JP2782695B2 - 神経症および精神病の診断用免疫吸着剤およびその実際的用途 - Google Patents

神経症および精神病の診断用免疫吸着剤およびその実際的用途

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、概して、薬剤に関し、更に詳しくは、診断
薬、すなわち、神経症および精神病の診断用免疫吸着剤
およびその実際的使用に関する。
背景技術 平均して集団の約5%に影響を与える神経精神病質
は、極めて広範囲に、特に、開発途上国に広がってお
り、それらの発生率はますます増大する傾向にある。現
在、このような疾患は、概して、患者の入念な臨床検査
結果にしたがって診断されており、それらとしては、電
気生理学的方法、血管造影法、X線透視法、核磁気共鳴
法、陽電子放射横断断層撮影法および他の測定器アプロ
ーチの使用がある。診断をより正確にするために、往々
にしてその使用は、神経媒介物質および神経ペプチドま
たはそれらの代謝を刺激し且つ阻害する含有物(すなわ
ち、グルタミン酸塩、ガンマ−アミノ酪酸、セロトニ
ン、ドパミン、モノアミノオキシダーゼ、ベータ−エン
ドルフィンおよびメチレン−エンケファリン)に関する
血液および他の体液の臨床生化学的分析から成る。
しかしながら、脳および生体の機能的状態を全体とし
て評価するための前記の生化学的判定基準の使用は常に
望ましい結果を生じるとは限らない、すなわち、治療法
の計画を決定するのに最も重要である病原におけるある
種の媒介物質およびペプチド作動系の関与の程度を明白
に判断できるようにすることはできないし;それは実験
室分析用に時間的浪費および材料費を必要とし;前記の
判定基準では、それぞれの疾病分類学的状態に適切な水
準の特異性を与えることができないし、事実上、疾患
(危険群)に対する素因を検出することも疾患の初期段
階での神経精神病質の診断を行なうこともできない。
若干の証拠により、神経精神病質の患者の血液が神経
組織の破壊産物による生体の自己免疫化の様々な徴候を
示し、同時に、その共通の脳抗体力価がしばしば精神神
経学的症状の苛酷さの程度に対応するということが示さ
れる。
しかしながら、古典的な免疫学的方法および技術(補
体結合反応、受動血液凝集反応および脳抗体に対する好
中球変性反応)は、疾患のそれぞれの疾病分類学的状態
に特異的な神経組織抗原の検出が複雑なために、更に
は、多クローン性抗血清を用いるために、神経精神病質
の臨床的実践における広範な用途は未だに発見されてい
ない。後者は、用いられる方法および技術の規格化を妨
げ、高度な非特異的抗体結合性を示し、大脳組織の機能
不全の徴候あるいは発症の原因である抗原またはそのフ
ラグメントの識別ができない。
技術の一つの現状である神経精神病質(すなわち、精
神分裂病、てんかんおよび振せん麻痺)の診断法は、担
体、例えば、ポリスチレンと、哺乳動物の脳から単離さ
れ且つ該担体上に固定されたS−100タンパク質群のフ
ラグメントとから成る免疫吸着剤を用いることが知られ
ている(A.B.ポルタヴ(Poletaev)らによる「酵素結合
イムノソルベント分析を用いる神経精神病質における自
己免疫法の研究(Study into autoimmune processes
in neuropsychopathies using enzyme−linked i
mmunosorbent analysis)」、Immunologia,1985,4巻,2
号,75〜76頁(ロシア語)を参照されたい)。
その方法は、分析中の血清および対照血清を免疫吸着
剤に対して適用し且つ神経精神病質患者の血清中のS−
100タンパク質群に対する自己抗体を検出することであ
る。
しかしながら、抗原として選択されたS−100タンパ
ク質群は、前述の神経精神病質に対して特異的ではない
ので、その方法では、患者の状態を偏りなく評価するこ
とも、それぞれの疾患の危険群を決定することもできな
い。更に、陽性の結果は、内分泌障害およびアルコール
患者の血清を分析した場合にも得られる。結果として、
神経精神病質の検出百分率は65程度に低い。
発明の開示 本発明の主要な目的は、神経精神病質の診断用のこの
ような免疫吸着剤および、ある種の特異的タンパク質フ
ラグメントの選択によって更に高い百分率で疾患の検出
を達成し、患者の状態を偏りなく評価し、そして患者の
危険群を検出することができるその実際的用途を提供す
ることである。
前述の目的は、担体およびその上に固定されたタンパ
ク質フラグメントから成る神経精神病質診断用免疫吸着
剤の提供によって達成され、そこにおいて、本発明によ
り、該免疫吸着剤はタンパク質フラグメントとして哺乳
動物の脳のセンサータンパク質を含み、該タンパク質は
分子質量が2〜45kDであり且つ2〜50nMの量で得られ
る。
てんかんの診断用タンパク質フラグメントとして分子
質量が2〜17kDのキスカレート結合性膜タンパク質を用
いることが推薦される。
振せん麻痺の診断用には、タンパク質フラグメントと
して分子質量が10〜28kDのメチルスコポラミン結合性膜
タンパク質を用いるのが好都合である。
薬剤嗜癖の診断用には、タンパク質フラグメントとし
