JP2785070B2 - 排水口用フィルタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、排水口用フィルタに関し、詳しくは、浴
室や洗面台等の排水口に設置されるストレーナに付着す
る毛髪等のごみを除去する排水口用フィルタに関する。
ここで、ストレーナとは、固形異物を保留し、液体をほ
とんど抵抗なく通過させるための目の荒い多孔金属板で
あり、目皿ともいう。

［従来の技術］ 浴室や洗面台等の排水口には、毛髪等のごみが流れ込
んで排水管が詰まるのを防ぐため、通常、金属製のスト
レーナが設置され、その下には多孔金属板等が設置され
ている。なお、ストレーナの下に何も置かない場合もあ
るが、その場合には、毛髪やごみが水を汚染し、排水機
等に悪影響を与えることにもなる。

このストレーナや多孔金属板に付着したごみの量が増
えてくると水の流れが悪くなるので、ある程度ごみがた
まったときにそれを取り除く必要がある。

そのため、ストレーナを取外して多孔金属板を取出
し、それらに付着した毛髪等を取除く作業が行われてい
る。

［解決しようとする課題］ ところが、ストレーナは、排水口に嵌合していて、取
っ手なども付いていないものが大部分であり、容易に取
り外すことができない。

また、毛髪等は、ストレーナや多孔金属板に絡み付い
ているため、除去作業に手間がかかる。

さらに、そのようなゴミの除去作業は、一般に、作業
者に不快感を与えるものである。

従来、ごみの除去作業を容易化するため、プラスチッ
ク製の多孔板状の成形物からなるフィルタが用いられて
いる。これは、排水口上に設置して使用するものである
が、個々の家庭で排水口の大きさが違う上、ストレーナ
の孔の形状も多種多様であるため、フィルタを固定する
ことが困難であった。

そのため、排水口に水が流れ込むことによってフィル
タが動き易く、ごみを除去する効果があまりなかった。
また、フィルタを何度も使用するためにフィルタに絡み
付いた毛髪等を取り除く作業が必要となり、結局作業者
の不快感は軽減されなかった。

この発明は、このような従来の問題点を解決するもの
であって、排水口に流れ込むゴミの除去を容易に行うこ
とができ、作業時の不快感を軽減することが可能な排水
口用フィルタを提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この目的を達成するために、この第１の発明の排水口
用フィルタの特徴は、内側に棒状部材を有する第１の環
状部材と、その棒状部材に摺動可能に取付けられた爪部
材と、この爪部材が突出している側と反対側から第一の
環状部材に嵌合された第２の環状部材と、第１の環状部
材と第２の環状部材との間に敷設された柔軟性のある網
目状のシートとを備え、第１の環状部材は、爪部材がス
トレーナの孔に上部から挿入されて係止されることによ
りストレーナに固定されるものである。

第２の発明の排水口用フィルタの特徴は、多数の孔が
設けられた円板部材と、その多数の孔の任意の１つに嵌
合して円板部材に装着された爪部材と、円板部材の外形
にほぼ等しい外形を有し、円板部材に爪部材と反対側の
面で保持された環状部材と、この環状部材と円板部材と
の間に挿填された柔軟性のある網目状のシートとを備
え、円板部材は、爪部材が排水口に設けられたストレー
ナの孔に係止されることによりストレーナに表面側から
取付られるものである。

［作用］ 第１の発明にあっては、排水口用フィルタの固定手段
として、第１の環状部材の内側に設けられた棒状部材に
摺動可能に取付けられた爪部材を適宜スライドさせ、ス
トレーナの孔に挿入して固定するため、排水口の寸法や
ストレーナの孔の形状にかかわらず固定することができ
る。そのため、水の流れによってフィルタが移動するこ
とがなく、確実にごみを分離することができる。

また、柔軟性のある網状部材に絡み付いた毛髪等のご
みは、網状部材を摘んで捨てるだけで処理することがで
きるため、網状部材の交換が簡単であり、ごみの除去作
業が容易化するとともに作業者の感じる不快感を著しく
軽減することができる。

