JP2785392B2 - バラ切花用保存剤 - Google Patents
バラ切花用保存剤Info
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- JP2785392B2 JP2785392B2 JP29293289A JP29293289A JP2785392B2 JP 2785392 B2 JP2785392 B2 JP 2785392B2 JP 29293289 A JP29293289 A JP 29293289A JP 29293289 A JP29293289 A JP 29293289A JP 2785392 B2 JP2785392 B2 JP 2785392B2
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- Japan
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- present
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- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明はバラ切花用保存剤に関し、さらに詳しくは生
産者、花店などの流通機関および消費者における処理に
よりバラ切花の寿命を長くし、かつバラ切花を美しく、
鮮かに保存するための保存剤に関する。
産者、花店などの流通機関および消費者における処理に
よりバラ切花の寿命を長くし、かつバラ切花を美しく、
鮮かに保存するための保存剤に関する。
＜従来の技術＞ 従来、切花の寿命を長もちさせる方法としては、
（ａ）水をひんぱんに取り換える方法、（ｂ）切断部か
らの水揚げをよくするために水中で切断する、切り口を
破砕する、焼くまたは煮るなどの方法、（ｃ）植物ホル
モン剤、たとえばカイネチン（サイエンス第125巻）、
ベンジルアデニン（Plant＆Cell Physiology第７巻（19
66年）第705〜706頁）などを添加する方法、（ｄ）蒸散
抑制剤を噴霧して葉面からの水分蒸発量を少なくする方
法、（ｅ）防腐剤を加えて用水の腐敗や濁りを抑える方
法など各種の方法が試みられている。
（ａ）水をひんぱんに取り換える方法、（ｂ）切断部か
らの水揚げをよくするために水中で切断する、切り口を
破砕する、焼くまたは煮るなどの方法、（ｃ）植物ホル
モン剤、たとえばカイネチン（サイエンス第125巻）、
ベンジルアデニン（Plant＆Cell Physiology第７巻（19
66年）第705〜706頁）などを添加する方法、（ｄ）蒸散
抑制剤を噴霧して葉面からの水分蒸発量を少なくする方
法、（ｅ）防腐剤を加えて用水の腐敗や濁りを抑える方
法など各種の方法が試みられている。
また、花の延命剤として「リピート」（大正製薬
（株）社製、商品名）、「イキイキ」（ジョンソン
（株）社製、商品名）、「華の精」（パレス化学（株）
社製、商品名）、「クリザール」（POKON＆CHRYSAL B.
V.社製、商品名）などが市販されている。
（株）社製、商品名）、「イキイキ」（ジョンソン
（株）社製、商品名）、「華の精」（パレス化学（株）
社製、商品名）、「クリザール」（POKON＆CHRYSAL B.
V.社製、商品名）などが市販されている。
＜発明が解決しようとする課題＞ しかし、従来の方法はいずれも満足すべきものとはい
えない。すなわち、（ａ）法ではほとんど花の寿命を延
ばす効果はなく、また煩雑である。また、（ｂ）法も大
量の花を処理するのは困難であり、また煩雑であり、し
かも花の延命効果は小さい。さらに、市販されている延
命剤の延命効果はおおむね不十分であり、特に、バラ切
花に顕著な延命効果のあるものは存在していない。
えない。すなわち、（ａ）法ではほとんど花の寿命を延
ばす効果はなく、また煩雑である。また、（ｂ）法も大
量の花を処理するのは困難であり、また煩雑であり、し
かも花の延命効果は小さい。さらに、市販されている延
命剤の延命効果はおおむね不十分であり、特に、バラ切
花に顕著な延命効果のあるものは存在していない。
＜課題を解決するための手段＞ 本発明者らは、バラ切花が長期間にわたって新鮮な状
態で生き続け、蕾も順次開花し、切花として長期間保存
可能となる延命効果の優れた保存剤を提供することを目