て分子質量が29〜45kDのダラージン(dalargin)結合性
膜タンパク質を用いることが推薦される。
精神分裂病の診断用には、タンパク質フラグメントと
して分子質量がそれぞれ10〜18kDおよび24〜35kDのアポ
モルフィンまたはスピペロン結合性膜タンパク質を用い
ることができる。
アルツハイマー病の診断用には、タンパク質フラグメ
ントとして分子質量が30〜42kDのN−メチル−D−アス
パルテート結合性膜タンパク質を用いることができる。
前述の目的は、更に、分析中のヒト血清および健康な
個体の対照血清を、本明細書中において提案された免疫
吸着剤に対して適用し、そしてある与えられた神経精神
病質に関する自己抗体の存在を検出することである神経
精神病質の診断法の提供によって達成され、そこにおい
て、本発明により、免疫吸着剤として用いられるのは、
担体と、その上に固定された哺乳動物の脳のセンサータ
ンパク質のフラグメントとから成るものであり、該免疫
吸着剤に対して適用された分子質量が2〜45kDであり且
つ2〜50nMの量で得られる該タンパク質は、更に、検査
システムを作るための該センサータンパク質に対する単
クローン性抗体である。
本明細書中において提案された免疫吸着剤は、神経精
神病質の診断用およびその危険群(すなわち、てんか
ん、振せん麻痺、薬剤嗜癖、精神分裂病およびアルツハ
イマー病)を検出するための新規の検査システムを作る
ことを可能にし、それは検査結果の明白な解釈および患
者の選別を可能にするし、しかも精神神経科診療所およ
び病院での広範囲の使用に経済的且つ好都合である。更
に、このような検査システムは、治療処置中の患者の状
態を監視するのに有用でありうる。
発明を実施する最良の方法 提案された免疫吸着剤およびこのようにして作られた
検査システムに基く神経精神病質の診断法の実際的用途
は、それぞれの疾病分類学的状態に対応し且つ哺乳動物
の脳から単離されたセンサータンパク質のフラグメント
に対する特異的自己抗体の患者血清中における異常に高
い含有量を検出することにある。てんかんの原因である
脳センサータンパク質の特異的フラグメントはキスカレ
ート結合性膜タンパク質であり、振せん麻痺の原因はメ
チルスコポラミン結合性膜タンパク質であり、アヘン剤
依存嗜癖に対してはダラージン結合性膜タンパク質、精
神分裂病に対してはアポモルフィン結合性膜タンパク質
およびスピペロン結合性膜タンパク質、そしてアルツハ
イマー病にはN−メチル−D−アスパルテート結合性膜
タンパク質であることが分かった。センサータンパク質
のそれぞれのフラグメントに対する自己抗体数は、健全
な提供者のそれの2〜6倍であり、具体的な疾患または
それに対する素因が診断される(危険群)。
本発明の免疫吸着剤は以下のように製造される。診断
される疾患に対応する哺乳動物の脳のセンサータンパク
質のフラグメントを、ポリスチレンまたはニトロセルロ
ースを用いることができる能力をもった担体上に共有結
合またはイオン結合によって固定する。ポリスチレン担
体の場合、免疫学的検査用の標準的なポリスチレントレ
ーでニトロ化法を行ない、それによってトレー表面上に
遊離ニトロ基を生成した後、アミノ基に還元し且つリン
カーとして役立つグルタル酸ジアルデヒドで活性化す
る。次に、このように活性化されたトレーを、哺乳動物
の脳のセンサータンパク質のそれぞれの免疫原性フラグ
メントを化学的に固定する目的で、2〜50nNの量で得ら
れた分子質量が2〜45kDのセンサータンパク質のそれぞ
れの予め単離されたフラグメントとのインキュベーショ
ンに供し、インキュベーション工程は4℃で16時間行な
う。
2nM未満の量のタンパク質は検査結果の信頼性に悪影
響を与えるが、その量が50nMを越えることは、自己抗体
と免疫吸着剤との非特異的結合の増加ゆえに不適当であ
る。
次に、トレーをホウ水素化ナトリウム水溶液および塩
化ナトリウム水溶液で洗浄し、真空乾燥させ、気密封止
パッケージ中に密封し、そして4℃の貯蔵下に置く。
センサータンパク質のそれぞれのフラグメントをイオ
ン相互作用によってニトロセルロースストリップ上に固
定することによって免疫吸着剤を製造することも実用的
である。哺乳動物の脳から単離されたセンサータンパク
質のそれぞれのフラグメントをニトロセルロースに適用
し且つ37℃で15分間インキュベートする。次に、ニトロ
セルロースをトゥイーン(Tween)−20の0.5%溶液で洗
浄し、得られた免疫吸着剤を室温で乾燥させ且つ乾燥し
た所で1年間貯蔵する。
センサータンパク質のフラグメントを以下のように単
離する。センサータンパク質を哺乳動物、例えば、ヒト
またはブタの脳のシナプス膜から単離して−70℃の温度
で貯蔵する。大脳組織を、フッ化フェニルメチルスルホ
ニルを含むサッカロース溶液中でホモジネートし且つ遠
心分離する。次に、上澄み液部分を濾過し、そして最初
に氷冷2回蒸留水中で、続いてそれだけで遠心分離す
る。次に、上澄み液と固まっていない沈殿層とを分離
し、そして上記方法2回繰り返す。得られた膜部分(シ
ナプス膜)をデオキシコール酸ナトリウムなどの洗剤ま
たはジギトニン中に懸濁させる。不溶性膜を遠心分離沈
殿させる。センサータンパク質の単離に関して、上澄み
