JP2788048B2 - 水性洗剤組成物とその製造方法 - Google Patents

水性洗剤組成物とその製造方法

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JP2788048B2 JP1032557A JP3255789A JP2788048B2 JP 2788048 B2 JP2788048 B2 JP 2788048B2 JP 1032557 A JP1032557 A JP 1032557A JP 3255789 A JP3255789 A JP 3255789A JP 2788048 B2 JP2788048 B2 JP 2788048B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は構造化された(structured)水性洗剤組成物
およびかかる組成物の製造方法に関する。本発明の組成
物はさまざまな形態で巾広い用途を持ち、高起泡性ある
いは低起泡性でありうる。
本発明の主目的は、洗剤活性物質を比較的高濃度で含
有しているが安定で、取扱い易くかつ使用時の分散が容
易となるように粘度が充分に低い液体組成物を提供する
ことである。洗剤活性物質を従来の市販品より高濃度で
ふくむ洗剤組成物の利点は包装,輸送および貯蔵コスト
が安いことである。
高濃度の洗剤物質はハイドロトロープを使用してえら
れるが、これらはコスト,環境および安全面で欠点があ
る。このため、等方性水溶液に加えてあるいはそれ以外
の相をふくむ安定な組成物が求められている。高濃度の
とき、洗剤活性物質は粘度をいちじるしく上昇させるラ
メラ相あるいはG相を形成することが多い。こうした粘
度上昇により、有効に得られる濃度増加が制約される。
ラメラ相をふくむこのような組成物は添加された固体粒
子を懸濁させる作用を示すが、固体粒子たとえばビルダ
ーあるいは研磨剤が存在するとさらに粘度が上昇するた
め、所望の高濃度がえられない。
EP−A−86614は遠心分離で等方性水相から分離可能
な相をふくむ懸濁洗剤組成物を記載している。懸濁され
る成分は固体ビルダー粒子である。上記組成物はその遠
心分離特性によってグループIIおよびグループIIIと呼
ばれる2グループに分類される。グループIIの組成物は
遠心分離で三相、すなわち、非粘性液体水性相、大部分
の洗剤活性物質をふくむ粘性層および主としてビルダー
で構成される固体層を示す。これらの組成物はX線およ
び中性子回折分析や電子顕微鏡観察で若干のラメラ構造
を示す。組成物は見掛け上完全には安定ではなく、老化
するとよりゲル状を呈する。グループIIIの組成物もラ
メラ構造を示すが、遠心分離すると水性液相と固体洗剤
活性剤相と固体ビルダーの混合物である固体層を作る点
でグループIIの組成物とは異なっている。グループIII
の組成物は、懸濁された固体ビルダー粒子に構造化効果
を与える、固体洗剤活性剤水和物の比較的弱い三次元網
状結合と比較的少量の洗剤活性剤をふくむ水性相から構
成されるものと考えられる。したがって、上記刊行物で
は、洗剤活性剤の少なくとも一部が、懸濁ラメラ構造を
形成し、該構造の割合がグループIIとグループIIIの組
成物の間で変化する懸濁安定組成物を形成する可能性を
探求しているように思われる。したがってかかる組成物
の粘度が配合物の濃度および適合性に課す制約は回避で
きない。
本発明の要旨は、構造化洗剤組成物において洗剤活性
物質の少なくとも一部が等方性水相により分散あるいは
分配された非網状結合形成非連続相に存在することであ
る。構造化(structuring)は、非網状結合形成相を懸
濁するように組成物を構造化させるひとつ以上の懸濁相
によって与えられる。非網状結合形成相をふくむ分配さ
れた離散ユニットは組成物の粘度および/または不安定
性にほとんど影響を与えず、粘度を異常に変化させるこ
となく濃度を広範囲に変更することができる。組成物は
20℃で安定である。
本発明によると、少なくともひとつの洗剤活性成分と
