JP2788271B2 - 電動式の鋏 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 背景技術 本発明は、請求項１の上位概念に記載の形式の電動式
の鋏から出発する。このような形式の鋏は英国特許第13
31858号明細書に基づいて公知である。このような鋏に
は、取り扱い時に負傷の危険が生じるという欠点があ
る。その理由は、刃がガードされていないからである。

発明の利点 請求項１の特徴部に記載の本発明による鋏には、従来
のものと比べて、特殊な条件下でも取扱いが便利で、特
に安全であるという利点がある。

本発明の別の利点は請求項２以下から得られる。

図面 本発明の実施例を以下に図面につき詳しく説明する。

第１図は電動式の剪定鋏の側面図を示しており、第２
図は剪定鋏の縦断面を示しており、第３図は第２図のII
I-III線に沿った断面図を示しており、第４図および第
５図は詳細図を示している。

実施例の説明 図面には、符号１でバッテリ作動式の鋏が示されてお
り、この鋏は特に樹木を剪定するために使用される。鋏
１は細長い形状のケーシング２を有しており、このケー
シングの中央の部分はハンドグリップ３を形成してい
る。鋏１の２つの刃、つまり可動刃４と固定刃５はケー
シング２の前方部分で共通の軸６に配置されており、こ
の場合、可動刃４は旋回可能に、固定刃５は不動に配置
されているので、これによって刃の開かれた位置と、閉
じられた位置とが可能になる。可動刃４はクランク伝動
装置７を用いて開閉され、このクランク伝動装置７は、
ケーシング２の内部に設けられた電動モータ９の軸８に
よって駆動される。このクランク伝動装置７はリンク10
を有しており、このリンク10の一方の端部11にはアーム
12が枢着されている。このアーム12は可動刃４と固く結
合されている。リンク10の他方の端部はピン14に枢着さ
れており、このピン14は歯車15に固定されている。歯車
15はウォーム16と噛み合っており、このウォーム16は電
動モータ９の軸８と相対回動不能に結合されている。ケ
ーシング２の後方部分には、電動モータ９に給電するた
めのバッテリ3a、特に充電可能なバッテリが配置されて
いる。

固定刃５には、ケーシング２の側に向けられたアーム
19が設けられており、このアーム19は長手方向スリット
を備えている。この長手方向スリットには係止つめ17が
貫通している。この係止つめ17は係止突起18を有してい
る。これにより固定刃５は所定の位置に係止されてい
る。係止つめ17はケーシング２に設けられたピン20に旋
回可能に支承されている。前記係止つめ17が図面で見て
逆時計回りの方向で運動させられ、これによって係止が
解除されると、軸６を中心にして固定刃５を旋回させる
ことができる。ただしこのことは、前記両刃4,5の間に
物体がひっかかってロックしてしいまい、この物体をこ
のようにしてしか取り除くことができない場合にしか行
われない。それ以外の場合では、固定刃５は常に係止つ
め17によって規定された位置に係止されている。

電動モータ９に給電するための電流回路はスイッチ
（図示しない）を有しており、このスイッチは始動ボタ
ン21によって操作可能である。この始動ボタン21はハン
ドグリップ３に直接並んでケーシング２に配置されてい
る。この鋏はさらに近接スイッチまたはそれに類したも
の（図示しない）を備えている。このような近接スイッ
チは、可動刃４がその閉鎖位置に到達した場合に機能す
る。鋏１はケーシング２に配置された、さらに別のスイ
ッチ30を有しており、このスイッチ30は、可動刃４に設
けられた、後方へ向かってケーシング２に突入したアー
ム12によって操作することができる。このスイッチ30は
鋏１の最大開放時に電動モータ９を停止させるので、可
動刃４は最大開放位置で停止したままとなる。

さらに電動モータ９のための電流回路は、始動ボタン
21の瞬間的な操作しか行われない場合に、電動モータ９
が接続されて可動刃４が開放位置から閉鎖位置にまで運
動させられ、続いて電動モータ９が前記近接スイッチに
より切り換えられて、可動刃４を開放位置にまでもたら
し、その後に電動モータ９が遮断されるように構成され
ている。したがって電動モータ９が停止している状態で
可動刃４は開かれている。さらに一層高い安全性を保証
するためには、ハンドグリップ３の範囲でピン23にレバ
ー22が枢着されており、このレバー22は別のスイッチ
（図示しない）を操作し、このスイッチにより前記電流
回路が閉じられる。すなわち、鋏１を作動させるために
はレバー22が押し下げられていなければならないので、
使用者の手がレバー22を押し下げていないと鋏を作動さ
せることができなくなる。これによって鋏１は始動ボタ
ン21の誤操作によってリリースされることがなくなり、
ひいては使用者に対する負傷の危険も減じられる。

