JP2783606B2

JP2783606B2 - インコアストロングバック

Info

Publication number: JP2783606B2
Application number: JP1239859A
Authority: JP
Inventors: 和雄酒巻
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1989-09-18
Filing date: 1989-09-18
Publication date: 1998-08-06
Anticipated expiration: 2013-08-06
Also published as: JPH03102296A

Description

【発明の詳細な説明】［発明の目的］（産業上の利用分野）本発明は原子力発電プラントにおける原子炉の定期点
検時に、中性子計装管（インコアモニタ）を原子炉炉心
に対し、搬入搬出する際に使用するインコアストロング
バック（計装管搬送装置）に係る。

（従来の技術）一般に沸騰水型原子炉においては、その運転期間中炉
内の中性子束を適正な分布状態に保持するため、燃料集
合体の間に棒状の中性子束計装管（以下インコアモニタ
と呼ぶ）を挿入設置しておき、中性子束の分布状態を監
視するようにしている。

上記のインコアモニタは通常次のようにして設置され
る。すなわち、インコアモニタの上端部にはスプリング
による係止片が取り付けられ、前記上端部は前記係止片
のばね力によって炉内の上部格子板の交叉部に支持さ
せ、またその下端部はこの下端部に衝接支持する受座を
形成したフランジに接合して据え付けるようにしてい
る。

一方、燃料集合体は金属鞘すなわち燃料チャンネル内
に、燃料被覆管に円筒状の低濃縮二酸化ウランペレット
を多数装填してなる燃料棒バンドルを着脱自在に収納し
てなるものであり、前記インコアモニタは隣接する４箇
の前記燃料集合体の間隙に装荷されるものである。

また、インコアモニタを炉心に装荷するに際しては、
インコアモニタは約10数ｍにおよぶ長さを有し曲がりや
変形を生じ易いため、インコアモニタを細長く頑丈な型
鋼からなるインコアストロングバック（以下ストロング
バックと呼ぶ）に装着し、変形等を防止するようにして
いる。

インコアモニタの炉心への装荷は第７図に示すように
してなされる。第７図は沸騰水型原子炉の全体構成を示
す模式的断面図である。この図において、原子炉格納容
器１内には原子炉圧力容器２が原子炉圧力容器ペデスタ
ル３に支持されて格納されており、原子炉圧力容器２の
外周面は前記原子炉圧力容器ペデスタル３上に載置固定
された燃遮蔽壁４によって包囲されている。また、前記
原子炉格納容器１は原子炉建屋５と一体に設けられてい
る。なお、図中６は原子炉圧力容器２内に収容された炉
心、７は炉心に装架されつつあるまたはその前段階にあ
るインコアモニタ、８は燃料交換用フロア、９は燃料交
換用フロア８上を移動可能であり炉心６の任意位置の上
方に配置される燃料交換用プラットフォームを示してい
る。また、炉心６への装荷の前段階にあるインコアモニ
タ７にはストロングバック10が装着されている。さら
に、この図においては省略されているが、炉心上方には
気水分離器、蒸気乾燥器等が設置されている。

インコアモニタ７の炉心６への装架は次のようにして
行われる。すなわち、前記ストロングバック10を水平状
態で原子炉建屋の天井クレーンのフック11に吊りロープ
11aで吊り下げる。なお、インコアモニタ７の炉心６側
の端部には、操作用ロープ7aが適宜切り離し自在に取り
付けられている。前記ストロングバック10を天井クレー
ンおよび操作用ロープ7aの作業員W₁による操作によっ
て、水平状態から垂直状態に向きを換えながら炉心に向
けて降下させ、適宜位置まで降下したところでインコア
モニタ７を前記ストロングバック10から離脱させ、これ
を炉心６内に挿入するようにしている。この時、作業員
W₁は前記操作用ロープ7aを操作してインコアモニタ７の
急激な下降、脱落を防止する。また、燃料交換用プラッ
トフォーム９上の作業員W₂は、ストロングバック10から
離脱したインコアモニタ７を操作ロープ7aにより、炉心
内に緩やかに下降させる。

