JP2784254B2 - 脱臭組成物 - Google Patents

脱臭組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は,石膏と、還元剤および金属塩を含む脱臭剤
と、エマルジョンタイプまたはハイドロゾルタイプの水
性樹脂を含有し,硬化させることにより得られる,脱臭
組成物に関するものである。
更に詳しくは,水性樹脂と還元剤と金属塩とを水に溶
解し,その中に石膏を入れると石膏は水を吸収し硬化す
る。これらの性質を利用し得られた脱臭組成物に関する
ものである。
水性樹脂と還元剤と金属塩のそれぞれの種類,並びに
含有量により,また石膏の入れる量により硬化状態が変
わってくる。また水性樹脂に金属醋塩を形成するものを
使用すれば,脱臭効果は助長される。
石膏は軽く,自由に成形でき,不燃性で,白色である
ことから多くの建装材に,またコーティング材に使用さ
れている。
石膏の多孔性材料としての性質を利用し,また成形自
由で着色自由なことから,建装材並びに装飾材としまた
コーティング材として使用できるものである。さらに脱
臭効果が消滅した後も石膏としての役目は充分発揮でき
るものである。
(従来の技術) 現在,各分野における開発・発展は著しく,特に経済
発展による品物の出回りは目を見張るものがある。しか
しながらその品物の出回りに伴い臭気あるものが一段と
多くなってきているのが実情である。
この臭気対策として多くの消臭剤・脱臭剤が作りださ
れている。しかしながら以前として活性炭が主に使用さ
れている。
悪臭物質としては,悪臭防止法に定められている12物
質であるが,その中でもアンモニア,メルカプタン類硫
化物,アミン類,アルデヒド類は特に接する機会の多い
物質である。
悪臭除去法としては,吸着,酸化分解,中和,
マスキング等が考えられる。吸着法は強力な悪臭に対
する方法ではあるが,すぐに脱臭能力が低下する。酸化
分解法は,ガス発生により化学的に分解する方法である
が,二酸化塩素ガス発生等へのコントロールが難しく,
用途によっては好ましくない場合もある。中和法は悪臭
物質が限定され汎用性がない。マスキング法は芳香物等
によるもので,本質的な解決方法でない。
最近これらの欠点を改良する方法として,二価金属塩
とL−アスコルビン酸化合物とによる方法が提案されて
いる。しかしこのものは,空気中の酸素により酸化変化
著しく,また空気中並びに臭気物より発する湿気を吸着
し,着色著しく,潮解性あり,その上そのもの自身特有
の臭気発生がみられ,用途によっては脱臭剤として使用
できない等の問題を有していた。
(発明が解決しようとする課題) 脱臭効果が如何に優れていても,使いやすさと形態と
価格により,その使われ方,即ち頻度が決定される。
本発明者は鋭意検討した結果,還元剤と金属塩とを含
む脱臭剤を水に溶解し,その中に石膏を入れると石膏は
水を吸収し直ちに硬化する。還元剤と金属塩とを含む脱
臭剤による水溶液の量と石膏の量の割合により硬化時間
が変わり,意外に硬化時間が早く,また得られた硬化物
の壊れやすさが残った。さらに既存樹脂による検討も行
った。取扱い易く,安全で,安価に加工できもの,また
他の用途に用いられるもの等を鋭意検討することによ
り,目的の脱臭組成物を得ることができた。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明者は,還元剤と金属塩とを含む脱臭剤による水
溶液に石膏を加えることにより,予期した以上の脱臭性
のあるものを得ることができた。
但し,この組成物は,意外に早く硬化し,得られた物
はもろく,部分的崩壊が見られた。そこで鋭意検討した
結果,水性樹脂を導入することにより,硬化時間も調節
することが出来,崩れ易さも解決することができた。ま
た使用した水性樹脂に金属塩を吸着し醋塩形成を行うも
のを用いたところ,更に脱臭性向上がみられた。
本発明は石膏と、還元剤および金属塩を含む脱臭剤
と、エマルジョンタイプまたはハイドロゾルタイプの水
性樹脂を含有する脱臭組成物に関する。また時と場所,
デザイン等の関係から顔料・染料による着色も可能であ
る。
通常,石膏といえば結晶石膏を指すが半水石膏,無水
石膏による使用もなんら差し支えるものではない。
