JP2795113B2 - 部品加工性の優れた高珪素鋼板 - Google Patents

部品加工性の優れた高珪素鋼板

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JP2795113B2 JP4352037A JP35203792A JP2795113B2 JP 2795113 B2 JP2795113 B2 JP 2795113B2 JP 4352037 A JP4352037 A JP 4352037A JP 35203792 A JP35203792 A JP 35203792A JP 2795113 B2 JP2795113 B2 JP 2795113B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はトランスやモータの鉄
心材料等に使用される高珪素鋼板に関する。
【従来の技術】珪素鋼板は優れた磁気特性を有するた
め、トランスやモータの鉄心材料等に広く使用されてい
る。珪素鋼板の高周波磁気特性は珪素添加量が増加する
ほど向上するが、珪素添加量が4wt%以上になると鋼
が脆くなり、通常の圧延法では薄板とすることが困難で
ある。しかし、最近になり珪素を4wt%以上含有する
高珪素鋼薄板の製造方法が開発され(特開昭62−10
3321号)、高珪素鋼板の工業的規模での製造が可能
となった。
【0002】ところで、高珪素鋼板をトランスやモータ
等の部品として使用する場合、剪断機やプレス機等によ
る部品加工が必要となる。しかし、高珪素鋼板は脆性で
あるため加工による割れ等の欠陥が生じ易く、このた
め、その加工は特開昭62−263827号に示される
ように温間加工で行うか、或いは加工条件(例えば、剪
断加工の場合にはクリアランス)を厳密に管理して行う
必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、温間加工を行
うためには加熱設備を備えたプレス機が必要になり、ま
た、熱膨張を考慮した金型設計が必要であるため、高精
度の高価な金型が不可欠となる。また、室温で加工しよ
うとすると許容加工条件が厳しくなるため加工コストが
高くなる。例えば、プレス打抜きの場合、許容クリアラ
ンスは0〜5%であるが、プレスを続けるとクリアラン
スが大きくなるため頻繁に金型の研磨が必要となり、コ
ストを押し上げる。本発明はこのような部品加工におけ
る問題を解決し、通常の珪素鋼板用の設備で加工可能な
加工性の優れた高珪素鋼板を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは高珪素鋼板
の加工性を改善するための種々の実験、検討を行い、そ
の結果、高珪素鋼板の結晶粒界に存在する酸素が高珪素
鋼板の脆化に大きく関与していること、すなわち、粒界
酸素の存在が高珪素鋼板を加工性を阻害している最大の
要因であることを突き止めた。酸素が高純度鉄を脆化さ
せることはよく知られているが、炭素を数十ppm含有
する鋼において結晶粒界の酸素が鋼を脆化させることは
従来全く知られておらず、本発明者らの研究によって初
めて明らかになったものである。さらに、本発明者ら
は、粒界酸素を低減させた高珪素鋼板の加工性は結晶粒
の大きさに依存すること、すなわち、粒界酸素を低減さ
せた高珪素鋼板では結晶粒径を大きくすることが脆性の
防止に有効であることを見出した。すなわち、結晶粒界
の酸素濃度が小さく、且つ結晶粒径を所定の大きさに調
整した高珪素鋼板は脆性が小さく、通常設備による室温
での加工が可能な程度の加工性を示すことが明らかとな
った。
【0005】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その構成は以下の通りである。 (1) Si:4〜7wt%、C:0.001〜0.0
1wt%、Mn:0.01〜0.5wt%、Sol.A
l:0.001〜0.01wt%、O:0.001〜
0.01wt%、残部Feおよび不可避不純物からな
り、結晶粒界のO濃度がオージェ分光分析法のピーク高
さでFeのLMMピークの5倍以下であり、且つ平均結
晶粒径が50μm以上、2000μm以下である部品加
工性の優れた高珪素鋼板。 (2) Si:4〜7wt%、C:0.001〜0.0
1wt%、Mn:0.01〜0.5wt%、Sol.A
l:0.001〜0.01wt%、O:0.001〜
0.01wt%、B:0.001〜0.01wt%、残
部Feおよび不可避不純物からなり、結晶粒界のO濃度
がオージェ分光分析法のピーク高さでFeのLMMピー
クの5倍以下であり、且つ平均結晶粒径が50μm以
上、2000μm以下である部品加工性の優れた高珪素
鋼板。
【0006】
【作用】高珪素鋼板の結晶粒界に存在するO濃度および
平均結晶粒径が加工性に及ぼす影響を調べた。その結果
を図1に示す。この試験では、表1に示す組成の高珪素
鋼板について最終熱処理条件を種々変化させることによ
り、粒界O濃度と平均結晶粒径が異なる鋼板を製造し
た。各鋼板の平均結晶粒径は熱処理温度を800〜12
00℃の範囲で変化させることにより10〜2100μ
mに調整し、また、粒界酸素量は熱処理雰囲気の真空度
を5torr〜1×(1/105)torrの範囲で変
化させることにより調整した。
【0007】結晶粒界のO濃度は、試料をオージェ分光
分析器中で破壊し、粒界破面を分析して求めたもので、
FeのLMMピーク(700〜703ev)高さに対す
るOピーク高さの比で表してある。図2はオージェ・ピ
ークの一例を示すもので、同図に示したピーク高さの比
