JP2787390B2 - 自動設定減圧弁 - Google Patents

自動設定減圧弁

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JP2787390B2 JP4122664A JP12266492A JP2787390B2 JP 2787390 B2 JP2787390 B2 JP 2787390B2 JP 4122664 A JP4122664 A JP 4122664A JP 12266492 A JP12266492 A JP 12266492A JP 2787390 B2 JP2787390 B2 JP 2787390B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二次側の流体圧力を設
定する圧力設定ばねの弾性力を調節ねじの進退位置の変
更によって調節する減圧弁において、調節ねじの進退を
アクチュエ―タによって行う自動設定減圧弁に関する。
自動設定減圧弁は、減圧弁の弁ケ―シングに形成した軸
受部にねじ結合した調節ねじを電動機で回転させて軸方
向に移動させることにより圧力設定ばねの付勢状態を変
更するように構成し、調節ねじの位置と設定圧力との関
係に基づいて、電動機の駆動を制御するようにしたもの
である。この自動設定減圧弁においては、圧力設定ばね
を締め込むにしたがって、その発生力が大きくなり、ア
クチュエ―タのトルクが不足する問題が生じていた。
【0002】
【従来の技術】この問題に対する解決策が特公平3−8
1166号公報に示されている。これは、調節ねじに被
磁性部材を取り付け、被磁性部材に対向して、調節ねじ
を締め込んだときに、被磁性部材を吸引する磁性部材を
配置したものであり、調節ねじを締め込んで行くにした
がって、磁性部材の吸引力が増大し、圧力設定ばねの発
生力を吸収する。これにより、アクチュエ―タのトルク
不足を防止するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものでは、
圧力設定ばねの発生力が締込量に比例するのに対して、
磁性部材の吸引力は締込量の自乗に比例するので、アク
チュエ―タのトルク不足を有効に防止できず、比較的ト
ルクの大きなアクチュエ―タを必要とする問題があっ
た。従って、本発明の技術的課題は、圧力設定ばねの発
生力を吸収する磁力を締込量に対して比例させることで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決
するために講じた本発明の技術的手段は、弁ケーシング
に形成した軸受部にねじ結合した調節ねじを回転させて
軸方向に移動させその移動により一面に圧力設定ばね
の弾性力が作用し他面に二次圧が作用する圧力応動部材
に対する圧力設定ばねの付勢状態を変更することにより
弁の設定圧力を調節するように構成され、調節ねじの位
置と設定圧力との関係に基づいて調節ねじの軸方向の移
動をアクチュエータによって行うようにした自動設定減
圧弁において、調節ねじに磁石を取り付け、通電により
磁石と反発あるいは吸引する磁力を発生するコイルを磁
石の周囲に配置し、コイルへ通電する電流の大きさを制
御する制御手段を設けて圧力設定ばねの発生力を吸収す
るようにしたものである。
【0005】
【作用】上記の技術的手段の作用は下記の通りである。
制御手段によりコイルへ通電する電流の大きさを制御す
ることにより、調節ねじに取り付けた磁石に対する反発
あるいは吸引力を調節ねじの締込量に比例させることが
できる。従って、圧力設定ばねの発生力とこの発生力を
吸収する磁力とをほぼ一定にすることができ、トルクの
小さなアクチュエ―タであっても調節ねじを回転させて
軸方向に移動させることができる。
【0006】
【実施例】上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説
明する(図1参照)。弁ケーシングで入口1と出口2、
主弁口3を形成し、主弁口3は主弁ばね4で閉弁方向に
付勢された主弁体5で開閉する。ピストン9をシリンダ
ー10内に摺動自在に配置し、ピストン9の下部ピスト
ン棒は前記主弁体5の上部突起部に当接する。ピストン
9の下面には出口2側の流体圧力が作用し、上面には入
口1側の流体圧力が一次圧通路11,12を通してパイ
ロット弁13で制御されて導入される。パイロツト弁1
3は閉弁方向にばねで付勢され、弁棒を介して圧力応動
部材としてのダイヤフラム14の下面に当り、その変位
により開弁方向の操作力を受ける。
【0007】ダイヤフラム14の上面にはダイヤフラム
押え15を介して圧力設定ばね16の下端が当接し、弾
性力が作用する。圧力設定ばね16の上端にはばね受け
部材17及びボ―ル18を介して調節ねじ19の下端が
当り、調節ねじ19の回転による進退で、圧力設定ばね
16の圧縮量を調節して、ダイヤフラム14に作用する
弾性力を調節できるようになっている。調節ねじ19
は、弁ケ―シングの一部を成すばね収容ケ―ス20に固