本発明に係わる脱臭剤としては還元剤および金属塩を
含むが,その他の成分を含有しなもよい。
還元剤は有機化合物としては,L−アスコルビン酸やそ
のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩,エリソルビン
酸やそのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩,リンゴ
酸,酒石酸,クエン酸等の化合物を,無機化合物では,
亜リン酸,次亜リン酸が挙げられるが,特に限定される
ものではない。
金属塩としては特に限定されないが,塩化第一・第二
銅,塩化第一鉄,硫酸銅,硫酸第一鉄,又は鉄塩,硫酸
亜鉛,硝酸亜鉛,または亜鉛塩,マンガン塩,ニッケル
塩,コバルト塩,銀塩,スズ塩,アルミニウム塩,カル
シウム塩が挙げられる。好ましくは鉄塩,銅塩,亜鉛塩
が良い。
エマルジョンタイプの水性樹脂としては,アクリル,
スチレンブタジエン,塩化ビニリデン,酢酸ビニルエマ
ルジョンが挙げられるが,必ずしもこれらに限定される
ものではない。
本発明品の利用並びに用途としては,建装材並びに装
飾品,コーティング可能な紙,織布,不織布,プラスチ
ック並びに金属板,ガラス,多孔性材料等,またその複
合材料が挙げられる。
本発明組成物は脱臭効果があり,着変色がなく,潮解
性なく,取扱い易く,その上,そのもの自身特有の臭気
を発することがなく,また安価に加工が可能である。
(実施例) 以下,実施例により本発明を説明する。例中,部とは
重量部を,%は重量%を,それぞれ表す。
実施例1 ポリ酢酸ビニルエマルジョン(固形分(NV)50%)29
部,硫酸亜鉛七水和物3%溶液20部,りんご酸1部を混
合し,一様にする。この混合溶液の中に石膏を50部を入
れ撹拌する。
実施例2 コロイダルシリカ含有アクリルエマルジョン(NV45%
東洋インキ製造(株)製トークリルW265)19部,硫酸銅
五水和物3%溶液20部,りんご酸1部を混合し一様にす
る。この混合溶液の中に石膏を60部を入れ撹拌する。
実施例3 コロイダルシリカ含有アクリルエマルジョン(トーク
リルW265)29部,硫酸亜鉛七水和物3%溶液20部りんご
酸1部を混合し一様にする。この混合溶液の中に石膏を
50部を入れ撹拌する。
実施例4 スチレン・ブタジエンエマルジョン(NV50%)19部硫
酸銅五水和物3%溶液20部,りんご酸1部を混合し一様
にする。この混合溶液の中に石膏を60部を入れ撹拌す
る。
実施例5 スチレン・ブタジエンエマルジョン(NV50%)29部,
硫酸亜鉛七水和物3%溶液20部,りんご酸1部を混合し
一様にする。この混合溶液の中に石膏を50部を入れ撹拌
する。
実施例6 ハイドロゾル型アクリル樹脂(NV25%)(東洋インキ
製造(株)製リオクリルAP)29部,硫酸第一鉄七水和物
3%溶液20部,りんご酸1部を混合し一様にする。この
混合溶液の中に石膏を50部を入れ撹拌する。
臭気測定方法は300cc入り三角フラスコに各実施品20g
を入れ,実施品に接触しないように濾紙(12.5cm)を一
枚入れ,その中にマイクロシリンジにより臭気物を封入
し,一時間後にガス検知管にて測定を行い結果を表に示
す。
〔発明の効果〕 本発明により,次にあげる効果が確認された。
本発明による脱臭組成物は着変色がなく,取扱い易く
建装材並びに装飾品,コーティング可能なものはすべて
に使用できる。また併用品によっては塗料,印刷へも使
用でき工業的に極めて有用な新規脱臭組成物として提供
するものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石膏と、還元剤および金属塩を含む脱臭剤
    と、エマルジョンタイプまたはハイドロゾルタイプの水
    性樹脂を含有することを特徴とする脱臭組成物。
  2. 【請求項2】還元剤が、L−アスコルビン酸化合物、エ
    リソルビン酸化合物、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、亜
    燐酸および次亜燐酸の中から選ばれる少なくとも一種よ
    りなる請求項1記載の脱臭組成物。
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