的として鋭意検討した結果、本発明を完成した。
態で生き続け、蕾も順次開花し、切花として長期間保存
可能となる延命効果の優れた保存剤を提供することを目
的として鋭意検討した結果、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、アブシジン酸およびオーキシン
移行阻害剤を有効成分として含有することを特徴とする
バラ切花用保存剤である。
移行阻害剤を有効成分として含有することを特徴とする
バラ切花用保存剤である。
本発明のバラ切花用保存剤は、生産者側における前処
理剤、花店などの流通機関および消費者における後処理
剤としても使用することができる。
理剤、花店などの流通機関および消費者における後処理
剤としても使用することができる。
以下、本発明の構成を詳細に説明する。
本発明の保存剤において使用するアブシジン酸は、す
でに植物ホルモンとして既知であり、有機合成によって
作られた（±）−２−cis,4−trans−アブシジン酸、植
物あるいは微生物の培養液から抽出、精製された（＋）
−２−cis,4−trans−アブシジン酸（天然型アブシジン
酸）のどちらを用いてもよい。好ましくはボトリチス・
シネレア（Botrytis cinerea）に属する微生物の培養抽
出物から得られた天然型アブシジン酸が使用される。
でに植物ホルモンとして既知であり、有機合成によって
作られた（±）−２−cis,4−trans−アブシジン酸、植
物あるいは微生物の培養液から抽出、精製された（＋）
−２−cis,4−trans−アブシジン酸（天然型アブシジン
酸）のどちらを用いてもよい。好ましくはボトリチス・
シネレア（Botrytis cinerea）に属する微生物の培養抽
出物から得られた天然型アブシジン酸が使用される。
本発明において使用されるオーキシン移行阻害剤は例
えば「農薬の生理作用：鈴木直治著、南江堂P.286〜28
8」に記載されているもので、例えば９−ヒドロキシフ
ルオレン−９−カルボン酸またはその誘導体あるいはＮ
−１−ナフチルフタラミン酸が挙げられる。なお、９−
ヒドロキシフルオレン−９−カルボン酸誘導体が単独で
利用された例はあるが（Annu.Rpt.Dept.Orn.Hort.Hebre
w.for1971−72 p95−98）、アブシジン酸と併用された
例はなく、Ｎ−１−ナフチルフタラミン酸は切花保存剤
の成分としては新規である。９−ヒドロキシフルオレン
−９−カルボン酸またはその誘導体（以下、９−ヒドロ
キシフルオレン−９−カルボン酸類と称する）として
は、例えば、９−ヒドロキシフルオレン−９−カルボン
酸、９−ヒドロキシフルオレン−９−カルボン酸の低級
アルキルエステル、または９−ヒドロキシフルオレン−
９−カルボン酸のハロゲン置換化合物などが好ましく挙
げられ、具体的には、９−ヒドロキシフルオレン−９−
カルボン酸、９−ヒドロキシフルオレン−９−カルボン
酸メチルエステル、２−クロロ−９−ヒドロキシフルオ
レン−９−カルボン酸などが好ましく用いられる。中で
も９−ヒドロキシフルオレン−９−カルボン酸が最も好
ましく用いられる。
えば「農薬の生理作用：鈴木直治著、南江堂P.286〜28
8」に記載されているもので、例えば９−ヒドロキシフ
ルオレン−９−カルボン酸またはその誘導体あるいはＮ
−１−ナフチルフタラミン酸が挙げられる。なお、９−
ヒドロキシフルオレン−９−カルボン酸誘導体が単独で
利用された例はあるが（Annu.Rpt.Dept.Orn.Hort.Hebre
w.for1971−72 p95−98）、アブシジン酸と併用された
例はなく、Ｎ−１−ナフチルフタラミン酸は切花保存剤
の成分としては新規である。９−ヒドロキシフルオレン
−９−カルボン酸またはその誘導体（以下、９−ヒドロ
キシフルオレン−９−カルボン酸類と称する）として
は、例えば、９−ヒドロキシフルオレン−９−カルボン
酸、９−ヒドロキシフルオレン−９−カルボン酸の低級
アルキルエステル、または９−ヒドロキシフルオレン−
９−カルボン酸のハロゲン置換化合物などが好ましく挙
げられ、具体的には、９−ヒドロキシフルオレン−９−
カルボン酸、９−ヒドロキシフルオレン−９−カルボン
酸メチルエステル、２−クロロ−９−ヒドロキシフルオ
レン−９−カルボン酸などが好ましく用いられる。中で
も９−ヒドロキシフルオレン−９−カルボン酸が最も好