液を予め製造された吸着剤、例えば、グルタメート−セ
ファロース(Sepharose)4B、メチルスコポラミン−セ
ファロース4B、ダラージン−ω−アミノヘキシル−セフ
ァロース4B、アポモルフィン−若しくはスピペロン−セ
ファロース4BまたはN−メチル−D−アスパルテート−
ω−アミノヘキシル−セファロースと混合する。
センサータンパク質対吸着剤結合処理は4℃で15時間
行なう。吸着剤を6倍容量の洗剤含有緩衝液で洗浄した
ら、センサータンパク質を同一緩衝液中において塩化ナ
トリウムで溶離し且つ限外濾過濃縮する。
前述の疾患それぞれの実験室診断法は、多数の段階、
すなわち、患者の血液を採取し、哺乳動物の脳のそれぞ
れのセンサータンパク質に対する自己抗体を同定し、そ
の検査結果を定量的に処理し、そしてそれらを臨床事例
と比較することから成る。
0.5mlの量の血液を患者の指から採取し、採取直後に
4℃で遠心分離し、その血清は検査前に深冷凍下で(−
70℃で)貯蔵される。
自己抗体の決定は、以下の二つの技法のどちらかによ
って実施することができる。
自己抗体の固相ラジオイムノアッセイ(SPRIA)は以
下のように行なう。すなわち、活性化のために10%酢酸
溶液をクーカー(Cooker)微量滴定マイクロプレート
(ダイナテク・カンパニー(Dynatech Co.)、米国か
ら入手可能)に1分間加え、そこで分析中の血清(1:40
に希釈された)0.1mlをマイクロプレートに加え且つ25
℃で4時間インキュベーションを行なう。次に、マイク
ロプレートを、0.14M塩化ナトリウム溶液および125Iで
標識された哺乳動物の脳タンパク質のそれぞれのフラグ
メントと非標識のものとの混合物0.1mlで洗浄する。プ
レートを4℃で20時間インキュベートする。インキュベ
ーションを完了したら、マイクロプレートを0.14M塩化
ナトリウム溶液で洗浄した後、マイクロプレートの各細
胞を切離し且つガンマ計数用バイアル中に入れる。
自己抗体の酵素結合イムノソルベント検定法(ELIZ
A)は以下のように行なう。すなわち、1:40または1:50
に希釈された血清試料をそれぞれの免疫吸着剤に対して
適用する。次に、免疫吸着剤を有するトレーを37℃で30
分間インキュベートし、そこでトレーのウェルを、0.05
%のトゥイーン−20を含む0.05Mリン酸緩衝液で洗浄す
る。次に、西洋ワサビペルオキシダーゼで標識されたヒ
ト免疫グロブリンに対するウサギ抗体(複合体)をそれ
に加え、そしてトレーを37℃で35分間再度インキュベー
トした後、前述の緩衝液および蒸留水で洗浄する。次
に、色素原、すなわち、オルトフェニレンジアミンの存
在下において30%化酸化水素を加えることによって結合
可能な複合体を決定する。陽性反応は、マルチスカン
(Multiskan)測定器を用いて、492nmの波長での吸収に
対して強度が評価されている褐色の発色に対して認めら
れる。
自己抗体と血清中のセンサータンパク質のフラグメン
トとの結合の程度は、センサータンパク質の各フラグメ
ントとそれに対する単クローン性抗体との結合との比較
において決定される。センサータンパク質の各フラグメ
ントに対する単クローン性抗体は、標準的なハイブリド
ーマ技術によって製造される。
哺乳動物の脳のセンサータンパク質のそれぞれのフラ
グメントに対する単クローン性抗体の選択性は、SPRIA
またはELISA技術によって交差反応を研究した場合の各
抗原の95%に等しい。他の脳組織抗原(例えば、ガング
リオシド、セレブロシドおよびS−100タンパク質)に
関して、交差反応は単クローン性抗体の全特異性の2〜
4%未満である。
推定の対照(「ゼロ」)水準は、ラットの脳から単離
された全膜検体上で消耗されたドナー血清試料の分析結
果にしたがって選択される。
得られたデータを任意の単位(AU)によって示す。
提案された免疫吸着剤を、2300人を越える患者の血清
試料で検査し、その診断は以下の通り、すなわち、てん
かん(1650人)、未知の病因のてんかん様症候群(187
人)、振せん麻痺(148人)、精神分裂病(躁鬱病、循
環気質、147人)、アルツハイマー病(44人)、アヘン
剤依存嗜癖(117人)並びに交差分析を含む健康なドナ
ー2150人である。
疾患のそれぞれの状態に関して選択された哺乳動物の
脳のセンサータンパク質のフラグメント基準でこのよう
に実施された大規模な臨床検査は、それらの高い特異性
および感受性が、それぞれの疾患の、更には該疾患の素
因が作られた患者における危険群の選択的診断を可能に
することを確証した。
てんかんの診断は、実際に、分子質量が2〜17kDのキ
スカレート結合性膜タンパク質に対する自己抗体および
それに対する単クローン性抗体を検出するための免疫吸
着剤である検査システムの助けによって行なわれる。
キスカレート結合性膜タンパク質のフラグメントに対
する自己抗体の増加濃度は、てんかんおよび未知の病因
のてんかん様症候群の診断による患者の血液中において
検出された。この場合、検定によって患者の89〜90%を
検出することを可能にした。振せん麻痺およびてんかん
以外の他のCNS疾患におけるキスカレート結合性膜タン
パク質に対する自己抗体の検出濃度は、存在しない場
合、対照とは異なる。若干の場合において(全検査数の
