JP2787528B2 - コンクリート充填鋼枠セグメント - Google Patents

コンクリート充填鋼枠セグメント

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JP2787528B2
JP2787528B2 JP4301550A JP30155092A JP2787528B2 JP 2787528 B2 JP2787528 B2 JP 2787528B2 JP 4301550 A JP4301550 A JP 4301550A JP 30155092 A JP30155092 A JP 30155092A JP 2787528 B2 JP2787528 B2 JP 2787528B2
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武 小門
徹士 園田
裕史 谷口
和人 福留
篤 鈴木
達夫 喜多
清 山上
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HAZAMAGUMI KK
SEIBU KENSETSU KK
TEITO KOSOKUDO KOTSU EIDAN
Nippon Steel Corp
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SEIBU KENSETSU KK
TEITO KOSOKUDO KOTSU EIDAN
Nippon Steel Corp
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  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)
  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリートを振動締
め固めをしなくとも鋼枠内にムラなく密実に充填するこ
とができる、コンクリート充填鋼枠セグメントに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の普通コンクリートは次のようにし
て仕様が決定されていた。 コンクリートの打設作業性の指標はスランプ値で示
されている。 コンクリートの配合設計では施工性によりスランプ
値が決定される。 スランプ値は細骨材率(s/a)が一定であれば単
位水量により決まる。 コンクリート強度は水/セメント比(W/C)で決
まる。
【0003】従って、施工性を良くするため、スランプ
値を大きくすると水量(W)が多くなり、また必要なコ
ンクリート強度を確保するためにセメント量(C)が多
くなる。水、セメント(ペースト分)が多くなると、骨
材が分離しやすくなる(同一強度とした場合)のに加
え、収縮率が大きくなり、ひび割れが生ずるなどの問題
が発生する。一方、スランプ値を大きくすれば材料分離
を起こす。
【0004】また、従来の例えばRC造に使用されてい
るようなコンクリートの場合、最大骨材寸法は最小鉄筋
間隔の2/3以下で、空気量は4.0%程度であったの
で、これを鋼枠に充填する場合には、締め固めをしない
と鋼枠内に充分に充填できず、締め固めが過剰となると
材料分離が生ずるとかブリージング率が高いとか気泡の
発生が多いとか、特に鋼材に孔があるとその回りで分離
した骨材が凝集するなどという問題があった。
【0005】一方、振動締め固めが不要なコンクリート
としては特開平3−45544号公報に開示のものがあ
る。これは、増粘剤、高性能減水剤、AE剤を添加する
ことにより、水/セメント比(W/C)をほとんど変え
ずに流動性を高め、スランプフロー値を45cm〜65
cmとし、また増粘剤及びAE剤の影響による空気量の
増加を抑えるため、消泡剤を添加して空気量を4〜6%
としたものである。
【0006】しかし、これには次のような問題点があ
る。 (1) コンクリートの配合の考えは普通コンクリートに準
じ、施工性を高めるための手段として多量の増粘剤、高
性能減水剤、AE剤を用いただけで、強度上は普通コン
クリートとほぼ同じである。
【0007】(2) 水/セメント比(W/C)が50%以
上と大きいため、コンクリートの収縮性は従来のコンク
リートと同様である。
【0008】(3) 鋼材の特性を有効に活用するために必
要な高強度(400Kgf/cm2 以上)のコンクリー
トが作れない。
【0009】(4) 空気量が4〜6%と多いため、鋼材と
の合成構造では鋼材面に空気層が発生し不良となり、ま
た地下の深い場所でのコンクリートの打設では空気が圧