ましく用いられる。
本発明の保存剤において、有効成分であるアブシジン
酸およびオーキシン移行阻害剤の使用割合は、後処理用
として使用する場合、通常、アブシジン酸：オーキシン
移行阻害剤＝（１〜50）：（１〜50）であり、好ましく
は（１〜10）：（１〜10）であり、前処理用として使用
する場合、通常、（１〜10）：（10〜300）であり、好
ましくは（１〜５）：（50〜150）である。
酸およびオーキシン移行阻害剤の使用割合は、後処理用
として使用する場合、通常、アブシジン酸：オーキシン
移行阻害剤＝（１〜50）：（１〜50）であり、好ましく
は（１〜10）：（１〜10）であり、前処理用として使用
する場合、通常、（１〜10）：（10〜300）であり、好
ましくは（１〜５）：（50〜150）である。
本発明の保存剤は、有効成分であるアブシジン酸およ
びオーキシン移行阻害剤を含有する粉末状であってもよ
いし、または、これらを少量の水に高濃度に調整したも
のであってもよく、さらには、これらを水で使用濃度に
調整したものであってもよい。
びオーキシン移行阻害剤を含有する粉末状であってもよ
いし、または、これらを少量の水に高濃度に調整したも
のであってもよく、さらには、これらを水で使用濃度に
調整したものであってもよい。
本発明の保存剤には、８−オキシキノリン、硫酸アル
ミニウムなどの防腐剤および糖類などの栄養剤を含有し
ていてもよい。
ミニウムなどの防腐剤および糖類などの栄養剤を含有し
ていてもよい。
本発明の保存剤によって切花の延命効果が得られる花
の種類としては、カールレッド、ブライダルピンク、ソ
ニア、パサデナ、オメガ、スーパースターなどバラ全般
に有効であり、特に水揚げの悪い品種に有効である。し
たがって、本発明の保存剤の使用は特定の品種のみに限
定されるものでなく、バラ全般に使用できる。
の種類としては、カールレッド、ブライダルピンク、ソ
ニア、パサデナ、オメガ、スーパースターなどバラ全般
に有効であり、特に水揚げの悪い品種に有効である。し
たがって、本発明の保存剤の使用は特定の品種のみに限
定されるものでなく、バラ全般に使用できる。
＜作用＞ 本発明の保存剤の有効成分であるアブシジン酸を花に
吸収させることにより、気孔からの水分の蒸散を抑制
し、花に潤を持たせ、特にバラ切花で問題となるベント
ネック（首たれ）を防止することができる。
吸収させることにより、気孔からの水分の蒸散を抑制
し、花に潤を持たせ、特にバラ切花で問題となるベント
ネック（首たれ）を防止することができる。
また、オーキシン移行阻害剤は、開花を抑制する作用
をもち、特に高温期での過度の開花を抑制することがで
きる。また、後処理剤中の有効成分としてよく用いられ
る糖類の添加により花の過剰な開きが起こるが、これも
アブシジン酸およびオーキシン移行阻害により抑制さ
れ、時間をかけて開花していく作用を持ち、鑑賞には好
都合となる。特にＮ−１−ナフチルフタラミン酸は花弁
のカールをマイルドなものとし、美しい花形を保つのに
有効である。
をもち、特に高温期での過度の開花を抑制することがで
きる。また、後処理剤中の有効成分としてよく用いられ
る糖類の添加により花の過剰な開きが起こるが、これも
アブシジン酸およびオーキシン移行阻害により抑制さ
れ、時間をかけて開花していく作用を持ち、鑑賞には好
都合となる。特にＮ−１−ナフチルフタラミン酸は花弁
のカールをマイルドなものとし、美しい花形を保つのに
有効である。
従って、本発明保存剤は、アブシジン酸による鮮度保
持と開花抑制およびオーキシン以降阻害剤による開花抑
制の効果をあわせることによって、優れた保存効果を持
つバラ切花用保存剤となる。
持と開花抑制およびオーキシン以降阻害剤による開花抑
制の効果をあわせることによって、優れた保存効果を持
つバラ切花用保存剤となる。
＜実施例＞ 以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例１ ＜後処理用として使用＞ 17〜28℃の室内で、第１表に示す組成の水溶液を各々
500mlずつ入れたガラス容器に市販のバラ（品種：カー
ルレッド）の切花を５本ずつ挿して開花の程度およびベ
ントネックを観察した。
500mlずつ入れたガラス容器に市販のバラ（品種：カー
ルレッド）の切花を５本ずつ挿して開花の程度およびベ
ントネックを観察した。