5%)、他のCNS疾患(例えば、多発性硬化症、精神分
裂病)に冒された患者の検査で過敏性が観察された。概
して、このような場合、脳波(EEG)での増加した発作
活性が注目された。このような患者は、てんかんに関し
て危険群に分類された。
キスカレート結合性膜タンパク質に対する自己抗体の
検出可能な濃度と、てんかんの時間依存変化、状態およ
び期間との相関は、16才〜50才のてんかん患者1246人の
群において研究された。全患者をその分析結果によって
3群、すなわち、I群−平均のドナー水準の120〜200
%;II群−220〜320%;およびその水準の230%以上のII
I群に再分した。下記の表1は、大脳発作の再発率に応
じた患者の分布を示す。自己抗体濃度の最小限の増加は
散発性(年に1回程度にまれ)発作の患者において見出
され、最大限の増加は毎日の発作に冒された患者におい
て見出された。
血液中の自己抗体量の時間依存性変化の研究は、2回
の連続発作の間の期間中にそれが漸増することを実証し
た。発作の8〜10日前に顕著な効果を観察することがで
き、最大レベルは痙攣の直後に生ずる。その後の期間に
は、患者の血液中の自己抗体レベルは漸減して、発作の
1カ月乃至2カ月後には初期レベルに達した。
脳への損傷、腫瘍及び神経感染症(neuroinfection)
よる影響を受け、クィスクァレート結合膜(qisqualate
−binding membrane)タンパク質に対して高力価の自己
抗体を示す患者は、散発性発作を付随して、又は癲癇発
作に襲われないとしても、癲癇発病の高危険性にあると
考えられる。
以下では、被験患者の幾つかの具体的な病歴を述べ
る。
男性患者K.45歳、推定診断:癲癇.この疾患は頭部損
傷の続発症である。この損傷の2年後に、外見上健康で
あった患者は頭痛の絶頂時に嘔吐を伴う頭痛と、一時的
な意識喪失に襲われた。脳波検査と陽電子射出断層撮影
(positron emission transaxial tomography)は、こ
の患者の癲癇存在に関する明白な結果を生じなかった。
痙攣は見られなかった。クィスクァレート結合膜タンパ
ク質に対する自己抗体量は健康な個体の血液中の自己抗
体量の3倍であった。癲癇の診断は実験室方法によって
確認された。
V.の家族、男性患者V.54歳、診断:頭部損傷に続発す
る癲癇、EEGは広汎な癲癇活動を示した。結合レベルの
分析はドナー血液の自己抗体含量に比べて、5倍過剰な
クィスクァレート結合膜タンパク質に対する自己抗体量
を実証した。患者自身の2人の姉妹(臨床的に健康)の
血液を検査した。姉妹の1人では、自己抗体レベルが正
常であったが、姉妹の他方は健康なドナーに比べて前記
レベルの2倍の増加を示した。後者の姉妹のこの疾患に
対する素質と必要時の予防治療の適用が結論された。患
者V.の妻、50歳、は健康であり、正常な血液自己抗体含
量を示した。患者の娘、25歳.健康、彼女の血液中の自
己抗体値は正常であった。患者の妻と娘の血液の実験室
分析の結果は癲癇素質を示さなかった。
A.の家族、女性患者A.78歳、診断:癲癇。この患者は
小児期から罹患していた。EEGは広汎な癲癇活動を示し
た。薬物療法は殆ど役に立たなかった。自己抗体値は対
照の自己抗体レベルの6倍を越える。患者の娘、45歳、
は臨床的に健康であったが、頻繁に頭痛を訴えた。彼女
には癲癇発作が生じなかった。自己抗体値は正常値に比
べて2倍に上昇した。実験室分析の結果によると、癲癇
素質が検出された。
実際に、約10〜28kDの分子量を有するメチルスコポラ
ミン結合膜タンパク質のフラグメントに対する自己抗体
を検出するためのイムノソルベントと、それに対するモ
ノクローナル抗体とである試験系を用いて、振せん麻痺
の診断を行う。
振せん麻痺、小脳変性、併発した皮質下運動亢進症、
大脳循環不全に続発する病的イベントに罹患した全体で
148人の患者。メチルスコポラミン結合膜タンパク質に
対する自己抗体レベル上昇は、運動不能−硬直形と硬直
−振せん形(II〜IV期)の振せん麻痺に罹患した患者に
おいてのみ認められた。この場合には、分析は患者の85
%の検出を可能にした。患者の血液の自己抗体値はこの
疾患の症状に相関し、疾患の段階及び採られた治療手段
に依存した(表2)。他の形態の運動障害病(小脳変
性、併発症の皮質下運動亢進、大脳循環不全)を有する
患者では、メチルスコポラミン結合膜タンパク質に対す
る自己抗体レベルは治療手段に依存せず、対照レベルに
留まった。癲癇と精神分裂病の場合には、メチルスコポ
ラミン結合膜タンパク質に対する自己抗体レベルは対照
から全く異ならなかった(表2)。
高危険性群に属する患者群を振せん麻痺の発病に関し
て検査した、患者の血液中にはメチルスコポラミン結合
膜タンパク質に対する高力価の自己抗体が検出された。
以下では、被験患者の幾つかの具体的な病歴を述べ
る。
女性患者A.61歳、推定診断:運動不能−硬直形の振せ
ん麻痺。臨床症状が軽度に発現。患者の既往歴では、早
朝の運動障害(constrained movement in the mornin
g)が最も注目された。患者の血液血清分析は健康なド
ナーの血液血清の自己抗体値に比べて、メチルスコポラ