少なくともひとつの電解質から成る洗剤活性物質をふく
み、以下の相: (a)連続相を形成する等方性溶液、 (b)上記溶液(a)に分配懸濁された、それぞれ下
記: (i)洗剤活性物質をふくむ固体粒子, (ii)洗剤活性物質をふくむ離液性液晶,および (iii)洗剤活性物質をふくむ非カプセル化液滴,か
ら選択されるひとつ以上の非網状結合形成相を有する離
散ユニット (c)非網状結合形成相(b)を懸濁するように組成物
を構造化させるひとつ以上の懸濁相、 を有する構造化された水性洗剤組成物が提供される。
上記非網状結合形成相(non−network−forming phas
e)は、上記水溶液(a)よりも高濃度(重量)の洗剤
活性物質をふくんでいる。
非網状結合形成相(b)をふくむ離散ユニット(disc
rete units)の平均サイズは10μm未満であるのが望ま
しい。
懸濁相(c)は、 (i)洗剤活性物質で形成されるラメラ相, (ii)非界面活性剤構造化物質 (non−surfactant structuring material), (iii)フィラメント状構造化物質, から選択されうる。とくに上記ラメラ相(c)(i)が
存在するのが望ましく、その場合には非網状結合形成相
(b)がラメラ相(c)(i)より高重量濃度の洗剤活
性物質をふくむのが望ましい。ラメラ相(c)(i)の
洗剤活性物質は非網状結合形成相(b)中に存在する洗
剤活性物質と少なくとも鎖長分布および/または成分比
の点でいちじるしく異なる組成物を有することが好まし
く、また洗剤活性物質の化学性状が異なることもある。
存在するラメラ相(c)(i)は球晶あるいは多層小
胞の形態であるのが望ましい。
非界面活性剤構造化物質相(c)(iii)が存在する
場合には、ポリマーおよび/または無機コロイドの形態
であるのが望ましい。
フィラメント状相(c)(iii)が存在する場合に
は、フィラメント状せっけん結晶あるいはセルロースの
形態が望ましい。
いくつかの目的に対して水性洗剤組成物は固体粒子
(上記固体粒子(b)(i)が存在するならば該粒子と
異なる)をふくむ別の懸濁相(d)を有することが望ま
しい。この懸濁相(d)は鉱物性研摩粒子,ビルダー粒
子,柔軟剤粒子および実質的に水不溶性の漂白剤粒子の
いずれかひとつであってよい。
本発明の主な利点は、従来の相構造を有する類似ある
いは同一組成物よりも粘度の低い物理的に安定な組成物
を製造することができることであり、従来の方法では同
等な安定な組成物は製造できない。したがって本発明の
水性洗剤組成物は下記の条件のひとつを満足するのが望
ましい。
(i)せん断率21S-1で、1時間物理的に安定でありか
つあらゆる点で同じ成分をふくむが、洗剤活性物質が完
全に上記溶液(a)もしくは上記水溶液(a)と(もし
存在するならば)上記ラメラ相(c)(i)中にある、
対応組成物の粘度よりもいちじるしく低い粘度を持つ。
(ii)かかる対応組成物は製造できない。
本発明による洗剤組成物はせん断率21S-1で2.5Pas未
満、望ましくは1.0Pasの粘度を有するのが望ましい。洗
剤組成物が非網状結合形成相(b)(i)および/また
は(b)(ii)をふくむ場合には、洗剤組成物が25℃,8
00Gで17時間遠心分離して実質的に透明な層を形成しな
いことも望ましい。
本発明の洗剤組成物が少なくともふたつの洗剤活性物
質をふくみ、各洗剤活性物質に関して、他の洗剤活性物
質(全部でふたつある場合)あるいは組成物中に存在す
る比率の他の複数の洗剤活性物質(ふたつ以上ある場
合)による概念的な逐次置換が物理的安定領域から高粘
度領域もしくは物理的不安定領域への移行を招く条件を
満足するのが望ましい。ここで“概念的置換(notionsl
riplacement)”という表現はこの試験を実施するため
に異なった成分比率の比較組成物が作られることを意味
する。この試験により、本発明の望ましい組成物が安定
領域にあり、若干異なった組成物も同じ安定領域に存在
できることに注目されたい。
望ましくは、本発明の水性洗剤組成物は洗剤活性物質