安全性の理由から両刃4,5のすぐ近くの範囲で、しか
も両刃4,5の側方に、扁平に形成された、移動可能なガ
ード部材24が配置されている。このガード部材24は両刃
4,5の間のギャップをガードする。このガード部材24か
らは、アーム状の突出部がケーシング２に突入してい
る。このガード部材24の突出部には、ケーシング２に配
置された引張ばね25が作用しており、この場合、この引
張ばね25は前記ガード部材24を外方に向かって両刃4,5
の範囲へ、しかも両刃4,5の前縁部にまで引き出してい
る。この場合、ガード部材24の前縁部24aが両刃4,5の外
輪郭とほぼ整合するように位置決めされると、ガード部
材24の安全確保位置が得られる。これにより、両刃4,5
の間へ対象物が不本意に侵入することや、刃先端部が使
用者の手に接触することが防止される。ガード部材24
の、ケーシング２内に位置する範囲には、このガード部
材24が後方に押し込まれるやいなや電気的なスイッチ27
を操作するための突起状の操作手段が形成されている。
ガード部材24が後方に押し込まれることは、剪定したい
対象物が両刃4,5の間に進入したときに行われる。この
スイッチ27を操作することによって、電動モータ９はい
つでも作動できる状態となる。すなわち、安全のための
他の全てのスイッチも既に操作されていれば、あとは始
動ボタン21を操作するだけで鋏１を作動させることがで
きる。

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電動式の鋏であって、固定刃（５）と可動
   刃（４）とが設けれていて、可動刃（４）が、電動モー
   タ（９）によって駆動される機械的な駆動装置（７）を
   介して操作可能であり、該駆動装置（７）の各構成要素
   がケーシング（２）内に配置されており、固定刃（５）
   が、使用状態で係止装置（17〜20）によって所定の位置
   に係止可能であり、しかも固定刃（５）が、前記係止装
   置（17〜20）の係止解除によって可動刃（４）の軸と共
   通の軸（６）を中心にして旋回可能である形式のものに
   おいて、両刃（4,5）に側方で密に隣接するように、移
   動可能なガード部材（24）が配置されており、該ガード
   部材（24）が、ケーシング（２）内に突入した突出部を
   有しており、該突出部に、前記ガード部材（24）を安全
   確保位置、つまり両刃（4,5）の間への対象物の不本意
   な侵入の防止もしくは刃先端部と手との接触の防止のた
   めの安全確保位置へもたらすばね（25）が作用してお
   り、さらに前記ガード部材（24）が、電気的なスイッチ
   （27）と、該スイッチ（27）をリリースするように接触
   可能であり、該スイッチ（27）により電動モータ（９）
   の電流回路が開閉可能であることを特徴とする、電動式
   の鋏。
2. 【請求項２】係止装置（17〜20）が、ケーシング（２）
   に旋回可能に支承された係止つめ（17）を有しており、
   該係止つめ（17）が、固定刃（５）に設けられたアーム
   （19）に支持されて係止されるように該アーム（19）に
   作用している、請求項１記載の鋏。
3. 【請求項３】可動刃（４）を駆動するための機械的な駆
   動装置としてクランク伝動装置（７）が使用されてい
   る、請求項１または２記載の鋏。
4. 【請求項４】クランク伝動装置（７）が、リンク（10）
   と、該リンク（10）に枢着されかつ可動刃（４）に固く
   結合されたアーム（12）とを有しており、該アーム（1
   2）によって可動刃（４）の最大開放時に、ケーシング
   （２）に配置された別のスイッチ（30）が操作され、ひ
   いては電動モータ（９）が停止されるようになってい
   る、請求項３記載の鋏。
5. 【請求項５】電動モータ（９）が、ケーシング（２）内
   に配置されたバッテリ（3a）によって給電可能である、
   請求項１から４までのいずれか１項記載の鋏。