JP2786231B2 - カチオン電着塗料 - Google Patents

カチオン電着塗料

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JP2786231B2 JP1039423A JP3942389A JP2786231B2 JP 2786231 B2 JP2786231 B2 JP 2786231B2 JP 1039423 A JP1039423 A JP 1039423A JP 3942389 A JP3942389 A JP 3942389A JP 2786231 B2 JP2786231 B2 JP 2786231B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はカチオン電着塗料組成物に関する。
従来の技術とその課題 従来、カチオン電着塗料塗膜の硬化反応形式の主なも
のとしては、例えば、イソシアネート基と活性水素基と
によるウレタン硬化反応および末端活性二重結合による
自己架橋硬化などが知られている。そして、これらの硬
化反応を促進させるために鉛化合物が触媒として有効で
あることも広く認識されている。
これまでにカチオン電着塗料に配合されている鉛化合
物の具体例とその配合方法としては、塩基性けい酸
鉛、塩基性硫酸鉛、リン酸鉛、クロム酸鉛などの水不溶
性鉛化合物を顔料分散樹脂であらかじめ分散してから電
着塗料して配合する;酢酸鉛のような水溶性鉛を水に
溶解してから電着塗料に添加する;セカノイック鉛、
オクチック鉛やナフテック鉛などの油溶性の長鎖脂肪酸
の鉛塩を分散用樹脂と共に水分散して電着塗料に使用す
る;などがあげられる。
しかしながら、これらの方法では種々の欠陥があり、
その解決が強く望まれている。すなわち、上記の方法
では、鉛化合物を微粒子状に分散することが難しく、し
かも比重が大きいため電着塗料中で沈降し易く、被塗物
の水平面へのふりかかりによるブツの発生原因となるな
どに基いて鉛化合物の使用量を少くせざるを得ない。し
かも粒状固形物であるがために電着塗料中の樹脂との接
触頻度(表面積)が小さく、多くのものは触媒作用が弱
い。上記の方法では、水溶性鉛は酸との塩の形態をと
るため、多くの低分子電解質がそうであるように、電着
塗料形成時に水の電気分解を促進して塗膜破壊電圧を低
下させると共にウェット膜に多量のガス穴を残し易い。
これは焼付後の平滑性不良やガス穴発生等の重大な欠陥
を与えるため該鉛化合物の使用量が制限される。そし
て、上記の方法では、該鉛化合物における長鎖脂肪酸
含有率が高いために該化合物を多量使用すると、耐食性
等に悪影響を与えると共に水分散性を著しく低下させる
ため、やはり使用量が制限される。
さらに上記〜の方法以外に、β−ヒドロキシア
ミノ構造を有する化合物と酸化鉛(II)とのキレート化
反応生成物を使用する方法が最近開示された(特開昭63
−152676号公報)。しかし、この方法も、鉛含有量を高
めるためには、酸化鉛と反応させるアルカノールアミン
濃度を高くする必要があり、その結果、低分子量のβ−
ヒドロキシアミノ構造を有する化合物を使用せざるを得
なくなって、前記の方法の水溶性鉛を用いる場合と本
質的に同じ欠陥である低分子量電解質による塗膜破壊電
圧の低下、及び前記の方法における油溶解性鉛と同様
に耐食性の低下等を招く。
課題を解決するための手段 本発明者らは、上記従来の〜の方法における欠陥
をすべて解消し、塗膜の架橋硬化をすみやかにしかも容
易に行なうことが可能なカチオン電着塗料を開発すべく
研究を行なった結果、今回、鉛化合物として水酸化鉛ま
たはオキシ水酸化鉛を使用することにより、上記の目的
を達成しうること見い出し、本発明を完成した。
かくして、本発明によれば、水酸化鉛またはオキシ水
酸化鉛を含有することを特徴とするカチオン電着塗料が
提供される。
本発明の特徴は、カチオン電着塗料に水酸化鉛または
オキシ水酸化鉛を含有せしめたところにある。その結
果、本発明の電着塗料を用いれば、水酸化鉛またはオキ
シ水酸化鉛の強い塩基性によるものと思われるすぐれた
触媒効果、つまり、カチオン電着塗膜をすみやかに架橋
硬化させることが可能となり、しかも、水酸化鉛または
オキシ水酸化鉛を該電着塗料中で微粒子状に安定に分散
することができ、貯蔵中に沈降することも殆どない。さ
らに、本発明はカチオン電着塗料に水酸化鉛またはオキ
シ水酸化鉛を含有させることによって、電着塗料時の塗
膜破壊電圧を低下させたり、塗膜の平滑性を損なったり
することもなく、また、安定性が劣化することがない等
種々の利点を達成することができたものである。
本発明で用いる水酸化鉛[Pb(OH)]またはオキシ
水酸化鉛[Pb2O(OH)]としては、試薬や工業製品と
して市販のものが使用できる。これらは室温において粒
状もしくは粉末状での固体であることが好ましい。
本発明において、上記水酸化鉛またはオキシ水酸化鉛
を含有せしめるためのカチオン電着塗料は特に制限され
るものではなく、当業界において知られているものが用
いられる。具体的には、塗膜の架橋硬化反応形式に基い
て例示すれば、アミノ基や水酸基を有する基体樹脂とブ
ロックポリイソシアネート化合物(硬化剤)とのウレタ
ン交換反応を利用したもの;基体樹脂の末端若しくは側
鎖に有せしめた重合性二重結合による自己架橋反応を利
用したもの;などがあげられる。さらにこれら以外にエ
チレンカーボネート硬化方式やエステルアミド交換方式
のカチオン電着塗料に対しても適用できる。
