JP2784869B2 - 金属元素含有耐熱性シリカガラスおよびその製造方法 - Google Patents

金属元素含有耐熱性シリカガラスおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い耐熱性と優れた透
明性を有する金属元素含有耐熱性シリカガラス、および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、照明工業において、プロジェクタ
ー用ランプまたは照明用省エネルギーランプとして、メ
タルハライドランプが注目を集めているが、このランプ
は、ガス状金属を10〜30kgf/cm2の圧力で封
入したバルブをその表面温度が900〜1100℃にな
る温度で加熱発光させるものである。そのためバルブ材
としては、専ら熱樹張率が極めて小さく、耐急熱急冷に
も優れた透明シリカガラスが利用されてきた。この用途
に利用されるシリカガラスはその中に多くのOH基が含
まれると、該OH基がガラスネットワーク構造のターミ
ネータとなり、粘度低下を起こすので、300wt.p
pm以下にすることが必要である。特に、前記シリカガ
ラスをメタルハライドランプ用バルブ材として使用する
場合には、OH基がバルブ中に封入されたガス状金属と
反応し金属酸化物を生成したり、あるいは生成金属酸化
物がバルブ表面に析出し、ランプの発光出力を低下させ
るので、さらに厳しく制限する必要があり、その含有量
は100wt.ppm以下でなければならない。
【0003】このようにシリカガラス中に含まれる不純
物量を規制しても従来のシリカガラスはそれ自体の粘度
が、仮え天然溶融シリカガラスであっても1100℃で
約1014ポアズと低いため、それから形成したバルブは
発光時に熱変形を起こしたり、あるいはバルブ中に封入
したガス状金属元素が外部へ拡散し、ランプの出力を低
下させる等の欠点を有していた。
【0004】こうしたシリカガラスの欠点を解消するた
め、本発明者等は、シリカガラスマトリックス中にアル
ミナ、ムライトあるいはスピネル等のセラミックスを配
合しシリカガラスの粘度を向上させることを発見し、特
願平4ー267874号、特願平4ー267875号お
よび特願平4ー267876号として提案している。し
かしながら、前記提案によるシリカガラスは大幅に粘度
を上げるためにセラミックスの配合比を大きくすると、
1100℃以上の温度下ではクリストバライト結晶の成
長が起こり白色失透し易いという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記事情に鑑み、本発
明者等は、鋭意研究を重ねた結果、シリカガラスマトリ
ックス中に特定の金属元素を含有させることにより前記
シリカガラスの耐熱性が向上することを見出し、本発明
を完成したものである。
【0006】すなわち本発明は、耐熱性、耐失透性に優
れ、かつ可視域での光透過性がよい新規なシリカガラス
を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明は、メタルハライドランプの
発光時にバルブの熱変形や封入されているガス状金属元
素の外部拡散の起こらない新規なシリカガラスを提供す
ることを目的とする。
【0008】さらに、本発明は、上記新規なシリカガラ
スの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、VIII族金属元素が少なくとも1種類以上含有さ
れ、かつOH基および塩素の含有量が100wt.pp
m以下である金属元素含有耐熱性シリカガラスに係り、
前記含有量はVIII族金属元素をシリカガラスに膜付け
し、次いで加熱拡散させるか、あるいは前記VIII族金属
元素の溶液とシリカガラス原料粉とを混合し、乾燥した
後、加熱拡散させるかにより達成できる。
【0010】上記VIII族金属元素としては、鉄、ニッケ
ルあるいはコバルトがよく、VIII族金属元素のシリカガ
ラス中に含まれる量は10wt.ppm〜1、000w
t.ppmの範囲がよい。この範囲以下ではシリカガラ
スの粘度向上がみられず、また、1、000ppm以上
では石英ガラスの透明性が悪くなり、バルブの光透過率
も落ちる。
【0011】これは、上記金属元素が表1に示す物性値
を有し、ネットワークターミナル(非架橋構造体)どう
しを電気的に結合させるようなガラス構造中のバインダ
ーの役目、または微細シリカ結晶体生成のための核の役
目を果たすことによるものと推定される。
【0012】
【表1】
【0013】VIII族金属元素をシリカガラス中に拡散、
含有させるには、1)目標最終製品の表面部分に真空蒸
着またはスパッタリング等公知の膜付け法で金属元素被
膜を形成し、次いで常圧または等方性加圧(Hot I
sostaticPressing,HIP)下で加熱
処理するか、または2)VIII族金属元素の塩化物、ヨウ
化物、硝酸塩、または炭酸塩の溶液とシリカガラス粉ま
たはシリカ結晶粉とを混合し、それを乾燥した後、加熱
溶融ガラス化するのがよい。
【0014】1)の製造方法で形成すべき被膜の厚さは
100Å〜10、000Åの範囲がよい。前記範囲以下
では金属元素が拡散しても粘度の向上が見られず、また
前記範囲以上の膜厚は形成が実質的に不可能である。該
被膜形成金属元素は加熱によりシリカガラス中に拡散、
含有されるが、特にHIP処理により高濃度の金属元素
がシリカガラス中に拡散され、含有されるようになる。
【0015】また、上記2)の製造方法でシリカガラス
粉と混合する金属塩は、塩化鉄、塩化ニッケル、塩化コ