ミン結合膜タンパク質に対する自己抗体レベルの2倍過
剰を示した。振せん麻痺の診断は実験室方法によって確
認された。
L.の家族、母親、53歳、診断:振せん−硬直形の振せ
ん麻痺、III〜IV期。患者の両親の振せん麻痺に関する
情報は彼女の既往歴に含まれた。薬物療法は殆ど役に立
たなかった。患者は以前に脳の深層構造中の長期間電極
の移植を含む定位脳固定手術を受け、治療による電気刺
激操作を施され、良好な効果を得たことがあった。電気
刺激前のメチルスコポラミン結合膜タンパク質に対する
自己抗体値はドナーの血液の自己抗体含量の4倍程度で
あった。自己抗体の力価は治療による電気刺激操作の過
程で顕著に低下することが発見されたが、健康なドナー
に比べるとまだ2倍程度高く留まり、これは患者の状態
の臨床的改善に相関した。患者の息子、30歳、見かけは
健康であったが、彼の血液血清の検査はメチルスコポラ
ミン結合膜タンパク質に対する自己抗体レベルの50%上
昇を示した。問題の疾患に対する患者の息子の素質が結
論された。
実際に、約29〜45kDの分子量を有するダラルギン(da
largin)結合膜タンパク質のフラグメントに対する自己
抗体と、前記タンパク質に対するモノクローナル抗体と
を検出するためのイムノソルベントである試験系を用い
て、モルヒネ、コカイン及びハシッシュ嗜癖の診断を実
施する。
下記診断を有する267患者から採取した血液血清サン
プルに対して提案されたイムノソルベントを臨床的に試
験した:モルヒネ依存症患者50人、ハシッシュ中毒35
人、及びコカイン依存症患者32人を含む薬物中毒(117
人)。さらに、催眠薬を投与された患者(50人)並びに
アルコール中毒者(50人)から採取した血液サンプルを
検査した。健康なドナー(200人)の血液を対照として
用いた。
モルヒネ常用者(morphinist)及びコカイン常用者
(cocainist)と診断された患者の血液では、ダラルギ
ン結合膜タンパク質に対する自己抗体レベル上昇が検出
された。この場合に、分析は患者の85〜89%を検出する
ことができた。ハシッシュ常用者の疾患検出率は約65で
あったが、鎮静薬、催眠薬又はアルコールを乱用した患
者の血液中のダラルギン結合膜タンパク質に対する結合
自己抗体レベルは、対照の血液サンプル中の自己抗体結
合レベルを越えないことが判明した。
ダラルギン結合膜タンパク質に対する自己抗体の検出
可能なレベルと、薬物乱用の種類及び期間との関係を、
薬物常用に罹患した患者117人(15〜40歳)の群で研究
した。全患者を分析の結果として疾患の種類(すなわ
ち、モルヒネ常用、コカイン常用及びハシッシュ常用)
に応じて3群に分けた(表3)。
モルヒネ常用者とコカイン常用者では、自己抗体値の
殆ど同じ上昇が認められ、ハシッシュ常用者では低い
(1.6倍まで)上昇が認められた。
表4は、ダラルギン結合膜タンパク質に対する患者
(50人)の血液血清中の自己抗体力価の、麻酔性物質の
最後の摂取日に依存する変化の研究結果を示す。モルヒ
ネ常用及びコカイン常用に罹患した患者(各25人)で
は、麻酔性物質の最後の摂取日から3年間離れた場合
に、顕著な効果を認めることができた。最後の薬物摂取
時からさらに長期間経過した場合には(5年間を越え
て)、患者の血液中の自己抗体レベルは軽度にのみ低下
すること判明したが、まだ対照に比べると異常に高く残
留した(表4)。
妊娠したモルヒネ常用者(患者10人、妊娠期間14〜18
週)の血液血清の検査は、ドナー血液におけるよりも2
倍〜4倍高い、ダラルギン結合膜タンパク質に対する自
己抗体含量を明らかにすることができた(表5)。前記
女性患者の新生児7人(生後1〜1.5カ月)中の5人の
血液血清は、異常に(50〜75%)高いダラルギン結合膜
タンパク質に対する自己抗体含量を示した。
従って、モルヒネ、コカイン及びハシッシュ常用の診
断への提案されたイムノソルベント適用の効率に関する
推論を引き出すことができる。
本質的に、分子量10〜18kDの分子量を有するアポモル
ヒネ結合膜タンパク質のフラグメントと、分子量24〜35
kDの分子量を有するスピペロン結合膜タンパク質のフラ
グメントとに対する自己抗体を検出するためのイムノソ
ルベントと前記タンパク質に対するモノクローナル抗体
からなる試験系を用いて、精神分裂症の診断を確認す
る。
試験系を用いて実施する精神分裂病患者の血液血清の
分析は、患者の83%までの検出を可能にする。上記種類
の精神分裂病以外の振せん麻痺又は他のCNS疾患の場合
には、膜タンパク質の前記フラグメントに対する自己抗
体の検出レベルは、対照から全く異ならない。若干の例
(検査総数の5%)では、例えば精神病、すなわち情動
障害(affective disorder)のような、他のCNS疾患を
有する患者に対するこの試験の超高感度が認められる。
一般に、このような場合には、EEGに睡眠の“迅速眼球
運動”(REM)の迅速な発現が認められる。このような
患者は精神分裂病に関して危険性群に属すると見なされ
る。
アポモルヒネ結合膜タンパク質とスピペロン結合膜タ
ンパク質とに対する自己抗体の検出可能なレベルと精神
分裂病の種類との相関関係を、147人の精神分裂病患者