縮されて体積が減少する。
【0010】(5) 増粘剤などの混和剤を多量に使用する
ため、その影響によりコンクリートの凝結時間が長い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、コンクリートを振動締め固めしなくとも、鋼枠の鋼
材間、鋼材のかぶり部分及び隅々まで万遍なくかつ密実
に充填することができるに加え、充分なコンクリート強
度を発現でき、しかもブリージングや材料分離や空気に
よる影響などが少ないコンクリート充填鋼枠セグメント
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のコンクリート充
填鋼枠セグメントで用いるコンクリートは、振動締め固
めしなくとも鋼枠内に充填できるようにするため、最大
骨材寸法が鋼枠の鋼材間隔又は鋼材のかぶり厚さの1/
3ないし1/5(但し、20mmを越えたときは20m
m)で、水、セメント、細骨材、粗骨材、混和剤及び微
粉末の混和材を、次のようになるように配合したもので
ある。
【0013】 スランプフロー55cm〜75cm、空気量1.5
〜3.0%、水/セメント比50%以下とする。 スランプフロー保持時間を調整するため微量のセル
ロース系増粘剤を添加する。 細骨材率を45〜55%とする。 水/(セメント+混和材)比を25〜35%とす
る。 単位水量を175Kg/m以下とする。
【0014】
【作用】本発明で使用するコンクリートは、鋼枠内に締
め固めることなくしかも充填性良く充填することを意図
しているもので、そのため、最小充填幅に対する最大骨
材寸法を実験結果から次のように決定した。すなわち、
図1に示すように鋼枠の鋼材1と鋼材1との間隔L1を
基準とする場合には、最大骨材寸法D1はその1/3、
図2に示すように鋼材2のかぶり厚さL2を基準とする
場合にはその1/5に決め、これ以下の寸法の骨材を使
用する。但し、鋼材間隔L1又は鋼材のかぶり厚さL2
より求めた最大骨材寸法が20mmを越えたときは、最
大骨材寸法を20mmとする。
【0015】また、コンクリートの粘性調整のために微
粉末の混和材を使用する。すなわち、微粉末の混和材を
使用することにより、水/セメント比(W/C)を変化
させないで(50%以下)、見掛けのW/C、つまり水
/(セメント+混和材)比を小さくしてコンクリートに
適切な粘性を与えることで、強度を低下させずに流動性
及び鋼枠への充填性を確保する。そして、該混和材と
水、セメント、細骨材、粗骨材、混和剤との配合比を、
次のような配合設計手法及び手順に従って決定する。
【0016】1)水及びセメントの単位量の決定 従来の普通コンクリートの配合設計では、コンクリート
施工に必要なスランプを確保するために、先ず単位水量
が決められ、設計コンクリート強度を達成するに必要な
W/Cの関係からセメント量を決定していた。
【0017】本発明で用いるコンクリート(以下、本コ
ンクリートと記す)の場合には、図3に示すコンクリー
ト強度σとC/Wとの関係から、設計強度に対応するC
/Wを求め、単位水量Wと単位セメント量Cを決定す
る。すなわち、本コンクリートでは、後述のように混和
剤によって必要なスランプフロー値を決定するため、ス
ランプフローに関係なく単位水量を決定する。例えば、
単位水量W=160〜175Kg/m程度とする。
【0018】2)混和材の決定 本コンクリートでは、施工性を確保するのに必要な材料
分離抵抗性を保持するため、混和材としてブレーン比表
面積2500cm2 /g以上の微粉末を添加する。その
混和材の添加量は、図4に示すようなL形ボックスを使
用した次のような充填性試験(以下、L形ボックス試験
と記す)から決定する。L形ボックス3は、上面が開口
した垂直ボックス4及び水平ボックス5とをL形に連設
し、これら両ボックス4・5の連通口6に鉄筋を模した
複数本の邪魔棒7を、充填対象の構造物から選定した所
定の間隔(例えば50mm) で垂直又は水平に設け、該
連通口6を堰板7a で開閉できるようにしたものであ
る。
【0019】このL形ボックス試験の方法は、堰板7a
を閉じた状態で垂直ボックス4内にコンクリートを入れ
てから堰板7a を開き、コンクリートを自重により連通
口6を通じて水平ボックス5へ移動させる。充分な充填
性能を有するコンクリートであれば、垂直ボックス4か
ら水平ボックス5へ全て移動するが、硬いコンクリート
や軟らかい分離し易いコンクリートでは、邪魔棒7の部
分でコンクリートが閉塞する。垂直ボックス4内にコン
クリートが残った場合には、そのコンクリート面と垂直