バルト、ヨウ化鉄、ヨウ化ニッケル、ヨウ化コバルト、
炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、
硝酸コバルト、硝酸鉄等である。
【0016】
【実施例1〜5】天然溶融シリカガラス(商品名Her
aluxーE)を直径100mmφ、厚さ1mmに形成
し、両面鏡面研磨仕上げした。このシリカガラスに含有
されているOH基の含有量は約30wt.ppmであ
り、塩素の含有量は20wt.ppm以下であった。前
記溶融シリカガラス板にニッケル、コバルト、スズをそ
れぞれ真空蒸着法またはスパッタリング法で膜厚100
0ű20%に膜付けした。この被膜付き溶融シリカガ
ラス板を800〜1200℃の温度で加熱処理した。そ
の結果を表2に示す。
【0017】表2中の物性値測定は下記の方法による。 1) 粘度測定:ASTMのNo.C598に準じ、ビ
ームベンデイング法により1100℃、1200℃にお
ける粘度を測定した。
【0018】2)失透テスト:高純度アルミナブロック
を保温材とし、二ケイ化モリブデンをヒーター材とする
電気炉にサンプルを投入し、1200℃で100時間保
持し、その後、室温にて取り出し、目視にて白色失透の
有無を判定した。
【0019】
【表2】
【0020】 上記表2にみるように、VIII族金属元素である、ニッケ
ル、コバルトを含有したシリカガラスの粘度は、110
0℃において1014ポアズ以上、1200℃において1
13ポアズ以上と高い耐熱性を示す。他方、実施例4
(比較例1)にみるようにVIII族金属元素でないスズを
含有するシリカガラスは1100℃における粘度が10
14.0ポアズ、1200℃における粘度が1012.2ポアズ
と、実施例5(比較例2)の天然溶融シリカガラスより
低いものとなり、高温における耐熱性が劣ることがわか
る。また、すべてのサンプルにおいて白色失透は起こら
なかった。
【0021】
【実施例6〜12】 純度SiO299.999wt.%以上の天然石英粉を
粉度#100〜#400(タイラーメッシュ、149μ
m〜37μm)に微粉砕した。この粉に含まれるOH基
の量は30wt.ppm以下、塩素の量は20wt.p
pm以下であった。前記天然溶融シリカガラス粉をビー
カー内で表3の各種金属塩の水溶液と混合し、次いで電
気乾燥器内に入れ、100℃で10時間、次いで800
℃で10時間保持し乾燥した。前記乾燥混合物を溶融シ
リカガラスチューブ(商品名Heralux)に充填
し、内部の空気を真空引きしながら、グラファイトヒー
タを使用した電気炉内に設置し、FZ法(浮遊帯溶融
法)により温度勾配をつけながら透明ガラス化した。得
られたサンプルの物性値は表3に示すとおりであった。
【0022】表3中の物性値の測定は下記の方法に従っ
た。 1)粘度測定:ASTMのNo.C598に準じビーム
ベンデイング法により1100℃における粘度を測定し
た。
【0023】2)透過率測定:サンプルを厚さ1mmに
両面鏡面研磨仕上げを行った。透過率計により波長58
8mmにおける直線透過率を測定した。
【0024】
【表3】
【0025】
【参考例13〜20】前記実施例と同一品種の天然石英
粉とLi、Na、K、Ca、Mg、Crの各種金属塩と
を前記実施例に準じて混合し乾燥した後、電気炉内でF
Z法により温度勾配をつけながら透明ガラス化した。得
られたサンプルの物性値を測定し、その結果を表4に示
す。
【0026】
【表4】
【0027】上記表3にみるように、VIII族金属元素溶
液を10wt.ppm以上配合し、含有させたシリカガ
ラスは光の透過率を損なうことなく著しく粘度、即ち耐
熱性を向上させた。他方、表4にみるようにアルカリ金
属を含有させたシリカガラスは粘度の著しい低下、即ち
耐熱性の低下が見られた。また、再結晶失透化も起こり
易くなることが明らかとなった。さらに、アルカリ土類
金属を含有させてもシリカガラスの粘度はほとんど変化
しなかった。
【発明の効果】本発明のシリカガラスは、上記に見たよ
うに1100℃で1014ポアズ以上、1200℃で10
13ポアズ以上と高い耐熱性を示し、メタルハライドラン
プ用バルブ材の発光時にも熱安定性が高いものである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】VIII族金属元素の少なくとも1種類以上を
    10〜1、000wt.ppm含有し、かつOH基含有
    量が100wt.ppm以下、塩素含有量が100w
    t.ppm以下であることを特徴とする金属元素含有耐
    熱性シリカガラス。
  2. 【請求項2】OH基と塩素の含有量が各々100wt.
    ppm以下であるシリカガラスの表面にVIII族金属元素
    の1種類以上の膜を膜厚100Å〜10、000Åに形
    成した後、700℃以上の温度に加熱し、前記金属元素
    を拡散、含有させることを特徴とする金属元素含有耐熱
    性シリカガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】OH基と塩素の含有量が各々100wt.
    ppm以下であるシリカガラス粉またはシリカ結晶粉
    に、VIII族金属元素の塩化物、ヨウ化物、硝酸塩、また
    は炭酸塩からなる郡から選ばれた1種類以上の溶液を混
    合し乾燥させ、次いで1700℃以上に加熱し、前記金
    属元素を拡散、含有させることを特徴とする金属元素含
    有耐熱性シリカガラスの製造方法。
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