として、少なくとも主として上記非網状結合形成相
(b)(i)および/または(b)(ii)を形成するひ
とつ以上の非アルコキシル化アニオン系界面活性剤をふ
くむ。組成物は上記非アルコキシル化アニオン系界面活
性剤に加えて、別の洗剤活性物質としてひとつ以上の アルコキシル化アニオン系界面活性剤, アルコキシル化非イオン系界面活性剤, モノーおよびジ−アルカノールアミド, アミンオキサイド, ベタイン, スルホベタイン, 糖エーテル, をふくむことが望ましく、これら別物質は非アルコキシ
ル化アニオン系界面活性剤とともに少なくとも部分的に
ラメラ相(c)(i)を形成する。
本発明の組成物は、望ましくは少なくとも15重量%,
より望ましくは少なくとも20重量%の洗剤活性物質をふ
くむ。
本発明組成物は、構造化液体洗剤組成物の公知製造方
法により製造されうる。任意の方法により、等方性相
(a)、非網状結合形成離散相(b)および懸濁相
(c)を有する構造化水性洗剤組成物を得ることができ
る。
適切な方法を選択するとき、本発明組成物の製造方法
は、非網状結合形成離散相(b)が形成され、この相を
形成しうる成分が主として網状結合形成および/または
他の懸濁相でなく、少なくとも部分的にこの相に形成さ
れる点で、構造化水性洗剤組成物を製造する他の方法と
区別されうる。相(b)(iii)が存在する場合、望ま
しくは室温で水に洗剤活性剤をふくむ活性物質を溶解
し、相(b)(iii)およびCを形成するよう撹拌しな
がら電解質を添加することにより該相を形成するのが有
利である。
原則的に相(b)(i)あるいは相(b)(ii)が存
在する場合、液体相の“構造化”前あるいは後に該相を
粒子の形態で添加できる。しかし現場でこのような相を
形成するのがより好都合であることが知られている。
たとえば離散相(b)(i)あるいは(b)(ii)は
冷却、高濃度洗剤活性物質の使用および電解質の添加に
よりえられる。現実に相(b)(i)あるいは(b)
(ii)を現場で確実に形成させるためには、望ましくは
該相が懸濁相(c)の形成前に形成されるのが望まし
い。
非網状結合形成相(b)の存在は、製品の粘度を測定
して検出できる。非網状結合形成離散相(B)が粘度上
昇に寄与しないという事実から、相(b)の存在する系
の粘度は同じ成分をふくむがその成分が離散相(b)を
形成しない系の粘度よりも一般に低い。
さらに、非網状結合形成相の存在は分散相の存在を検
出する他の従来の方法により検出できる。望ましい方法
はX線回折、電子顕微鏡観察および遠心分離である。
上述の通り、離散非網状結合形成相(b)(i)ある
いは(b)(ii)は懸濁相(c)の形成前に形成される
のが望ましい。したがって、本発明の製品と本発明外の
製品を区別するための離散相(discrete phase)の検出
も、相(b)の形成後ただし相(c)の最終形成前にえ
られる中間生成物の性質を査定して実施されうる。
本発明の構造化水性洗剤システムをえる残りのプロセ
スパラメータは当業者が容易に見出すことができると考
えられる。
本発明により、非網状結合形成相(b)(i)および
/または(b)(ii)が存在し、かつラメラ相(c)
(i)が存在する構造化水性洗剤組成物を製造する方法
が提供される。当該方法は下記ステップを含む: (A)第一の洗剤活性成分の水溶液を製造する。
(B)ステップ(A)後に、上記第一成分に非網状結合
形成相(b)(i)および/または(b)(ii)を形成
させるためにステップ(A)で製造された水溶液に電解
質を添加する。
(c)つぎのステップ、 (C1)溶液に上記第一成分よりもよく水に溶ける第二
の洗剤活性成分を溶解させる, (C2)別の電解質を溶液に添加する, の少なくともひとつによって、上記ラメラ相(c)
(i)を形成する。
ステップ(A),(B),(C1)および(C2)のすべ
てが実施されるのが望ましい。上記第二成分の一部がス
テップ(A)の水溶液にふくまれてもよい。
粒子としての非網状結合形成相の添加に比較して、上