本発明者等がカチオン電着塗料の電着塗膜の架橋硬化
反応における水酸化鉛またはオキシ水酸化鉛の触媒硬化
作用について詳細に研究を行なった結果、水酸化鉛また
はオキシ水酸化鉛と上記に例示した如きカチオン電着塗
料に配合することによって前記した種々の欠陥が解消さ
れるばかりでなく、本発明者等が先に提案した第1級水
酸基ならびにカチオン性基を有する基体樹脂とエポキシ
基を含有する硬化用樹脂とを主成分とするカチオン電着
塗料(以下、「エポキシ硬化CED塗料」と略称すること
がある)に適用すると、さらに一層すぐれた技術的効果
を得られることが判明した(特開平2−255874号公報参
照) このエポキシ硬化CED塗料において使用される第1級
水酸基及びカチオン性基を有する基体樹脂には、エポキ
シ基と反応しうる第1級水酸基を含有し且つ安定な水性
分散物を形成するのに十分な数のカチオン性基を有する
任意の樹脂が包含される。しかして、該基体樹脂として
は例えば次のものが挙げられる。
(i) ポリエポキシド化合物とカチオン化剤とを反応
せしめて得られる反応生成物; (ii) ポリカルボン酸とポリアミンとの重縮合物(米
国特許第2,450,940号明細書参照)を酸でプロトン化し
たもの; (iii) ポリイソシアネート及びポリオールとモノ又
はポリアミンとの重付加物を酸でプロトン化したもの; (iv) 水酸基ならびにアミノ基含有アクリル系又はビ
ニル系モノマーの共重合物を酸でプロトン化したもの
(特公昭45−12395号公報、特公昭45−12396号公報); (v) ポリカルボン酸樹脂とアルキレンイミンとの付
加物を酸でプロトン化したもの(米国特許第3,403,088
号明細書参照);等。
これらの基体樹脂の具体例及び製造方法については、
例えば特公昭45−12395号公報、特公昭45−12396号公
報、特公昭49−23087号公報、米国特許第2,450,940号明
細書、米国特許第3,403,088号明細書、米国特許第3,89
1,529号明細書、米国特許第3,963,663号明細書等に記載
されているので、ここではこれらの引用を以つて詳細に
記述に代える。
基体樹脂として特に望ましいのは前記したものの中で
も殊に、防食性に優れている点からポリフェノール化合
物とエピクロルヒドリンとから得られる上記(1)のポ
リエポキシド化合物のエポキシ基にカチオン化剤を反応
せしめて得られる反応生成物である。
前記ポリエポキシド化合物は、エポキシ基 を1分子中に2個以上有する化合物で、一般に少くとも
200、好ましくは400〜4,000、さらに好ましくは800〜2,
000の範囲内の数平均分子量を有するものが適してい
る。そのようなポリエポキシド化合物としてはそれ自体
公知のものを使用することができ、例えば、ポリフェノ
ール化合物をアルカリの存在下にエピクロルヒドリンと
反応させることにより製造することができるポリフェノ
ールのポリグリシジルエーテルが包含される。ここで使
用しうるポリフェノール化合物としては、例えばビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4′−
ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert
−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒ
ドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタ
レン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、テ
トラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、
クレゾールノボラック等が挙げられる。
上記したポリエポキシド化合物の中で、基体樹脂の製
造に特に好適なものは、数平均分子量が少くとも約38
0、好適には約800〜2,000、及びエポキシ当量が190〜2,
000、好適には400〜1,000の範囲のポリフェノールのポ
リグリシジルエーテルであり、殊に下記一般式 で表わされるビスフェノールAタイプのエポキシ樹脂で
ある。該ポリエポキシド化合物をポリオール、ポリエー
テルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアミド
アミン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネートなどと一
部反応させてもよく、さらに、δ−4カプロタクトン、
アクリルモノマーなどをグラフト重合させてもよい。
一方、ポリエポキシド化合物に反応させるカチオン化
剤としては、脂肪族または脂環族または芳香−脂肪族の
第1級もしくは第2級アミン、第3級アミン塩、第2級
スルフィド塩、第3級ホスフィン塩などが挙げられる。
これらはエポキシ基と反応してカチオン性基を形成す
る。さらに第3級アミノアルコールとジイソシアネート
の反応によつて得られる第3級アミノモノイソシアネー
トをエポキシ樹脂の水酸基と反応させてカチオン性基と
することもできる。
前記カチオン化剤におけるアミノ化合物の例として
は、例えば次のものを例示することができる。
(1) メチルアミン、エチルアミン、n−又はiso−
プロピルアミン、モノエタノールアミン、n−又はiso
−プロパノールアミンなどの第1級アミン (2) ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジn−