(16〜50歳)の群において研究した。分析結果に従っ
て、全患者を3群:群I,躁鬱病;群II,単極性(unipola
r)鬱病;群III,双極性精神病又は躁鬱病プロパー(pro
per)に分けた。表6は疾患の種類に依存する群への患
者の分布を示す。
“躁鬱病”の診断を有する患者は健康なドナーの血液
血清中の自己抗体値に比べて、アポモルヒネ結合膜タン
パク質に対する自己抗体の2倍〜4倍高い含量を示した
(表6)、然るにスピペロン結合膜タンパク質に対する
自己抗体含量は対照における含量の1.5〜2倍であっ
た。これはセロトニンレセプターのフラグメントに対す
る自己抗体の割合よりも、躁鬱病患者の血液中のドーパ
ミンレセプターのフラグメントに対する自己抗体の割合
が大きいことを実証する。
単極性鬱病患者の血液血清中のスピペロン結合膜タン
パク質に対する自己抗体値は、健康な個人の血液中の前
記タンパク質に対する自己抗体値の3〜4倍である(表
6)。セロトニンレセプターのフラグメントに対する自
己抗体値がドーパミンレセプターのフラグメントに対す
る自己抗体含量の約2倍を越えることは、本発明の研究
者(auther)によって確認されている(表6)。
“躁鬱病”の診断を有する患者の血液中ではアポモル
ヒネ結合膜タンパク質とスピペロン結合膜タンパク質と
に対する自己抗体レベルの上昇が検出された。躁鬱病患
者の血液中の前記膜タンパク質に対する自己抗体力価の
変化の研究は、健康な個人の身体中の前記タンパク質に
対する自己抗体の力価に比べてそのレベルが上昇(1.5
〜2倍)することを実証した(表6)。
薬物療法後の期間では、躁鬱病患者及び単極性鬱病患
者の血液中の自己抗体レベルが、患者の改善された臨床
状態を背景として減少することが判明したが(表6)、
健康な人々の血液血清の自己抗体含量に比べるとまだ1.
5〜2倍高く留まる。躁鬱病の治療に広範に用いられる
方法を適用すると、すなわち電気ショック療法(EST)
の過程では、2〜3日間で、患者の情緒(mood)の急激
かつ迅速な改善と、着実な緩解が達成され、アポモルヒ
ネ結合膜タンパク質とスピペロン結合膜タンパク質とに
対する自己抗体レベルは本質的に対照レベルに低下した
(表6)。
家族の血族メンバー、すなわちその血液中にアポモル
ヒネ結合膜タンパク質とスピペロン結合膜タンパク質と
に対する高い力価の自己抗体が検出される患者は、精神
分裂病の発病の高危険性群に割り当てられ、疾患の臨床
像の発現を伴うと考えられる。
以下では、被験患者の幾つかの具体的な病歴を述べ
る。
S.の家族、母親、55歳、診断:精神分裂病(躁鬱病症
候群)。患者の既往歴:この疾患の初期症状が45歳の時
に被害妄想として現れ、自殺を試みた。EEGには短期間
(50分間)のLEM睡眠が記録された。アポモルヒネ結合
膜タンパク質とスピペロン結合膜タンパク質とに対する
自己抗体値は、ドナー血液中の自己抗体レベルの3倍で
あった。患者の娘、33歳、完全に健康、自己抗体値正
常。患者の息子、30歳、アポモルヒネ結合膜タンパク質
とスピペロン結合膜タンパク質とに対する自己抗体値
は、健康なドナーよりも58〜60%高い。患者の息子のこ
の疾患に対する素質と必要に応じた予防治療の適用が推
論された。
男性患者M.43歳、診断:精神分裂病(推定では、単極
性鬱病)。患者の既往歴:両親健康、患者の祖母が精神
分裂病に罹患。この疾患の初期症状は情緒反応の一過性
喪失と思考障害として25歳の時に現れる。EEGにおいてR
EM段階の発現正常。結合レベルの分析は、健康なドナー
の血液の自己抗体含量に比べて、アポモルヒネ結合膜タ
ンパク質に対する自己抗体値の3倍の上昇と、スピペロ
ン結合膜タンパク質に対する自己抗体値の1.5倍の上昇
を実証した。この診断は実験室分析の結果によって確認
された。
本質的に、約30〜42kDの分子量を有するN−メチル−
D−アスパルテート結合膜タンパク質のフラグメントに
対する自己抗体とを検出するためのイムノソルベントと
前記タンパク質に対するモノクローナル抗体からなる試
験系を用いて、アルツハイマー病の診断を確立する。
アルツハイマー病、再発性急性大脳循環障害(脳血管
アクシデント、患者15人)及び全身麻痺(7人)を有す
る患者全体で44人。N−メチル−D−アスパルテート結
合膜タンパク質に対する自己抗体レベル上昇は、アルツ
ハイマー病罹患者にのみ認められた。この場合には、こ
の分析は患者の85%を検出することができた。患者の血
液中の自己抗体値は、疾患の症状と相関し、疾患の段階
に依存する(表7)。他の形態の組織的脳症状(すなわ
ち、再発性急性大脳循環障害、全身麻痺)を示した患者
では、N−メチル−D−アスパルテート結合膜タンパク
質に対する自己抗体レベルは対照レベルに留まった。薬
物常用の場合には、N−メチル−D−アスパルテート結
合膜タンパク質に対する自己抗体レベルは対照から全く
異ならなかった(表7)。
アルツハイマー病発病の高危険性群に分類される患者
群を検査した、前記患者の血液は、N−メチル−D−ア
スパルテート結合膜タンパク質に対する高力価の自己抗
体を示した。
以下では、被験患者の幾つかの具体的な病歴を述べ
る。
男性患者N.50歳、推定判断:アルツハイマー型の老年
性痴呆。患者の既往歴:損傷(脳振とう)の2年後に、