記方法は粒子の撹拌問題を回避できまた(粒子物質が構
造化相(c)(i)を形成する場合に必要な)粒子の部
分溶解の問題が回避できる利点がある。またこの方法は
さまざまな原料を利用できる。
上記の方法でステップ(C2)が実施される場合、ステ
ップ(B)で添加される電解質は一価アニオンを有し、
ステップ(C2)で添加される電解質は多価アニオン有す
る。
組成物に含有させる水の一部は、すべての洗剤活性物
質および電解質を添加した後に添加してもよい。この方
法は汎用性がある。したがって、本発明は、ラメラ相
(c)(i)と非網状結合形成相(b)(i)および/
または(b)(ii)が存在する、本発明の組成物の製造
法を提供する。この方法では、形成される組成物に最終
的に含有される水の一部はすべての洗剤活性物質および
電解質を添加した後に添加される。この方法では、非網
状結合形成相が水の最終添加前に最濃度の洗剤活性物質
および電解質により形成される。
すべての洗剤活性物質および電解質の添加後に添加さ
れる水は、他の成分と一緒に添加される水以外の組成物
に添加される水の総量の5〜30%でありうる。
原則として、本発明では多種多様な洗剤活性物質を使
用することができる。使用可能な公知の物質を以下に例
示する。
非アルコキシル化アニオン系界面活性剤、たとえば アルキルベンゼンスルホネート 第二アルカンスルホネート α−オレフィンスルホネート アルキルスルホカルボキシレート アルキルグリセリルエーテルスルホネート 脂肪酸モノグリセリドサルフェートおよびスルホネー
ト 脂肪酸エステルスルホネート ジアルキルスルホスクシネート 第一および第二アルカンスルホネートせっけん アルコキシル化アニオン系洗剤活性剤、たとえば アルキルエーテルサルフェート アルキルエーテルカルボキシレート アルキルエーテルホスフェート アルコキシル化非イオン系洗剤活性剤、たとえば アルコキシル化アルコール アルコキシル化アルキルフェノール その他非イオン洗剤活性剤、たとえば 脂肪酸アルキロールアミド アルキルアミド アルキルメルカプタン アミンオキサイド モノーおよびジ−アルカノールアミド エトキシル化アルカノールアミド ベタイン スルホベタイン 糖エーテルたとえばアルキルポリサッカライド 実施例 すべての実施例において、特記しない限り成分の割合
は重量部である。
実施例で使用した材料は次の通りである。
N500(Na):アルキル(主としてC11-13)ベンゼンスル
ホン酸ナトリウム[Nalken N−500 ex Nissan Conoco、
平均分子量約343−349] N500(NH4):N500(Na)のアンモニウム形態 Dob 23−3S:アルキル(C12-13)エーテル(平均3 EO)
硫酸ナトリウム[ex Shell] Dob 23−3A:Dob 23−3Sのアンモニウム形態 Dob 91 8EO:C9-11アルコールエトキシレート(平均8 E
O)[Dobanol ex Shell] Durcal 65:粉砕カルサイト[平均粒度65ミクロン、ex O
nya社] Dob 102(Na):アルキル(主としてC10-12)ベゼンス
ルホン酸ナトリウム[ex Shell、平均分子量約336−34
1] LDA:[Empilan LDE ex Albright & Wilson]主としてC
12ジエタノールアミド。
LAS:アルキル(主としてC11-13)ベンゼンスルホン酸
[Marlon AS−3 ex Hiils、平均分子量約318−321] LEC:ラウリル(C12)エーテル(平均4.5EO)カルボン酸
[Akypo RLM 45 ex Chem−Y] LEP:モノ−およびジアルキル(C12-15)エーテル(平均
5 EO)リン酸混合物[Crodafos 25D5 ex Croda] Synperonic A7:C13-15アルコールエトキシレート(平均
7 EO)[Synperonic A7 ex ICI] NTA:ニトリロトリ酢酸ナトリウム[Trilon A92 ex BAS
F] Petrelab 550:アルキル(主として(C11-13)ベンゼン
