JP2785121B2 - 巻き尺の尺面カバー処理方法 - Google Patents

巻き尺の尺面カバー処理方法

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JP2785121B2
JP2785121B2 JP8023244A JP2324496A JP2785121B2 JP 2785121 B2 JP2785121 B2 JP 2785121B2 JP 8023244 A JP8023244 A JP 8023244A JP 2324496 A JP2324496 A JP 2324496A JP 2785121 B2 JP2785121 B2 JP 2785121B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は巻き尺の尺面カバー
処理方法である。特に、尺本体に一層のアルミ箔膜、或
いは電気メッキプラスチック膜を貼り、さらにポリエス
テルの薄膜で覆い、表面を滑らかにし、印刷目盛を摩耗
による消失から保護することができる巻き尺の尺面カバ
ー処理方法を指す。本発明は主に巻き尺の尺面目盛の保
護に応用される。使用に伴い目盛が摩耗しないように
し、しかも同時に尺面の美化の効果を達成する。現在一
般に産業上生産、及び市販されている巻き尺は、その尺
面の色、及び目盛は、皆焼き付け塗装の後目盛を印刷す
る。最後に表面に一層の艶だしオイル、或いは艶だし塗
料を塗って製作するものである。この種の巻き尺は、あ
る期間使用すると巻き尺を引き出す回数の増加につれ
て、巻き尺尺面上の目盛は次第にはっきりしなくなり、
寸法標示の機能を果たすことができなくなる。この現象
は、この種の巻き尺が使用に於いて生み出す欠点の主要
な原因である。
【0002】
【従来の技術】
1.一般の巻き尺の尺面は、ほとんど焼き付け塗装の方
式を以て尺面に滑らかで美しい 状態を形成させてい
る。しかし、一般の焼き付け塗装を用いる製法は、尺本
体(一般には薄鋼鉄板)を塗料槽中に浸した後、直接尺
本体を引き出す。この時尺本体の断面が弧面であるた
め、塗料が次第に乾燥していく時、尺本体の両端に蓄積
する。この場所の塗料は目盛を印刷する時、長さに誤差
を生み出し、度量時の不正確を招く。また厚めに溜まっ
た塗料も、尺本体を巻き取った時、膨張の現象を生み出
す。これは間接的に、巻き尺のそのケース内でのスムー
ズな伸縮運動に影響する。 2.尺本体を塗料に浸す前、焼き付け塗装の作業の属性
に合わせるため、尺本体の表面 を非常に滑らかで、清
潔に処理しなければならない。そうして始めて、焼き付
け塗装が容易にできるようになり、また焼き付け塗装面
が薄く光沢が出るのである。これらの過程は、処理時に
於いて非常に時間を消耗し、かつ繁雑であり、経済的効
率はすこぶる悪いと言える。 3.伝統的な巻き尺の尺面上の目盛は、尺本体の焼き付
け塗装後、印刷し完成する。尺本体の焼き付け塗装面の
滑らかさが印刷の付着力を弱くするため、何度も尺面を
出し入れし摩擦が加われば、極めて容易に目盛は脱落、
或いははっきりしなくなってしまう。これは寸法測定、
及び正確性ともに影響があるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】焼き付け塗装方式を以
てする伝統的な巻き尺の尺面処理方法では、優良な巻き
尺を作り出すことができず、しかもその尺面の目盛もま
た長期の使用に耐えられない。加えて製造過程に於いて
消費される大量のエネルギーもまた、すこぶる不経済で
ある。これらの点に鑑み、巻き尺の製法には改変が必要
であり、そうして初めて優良な巻き尺の模範に続いて行
くのである。この点に関して、本発明人が多種の異なる
表面処理方式をテストし知り得たとろによると、この尺
本体の表面上にアルミ箔膜、或いは電気メッキプラスチ
ック膜の材質で覆い、目盛を印刷後、さらにポリエステ
ル薄膜を用いカバーする方式は、伝統的な焼き付け塗装
製造の巻き尺尺面の光沢に匹敵するものである。しか
も、目盛は伝統的な焼き付け塗装方式により製造された