ボックス4の上面との間の高さをもって指標値とする。
従って、最適値は、垂直ボックス4内のコンクリート面
と水平ボックス5へ移動したコンクリート面とが同じ高
さで面一となる場合である。
【0020】L形ボックス試験の最適値と水/(セメン
ト+混和材)比との関係は次のとおりである。いま、設
計強度からW/Cが決定されたと考えると、そのW/C
のコンクリートで、混和剤によりスランプフローを所定
の範囲(例えば60〜70mm)に調整したコンクリー
トに対し、L形ボックス試験を実施し、邪魔棒7の隙間
を全通すれば、条件を満足することになる。L形ボック
ス試験の指標値と水/(セメント+混和材)比との関係
は実験から図5に示す如くで、水/(セメント+混和
材)比が25〜35%の範囲内にL形ボックス試験の最
適値が存在する。
【0021】混和材を除いたW/Cを考えた場合、W/
Cが25〜35%の範囲では一般のコンクリートでも圧
縮強度600〜1000Kgf/cm2 程度の強度が得
られるが、このような高強度の必要がない場合に、多量
のセメントを使用することは不経済であるばかりでな
く、温度ひび割れなどの問題が生ずる。
【0022】そこで、本発明では、W/Cを変えずに、
つまり見掛けのW/Cを例えば50以下の範囲に維持し
たまま、微粉末の混和材を使用して粘性を調整する。例
えば、設計強度が240Kgf/cm2 のコンクリート
を考えた場合、これに対応するW/Cのコンクリートを
スランプフロー値60cmとすると、材料分離を生じ、
またL形ボックス試験でも閉塞を生ずる。この現象は、
流動性に必要なスランプフローに対してモルタル部の粘
性が不足することにより発生する。そこで、本発明は、
W/Cは変化させずに、見掛けのW/C、つまり水/
(セメント+混和材)比を小さくして適切な粘性を与え
る手段として、微粉末の混和材を使用するものである。
【0023】従って、本発明では、混和材の量は設計強
度により異なることになる。換言すると、従来において
混和材を使用する場合には、セメント重量に対する比率
で混和材の添加率を決めていたのに対し、本発明では、
強度とは別に粘性の面から見掛けのW/Cを下げる目的
で混和材の添加量を決定する。
【0024】3)細骨材率(s/a)の決定 L形ボックス試験の結果、s/aは材料分離抵抗性に大
きく関係する。L形ボックス試験の指標値とs/aの関
係は図6に示すようになる。最適なs/aは骨材の産地
などにより変化するが、45〜55%の範囲内にある。
【0025】4)第1の混和剤の決定 第1の混和剤としては、例えば一般に広く使用されてい
る高性能AE減水剤を用いる。混和剤の添加量とスラン
プフローの関係は一つの実験によれば図7に示すように
なった。この関係は、セメントの種類や混和剤の材質な
どにより異なるので、使用するセメントと混和剤の組み
合わせにより実験から求める。同図の場合、混和剤はス
ランプフロー値が60〜70cmの範囲になるように選
定する。なお、同図において横軸の混和剤量は(セメン
ト+混和材)に対する重量%を示す。
【0026】5)第2の混和剤の決定 スランプフロー保持時間(コンクリートを製造して現場
に打設するまでの時間)を調整するため、第2の混和剤
として微量のセルロース系増粘剤を添加する。セルロー
ス系増粘剤は従来の水中不分離性コンクリートでも、ま
た前出の特開平3−45544号公報に開示のコンクリ
ートでも用いられているが、本発明では使用の目的が異
なる。すなわち、水中不分離性コンクリートではコンク
リート1m3 に対し2.0Kgf〜3.0Kgf、特開
平3−45544号公報では400〜750g /m3
多量の増粘剤を用いることにより、材料分離抵抗性を付
加している。
【0027】これに対し、本発明では、材料分離抵抗性
は上記のように微粉末の混和材で確保するため、セルロ
ース系増粘剤はスランプフロー保持時間を調整する目的
のみから使用する。そのため添加量も0〜100g/m
3 と微量とし、図8に示す関係からその添加量を決定す
る。なお、この関係は、セメントや混和材やセルロース
系増粘剤の種類により違うので、各材料の組み合わせに
より試験で求める。
【0028】
【実施例】以下、本発明で用いるコンクリートの一例及
びその性能を従来例と比較しながら説明する。表1は本
実施例で使用した材料を示す。この表において、低発熱
セメント(3成分系)は、本実施例と後述のように比較
するため使用した超流動コンクリートのための材料であ
る。
【0029】
【表1】
【0030】表2にからの6種類の配合例を示す。