進行性外傷後の側頭域失見当識(temporospatial disor
ientation)と無気力(torpidity)が発現した。患者の
血液血清の分析は健康なドナーの血液血清中の自己抗体
値に比べて、3倍過剰な、N−メチル−D−アスパルテ
ート結合膜タンパク質に対する自己抗体レベルを検出し
た。アルツハイマー病の診断は、実験室方法によって確
認された。
女性患者L.58歳、推定診断:アルツハイマー型の老年
性痴呆。患者の既往歴は、一過性記憶喪失といらだち
(petulance)を含んだ。この疾患の症状は疑似神経感
染症に続発して発現した。N−メチル−D−アスパルテ
ート結合膜タンパク質に対する自己抗体値は、ドナーの
血液自己抗体含量よりも1.5倍高かった。を検出した。
患者のこの疾患に対する素質が推論された。
本発明をより良好に理解するために、提案するイムノ
ソルベントの製造方法を説明する幾つかの特定の例を次
に述べる。
実施例1 キスカル酸結合膜タンパク質は、−70℃に保存された
ヒト脳皮質から単離される。脳組織140gを、フェニルメ
チルスルホニルフルオリド(0.1mM)を含有する0.32Mサ
ッカロース溶液500ml中でホモジナイズし、800×gで10
分間遠心する。次に上清を4層のナイロンガーゼで濾過
し、20000×gで30分間遠心する。生じる沈殿を氷冷蒸
留水500mlに再懸濁し、3,000×gで30分間遠心する。上
清とゆるい沈殿層とを分離し、同じ操作を2回繰り返
し、その後上清を48000gで30分間遠心する。得られる膜
フラクションを、30mMトリス−塩酸(pH=7.4)中の1
%洗剤(デオキシコール酸ナトリウム)溶液中に、4℃
で1時間懸濁させる。次に、不溶性の膜成分を100000×
g、1.5時間の遠心で沈殿させて除去する。さらに精製
するため、上清を予め調製した吸着剤、即ち30mMトリス
−塩酸(pH=7.4)に懸濁したグルタタームセファロー
ス4B(アフィニティークロマトグラフィー)と混合す
る。このタンパク質と吸着剤の混合工程は、4℃で16時
間行われる。吸着剤をデオキシコール酸ナトリウム0.5
%を含む6倍量のバッファーで洗浄した後、キスカル酸
結合膜タンパク質を同じバッファー中の1.5M塩化ナトリ
ウム溶液で溶出し、限外溶解で濃縮する。キスカル酸結
合膜タンパク質の収率は、出発組織1g当たり約2μgで
ある。
キスカル酸結合膜タンパク質の免疫原性フラグメント
を製造するため、予備的に単離および精製したタンパク
質200μgを、2ml容量中で、トリプシン(米国シグマ社
タイプIII,キスカル酸結合膜タンパク質1mg当たり酵素1
mg)と37℃で3時間インキュベートする。当量のトリプ
シンインヒビターを添加して反応を停止し、反応混合物
を、C−18を詰めたカラム(4.6×250mm)に通過させ
る。溶出はアセトニトリルの直線勾配により行う(20−
68%)。次に、フラクションをUV−ディテクターによっ
てまとめて、キスカル酸結合タンパク質様−免疫反応性
の存在を、キスカル酸結合膜タンパク質に対するモノク
ローナル抗体を用いて、ELISA法で調べる。分子量2〜1
7kDのキスカル酸結合膜タンパク質の免疫原性フラグメ
ントを含むフラクションを、目的の免疫吸着剤を製造す
るために用いる。
次に、免疫検査用の標準的ポリスチレン性トレーをグ
ルタルアルデヒドで活性化し、上記製造されたタンパク
質(6ないし50nM)と、4℃で16時間インキュベートす
る。未結合の活性基を0.1%水素化ホウ素ナトリウム水
溶液で還元し、、トレーのウェルを0.9%塩化ナトリウ
ム水溶液とインキュベートした後、トレーを防腐剤とイ
ンキュベートし、真空乾燥する。得られた免疫吸着剤を
癲癇の診断に用いる。
実施例2 メチルスコポラミン結合膜タンパク質は、ブタの脳皮
質から単離される。方法は実施例1に記載したのと同様
にして行われるが、1%CHAPS溶液を界面活性剤として
使用し、アフィニティークロマトグラフィーにはメチル
スコポラミン−セファロース4Bを使用する。
メチルスコポラミン結合膜タンパク質の収率は、出発
組織1g当たり約2μgである。
メチルスコポラミン結合膜タンパク質の免疫原性フラ
グメントは、実施例1と同様にして製造される。メチル
スコポラミン結合膜タンパク質様免疫反応性の存在の試
験は、ELISA法により、メチルスコポラミン結合膜タン
パク質の該フラグメントに対するモノクローナル抗体を
用いて行われる。メチルスコポラミン結合膜タンパク質
の免疫原性フラグメントを含むフラクションは、3〜10
nMの量で、実施例1に記載されたように免疫吸着剤を製
造するために用いられ,それは実際には共有結合でポリ
スチレントレーに固定された分子量10ないし28kDのメチ
ルスコポラミン結合膜タンパク質のフラグメントであ
る。
こうして製造された免疫吸着剤は、パーキンソン疾患
の診断に用いる。
実施例3 ダラーギン(dalargin)結合膜タンパク質は、実施例
1に記載したようにして、界面活性剤としてはジギトニ
ンを用い、そしてアフィニティークロマトグラフィーに
はダラージン−ω−アミノヘキシル−セファロース4Bを
用いて、脳シナプス膜から単離される。
ダラージン結合膜タンパク質の免疫原性フラグメント