ものより耐用性が高い。以下は本発明のさらに詳細な製
造過程の説明である。
【0004】
【課題を解決するための手段】まず第一図を参照された
し。本発明の操作のフローシートである。本発明のプロ
セスは尺本体(一般に材質は鋼鉄)の表面に、まず砂噴
射、或いは珠撃ち処理を施した後、その表面を洗浄、乾
燥させる。続いてその内の一方の尺本体面上に接着剤を
塗布し、表面をいくぶん乾燥させ、その後尺本体の接着
剤面をアルミ箔膜で覆い、端を処理し巻き取り、乾燥機
に入れ乾燥させる。乾燥後の尺本体は、その覆われた面
に目盛を印刷し、印刷が完成した尺本体は両面に接着剤
を塗布する。その後、さらに尺本体の裏表両面を透明プ
ラスチック膜で覆い、さらに端を処理し巻き取った後乾
燥機に入れ乾燥させる。こうして巻き尺の尺面カバー処
理が完成する。
【0005】第一図と第二図を同時に参照されたし。本
発明はまず巻いた鋼材尺本体(1)を砂噴機(2)に入
れ、尺本体(1)の両面に砂噴射、或いは珠撃ち処理を
施す。この手順は、尺本体(1)の表面を微細な凹孔を
備えたザラザラした状態にし、それに続く一連の塗布
時、接着剤が容易に付着するようにするためである。砂
噴射後の尺本体(1)は、直ちに洗浄槽(3)へ送られ
る。この洗浄槽(3)中では揮発性の溶剤を用い、砂噴
射を受けた尺本体表面の粉埃を洗浄、除去する。洗浄後
の尺本体(1)は熱風で乾燥され、その片面に塗布機
(4)で接着剤を塗布する。この接着剤を塗布した面は
急速乾燥機(5)を経て、その表面の接着剤を張り合わ
せに最良な状態まで乾燥させる。上述の接着剤を塗布し
た尺本体(1)は圧迫ローラー(6)を経る時、別のロ
ール状アルミ箔(7)から引き出したアルミ箔膜(7
0)と張り合わせられる。アルミ箔膜(70)を張り合
わせた尺本体(1)は続いて軸(17)に捲き取られ、
乾燥機(8)へ送られ乾燥される。次に乾燥された軸巻
(17)は、印刷機(9)へ送られ目盛りを印刷され
る。
【0006】上述の尺面処理の過程中に於いて、尺面は
アルミ箔膜、或いは透明薄膜を貼る前に、接着剤塗布後
必ず急速乾燥機(5)を経て、塗布面上の粘液状の接着
剤を張り合わせ可能状態まで急速乾燥する。この時の乾
燥温度は60℃が適当である。またアルミ箔膜、或いは
透明薄膜を貼った後、ロール状に軸に捲き取った尺本体
は必ず乾燥機(8)へ送られ、60℃〜80℃の温度で
乾燥させる。このプロセスの目的はアルミ箔膜、或いは
透明薄膜を尺本体に張り合わせた接着剤を完全に硬化、
乾燥させることである。接着剤中には約10%の硬化剤
が加えられているため、この硬化剤は加熱乾燥によりそ
の硬化程度を加速し、完全にアルミ箔膜、或いは透明薄
膜と尺本体を張り合わせるのである。また別の温度に関
する制御は、尺本体洗浄後の尺面乾燥温度である。それ
は尺本体に熱風トンネル(12)通過させ、20℃〜3
0℃の熱風により上下から尺面上の残留洗浄液を乾燥さ
せるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】上述の尺面処理過程中に関するそ
の他事項について述べる。当該アルミ箔膜の厚さは約
0.006mm〜0.008mmの間であり、もし電気メッキ
プラスチック膜に変更するなら、その厚さは約0.01
2mm〜0.015mmの間とする。さらにカバーする透明
薄膜の厚さも0.006mm〜0.012mmの間である。印
刷面として使われるアルミ箔膜の一般的な裏表両面は、
印刷が容易に付着し、印刷後の目盛りが容易に判別で
き、また美観にも考慮するため、一方の面は光沢面、も
う一方の面は霧面となっている。よって本発明では、ア
ルミ箔膜を覆う時にはその光沢面と尺本体とを張り合わ
せ、霧面は保留し、目盛りを印刷する面とする。本発明
の全過程中に於いて、乾燥機内の温度を60℃〜80℃
の間に制御する以外に、カバーと圧迫の過程中に於いて
は約60℃に制御し、その内のすべての圧迫ローラーも
温度60℃に保持している。またこの全過程の進行速度
は、30m/min〜60m/minに制御されている。また、尺
本体を軸に捲く時に、同時に端を修正する作業を行う。