（発明が解決しようとする課題）上記説明した原子炉構成各機器は何れも高い寸法精度
を要求されており、何等かの原因で炉心部構成機器の落
下を生じたりすると、落下した機器のみでなくその周辺
の機器が損傷し、それ等の機能を損って重大な事故を引
き起すおそれがある。

また、インコアモニタ７は前記のように燃料集合体に
隣接して配置されるものであるからインコアモニタ７に
曲がりや変形があると、燃料チャンネルに干渉し振動等
によって破壊に至るおそれがある。

而して、前記のインコアモニタ７の装荷に際して、炉
心６上部で前記ストロングバック10が垂直位になった状
態で揺れ動き、インコアモニタ７が脱落、落下するおそ
れがあり、相当に慎重な作業が要求される。また、前記
の脱落、落下を未然に防止するため、多数の監視員によ
る監視を必要とする。

本発明は上記の事情に基づきなされたもので、インコ
アモニタの脱落、落下等の事故を生じるおそれがなく、
炉心への装荷作業に必要な作業員、監視員を削減するこ
とができるストロングバックを提供することを目的とし
ている。

［発明の構成］（課題を解決するための手段）本発明のストロングバックは、長尺部材によって構成
された主要部と、この主要部の一側面に長手方向に分布
して設けられた複数個の支持部材と、これらの支持部材
とそれぞれ協働する複数個のフックと、これら複数のフ
ックを連結し前記主要部の長手方向に延在する操作軸
と、この操作軸の上端に取付けられたハンドルと、この
ハンドルを前記主要部に対して固定する着脱自在のロッ
ク用のピンと、前記主要部下端に設けられてインコアモ
ニタの落下を防止する取付ガイドと、前記主要部に設け
られインコアモニタに設けられたリングを係合させる落
下防止用ブラケットとを有することを特徴とする。

（作用）上記構成の本発明ストロングバックにおいては、ハン
ドルの回動によって複数箇のフックが一斉に開閉され、
インコアモニタの把持、開放を遠隔操作によって確実且
つ迅速に行うことができる。また、ハンドルはロック用
のピンによって固定されるからフックの意図しない開放
を生じることはない。なお、万一何等かの誤操作によっ
てフックが開放されたとしても、取付用ガイド、落下防
止用ブラケットがインコアモニタを保持するので、イン
コアモニタが落下することはない。

（実施例）第１図は本発明一実施例の全体構成を示す側面図、第
２図は第１図のＡ−Ａ矢視図、第３図は第１図のＢ−Ｂ
矢視図、第４図は第１図のＣ−Ｃ矢視図、第５図は第１
図の前記実施例要部の拡大図、第６図Ａは第１図におい
て一点鎖線で示した楕円Ｄで囲まれた部位の拡大平面
図、第６図Ｂはその一部切断側面図である。先ず、第１
図においてストロングバック10の主要部12は複数箇の型
鋼12aを結合して構成されており、前記主要部12の一側
面にはインコアモニタに対する支持部材13が複数箇（図
示は６箇）固定されている。これ等の支持部材13には、
支持部材と協働してインコアモニタを把持するフック14
がそれぞれ設けられている。各フック14はそれ等の一端
において主要部12長手方向の操作軸15によって連結さ
れ、この操作軸の上端にはハンドル16が取り付けられて
いる。フック14と操作軸15との関係は第３図に最もよく
示されている。すなわち、フツク14の一端を貫通した操
作軸15に対し、フックおよび操作軸を貫通するピン15a
を打ち込んでフック14と操作軸15とを結合している。ま
た、第４図、第５図に示すようにハンドル16は、ハンド
ルおよび主要部12上端の端板に対し挿抜される複数のピ
ン（図示は17、18の２箇）によって操作時以外はロック
される。

さらに、主要部12の下端にはインコアモニタを装着す
る際の位置決めをする取付ガイド19が設けられている。
この取付ガイドはインコアモニタの装着を容易とするの
みでなく、ハンドル16の意図しない開放操作がなされて
もインコアモニタの炉心へ向けての落下を防止する。