第２の発明についても、爪部材の位置が選択できるだ
けで、その効果は前記と同じである。

［実施例］ 以下、この発明の一実施例について図面を参照して詳
細に説明する。

第１図は、この発明の一実施例の分解斜視図を表して
いる。第１の環状部材１は、第２の環状部材２を固定す
るための突起爪５と、棒状部材３を固定するための突起
部６とを有する。棒状部材３は、爪部材４が挿着され、
両端の孔８を突起部６に嵌合して第１の環状部材１に接
着剤等を用いて固定される。第２の環状部材２は、外周
の第１の環状部材１の突起爪５に対応する位置にくぼみ
部７を有する。このくぼみ部７に突起爪５を位置付けた
後に第２の環状部材２を回転させると、第２の環状部材
２の縁を突起爪５が係止して、第２の環状部材２が第１
の環状部材１に係止される。なお、この図には、後述す
るシート14は図示していない。

第２図は、第１図に示す本発明の一実施例を組み立て
たときの断面図を表している。柔軟性のある網目状のシ
ート14が第１の環状部材と第２の環状部材との間に挟ま
れるように敷設されている。網目状のシート14は、直径
が第２の環状部材２の内径よりも大きく、外径よりも小
さい円形の網状シートであり、例えば、ポリエチレン等
の柔軟性のあるプラスチック，多孔質の布，紙，不織布
等の材質でできている。この網目上のシート14は第１の
環状部材１と第２の環状部材２の間に図のように多少の
空隙をもって敷設される。また、棒状部材３に挿着され
た爪部材４は、棒状部材３に沿ってスライドさせること
ができる。

第３図は、本発明の他の一実施例の分解斜視図であ
る。なお、第１図と同様に網目状のシート14は省略して
いる。同図において、第１図の実施例と異なるのは、棒
状部材３の第１の環状部材１への取付け方式と、爪部材
11の形状、そして第１の環状部材１と第２の環状部材２
との結合部の構造である。

棒状部材３は、第１の環状部材１と一体形成されてい
る。

爪部材11は、適度な弾性を有するプラスチック等の材
質を用いて、図のような形状に形成されたものである。
この爪部材11は、図の矢印の方向から棒状部材３に押当
てて取付ける。

第１の環状部材１と第２の環状部材２との嵌合部の構
造については、第１の環状部材１に設けられた突起部10
が先端に屈曲部を有する形状となっており、一方、第２
の環状部材２には図のような形状の孔９が設けられてい
て、孔９に突起部10を挿入して嵌合する。

第４図は、第１の環状部材１と第２の環状部材２との
嵌合部の断面構造を示す図であり、（ａ）が第２図の実
施例を、（ｂ）が他の実施例の係合状態をそれぞれ表し
ている。

第５図は、本発明のさらに他の一実施例の第１の環状
部材１と第２の環状部材２の斜視図であり、前述の実施
例と異なるのは、両者の嵌合部の構造である。

同図において、第１の環状部材の内側の構造は、第６
図の断面図に示すように、内壁13の直径が上部から下部
に向かうにしたがって大きくなっている。一方、第２の
環状部材２の外周の直径は内壁13の上部の直径よりも僅
かに小さく、第２の環状部材２の外周には突起部12が設
けられている。第２の環状部材２の材質は適度な弾性を
有するものである。第２の環状部材２が第１の環状部材
１に嵌合されると、第６図に示すように突起部12が傾斜
した内壁13に係止され、網目状のシート14が第１の環状
部材１と第２の環状部材２とで挟まれて固定される。

第７図は、この発明の排水口用フィルタをストレーナ
15に装着する様子を表した図であり、第８図は、装着さ
れたときの断面図を表す。ストレーナ15は、ここでは、
下面にかぎ状部19を有し、それを排水口18の入口に取付
けられた金具枠17に嵌合させて固定されている。

この排水口用フィルタの装着方法は、まず、爪部材４
を棒状部材３に沿って適宜スライドさせ、ストレーナ15
の孔に挿入し、第８図に示すように、排水口用フィルタ
15に爪部材４を係止させて第１の環状部材１を固定す
る。なお、この場合、爪部材４の爪を外側に向かせて外
側にスライドさせてもよい。