又はiso−プロパノールアミン、N−メチルエタノール
アミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級アミ
ン、 (3) エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒ
ドロキシエチルアミンエチルアミン、エチルアミノエチ
ルアミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミ
ノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミンなどの
ポリアミン。
これらの中で水酸基を有するアルカノールアミン類が
好ましい。第1級アミノ基を予めケトンと反応させてブ
ロツクした後、残りの活性水素でエポキシ基と反応させ
てもよい。
さらに、上記アミン化合物以外にアンモニア、ヒドロ
キシルアミン、ヒドラジン、ヒドロキシエチルヒドラジ
ン、N−ヒドロキシエチルイミダゾリン化合物などの塩
基性化合物も同様に使用できる。これらの化合物を用い
て形成される塩基性基は酸、特に好ましくはギ酸、酢
酸、乳酸などの水溶性有機カルボン酸でプロトン化して
カチオン性基とすることができる。
さらに、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、
N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノ
ールアミン、N,N′−ジエチルエタノールアミン、N−
エチルジエタノールアミンなどの第3級アミンなどをも
使用でき、これらは酸で予めプロトン化し、エポキシ基
と反応させて第4級塩にすることができる。
また、アミノ化合物以外に、ジエチルスルフィド、ジ
フェニルスルフィド、テトラメチレンスルフィド、チオ
ジエタノールなどのスルフィド類とホウ酸、炭酸、有機
モノカルボン酸などとの塩をエポキシ基と反応させて第
3級スルホニウム塩としてもよい。
更に、トリエチルホスフィン、フェニルジメチルホス
フィン、ジフェニルメチルホスフィン、トリフェニルホ
スフィンなどのホスフィン類と上記の如き酸との塩をエ
ポキシ基と反応させて、第4級ホスホニウム塩としても
よい。
基体樹脂の第1級水酸基の含有量は、後記硬化用樹脂
中のエポキシ基との反応性の点から、水酸基価で一般に
約10〜400、特に20〜200の範囲が好ましい。また、カチ
オン性基の含有量は、基体樹脂を水に安定に分散しうる
程度の少ない量が望ましく、KOH(mg/g固形分)換算数
で一般に3〜100、特に8〜80の範囲が好ましい。しか
し、カチオン性基の含有量が3以下の場合であっても、
界面活性剤などを使用して水性分散化して使用すること
も可能であるが、この場合には、水分散化物のpHが4〜
9、好ましくは6〜7になるようにカチオン性基を調整
するのが望ましい。
エポキシ硬化CED塗料で用いる基体樹脂は、第1級水
酸基及びカチオン性基を有しており、遊離のエポキシ基
は原則として含まないことが望ましい。
次に上記基体樹脂と混合して使用されるエポキシ基含
有硬化用樹脂としては、例えば、下記式(1) (式中、nは2〜30の整数である) で示される繰り返し単位を有するエポキシ樹脂(以下、
「硬化用樹脂(A)」と略称することがある)および下
記式(II) (式中、Rは水素原子又はメチル基である) で示される繰り返し単位を有する数平均分子量が200,00
0以下の重合体(以下、「硬化用樹脂(B)」と略称す
ることがある)をあげることができる。
さらに具体的には、まず硬化用樹脂(A)としては、
例えば、特開昭60−170620号公報、特開昭62−135467号
公報、特開昭60−166675号公報、特開昭60−161973号公
報などに記載されているそれ自体既知のものを使用する
ことができる、 上記硬化用樹脂(A)は、下記式(III)に示す如
く、末端に重合開始成分の残基Xをもつことができる。
ここで、Xは活性水素を有する有機物残基であり、そ
の前駆体である活性水素を有する有機物としては、例え
ば、アルコール類、フェノール類、カルボン酸類、アミ
ン類、チオール類等があげられる。このうち、アルコー
ル類としては、1価アルコールならびに2価以上の多価
アルコールのいずれであってもよく、具体的にはメタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタ
ノール、ヘキサノール、オクタノール等の脂肪族1価ア
ルコール;ベンジルアルコールのような芳香族1価アル
コール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、オキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステ
ル、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ジグリ
セリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ト
リメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ペンタエ
リスリトールなどの多価アルコール等が例示される。
フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾ
ール、カテコール、プロガロール、ハイドロキノン、ハ
イドロキノンモノメチルエーテル、ビスフェノールA、
ビスフェノールF、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、ビスフェノールS、フェノール樹脂、クレゾールノ
ボラック樹脂等が挙げられる。
カルボン酸類としてはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、動植物油の脂肪酸;フマル酸、マレイン酸、アジピ
ン酸、ドデカン2酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸、ポリアクリル酸、フタール酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸等が例示でき、また、乳酸、クエン酸、オキシ
カプロン酸等の水酸基とカルボン酸を共に有する化合物
を使用できる。
さらにその他、活性水素を有する化合物として、ポリ
ビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル部分加水分解物、デ
ンプン、セルロース、セルロースアセテート、セロルー
スアセテートブチレート、ヒドロキシエチルセロルー
ス、アリルポリオール樹脂、スチレン−アリルアルコー
ル共重合樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、アル
キッド樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリカプロ
ラクトンポリオール樹脂等も使用することができる。ま
た、活性水素を有する化合物は、活性水素と共にその骨
格中に不飽和二重結合を有していてもよく、さらに該不
飽和二重結合がエポキシ化された構造のものであっても
さしつかえない。
前記(I)式において繰り返し単位の数を表わすnは
2〜30であるが、nが30を越えると一般に融点の高い樹
脂となり取扱困難となる。
硬化用樹脂(A)は、具体的には通常、上記活性水素
を有する有機化合物を開始剤にし、4−ビニルシクロヘ
キセン−1−オキサイドを開環重合させることによって
得られるポリエーテル樹脂、すなわち、ビニル基側鎖を
有するポリシクロヘキセンオキサイド開環重合体を過酸
等の酸化剤でエポキシ化することによって製造すること
ができる。
4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドは例え
ば、ブタジエンの2量化反応によって得られるビニルシ
クロヘキセンを過酢酸によって部分エポキシ化すること
によって得ることができる。4−ビニルシクロヘキセン
−1−オキサイドを活性水素存在下に開環重合させる場
合には一般に触媒を使用することが好ましく、使用しう
る触媒としては、例えば、メチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ピペラジン等のアミン類、ピリジ
ン類;イミダゾール類等の有機塩基酸;ギ酸、酢酸、プ
ロピオン酸等の有機酸類;硫酸、塩酸等の無機酸;ナト
リウムメチラート等のアルカリ金属アルコラート類;KO
H、NaOH等のアルカリ流;BF3ZnCl2、AlCl3、SnCl4等のル
イス酸又はそのコンプレックス類、トリエチルアルミニ
ウム、ジエチル亜鉛等の有機金属化合物を掲げることが
できる。
これらの触媒は反応物に対して0.001〜10重量%、好
ましくは0.1〜5重量%の範囲で使用することができ
る。開環重合反応温度は一般に−70〜200℃、好ましく
は−30℃〜100℃である。反応は溶媒を用いて行なうこ
とができ、溶媒としては活性水素を有していない通常の
溶媒を使用することが好ましい。
このようにして合成されるビニル基側鎖を有するポリ
シクロヘキセンオキサイド開環重合体が有するビニル基
側鎖をエポキシ化すれば、式(I)の硬化用樹脂(A)
が得られ、そのエポキシ化は過酸類、ハイドロパーオキ
サイド類等を用いて行なうことができる。過酸類として
は、例えば過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、トリフルオロ
過酢酸等を用いることができ、また、ハイドロパーオキ
サイド類としては、例えば過酸化水素、tert−ブチルパ
ーオキサイド、クメンパーオキサイド等を用いることが
できる。エポキシ化反応は必要に応じて触媒を用いて行
なうことができる。エポキシ化反応の際の溶媒使用の有
無や反応温度は、用いる装置や原料物性に応じて適宜調
整することができる。エポキシ化反応の条件によって、
原料重合体中のビニル基のエポキシ化と同時に原料中の
下記式(IV)で示される置換基及び/又は生成してくる
下記式(V)で示される置換基がエポキシ化剤等と副反
応を起こした結果、変成された置換基が生じ、硬化用樹
脂(A)中に含まれることがある。
これらの変成された置換基が含まれる比率はエポキシ
化剤の種類、エポキシ化剤とビニル基のモノ比、反応条
件によって定まる。
硬化用樹脂(A)としては市販品も使用可能であり、
例えばEHPE3150(ダイセル化学工業(株)製商品名)が
あげられる。
次に、硬化用樹脂(B)としては、下記式 (式中、Rは水素原子又はメチル基である) で示される繰り返し単位を有する数平均分子量200,000
以下の重合体が使用される。
硬化用樹脂(B)は、通常、下記一般式(VI) 式中、Rは水素又はメチル基である、 で示されるモノマーから選ばれる1種以上、又は該モノ