ストロングバック10の主要部12の前記側面の長手方向
のほぼ中央部には、第６図Ａ、第６図Ｂにつき詳細を説
明する落下防止用ブラケット20が設けられている。第６
図Ａは第１図に一点鎖線の楕円Ｄで囲んで示した部位の
平面図、第６図Ｂはその一部切断側面図である。これ等
の図において、落下防止用ブラケット20はほぼＵ字状を
なして主要部12の前記側面から突出され、その上面には
インコアモニタ７のほぼ中央部に設けられたリング7aを
受容する窪みが設けられている。

なお、図中21は前記主要部の前記側面の対向面に設け
られた吊下げ用金具、22はその台座を示している。

上記構成の本発明のストロングバツク10には、次のよ
うにしてインコアモニタ７が装着される。すなわち、水
中での遠隔操作によりロック用のピン17、18を引き抜
き、ハンドル16を操作して操作軸15を回動させて各フッ
ク14を開放し、インコアモニタ７の下端が取付ガイド19
に、またリング7aが落下防止用ブラケット20にそれぞれ
係合するように、インコアモニタ７を主要部12に沿わ
せ、ハンドル16を前とは逆方向に回動させて、各フック
14と支持部材13との間にインコアモニタ７を把持させ
る。上記の各操作は単純であり、水中での遠隔操作であ
っても確実にしかも迅速に行うことができる。

上記のようにしてストロングバック10にインコアモニ
タ７を装着した後、第７図につき説明したところと同様
にしてストロングバック10を垂直とし、各フック14の開
放と操作ロープ7aの操作とにより、インコアモニタ７を
炉心６に対して装荷する。

［発明の効果］上記構成の本発明のストロングバックによれば、スト
ロングバックの長手方向に分布した複数の支持部材およ
びこれと協働するフックにより、インコアモニタを把持
するものであるから、炉心への装荷に際してストロング
バックが揺れたりしてもインコアモニタが落下するおそ
れはない。また、前記フックを操作するハンドルはピン
によってロックされているから、フックの意図しない開
放を生じるおそれはない。万一、何等かの誤操作によっ
てフックが開放されたとしても、取付ガイド、落下防止
用ブラケットがインコアモニタを保持するので、インコ
アモニタの落下およびそれに基づく種々の事故を起すこ
とはない。また、前記したように水中の遠隔操作であっ
ても確実且つ迅速にインコアモニタの着脱、炉心への装
荷をなし得るので、作業員の放射線被曝量を大巾に減じ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明一実施例の全体構成を示す側面図、第２
図は第１図のＡ−Ａ矢視図、第３図は第１図のＢ−Ｂ矢
視図、第４図は第１図のＣ−Ｃ矢視図、第５図は第１図
の前記実施例要部の拡大図、第６図Ａは第１図において
一点鎖線で示した楕円Ｄで囲まれた部位の拡大平面図、
第６図Ｂはその一部切断側面図、第７図はインコアモニ
タの炉心への装荷作業を説明する原子炉の模式的断面図
である。７……インコアモニタ、10……ストロングバック、12…
…主要部、12a……型鋼、13……支持部材、14……フッ
ク、15……操作軸、15a、17、18……ピン、16……ハン
ドル、19……取付ガイド、20……落下防止用ブラケット

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】長尺部材によって構成された主要部と、こ
の主要部の一側面に長手方向に分布して設けられた複数
個の支持部材と、これらの支持部材とそれぞれ協働する
複数個のフックと、これら複数のフックを連結し前記主
要部長手方向に延在する操作軸と、この操作軸の上端に
取付けられたハンドルと、このハンドルを前記主要部に
対して固定する着脱自在のロック用のピンと、前記主要
部下端に設けられてインコアモニタの落下を防止する取
付ガイドと、前記主要部に設けられインコアモニタに設
けられたリングを係合させる落下防止用ブラケットとを
有することを特徴とするインコアストロングバック。