つぎに、網目状のシート14を第１の環状部材１上に敷
設し、その上から第２の環状部材２を第１の環状部材１
に嵌合させる。

この排水口用フィルタに付着したごみの除去作業は、
単にシート14が敷設されているだけであるので、毛髪等
が絡み付いた網目状のシート14を上から摘んで取外し、
捨てるだけでよい。

新しい網目状のシート14の取付け作業は、まず第２の
環状部材２を取外し、つぎに新しい網目状のシート14を
第１の環状部材１の上に敷設し、第２の環状部材２を第
１の環状部材１に嵌合させる。

以上説明してきたが、第１の環状部材と第２の環状部
材の嵌合部の構造及び爪部材4,11の形状について、実施
例では例を示したに過ぎず、これらに限定されるもので
はない。

また、棒状部材３は、実施例では１本の場合を例に説
明したが、複数であってもよい。形状も枝分かれを有す
るものなど、種々のものを採用することができるが、爪
部材が摺動する箇所が棒状になっていればよい。

さらに、第１の環状部材の代わりに多数の孔が設けら
れた円板部材を用いて、その孔に装着できる突起を根本
に持つ爪部材を突起を介して選択した孔に装着し、スト
レーナに固定する構造にすることも可能である。

［発明の効果］ 以上の説明から理解できるように、この発明にあって
は、排水口用フィルタの固定手段として、第１の環状部
材又は円板部材に設けられたその位置が選択できる爪部
材をストレーナの孔に挿入して固定するため、排水口の
寸法やストレーナの孔の形状にかかわらず固定すること
ができる。したがって、水の流れによってフィルタが移
動することがなく、確実にごみを分離することができ
る。

また、柔軟性のある網状部材に絡み付いた毛髪等のご
みは、網状部材を摘んで捨てるだけで処理することがで
きるため、ごみの除去作業が容易化し、作業者の感じる
不快感を著しく軽減することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の一実施例の分解斜視図、第２図
は、第１図に示す本発明の一実施例を組み立てたときの
断面図、第３図は、本発明の他の一実施例の分解斜視
図、第４図は、第１の環状部材１と第２の環状部材２と
の嵌合部の断面構造を示す図、第５図は、本発明のさら
に他の一実施例の第１の環状部材１と第２の環状部材２
の斜視図、第６図は、第５図に示す本発明の一実施例を
組立てたときの断面図、第７図は、この発明の排水口用
フィルタをストレーナ15に装着する様子を表した図、第
８図は、この発明の排水口用フィルタがストレーナ15に
装着されたときの断面図である。 １……第１の環状部材、２……第２の環状部材、 ３……棒状部材、４……爪部材、５……突起爪、 ６……突起部、７……くぼみ部、8,9……孔、 10……突起部、11……爪部材、12……突起部、 13……内壁、14……網目状のシート、 15……ストレーナ、16…浴室の洗い場又は洗面台の底、
17……金具枠、18……排水口、 19……かぎ状部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 英男 東京都江東区木場６―12―１ ディース リー株式会社内 (56)参考文献 実開 平１−79670（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) E03C 1/262 B01D 35/02 B01D 23/02

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内側に棒状部材を有する第１の環状部材
   と、前記棒状部材に摺動可能に取付けられた爪部材と、
   この爪部材が突出している側と反対側から第１の環状部
   材に係止された第２の環状部材と、第１の環状部材と第
   ２の環状部材との間に敷設された柔軟性のある網目状の
   シートとを備え、第１の環状部材は、前記爪部材がスト
   レーナの孔に上部から挿入されて係止されることにより
   前記ストレーナに固定されることを特徴とする排水口用
   フィルタ。
2. 【請求項２】多数の孔が設けられた円板部材と、前記多
   数の孔の任意の１つに嵌合して前記円板部材に装着され
   た爪部材と、前記円板部材の外形にほぼ等しい外形を有
   し、前記円板部材に前記爪部材と反対側の面で保持され
   た環状部材と、この環状部材と前記円板部材との間に挿
   填された柔軟性のある網目状のシートとを備え、前記円
   板部材は、前記爪部材が排水口に設けられたストレーナ
   の孔に係止されることにより前記ストレーナに表面側か
   ら取付られることを特徴とする排水口用フィルタ。