マーの少なくとも1種と他の重合性モノマーとを重合せ
しめることによつて製造することができる。上記式(V
I)で示されるモノマーとして具体的には例えば、3,4−
エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどがあげ
られる。これらの市販品として、例えば、ダイセル化学
工業製METHB、AETHB(いずれも商品名)があげられる。
また、上記式(VI)で示されるモノマーと共重合しう
る他の重合性モノマーとしては、望まれる性能に応じて
広範に選択することができ、その代表例を示せば次の通
りである。
(a) アクリル酸又はメタクリル酸のエステル;例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタ
クリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル
酸又はメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステ
ル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシ
ブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メト
キシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸
エトキシブチル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素
数2〜18のアルコキシアルキルエステル;アリルアクリ
レート、アリルメタクリレート等のアクリル酸又はメタ
クリル酸の炭素数2〜8のアルケニルエステル;ヒドロ
キシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸
の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;アリル
オキシエチルアクリレート、アリルオキシメタクリレー
ト等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数3〜18のア
ルケニルオキシアルキルエステル。
(b) ビニル芳香族化合物:例えば、スチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロルスチレ
ン。
(c) ポリオレフイン系化合物:例えば、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン。
(d) その他:アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、メチルイソプロペニルケトン、酢酸ビニルベオバモ
ノマー(シエル化学製品)、ビニルプロピオネート、ビ
ニルピバレート、ポリカプロラクトン鎖をもつビニル化
合物(例えば、FM−3Xモノマー:ダイセル化学工業製商
品名)等。
硬化用樹脂(B)において、前記式(VI)で示される
モノマーの使用量は、該樹脂(B)の1分子中に少なく
とも2個含有されていればよく、硬化した塗膜の架橋密
度や硬化速度などに基づいて、硬化用樹脂(B)の固形
分中少なくとも50重量%以上となるようにするのが好ま
しい。
上記硬化用樹脂(B)は、通常のアクリル樹脂やビニ
ル樹脂等の合成反応と同様の方法、条件で製造すること
ができる。このような合成反応の一例として、各単量体
成分を有機溶剤に溶解もしくは分散せしめ、ラジカル重
合開示剤の存在下で60〜180℃程度の温度で攪拌しなが
ら加熱する方法を示すことができる。反応時間は通常1
〜10時間程度とすることができる。また、有機溶剤とし
ては、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系
溶媒、炭化水素系溶媒等を使用できる。炭化水素系溶媒
を用いる場合には、溶解性の点から他の溶媒を併用する
ことが好ましい。さらに、ラジカル開示剤としては通常
用いられているものをいずれも用いることができ、その
具体例として、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化物;アゾイソ
ブチルニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等の
アゾ化合物等を示すことができる。
上記硬化用樹脂(B)は、数平均分子量3,000〜200,0
00程度のものが好ましく、特に4,000〜10,000程度のも
のがより好ましい。
エポキシ硬化CED塗料において、上記の基体樹脂と硬
化用樹脂(A)および/または(B)との構成率は、用
いる基体樹脂の種類に応じて、また得られる塗膜が熱硬
化するのに必要な最少量乃至カチオン電着塗料の安定性
をそこなわない最大量の範囲内で適宜変えることができ
るが、一般には硬化用樹脂の基体樹脂に対する固形分の
重量比が0.2〜1.5の範囲となるように選択するのが好ま
しい。また、硬化用樹脂の一部が基体樹脂にあらかじめ
付加したものが含まれていてもさしつかえない。
上記基体樹脂と硬化用樹脂(A)又は(B)とを主成
分とする組成物は本発明における水酸化鉛またはオキシ
水酸化鉛を配合するカチオン電着塗料として使用するこ
とができる。
本発明において、水酸化鉛またはオキシ水酸化鉛をカ