結果を第２表に示す。
また、第２表中、花の開花の程度は第1I〜VIII図に示
す花の状態を指標にして示した。
す花の状態を指標にして示した。
実施例２ ＜前処理用として使用＞ 生産者においてバラ（品種：カールレッド）を収穫
後、第３表に示す前処理用保存剤に浸し、４℃、30時間
保存後、ダンボールに入れ輸送し、17〜25℃の室内で水
道水800mlを入れたガラス容器に切花を挿して開花の程
度およびベントネックを観察した。
後、第３表に示す前処理用保存剤に浸し、４℃、30時間
保存後、ダンボールに入れ輸送し、17〜25℃の室内で水
道水800mlを入れたガラス容器に切花を挿して開花の程
度およびベントネックを観察した。
結果を第４表に示す。また、開花の程度は実施例１と
同様に示した。
同様に示した。
＜発明の効果＞ 本発明のバラ切花用保存剤を用いることによりバラ切
花のベントネック、開きすぎ（露芯）、萎 を防止でき、長期間花を鑑賞することが可能になる。
花のベントネック、開きすぎ（露芯）、萎 を防止でき、長期間花を鑑賞することが可能になる。
また、本発明のバラ切花用保存剤は、水に希釈すれば
無色透明で無臭であり、多くの植物、人畜に無害であ
る。したがって、一般家庭、ホテル、旅館、会議室、ホ
ール、事務所など花を活ける機会のある場所あるいは花
の栽培業者、花店など切り花を大量に取り扱う場所で安
心して使用することができる。
無色透明で無臭であり、多くの植物、人畜に無害であ
る。したがって、一般家庭、ホテル、旅館、会議室、ホ
ール、事務所など花を活ける機会のある場所あるいは花
の栽培業者、花店など切り花を大量に取り扱う場所で安
心して使用することができる。
さらに、本発明のバラ切花用保存剤は、生産者側にお
ける前処理剤としても、花店などの流通機関および消費
者における後処理剤としても、ともに使用することがで
きる。
ける前処理剤としても、花店などの流通機関および消費
者における後処理剤としても、ともに使用することがで
きる。
第１図Ｉ〜VIIIは、本発明の実施例の第２表における花
の開花の程度の指標となる花の状態を示す図である。
の開花の程度の指標となる花の状態を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項１】アブシジン酸およびオーキシン移行阻害剤
を有効成分として含有することを特徴とするバラ切花用
保存剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29293289A JP2785392B2 (ja) | 1989-02-15 | 1989-11-10 | バラ切花用保存剤 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1-35854 | 1989-02-15 | ||
| JP3585489 | 1989-02-15 | ||
| JP29293289A JP2785392B2 (ja) | 1989-02-15 | 1989-11-10 | バラ切花用保存剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02289501A JPH02289501A (ja) | 1990-11-29 |
| JP2785392B2 true JP2785392B2 (ja) | 1998-08-13 |
Family
ID=26374858
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29293289A Expired - Lifetime JP2785392B2 (ja) | 1989-02-15 | 1989-11-10 | バラ切花用保存剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2785392B2 (ja) |
-
1989
- 1989-11-10 JP JP29293289A patent/JP2785392B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02289501A (ja) | 1990-11-29 |
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