このうちからまでが本発明の実施例で、は比較の
ための超流動コンクリートの一般的な配合、は普通コ
ンクリートの一般的配合を示す。
【0031】
【表2】
【0032】<流動性の保持特性>表2に示したから
の本実施例のコンクリートの流動保持特性を確認する
ため、の超流動コンクリートと同様の試験練りを行
い、経過時間とスランプフローの関係を求めた。図9に
その関係を示す。この結果、次のことを確認した。 (1) 本実施例では、練り上り時のスランプフローは全て
55cm〜75cmの目標範囲内であった。 (2) 本実施例では、1時間30分程度まではスランプフ
ロー60cmを保持した。
【0033】<コンクリート強度試験>からの本実
施例のコンクリートとの超流動コンクリート及びの
一般的な普通コンクリートについて圧縮強度試験を行っ
た。図10にその試験結果を示す。この結果から次のこ
とを確認した。 (1) 本実施例の場合、セメント量が同程度であれば、
及びに比較して早期に強度が発現し、しかも最終強度
も高く、の普通コンクリートに比べて50%以上の高
強度を示した。
【0034】<加圧ブリージング試験>加圧ブリージン
グ試験は、練り上ったコンクリートの加圧ブリージング
率を測定することにより、ポンプ圧送や加圧時における
コンクリートの脱水による施工性の低下を知ることがで
きると同時に、コンクリート中の余剰水も知ることがで
きる。この試験によりコンクリートの材料分離抵抗性を
想定することができる。すなわち、加圧ブリージング率
が大きいと、ポンプ圧送や加圧時の材料分離が生じ施工
性が低下する。
【0035】図11に上記と〜のコンクリート、
及びとして普通コンクリートに流動化剤を添加した一
般的な流動化コンクリート(表2にその配合を示す)の
加圧ブリージング試験結果を示す。この結果から次のこ
とが確認された。 (1) の流動化コンクリートに比較して本実施例のコン
クリートの加圧ブリージング率は1/3程度に改良さ
れ、コンクリート打設時の材料分離抵抗性は改善されて
いる。従って、ブリージングによるコンクリート表面の
あばたの発生が少なくなるため、鋼材との付着性を大き
く改善できる。 (2) 本実施例のコンクリートはの超流動コンクリート
と比較しても同程度の加圧ブリージング率であった。
【0036】<充填性能試験> 前述のL形ボックス試験を行い、目視確認した。図12
はその試験状態を示す図である。また、図13はスラン
プフローの試験状態を示す図である。このような試験の
結果、本実施例のコンクリートは、材料の分離が無くし
かもコンクリートの流動によって鋼枠に良好に充填でき
ることが確認された。
【0037】<空気量の測定>上記の超流動コンクリ
ート、及び〜の本実施例のコンクリートについて空
気量を測定した。その測定結果を表3に示す。この結
果、本実施例は目標空気量1.5〜3.0%の範囲内で
あることを確認した。
【0038】
【表3】
【0039】次に、上記のようなコンクリートを使用す
る本発明の鋼枠セグメントについて説明する。 <シールドトンネル覆工用鋼枠セグメントへの適用例> 図14及び図15はシールドトンネル覆工用鋼枠セグメ
ントを製作するため、湾曲した鋼枠8内にコンクリート
を充填する状態を示す。この鋼枠8は、湾曲した外面を
鋼板で閉じ、内面を開口させたものである。実験例とし
て、充填厚さが中央部で132mm、端部で100m
m、幅が705mm、外周長が1410mmの鋼枠8を
作り、その開口面を鋼製蓋板9で閉じ、コンクリート充
填用ホッパ10から蓋板9の充填口11を通じて表4に
示すような本発明の実施例のコンクリートを自重による
流動圧力で鋼枠8内に充填した。図16はその充填状態
を示す図、図17はこのようにコンクリート充填して得
られたシールドトンネル覆工用鋼枠セグメントを示す。
【0040】
【表4】
【0041】一方、図18は、上記と同様の鋼枠にバイ
ブレータを使用してコンクリートを振動により締め固め
ながら充填する状態を示し、図19は振動締め固め充填
して得られたシールドトンネル覆工用鋼枠セグメント
示す。このような比較実験結果から、次のことを確認し
た。
【0042】(1) 本実施例のコンクリートの場合、自然
落下のみで鋼枠内に良好に流動充填でき、バイブレータ
による締め固めは不要であった。 (2) 従来の普通コンクリートでは、自然充填が困難で、
人力により打設した場合には仕上げ作業が必要であり、
またバイブレータで振動締め固めした場合には、図19
に示すように表面があばた状になったが、本実施例のコ
ンクリートを流動充填した場合には、図17に示すよう