でO濃度を規定した。オージェ分光分析器による測定で
は、所定の真空度に保たれた真空容器中において試料を
破壊し、大気に汚染されていない清浄な粒界破面を観察
しながらオージェ電子を分光するものであり、これによ
り清浄な粒界破面における元素の分析が可能である。加
工は鋼板をプレス機でモータのステイタに打抜き、剪断
面を倍率30倍の顕微鏡で観察して割れの数を測定し
た。上記プレスは、室温においてクリアランス5%、1
20SPM(ストローク/分)で行った。
【0008】図1よれば、O濃度がオージェ分光分析法
のピーク高さでFeのLMMピークの5倍を超えた鋼板
は加工性が悪く、また、Oのピーク高さがFeのLMM
ピークの5倍以下であっても、平均結晶粒径が50μm
未満の鋼板では加工性が悪い。上記試料はいずれもCを
20〜30ppm含有しており、したがって、図1に示
される結果は、従来報告されているO脆化とは全く異な
る現象であることは明らかである。また、図1に示され
る粒径と加工性との関係は、従来知られている両者の関
係とは全く逆の結果となっているが、これは、粒界の酸
素が脆化を引き起こすことから、粒界面積が小さい方
が、つまり粒径が大きい方が脆化を防ぐのに有効なため
であると推測される。
【0009】以上の理由から、本発明では結晶粒界にお
ける酸素量を、オージェ分光分析ででFeのLMMピー
ク高さに対するOのピーク高さの比(Oピーク高さ/F
eピーク高さ)で5倍以下とし、且つ平均結晶粒径を5
0μm以上とする。また、平均結晶粒径が2000μm
を超えると粒内割れが増大するので、結晶粒径の上限は
2000μmとする。
【0010】次に、本発明鋼板の基本成分の限定理由に
ついて説明する。Siが4wt%未満では高珪素鋼板と
しての高周波磁気特性が得られず、また、室温加工にお
いてもその加工性に何ら問題は生じない。一方、Siが
7wt%を超えると磁気特性が劣化する。このためSi
は4〜7wt%とする。Mnは加工性を改善するため
0.01wt%以上必要であるが、0.5wt%を超え
ると固溶硬化により加工性が害される。このためMnは
0.01〜0.5wt%とする。Cは加工性、磁気特性
を劣化させるため上限を0.01wt%とすることが望
ましい。一方、Cを0.001wt%未満まで低下させ
ると製造コストが急増するため、下限を0.001wt
%とする。
【0011】Sol.Alは加工性を損なうOを低下さ
せるために0.001wt%以上添加されることが望ま
しいが、0.01wt%以上となると加工性を害するた
め、上限を0.01wt%とする。Oは高珪素鋼板の加
工性を劣化させるため0.01wt%以下であることが
望ましいが、0.001wt%未満まで低下させるとコ
ストが上昇するため、0.001wt%を下限とする。
Bは高珪素鋼板の加工性を向上させる元素であり、0.
001wt%以上添加されることが望ましが、0.01
wt%を超えて添加すると鋼板を脆化させるため、0.
01wt%を上限とする。
【0012】
【実施例】表2の成分組成を有する板厚0.3mmの高
珪素鋼板を製造した。各々のサンプルは最終熱処理条件
を変え、平均結晶粒径と結晶粒界のO濃度を変化させ
た。すなわち、最終熱処理を800〜1200℃で15
分実施し、熱処理温度を変えることで結晶粒径を調整
し、また、熱処理雰囲気の真空度を5torr〜1×
(1/105)torrの範囲で変化させることにより
粒界O濃度を調整した。得られた鋼板は、室温でモータ
のステイタ用にプレス打抜きした。プレスはクリアラン
ス7%、120SPM(ストローク/分)で実施した。
加工後、倍率30倍の顕微鏡で割れの有無を調べた。プ
レス打抜き結果を、平均結晶粒径および粒界O濃度とと
もに表3、表4に示す。これらによれば、本発明条件を
満足する高珪素鋼板だけが室温での加工が可能であり、
優れた加工性を有していることが判る。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】高珪素鋼板の加工性に対する粒界O濃度および
平均結晶粒径の影響を示すグラフ
【図2】オージェ分光分析法により得られるオージェ・
ピークの一例を示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 303 C21D 8/12 H01F 1/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si:4〜7wt%、C:0.001〜
    0.01wt%、Mn:0.01〜0.5wt%、So
    l.Al:0.001〜0.01wt%、O:0.00
    1〜0.01wt%、残部Feおよび不可避不純物から
    なり、結晶粒界のO濃度がオージェ分光分析法のピーク
    高さでFeのLMMピークの5倍以下であり、且つ平均
    結晶粒径が50μm以上、2000μm以下である部品
    加工性の優れた高珪素鋼板。
  2. 【請求項2】 Si:4〜7wt%、C:0.001〜
    0.01wt%、Mn:0.01〜0.5wt%、So
    l.Al:0.001〜0.01wt%、O:0.00
    1〜0.01wt%、B:0.001〜0.01wt
    %、残部Feおよび不可避不純物からなり、結晶粒界の
    O濃度がオージェ分光分析法のピーク高さでFeのLM
    Mピークの5倍以下であり、且つ平均結晶粒径が50μ
    m以上、2000μm以下である部品加工性の優れた高
    珪素鋼板。
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