上述の過程を経由し、処理された捲尺の尺面は下記の特
徴を備えている。 1.アルミ箔膜で覆った尺面は、その表面の滑らかさ、
色の均一度は、焼き付け塗装面の滑らかさよりも優れて
おり、色も焼き付け塗装面よりさらに均一である。 2.尺面上を透明のポリエステル薄膜で覆ったため、同
時に尺面とその上に印刷された目盛りをあらゆる溶剤の
侵蝕や損傷から保護する。また別の面では、厚さ0.0
06mm〜0.012mmのポリエステル薄膜も、尺面が長
期にわたり出し入れ使用を経ても、透明で光沢のある尺
面の明晰度を保持させることができる。更に重要なの
は、目盛りは依然として最良の判読判別レベルを保持し
ていることである。 3.本発明によって製造された尺面は、接着剤の塗布層
が均一なため、アルミ箔膜とポリエステル薄膜の厚さも
均一にコントロールされている。このため、尺面は非常
に平らで、一般的な焼き付け塗装により製造された尺面
のように塗料が尺本体の両端に溜まるようなことはな
い。当然、目盛りの拡大、縮小と言う問題も起こらな
い。さらには、捲き取った後膨脹したり、或いは捲尺ケ
ースに詰まてしまったりと言う恥ずべき事態も起こらな
い。 以上を総合すれば、本発明は正確な度量標準を製造する
ことができるものである。かつ、製品は優れた表面を具
え、目盛りが摩擦により喪失することがないよう保持す
ることができる。捲尺の使用寿命を強化することができ
る優れた製造法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の操作フローシートである。
【図2】本発明の装置配置図である。
【符号の説明】
1 鋼材尺本体 6 圧迫ローラ 7 アルミ箔軸捲 70 アルミ箔膜 100 透明薄い膜

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 尺本体の裏表両面に砂噴射処理を施した
    後、溶剤による洗浄、熱風による乾燥を行い、尺本体の
    表面或いは裏面のいずれか一方に接着剤を塗布し、接着
    剤塗布面を貼り合わせに最良の状態にまでスピード乾燥
    させ、その後アルミ箔膜で接着剤塗布面を覆い、圧迫ロ
    ーラーでアルミ箔膜と尺本体を貼り合わせ、アルミ箔膜
    で覆われた尺本体を巻取り軸に巻き付けた後、乾燥機に
    入れ乾燥させ、乾燥した尺本体のアルミ箔被覆面上に目
    盛を印刷し、尺本体の両面に接着剤を塗布し、再度スピ
    ード乾燥し、その後、透明の薄膜で尺本体の裏表両面を
    覆い、圧迫ローラーで該透明の薄膜と尺本体を圧迫して
    一体となした後、尺本体を巻取り軸に巻き付け、乾燥機
    に入れ一定時間乾燥させて巻き尺を完成することを特徴
    とする、巻き尺の尺面カバー処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、溶剤洗浄後の尺本体
    を乾燥させる熱風温度を摂氏20度から摂氏30度とし
    たことを特徴とする、巻き尺の尺面カバー処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、乾燥機の温度は摂氏
    60度から摂氏80度で、乾燥時間は24時間とし、平
    均圧迫温度は摂氏50度前後で、巻取り軸への巻き取り
    速度は毎分30mから毎分60mとしたことを特徴とす
    る、巻き尺の尺面カバー処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、アルミ箔膜の厚さは
    0.006mmから0.008mmでその光沢面を尺本
    体と貼り合わせるものとし、透明の薄膜は厚さが0.0
    06mmから0.012mmのポリエステル薄膜とし、
    また尺本体を巻き取り軸に巻き取ると同時に尺面の端を
    揃えるようにしたことを特徴とする、巻き尺の尺面カバ
    ー処理方法。
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