スルホン酸ナトリウム[ex Petresa]平均分子量約34
3。
せっけん:約20%飽和された混合(主としてC12-18)脂
肪酸,Prifac 7947 ex Unichemaのカリウム塩 STP:トリリン酸ナトリウム[Thermophos NW ex Knapsac
k] 実施例IおよびIIでは、本発明組成物の好ましい製造
方法を説明する。実施例A−Dに示した洗剤組成物の製
造方法は、所期の構造化水性洗剤組成物が得られない方
法である。これらの方法を表1にまとめた。本発明組成
物の製造方法では、難溶性の(less soluble)洗剤活性
物質が組成物が構造化される前に沈澱した。各実施例に
おいて、ステップ(i)では透明な溶液が得られるまで
混合物(a)を加熱し、ステップ(ii)では電解質
(b)を室温で撹拌しながら添加し、ステップ(iii)
では非イオン系洗剤活性物質(c)を室温で撹拌しなが
ら添加し、最終のステップ(iv)では成分(d)を室温
で撹拌しながら添加した。ステップ(i)で使用した水
の量は最終組成物が100重量部になるために必要な量で
ある。
ステップ(ii)でNa2SO4を使用した実施例A−Cで
は、アルキルベンゼンスルホネートが全く乃至殆んど沈
澱しなかった。このことから、Na2SO4は懸濁ラメラ相を
形成する、すなわち“構造化”のためには秀れた電解質
であるが、非網状結合形成洗剤相を形成する、すなわち
“沈澱化”のためには不適な電解質であることが判明し
た。したがって、これらの組成物はステップ(ii)で構
造化され、高粘度を呈した。この状態は実施例Cで共活
性アルキルエーテルサルフェートを存在させまないとき
でもあまり変わらなかった。
実施例中、“沈澱(Precipitation)”という用語は
離液性液晶(請求項1の相(b)(ii))の形成および
固体粒子(請求項1の相(b)(i))の形成を示すた
めに使用される。
実施例Dでは、ステップ(ii)でNaCl4%によりらア
ルキルベンゼンスルホネートが多量に沈澱したが、長時
間加熱してもステップ(iii)および(iv)で充分に懸
濁したラメラ相が形成されなかった。しかし、本発明の
実施例IおよびIIでは、より少量のNaClの添加によって
アルキルベンゼンスルホネートの沈澱がコントロールさ
れ、次いで非イオン系界面活性剤,香料およびNa2SO4
添加することにより構造化が生起され、構造化で生じた
ラメラ相が沈澱したアルキルベンゼンスルホネート粒子
を懸濁させる低粘度の組成物が得られた。一価の塩素イ
オンが沈澱のために、多価硫酸イオンが構造化のために
使用された。
本発明の実施例III−V(表2)では、電解質としてM
gCl2を使用する方法および組成物を説明する。これらの
組成物では、研摩性鉱物粒子が安定に懸濁されえた(す
なわち請求項の相(d))。ステップ(i),(ii),
(iii)および(iv)は実施例IおよびIIと同様であ
る。表2に示した3種の本発明組成物はすべて物理的に
安定であった。“対照(standard)”製品、すなわちア
ルキルベンゼンスルホネートが析出した形態(Precipit
ated−outform)で存在しない以外は同一の組成を有す
る製品の粘度も併記した。上記“対照”製品はすべての
洗剤活性物質を添加後電解質を添加して製造されたもの
である。本発明によれば、製品の粘度が大巾に低下し
た。これらの実施例から、ステップ(ii)でアルキルベ
ンゼンスルホネートを沈澱させるためにMgCl2を単独で
あるいはNa2SO4と組み合わせて使用することができ、Mg
Cl2がステップ(iv)における構造化にも使用できるこ
とが判明した。
実施例Vでは、ステップ(iii)で香料のみ添加し、
非イオン系界面活性剤は使用しなかった。実際、ステッ
プ(i)の多量のアルキルエーテルサルフェートはある
程度沈澱を防止するようアルキルベンゼンスルホネート
を安定化させ、懸濁沈澱したアルキルベンゼンスルホネ
ートをふくむ製品は実施例IVの製品より高い粘度を示し
