湿球温度測定用ウイック
に湿球温度検出端及び該湿球温度検出端とは別の第2の
温度検出端の双方を装着し、かつ、該第2の温度検出端
は前記ウイックにおける前記湿球温度検出端の装着部よ
り乾燥し易い該ウイックの部分に装着し、前記第2の温
度検出端にて検出される温度が良め定めた値に達すると
前記ウイックが乾燥傾向にあると判断することを特徴と
するウイックの乾燥検知方法を提供するものである。
第2に、湿球温度測定用ウイックに湿球温度検出端及
び該湿球温度検出端とは別の第2の温度検出端の双方を
装着し、且つ、該第2の温度検出端は前記ウイックにお
ける前記湿球温度検出端の装着部より乾燥し易い該ウイ
ックの部分に装着し、前記両温度検出端にて検出される
温度の差が予め定めた値に達すると前記ウイックが乾燥
傾向にあると判断することを特徴とするウイックの乾燥
検知方法を提供するものである。
前記第2の方法においては、乾燥傾向検知の精度をを
上げるために、前記両温度検出端として熱電対を使用
し、該熱電対を差動熱電対となるように接続し、それに
よって得られる差動出力で前記温度差を求めてもよい。
〔作 用〕
本発明による第1の方法によると、第2の温度検出端
により検出される温度が測定され、該測定温度が予め定
めた値に達すると、前記ウイックが乾燥し始めていると
判断される。
本発明の第2の方法によると、前記湿球温度検出端お
よび第2の温度検出端の双方によって検出される温度の
差が予め定めた値に達すると、前記ウイックが乾燥し始
めていると判断される。
〔実 施 例〕
以下本発明の実施例を図面を参照して説明する。
1実施例方法によると、第1図および第2図に示すよ
うに、ウイック3がウイックパン4上方から垂らされ、
ウイックの下端部31がウイックパン4に所定水位に溜め
られた水41に浸されている。該ウイックのうち湿球温度
を測定すべき部分には、保護管11に被われた湿球温度検
出端1が装着されており、ウイックパン4から見て該湿
球温度検出端より遠い位置、すなわちより乾燥し易い位
置に保護管21に被われた第2の温度検出端2が装着され
ている。温度検出端1および2はそれぞれ熱電対であ
る。
温度検出端1および2をこのようにウイック3に装着
し、それぞれの温度検出端によって温度を検出する。
両温度検出端によって検出される温度t1、t2は、ウイ
ックが順調に水を吸い上げて乾燥しないときには、第3
図に示すように相互に近似している。しかし、ウイック
の目詰まり等により水の吸い上げが困難となり、ウイッ
クパンの水41からより遠い部分、すなわち図上ウイック
の上端部分から乾燥し始めると、第2温度検出端2によ
って検出される温度t2が次第に上昇するかまたは両温度
検出端1および2によって検出される温度の差ΔTが大
きくなる。従って該第2の温度検出端2によって検出さ
れる温度が予め定めた温度Tに達すると、あるいは両温
度検出端1および2によって検出される温度の差ΔTが
予め定めた値に達すると、ウイックが乾燥し始めている
と判断する。このようにウイックが乾燥し始めたと判断
する時点では、湿球温度検出端1はまだ正常に湿球温度
を検出することができる時点である。
前記各温度検出端により検出される温度は図示しない
表示装置により別々に表示されてもよいが、両温度検出
端により検出される温度の差を求める場合には、図示し
ない温度差指示手段に該温度差が予め定めた値に達した
ときに警報を出す機能を持たせてもよい。
また、前記両温度検出端を第5図に示すように差動熱
電対となるように接続して使用してもよく、このように
使用すれば、熱電対で誤差の原因となる室温補償回路に
関わる誤差を排除し、より高精度にウイックの乾燥傾向
を検出することができる。
ウイックへの前記両温度検出端の装着態様としては、
前述のものの他第6図や第7図に示すようなものも考え
られる。
第6図に示す装着方法では、ウイック30の上端部がウ
イックパン40上方より側方へやや突出しており、該突出
部分に第2の検出端2が装着されている。
また第7図に示す方法では、ウイック300の上端部分
がやはりウイックパン40上方より側方へ突出しており、
該突出部分に第2の温度検出端2が配置され、該検出端
2と同じ高さまたはそれより低い位置、すなわちよりウ
イックパン40に近い位置に湿球温度検出端1が配置さ
れ、これら両温度検出端が1つの保護管10によって被わ
れている。
前記何れの実施例の場合でも湿度の測定結果に影響を
与える前の時点でウイックの乾燥を始め、(ウイックの
乾燥傾向)を正確に検知することができる。従ってウイ
ックの適切な交換時期をも知ることができるという利点
もある。また、前記実施例は、温度検出端として熱電対
を採用しているから、広い温湿度範囲(通常5℃〜95℃
のほぼ全湿度域)において採用することができる。
さらに前記何れの実施例も、低コストで実現すること
ができる。
なお本発明は前記実施例に示すものの他、様々の態様
で実施することができ、例えば温度検出端には白金測温
抵抗体、サーミスタ等を採用することもできる。
〔発明の効果〕
本発明によると、乾湿球式湿度測定装置における湿球
温度測定用ウイックが乾燥し始め、しかしまだ湿度の測
定結果に悪影響が無い時点で、精度良く該ウイックの乾
燥傾向を検知でき、それによって正確な湿度測定に寄与
することができ、且つ前記ウイックの乾燥傾向の検知を
低コストで実現できるウイック乾燥検知方法を提供する
ことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の方法を説明するためのもので、第1図は
湿球温度検出端および第2の温度検出端のウイックへの
装着状態を示す正面図、第2図は第1図のX−X線に沿
う断面図、第3図はウイックが正常に水を吸い上げてい
る状態における両温度検出端により検出される温度を示
すグラフ、第4図はウイックが乾燥し始めた状態におけ
る両温度検出端により検出される温度状態を示すグラ
フ、第5図は両温度検出端に熱電対を用い、それらを差
動熱電対とした状態の説明図、第6図および第7図はそ
れぞれウイックへの両温度検出端の装着状態の他の例を
示す図である。 1……湿球温度検出端 2……第2の温度検出端 3、30、300……ウイック 4、40……ウイックパン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−96235(JP,A) 特開 昭61−222458(JP,A) 実開 昭62−1159(JP,U) 実開 昭63−105064(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 25/00 - 25/72

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】湿球温度測定用ウイックに湿球温度検出端
    及び該湿球温度検出端とは別の第2の温度検出端の双方
    を装着し、且つ、該第2の温度検出端は前記ウイックに
    おける前記湿球温度検出端の装着部より乾燥し易い該ウ
    イックの部分に装着し、前記第2の温度検出端にて検出
    される温度が予め定めた値に達すると前記ウイックが乾
    燥傾向にあると判断することを特徴とするウイックの乾
    燥検知方法。
  2. 【請求項2】湿球温度測定用ウイックに湿球温度検出端
    及び該湿球温度検出端とは別の第2の温度検出端の双方
    を装着し、且つ、該第2の温度検出端は前記ウイックに
    おける前記湿球温度検出端の装着部より乾燥し易い該ウ
    イックの部分に装着し、前記両温度検出端にて検出され
    る温度の差が予め定めた値に達すると前記ウイックが乾
    燥傾向にあると判断することを特徴とするウイックの乾
    燥検知方法。
  3. 【請求項3】前記両温度検出端として熱電対を使用し、
    該熱電対を差動熱電対となるように接続し、それによっ
    て得られる差動出力で前記温度差を求める請求項2に記
    載の方法。
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