チオン電着塗料に配合する方法は特に制限されず、粉末
状もしくは粒状のものをそのまま配合してもさしつかえ
ない。例えば、顔料分散樹脂により水酸化鉛またはオキ
シ水酸化鉛を単独または他の顔料と共にボールミルで分
散した後、カチオン電着塗料に配合することもできる
が、一般に水酸化鉛またはオキシ水酸化鉛を微粒子状で
カチオン電着塗料中に均一かつ安定に分散させるために
は次に説明する分散方法が特に好ましい。
分散方法(I):水酸化鉛またはオキシ水酸化鉛を有機
溶剤中に分散して均一なサスペンジョンとし、次いで該
サスペンジョンにカチオン電着塗料が可能な水分散性樹
脂を加え中和してからカチオン電着塗料中に配合し、分
散する方法である。
水酸化鉛またはオキシ水酸化鉛を分散するための有機
溶剤としては特に制限されず、通常の塗料に配合されて
いるものが使用でき、例えば炭化水素系、アルコール
系、ケトン系、エーテル系およびエステル系などの溶剤
をあげることができ、なかでもアルコール系有機溶剤を
使用することが、安定なサスペンジョンを得るために好
ましい。このようなアルコール系溶剤としては、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノー
ル、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノー
ル、ペンタノール、2−エチルヘキサノール、ベンジル
アルコール等の1価アルコール類;エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の
グリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシル
エーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、等のモノアルキルエーテル化グリコール類などをあ
げることができる。
水酸化鉛またはオキシ水酸化鉛と有機溶剤とからなる
サスペンジョンにおいて、該両成分の構成比率は、これ
らの合計重量に基いて、水酸化鉛またはオキシ水酸化鉛
が1〜90%、好ましくは5〜40%、有機溶剤99〜10%、
好ましくは95〜60%の範囲内が適している。
該両成分の混合方法はそれ自体既知の手段によって行
なうことができ、混合温度は室温〜250℃、特に50〜150
℃の範囲が好ましい。有機溶剤として上記アルコール系
を用いると、水酸化鉛またはオキシ水酸化鉛の粗粒子分
散物がきわめて安定なサスペンジョンに変化し、しか
も、このものは静置しておいてもかなり長期間安定であ
り、少量の沈降物は容易に再分散し得るという利点であ
る。
該サスペンジョンに配合する水分散性樹脂は、カチオ
ン電着塗料が可能カチオン性基を有していることが好ま
しく、具体的にはこれまでにすでに当業界において既知
のものが使用できるが、特に前記の第1級水酸基とカチ
オン性基とを有する基体樹脂を用いることが望ましい。
サスペンジョンと水分散性樹脂との混合は特に制限され
ず任意の方法で行なうことができ、混合時の温度は20〜
90℃程度の範囲が適している。該両成分の混合比率を制
限されないが、水分散性樹脂固形分に基いて、水酸化鉛
またはオキシ水酸化鉛が鉛金属量に換算して1〜80重量
%、好ましくは2〜50重量%、特に好ましくは10〜35重
量%の範囲内が適している。
サスペンジョンと水分散性樹脂との混合物はカチオン
電着塗料組成物に配合するが、その前に、該混合物に含
まれる水分散性樹脂を酸で中和し、水分散液としておく
ことが好ましい。水分散性樹脂の中和剤としての酸はい
かなる種類のものでもよいが、好ましいのは解離定数PK
aが4よりも小さい親水性の高い酸であり、例えばギ酸
があげられる。このような酸は水酸化鉛またはオキシ水
酸化鉛を含む分散粒子内部よりも連続相である水中にお
いてより安定に存在するため、水分散化を容易にすると
共にカチオン電着塗料の長期間の貯蔵時において水酸化
鉛またはオキシ水酸化鉛と反応して塗料に悪影響を及ぼ
すこともない。水分散性樹脂の中和は、該樹脂をサスペ
ンジョンに配合する前もしくはその後に行なってもよ
い。
カチオン電着塗料への上記混合物の配合量は目的に応
じて任意に選択できるが、一般には、前者の樹脂固型分
に対して金属鉛として0.05〜10重量%、好ましくは0.5
〜5重量%の鉛を含むように調整するのが好ましい。
さらに、本発明のカチオン電着塗料には、必要に応じ
て、カーボンブラック、チタン白、鉛白、ベンガラのよ
うな着色顔料;クレー、タルクのような体質顔料;クロ
ム酸ストロンチウム、クロム酸鉛、リサージ、鉛丹、塩
基性ケイ酸鉛、リン酸鉛、塩基性硫酸鉛、ケイクロム酸
鉛などの防食顔料;或いはさらに他の添加剤を混練して
もよい。配合しうる他の添加剤としては、例えば分散剤
又は塗面のハジキ防止剤としての少量の非イオン系界面
活性剤や硬化促進剤等が挙げられる。
本発明のカチオン電着塗料は通常の方法でカチオン電
着塗料をすることができ、その電着塗料は、例えば、80
〜250℃、好ましくは120〜160℃の範囲の温度で加熱硬
化させることができる。
次に実施例により本発明を更に具体的に説明する。実
施例中「部」はいずれも「重量部」であり、「%」は
「重量%」である。
実施例 1 エポキシ当量950のビスフェノールAタイプエポキシ
樹脂[商品名「エピコート1004、シェル化学(株)製]
1900部をブチルセロソルブ993部に溶解し、ジエタノー
ルアミン(カチオン化剤)210部を80〜100℃で滴下後10