た。
本発明の実施例VI−VIII(表3)では、アニオン洗剤
活性物質に対する対カチオンとしてアンモニウムを使用
したときの効果を示す。ステップ(i)−(iv)は実施
例I−Vと同様である。いずれの場合でもアルキルベン
ゼンスルホネートの懸濁沈澱物をふくむ本発明の製品が
えられた。これらの結果から、アルキルベンゼンスルホ
ネートのアンモニウム塩がナトリウム塩よりも沈澱に対
して敏感でないことが判明した。したがって、実施例VI
Iでは、ナトリウム塩(実施例VIII)よりも多量の電解
質がステップ(ii)で必要であった。実施例VIIIはDurc
al 65を存在させなかったこと以外は実施例Vと同じで
ある。
実施例IXおよびX(表4)は、鎖長分布,フェニルア
イソマー分布およびテルトラリン(tertralin)含有量
が実施例I−VIIIとは異なる各種アルキルベンゼンスル
ホネートを使用する方法および製品を説明する。ステッ
プ(i)−(iv)は上述の通りであった。実施例Xで
は、ジエタノールアミドをステップ(iii)で使用し
た。加熱すると、沈澱した活性物質が再溶解するので、
懸濁沈澱したアルキルベンゼンスルホネートをふくむ安
定な構造化組成物がえられた。
実施例XI−XIVでは、液滴形態の非網状結合形成相が
形成される(請求項1の相(b)(iii))方法および
組成物を示す。表5には、形成された相の分析結果を示
した。“等方性水溶液”と呼ばれる相は請求項1の相
(a)、“等方性洗剤”と呼ばれる相は請求項1の相
(b)(iii)また“ラメラ”と呼ばれる相は請求項の
相(c)(i)に相当する。これらの組成物は以下のス
テップ: (i)室温で洗剤活性剤を水に溶解させるステップ, (ii)pHを約12に調整して、界面活性剤の酸(LAS,LEC,
LEP)を水酸化ナトリウムで中和するステップ, (iii)電解質を添加して15−30分間撹拌するステッ
プ; により形成される。
実施例XV−XVIIは汎用クリーナー濃縮物として好適な
タイプの組成物を示す。これらの組成物と粘度を、“対
照”組成物の粘度とともに表6に示した(“対照”組成
物については実施例III−Vを参照されたい。ただし実
施例XV−XVIIの場合には“対照”組成物には本発明の組
成物中に存在するNaClをふくめなかった)。これらの実
施例は等方性水性相(請求項1の相(a))、ラメラ相
(請求項の相(c)(i))および請求項1の相(b)
(i)および(b)(ii)の1方または両方をふくむも
のと考えられる。使用したせっけんは、固体粒子(相
(b)(i))を形成する傾向を示し、Petrelab 550は
離液性液晶(相(b)(ii))を形成する傾向を示す。
本発明の組成物XVおよびXVIIを製造する方法は以下のス
テップからなる。
i) 60℃の水にPetrelab 550を添加する, ii) 10分間撹拌する, iii) せっけんを添加して5分間撹拌する, iv) Synperonic A7の半分を添加して10分間撹拌す
る, v) 30℃に冷却する, vi) NaClを添加して5分間撹拌 vii) Na2CO3,STPおよびSynperonic A7の残りを添加す
る, viii) 15分間撹拌する, ix) 香料を添加して15分間撹拌する。
“対照”組成物の製造方法は以下のステップからなる。
i) 60℃の水にNa2CO3、ついでSTPを溶解させる, ii) Petrelab 550を添加して10分間撹拌する, iii) せっけんを添加して10分間撹拌する, iv) Synperonic A7を添加し、撹拌しながら徐冷す