は、実施例1に記載したのと同様にして製造される。オ
ピエイト(opiate)結合性タンパク質様免疫反応性の存
在は、ELISA法により、ダラージン結合性膜タンパク質
に対するモノクローナル抗体を用いて、テストする。ダ
ラージン結合性膜タンパク質の分子量29ないし45kDの免
疫原性フラグメントを含むフラクションを、2〜4nMを
用いて、免疫吸着剤を製造する(これは実質上、ダラー
ジン結合性膜タンパク質の分子量29ないし45kDのフラグ
メントが実施例1の記載と同様に共有結合によってポリ
スチレンに固定されたものである)。
この様にして製造した免疫吸着剤は麻薬中毒の診断に
使用する。
実施例4 アポモルフィン−およびスピペロン(spiperone)−
結合膜タンパク質は、実施例1に記載したようにして、
ジギトニンを界面活性剤として使用し、そしてアポモル
フィン−およびスピペロン−セファロース4Bをアフィニ
ティークロマトグラフィーに用いて、ブタ脳のシナプス
膜から単離される。アポモルフィン−およびスピペロン
−結合膜タンパク質の収率は出発組織1g当たり約1.5μ
gである。
アポモルフィン−またはスピペロン−結合膜タンパク
質の免疫原性フラグメントは、実施例1に記載したよう
にして製造される。アポモルフィン−またはスピペロン
−結合タンパク質様の免疫反応性の存在の試験は、ELIS
A法を用いて、それぞれの膜タンパク質の反応性フラグ
メントに対するモノクローナル抗体を用いて行われる。
アポモルフィン−またはスピペロン−結合膜タンパク質
の免疫原性フラグメントを含むフラクションを3ないし
10nMの量で用いて、免疫吸着剤を製造するが、これはニ
トロセルロースに固定された、それぞれアポモルフィン
−またはスピペロン−結合膜タンパク質の10ないし18お
よび24ないし35kDの分子量のフラグメントである。得ら
れた免疫吸着剤は、精神分裂症(Schizophrenia)の診
断に用いられる。
実施例5 N−メチル−D−アスパルテート−結合膜タンパク質
はブタの脳皮質から、実施例1に記載したようにして、
デオキシコール酸ナトリウムを界面活性剤として使用
し、N−メチル−D−アスパルテート−ω−アミノヘキ
シル−セファロース4Bをアフィニティークロマトグラフ
ィーに用いて、単離される。
N−メチル−D−アスパルテート−結合膜タンパク質
の収率は、出発組織1g当たり約2μgである。
N−メチル−D−アスパルテート−結合膜タンパク質
は、実施例1の記載に従って製造される。その結果、免
疫吸着剤が得られ、これは実質的に2.5ないし3.5nMの量
のN−メチル−D−アスパルテート−結合膜タンパク質
の30ないし42kDの分子量のフラグメントを、実施例1に
記載したようにして共有結合でポリスチレントレーに固
定したものである。こうして製造された免疫吸着剤をア
ルツハイマー症の診断に用いる。
産業上の利用性 本発明は、医務室および診療所において、神経精神病
質の患者のスクリーニングのための診断を行うのに有用
である。
フロントページの続き (72)発明者 イシケノヴァ,ガリナ・アレクサンドロ フナ ロシア共和国188680,レニングラードス カヤ・オーベーエル,フセヴォロシス カ・ライオン,セロ・パフロヴォ,ウー エル・ビコヴァ,デー 29 (56)参考文献 Biokhimiya,57,[5], (1992)P.663−670 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 33/564 G01N 33/53 G01N 33/50

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】担体と該担体上に固定したタンパク質フラ
    グメントからなる、神経精神病質の診断のための免疫吸
    着剤において、タンパク質フラグメントが2〜50nMの量
    の2〜45kDの分子量の哺乳類脳の感覚ニューロンタンパ
    ク質のフラグメントであることを特徴とする、上記吸着
    剤。
  2. 【請求項2】タンパク質フラグメントとして、分子量2
    〜17kDのキスカル酸結合膜タンパク質を含む、請求項1
    の吸着剤。
  3. 【請求項3】タンパク質フラグメントとして、分子量10
    〜28kDのメチルスコポラミン結合膜タンパク質を含む、
    請求項1の吸着剤。
  4. 【請求項4】タンパク質フラグメントとして、分子量29
    〜45kDのダラージン結合膜タンパク質を含む、請求項1
    の吸着剤。
  5. 【請求項5】タンパク質フラグメントとして、分子量10
    〜18kDのアポモルフィン結合膜タンパク質を含む、請求
    項1の吸着剤。
  6. 【請求項6】タンパク質フラグメントとして、分子量24
    〜30kDのスピペロン結合膜タンパク質を含む、請求項1
    の吸着剤。
  7. 【請求項7】タンパク質フラグメントとして、分子量30
    〜42kDのN−メチル−D−アスパラギン酸結合膜タンパ
    ク質を含む、請求項1の吸着剤。
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