に表面仕上がりが極めて良好であった。この結果、従来
は人力により行われていたコンクリート打設作業の機械
化・自動化が可能となる。
【0043】<鋼枠を用いた場所打ちコンクリート覆工
工法への適用例>図20に示すような覆工用鋼枠12を
使用する。この鋼枠12は、H型鋼で矩形枠の四辺を構
成し、その内側面(トンネル内面側)を鋼製止水プレー
ト13で閉じ、該止水プレート13にコンクリート充填
孔14を設け、また枠内に補強部材14を設けたもので
ある。この鋼枠12の多数個を図21に示すようにシー
ルド掘進機15のテール部内で円形に組み立て、鋼枠1
2の1個1個について、コンクリート充填孔14から本
実施例のコンクリートを注入充填し、図22に示すよう
に鋼材とコンクリートとが合成されたトンネル覆工構造
とするものである。図23から図25にその充填例を示
す。
【0044】図23に示すように、シールド掘進機15
のテール部内で鋼枠12を組み立て、図24に示すよう
にコンクリート打設孔14を通じてコンクリートポンプ
から表4に示したコンクリートを充填した。この場合、
充填最小厚さは100mmであったので、コンクリート
の最大骨材寸法を20mmとした。また、図25に示す
ように、シールド掘進機15の掘進に伴い発生するテー
ルボイドに、シールド掘進機15の推進と並行して、表
5に示すコンクリートを充填孔16を通じてコンクリー
トポンプ16から加圧充填した。この場合、テールボイ
ドの最小厚さが25mmであったので、最大骨材寸法を
25×(1/5)=5mmとした。図26はかかる実験
例において、シールド掘進機の内部を示し、図27はテ
ールボイドへの充填状態を示す
【0045】
【表5】
【0046】<鋼製連壁への適用例> 図28及び図29に示すように、継手部を有する鋼製リ
ブと鋼製壁板とによる連壁用鋼枠内に表4に示したコン
クリートを充填した。図30及び図31はそのコンクリ
ート硬化後の状態を示す
【0047】
【発明の効果】上述した実施例及び実験例から、本発明
によれば次のような特長があることが確認できた。 充填性能試験、スランプフロー試験及び実証試験の
結果から、鋼材と鋼材の間、及び鋼材のかぶり部分に、
振動締め固めしなくとも、しかも隅々まで万遍なくかつ
密実に充填することができる。
【0048】 単位セメント量が同じであれば、従来
の普通コンクリートの1.5倍以上の強度を発現でき
る。 設計強度が同じであれば、従来の普通コンクリート
に比較して単位セメント量を20〜30%削減すること
ができ、経済的である。
【0049】 水/セメント比は、一般の普通コンク
リートが50%以上であるのに対し、本発明では見掛け
の水/セメント比を25〜35%程度にしている。この
結果、加圧ブリージング率が小さく、収縮の小さいコン
クリートにできる。 加圧ブリージング率が小さいため、ポンプ圧送や加
圧時における施工性が良好である。
【0050】 振動締め固めが不要であるに加え、加
圧ブリージング率及び空気量が共に小さいので、あばた
の発生が非常に少なくなり、鋼材との付着性能を大きく
改善できるとともに、表面仕上がりも良く、仕上げ作業
の削減により作業性も改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するコンクリートの最大骨材間隔
を決めるに当たり、鋼枠の鋼材と鋼材との間隔を基準と
することを示す図である。
【図2】コンクリートの最大骨材間隔を決めるに当た
り、鋼材のかぶり厚さを基準とすることを示す図であ
る。
【図3】コンクリート強度と水/セメント比の関係を示
すグラフである。
【図4】充填性試験に使用するL形ボックスの斜視図で
ある。
【図5】L形ボックス試験の指標値と水/(セメント+
混和材)比との関係を示すグラフである。
【図6】L形ボックス試験の指標値と細骨材率の関係を
示すグラフである。
【図7】混和剤の添加量とスランプフローの関係を示す
グラフである。
【図8】セルロース系増粘剤の添加量とスランプフロー
保持時間の関係を示すグラフである。
【図9】本発明で使用するコンクリートと従来のコンク
リートとのスランプフローの経時変化の試験結果を示す
グラフである。
【図10】同じく圧縮強度試験結果を示すグラフであ
る。
【図11】加圧ブリージング試験結果を示すグラフであ
る。
【図12】L形ボックス試験状態を示す斜視図である。
【図13】スランプフロー試験状態を示す斜視図であ
る。
【図14】シールドトンネル覆工用鋼枠へ本発明の実施
例のコンクリートを自重充填する状態を示す一部切欠し
た側面図である。