0℃で2時間保持して固形分68%、アミン価53をもつエ
ポキシ樹脂−アミン付加物(基体樹脂(A−1))の溶
液を得た。この基体樹脂(A−1)の溶液100部に88%
ギ酸3.2部を加えて中和する。第1級水酸基価106、カチ
オン性基53KOH(mg/g固形分)で、遊離のエポキシ基を
殆ど含まない。
一方、EHPE3150[エポキシ当量175〜195、ダイセル化
学工業(株)製エポキシ樹脂]32.6部とプロピレングリ
コールモノメチルエーテル8.2部とを100℃で加熱溶解
し、固形分80%、エポキシ当量190の硬化用樹脂(A−
1)溶液40.8部を得た。このものを上記基体樹脂(A−
1)溶液のギ酸中和物103.2部に攪拌しながら脱イオン
水356部と共に加え、20%カチオン電着塗料500部を得
る。
次に水酸化鉛[Pb(OH)]2.69部にエチレングリコ
ールモノブチルエーテル15.24部を加え、十分に攪拌し
ながら徐々に90℃に昇温すると、白濁していたものが淡
い白味を帯びたサスペンジョンに変化する。90℃で30分
攪拌してから室温に冷却して、水酸化鉛のサスペンジョ
ンを得る。このサスペンジョン17.93部を上記基体樹脂
(A−1)溶液17.65部に攪拌しながら徐々に滴下混合
し、更に88%ギ酸0.59部と脱イオン水23.8部を攪拌しな
がら加え水酸化鉛を金属鉛量で基体樹脂固形分100部あ
たり20部含む20%エマルション(樹脂固形分の濃度とし
て20%)60部を得る。これと上記20%カチオン電着塗料
500部とを混合してpH5.5のカチオン電着浴を得る。
実施例 2 水酸化鉛[Pb(OH)]4.67部にエチレングリコール
モノエチルエーテル42部を加え、十分に攪拌しながら徐
々に昇温し、120℃で1時間保持した後室温に冷却して
作成した水酸化鉛のアスペンジョン26.9部を、実施例1
のエポキシ樹脂−アミン付加物溶液35.3部に攪拌しなが
ら滴下混合する。更に88%ギ酸を0.65部を加え、攪拌し
ながら脱イオン水58.5部を加え、水酸化鉛を金属鉛量で
樹脂固形分100部に対し10部含む20%エマルション(樹
脂固形分濃度として)120部を得る。これと実施例1の2
0%カチオン電着塗料500部とを混合してpH5.6カチオン
電着浴を得る。
なお、該実施例2では実施例1における硬化用樹脂
(A)を下記硬化用樹脂(B−1)に固形分同量代替し
た。
硬化用樹脂(B−1): METHB(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリ
レート)33.4部にアゾビスジメチルバレロニトリル2部
を溶解したものを、100℃に加熱したメチルイソブチル
ケトン10部とブチルセロソルブ10部との混合溶剤に2時
間かけて滴下し、1時間熟成後、125℃に昇温して更に
1時間熟成し、固形分60%、エポキシ当量196の硬化用
樹脂(B−1)溶液54部を得る。
実施例 3 モノエタノールアミン39部を反応容器中で60℃に保
ち、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド100部
を滴下し、60℃で5時間反応させ、N,N−ジメチルアミ
ノプロピルアクリルアミドのモノエタノールアミン付加
物を得た。
別にエポキシ当量190のビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル950部、エポキシ当量約340のプロピレングリ
コールジグリシジルエーテル約340部、ビスフェノールA
456部及びジエタノールアミン21部を仕込み、120℃まで
昇温し、エポキシ価が1.02ミリモル1gになるまで反応さ
せた後、エチレングリコールモノブチルエーテル479部
で希釈、冷却したのち、温度を100℃に保ちながら、ジ
エタノールアミン158部及び上記N,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミドのモノエタノールアミン付加物43
部を加え、粘度上昇が止まるまで反応させ、樹脂固形分
80%の基体樹脂(A−2)を得た。
上記基体樹脂(A−2)65部と後記の硬化用樹脂(B
−2)46部とを混合攪拌しながら、更に88%ギ酸1.49部
を加え、脱イオン水298.5部を徐々に加えて20%カチオ
ン電着塗料400部を得る。
次に、実施例1の水酸化鉛サスペンジョンにおけるエ
チレングリコールモノブチルエーテルの同量をプロピレ
ングリコールモノメチルエーテルに加えて得られるサス
ペンジョン17.93部のうち、14.94部を用い、以降は実施
例1と同様にしてエマルションを得る。これは30℃で静
置しておいても沈降物はなく安定であった。このエマル
ション100部を基体樹脂(A−2)と硬化剤とから作成
した上記エマルション400部と混合し、pH5.9、エマルシ
ョンの平均粒子径0.1μの電着浴を得る。このものを30
℃で3週間静置しても沈降物はなく、平均粒子径も0.10
μと安定であった。
硬化用樹脂(B−2): METHB32.0部とヒドロキシエチルアクリレート8.0部を
混合したものにアゾビスジメチルバレロニトリル2.4部
を溶解したものを100℃に加熱したブチルセロソルブ24
部に2時間かけて滴下し、1時間熟成した後、125℃に
昇温して更に1時間熟成し、固形分60%、エポキシ当量
245の硬化用樹脂(B−2)64.8部を得る。
実施例 4 イソホロンジイソシアネート222部にメチルエチルケ
トキシム174部を50℃で滴下して3時間後にプロピレン