定した軸受部21にねじ結合している。ダイヤフラム1
4の下面は出口2に連通する二次側検出通路24を通し
てダイヤフラム室25に面する。
【0008】調節ねじ19が左右に回転すると、圧力設
定ばね16のダイヤフラム14を押し下げる弾性力が変
る。従って、ダイヤフラム14が下方に変位するとパイ
ロット弁13が押し下げられて開弁し、入口1の流体が
通路11,12を通ってピストン9の上方に導入され、
主弁体5がピストン9で押し下げられて主弁口3が開か
れ、入口1の流体が出口2に流れる。二次側の圧力が上
昇すると二次側検出通路24を通してダイヤフラム室2
5の圧力も上昇し、ダイヤフラム14が上方に変位す
る。その結果パイロット弁13が押し上げられて閉弁し
ピストン9の上方への供給流体が減少し主弁体5が主弁
ばね4で押し上げられ、主弁口3が塞がれる。以上を繰
り返して二次側の圧力を所望の値に保持する。
【0009】設定圧力を変更する時は調節ねじ19を回
転して圧力設定ばね16のダイヤフラム14への付勢力
を変更する。この調節ねじ19を回転せしめる機構を以
下に説明する。調節ねじ19の上部にアクチュエ―タ2
6の出力軸27を嵌合する嵌合孔28を形成し、嵌合孔
28の周囲には2か所切欠部29を形成する。出力軸2
7にピン30を貫通させて固定し、ピン30の両端を切
欠部29に嵌合して、出力軸27を嵌合孔28に嵌合す
る。アクチュエ―タ26は出力軸27を有する減速機3
1と減速機31の入力側に結合されたモ―タ32とから
成り、収容ケ―ス20に固定した取付台33に固定さ
れ、カバ―34で覆われる。また、嵌合孔28の底に円
柱形状の磁石22を固定し、その周囲の調節ねじ19の
外側にコイル23を配置して取付台33に固定する。
【0010】カバ―34内に電動機32へ駆動信号を供
給すると共にコイル23への通電を制御する制御手段3
5を配置する。制御手段35には予め調節ねじ19の位
置と設定圧力の関係を記憶せしめておく。また圧力設定
ばね16の発生力とこの発生力を吸収する磁力とをほぼ
一定にするように、予め調節ねじ19の締込量と磁力と
が比例する磁石22に対する反発力を発生するコイル2
3への電流の大きさを記憶せしめておく。出力軸27の
定位置に於ける回転に対し、調節ねじ19はピン30を
介して回転しながら軸方向に移動する。取付台32に調
節ねじ19の軸方向の位置を検出するポテンショ・メ―
タ36を取り付ける。
【0011】設定すべき任意の設定圧力が入力される
と、制御手段35は調節ねじ19の位置と設定圧力との
関数関係に基づいて電動機32を回転させ、調節ねじ1
9を進退せしめて圧力設定ばね16の弾性力を調節す
る。また制御手段35はポテンショ・メ―タ36からの
信号により、調節ねじ19の位置に対応してコイル23
へ通電する電流の大きさを制御し、圧力設定ばね16の
発生力を磁力によって吸収せしめる。そして、調節ねじ
19が停止すべき位置に変位したことが検出されると、
制御手段35は電動機32の駆動を停止する。上記実施
例においては、コイル23への通電により磁石22に対
する反発力を発生させるようにしたが、吸引力を発生さ
せて圧力設定ばね16の発生力を吸収させてもよい。
【0012】
【発明の効果】上記のように本発明によれば、コイルへ
通電する電流の大きさを制御することにより、圧力設定
ばねの発生力とこの発生力を吸収する磁力とをほぼ一定
にできるので、トルクの小さなアクチュエ―タを使用す
ることができる。従って、小型で安価な自動設定減圧弁
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の自動設定減圧弁の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 入口 2 出口 3 主弁口 5 主弁体 14 ダイヤフラム 16 圧力設定ばね 19 調節ねじ 21 軸受部 22 磁石 23 コイル 26 アクチュエ―タ 27 出力軸 35 制御手段 36 ポテンショ・メ―タ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁ケーシングに形成した軸受部にねじ結
    合した調節ねじを回転させて軸方向に移動させその移
    動により一面に圧力設定ばねの弾性力が作用し他面に二
    次圧が作用する圧力応動部材に対する圧力設定ばねの付
    勢状態を変更することにより弁の設定圧力を調節するよ
    うに構成され、調節ねじの位置と設定圧力との関係に基
    づいて調節ねじの軸方向の移動をアクチュエータによっ
    て行うようにした自動設定減圧弁において、調節ねじに
    磁石を取り付け、通電により磁石と反発あるいは吸引す
    る磁力を発生するコイルを磁石の周囲に配置し、コイル
    へ通電する電流の大きさを制御する制御手段を設けて圧
    力設定ばねの発生力を吸収するようにした自動設定減圧
    弁。
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