【図15】同上の断面図である。
【図16】同上の充填実験においてコンクリート充填状
態を示す斜視図である。
【図17】同実験によって得られたシールドトンネル覆
工用鋼枠セグメントを示す斜視図である。
【図18】シールドトンネル覆工用鋼枠へバイブレータ
を使用して振動により締め固めながら充填する状態を示
す斜視図である。
【図19】同上の締め固めにより得られたシールドトン
ネル覆工用鋼枠セグメントを示す斜視図である。
【図20】場所打ちコンクリート覆工用鋼枠の斜視図で
ある。
【図21】同上の場所打ちコンクリート覆工用鋼枠を使
用してシールド掘進機によりシールドトンネルを施工す
る状態を示す斜視図である。
【図22】同上の断面図である。
【図23】同上の場所打ちコンクリート覆工用鋼枠の組
み立て状態を示す図である。
【図24】同鋼枠へコンクリートを充填する状態を示す
図である。
【図25】同鋼枠の外側のテールボイドへのコンクリー
トの加圧充填状態を示す図である。
【図26】図21の工法の実験においてシールド掘進機
内を示す斜視図である。
【図27】同上の実験においてテールボイドへの充填状
態を示す斜視図である。
【図28】鋼製連壁工法の実験例のコンクリート充填前
の状態を示す側面図である。
【図29】同上の斜め上から見た図である。
【図30】同上の実験においてコンクリート硬化後の状
態を示す上面図である。
【図31】同上の表面図である。
【符号の説明】
8 鋼枠 9 鋼製蓋板 10 コンクリート充填用ホッパ 11 充填口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C04B 28/02 14:02 14:06 28:12 24:24 24:38) (73)特許権者 000215925 帝都高速度交通営団 東京都台東区東上野3丁目19番6号 (72)発明者 松本 嘉司 東京都練馬区大泉学園町5丁目29番25号 (72)発明者 中村 稔 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新日本製鐵株式会社内 (72)発明者 小門 武 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社技術開発本部内 (72)発明者 園田 徹士 東京都港区北青山二丁目5番8号 株式 会社間組内 (72)発明者 谷口 裕史 東京都港区北青山二丁目5番8号 株式 会社間組内 (72)発明者 福留 和人 東京都港区北青山二丁目5番8号 株式 会社間組内 (72)発明者 鈴木 篤 東京都港区北青山二丁目5番8号 株式 会社間組内 (72)発明者 喜多 達夫 東京都港区北青山二丁目5番8号 株式 会社間組内 (72)発明者 山上 清 東京都豊島区南池袋一丁目16番15号 西 武建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−147995(JP,A) 特開 平3−45544(JP,A) 特開 平4−49005(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 28/02 E02D 5/20 102 E21D 11/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼枠内にコンクリートを充填するコンクリ
    ート充填鋼枠セグメントにおいて、上記コンクリート
    が、水、セメント、細骨材、粗骨材、混和剤及び微粉末
    の混和材を原料とし、細骨材率が45〜55%、水/
    (セメント+混和材)比が25〜35%、スランプフロ
    ーが55cm〜75cm、空気量が1.5〜3.0%と
    なるように配合したもので、最大骨材寸法が鋼枠の鋼材
    間隔又は鋼材のかぶり厚さの1/3ないし1/5(但
    し、20mmを越えたときは20mm)であることを特
    徴とするコンクリート充填鋼枠セグメント。
  2. 【請求項2】コンクリートには、スランプフロー保持時
    間を調整するため微量のセルロース系増粘剤が添加され
    ていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート
    充填鋼枠セグメント。
  3. 【請求項3】コンクリートの単位水量が175Kg/m
    以下である請求項1又は2に記載のコンクリート充填
    鋼枠セグメント。
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