グリコールモノメチルエーテル264部で希釈し、固形分6
0%のブロックイソシアネートを作成し、これを硬化用
樹脂(C−1)とする。
実施例3の基体樹脂(A−2)100部と上記硬化用樹
脂(C−1)34部とギ酸1.8部を混合し、脱イオン水364
部で希釈して20%のエマルションを作成する。
このエマルション400部と実施例3の水酸化鉛を含有
するエマルション100部とを混合し、pH6.0、エマルショ
ンの平均粒子0.15μの電着浴を作成する。
比較例 1 実施例3の基体樹脂(A−2)と硬化用樹脂(B−
2)からなる20%カチオン電着塗料400部中に20%酢酸
鉛水溶液14.65部を加えて20%(樹脂固形分の濃度とし
て)エマルション414.65部を得る。これは実施例3と同
様に、鉛金属量が電着塗料中の樹脂固形分100部に対し
て2部配合されている。この電着浴はpH5.5,エマルショ
ンの平均粒子0.10μであった。
比較例 2 実施例3の基体樹脂(A−2)65部と硬化用樹脂(B
−2)35部とセカノイック鉛4.2部を混合し、88%ギ酸
1.49部を攪拌しながら加える。脱イオン水294部を攪拌
しながら徐々に加えて、樹脂100部に対して鉛金属量2
部を含有する樹脂固形分20%のエマルションを得る。こ
の電着浴のpHは5.7、エマルションの平均粒子径は0.23
μであった。
比較例 3 実施例1の水酸化鉛2.69部を塩基性けい酸鉛3.26部に
代えた以外はすべて実施例1と同様に行なった。
比較例 4 実施例1の水酸化鉛2.69部をりん酸鉛3.2部に代えた
以外はすべて実施例1と同様に行なった。
比較例 5 エポキシ当量190のビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル380部にプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル512部の存在下60℃でジエタノールアミン210部を4時
間反応させる。120℃に昇温し、酸化鉛223部を少量づつ
添加し、6時間反応させる。更に酢酸20部を加え、脱イ
オン水3955部で希釈し、鉛金属を3.9部含む15%のキレ
ート鉛水分散物を作成する。このもの51.3部を実施例1
の20%カチオン電着塗料472部に混合し、鉛金属量が電
着塗料中の樹脂固形分100部に対して2部配合されたpH
6.8の電着浴を得る。
比較例6 実施例4の硬化用樹脂(C−1)34部と実施例3の基
体樹脂(A−2)100部とオクチックス鉛5.3部とギ酸2.
5部を混合し、脱イオン水358部で希釈し、固形分20%、
pH5.2、エマルションの平均粒子径0.25μの電着浴を作
成する。
[性能試験及びその結果] 実施例1〜4および比較例1〜6で得たカチオン電着
塗料およびその塗膜性能について以下の方法で調べた。
試験方法 (1) 鉛化合物の沈降性: カチオン電着塗料を30℃で1日静置し、沈降物のあ
り、なしを目視で判定する。
○・・・なし、×・・・あり。
(2) エマルションの安定性: カチオン電着塗料を30℃で2週間静置し、エマルショ
ン粒子径の変化率が50%以内であれば○、50%以上であ
れば×とする。
(3) 塗膜破壊電圧: カチオン電着塗料を30℃でリン酸亜鉛処理板に電着
し、塗膜破壊により塗装不能になった電圧(V)を塗膜
破壊電圧(V)とする。
(4) 硬化塗膜のゲル分率: アセトンとメタノールとの重量比で1/1の混合溶剤中
に被塗物を60℃で5時間浸漬し、浸漬前後の重量減少量
を浸漬前の塗膜重量で割り、100倍した値を硬化塗膜の
ゲル分率とする。
(5) 平滑性: 目視評価により、良好なものを○、それに対し「しわ
状の細かい凹凸」等により平滑性が損なわれている塗膜
を×とする。
(6) 耐衝撃性(デュポン式): 試験板を温度20±1℃、湿度75±2%の恒温恒湿に24
時間置いたのち、デュポン衝撃試験器に規定の大きさの
受台と撃心を取り付け、試験板の塗面を上向きにして、
その間に挟み次に規定のおもりと規定の高さから撃心の
上に落し、塗膜の衝撃によるワレ、ハガレがないときを
合格とする。
(7) 耐ソルトスプレー性: JIS Z2871に従って試験し、カット(線状切きず)部
からのクリープ巾片側2.0mm以内及びカット部以外の塗
膜のフクレが8F(ASTM)以下のとき合格とする。
結果 結果を下記の表にまとめて示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1級水酸基およびカチオン性基を有する
    基体樹脂とエポキシ硬化剤と水酸化鉛またはオキシ水酸
    化鉛を含有し、該硬化剤が下記式 (式中、nは2〜30の整数である) で示される繰り返し単位を有するエポキシ樹脂または下
    記式 (式中、Rは水素原子又はメチル基である) で示される繰り返し単位を有する数平均分子量が3,000
    〜200,000の重合体であることを特徴とするカチオン電
    着塗料。
  2. 【請求項2】有機溶剤中に分散させた水酸化鉛またはオ
    キシ水酸化鉛をカチオン性基含有水分散樹脂と混合し、
    次いで水分散化してなる水分散液を配合した請求項1記
    載のカチオン電着塗料。
  3. 【請求項3】有機溶剤が1分子中に少くとも1個の水酸
    基を有する溶剤である請求項2記載のカチオン電着塗
    料。
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