る, v) 約30℃で香料を添加する, vi) 約5分間撹拌する,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 コルネリス・ヨハンネス・バアイテンヘ ク オランダ国、3131・エー・カー・フラー ルデインゲン、ハンデルストラート・35 (72)発明者 ヨハンネス・コルネリス・フアン・デ・ パス オランダ国、3136・セー・ベー・フラー ルデインゲン、プヒリツプス・ウイレム ストラート・6 (56)参考文献 特開 昭61−69895(JP,A) 特開 昭54−115683(JP,A) 特開 昭50−101991(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C11D 17/08 C11D 11/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともひとつの洗剤活性物質と少なく
    ともひとつの電解質をふくみ、以下の相: (a)連続相を形成する等方性水溶液; (b)上記溶液(a)に分散懸濁された、それぞれ (i)洗剤活性物質をふくむ固体粒子、 (ii)洗剤活性物質をふくむ離液性液晶、および (iii)洗剤活性物質をふくむ非カプセル化液滴、 から選択されたひとつ以上の非網状結合形成相を有する
    離散ユニット; (c)非網状結合形成相(b)を懸濁するように組成物
    を構造化させるひとつ以上の懸濁相; を有する構造化された水性洗剤組成物であって、上記非
    網状結合形成相(b)における洗剤活性物質の重量濃度
    が上記水溶液(a)よりも高く、懸濁相(c)が洗剤活
    性物質の球晶あるいは多層小胞形態のラメラ相であるこ
    とを特徴とする組成物。
  2. 【請求項2】鉱物系研摩剤粒子,ビルダー粒子,柔軟剤
    粒子および実質的に水不溶性の漂白剤粒子から選択され
    た固体粒子をふくむ別の懸濁相(d)をも有する、請求
    項1に記載の水性洗剤組成物。
  3. 【請求項3】21s-1のせん断速度における粘度が2.5Pas
    未満であり、相(b)(i)あるいは相(b)(ii)が
    存在するときには25℃で800gの遠心分離を17時間かけて
    も実質的に透明な相を形成しない、請求項1または2に
    記載の水性洗剤組成物。
  4. 【請求項4】少なくとも主として上記非網状結合形成相
    (b)(i)および/または(b)(ii)を形成するひ
    とつ以上の非アルコキシル化アニオン系界面活性剤、お
    よびアルコキシル化アニオン系界面活性剤, アルコキシル化非イオン系界面活性剤, モノーおよびジアルカノールアミド, アミンオキサイド, ベタイン, スルホベタイン, 糖エーテル, から選択されるひとつ以上の別の洗剤活性物質をふく
    み、上記した別の物質は少なくとも部分的に上記非アル
    コキシル化アニオン系界面活性剤とともにラメラ相
    (c)を形成する、請求項1−3のいずれかに記載の水
    性洗剤組成物。
  5. 【請求項5】洗剤活性物質を少なくとも20重量%ふく
    む、請求項1−4のいずれかに記載の水性洗剤組成物。
  6. 【請求項6】非網状結合形成相(b)(i)および/ま
    たは非網状結合形成相(b)(ii)が存在しかつラメラ
    相(c)が存在する請求項1−5のいずれかに記載の構
    造化水性洗剤組成物を製造する方法であって、連続した
    ステップ: (A)第一の非アルコキシル化洗剤活性成分をふくむ水
    溶液を調製するステップ; (B)上記第一成分に非網状結合形成相(b)(i)お
    よび/または(b)(ii)を形成させるために、上記ス
    テップで製造された水溶液に電解質を添加するステッ
    プ; (C)以下のステップ (C1)上記第一成分よりも高い水溶性を有する第二の洗
    剤活性成分を上記溶液に溶解させるステップ、 (C2)別の電解質を上記溶液へ添加するステップ、 の少なくともひとつによって上記ラメラ相(c)(i)
    を形成するステップ; からなる方法。
  7. 【請求項7】ステップ(B)で添加される上記電解質が
    一価アニオンを有し、ステップ(C2)で添加される上記
    電解質が多価アニオンを有する請求項6に記載の方法。
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