JP2781792B2 - 加熱成形用スチレン系樹脂発泡シート - Google Patents

加熱成形用スチレン系樹脂発泡シート

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JP2781792B2
JP2781792B2 JP9155987A JP15598797A JP2781792B2 JP 2781792 B2 JP2781792 B2 JP 2781792B2 JP 9155987 A JP9155987 A JP 9155987A JP 15598797 A JP15598797 A JP 15598797A JP 2781792 B2 JP2781792 B2 JP 2781792B2
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carbon dioxide
resin
sheet
foam sheet
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基滋 林
郁夫 東
範夫 天野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スチレン系樹脂
を発泡させて得られた加熱成形用スチレン系樹脂発泡シ
ートに関するものである。さらに詳しく云えば、この発
明は、寸法安定性がよくてしかも無害なスチレン系樹脂
発泡シートを提供し、これを加圧成形して成形品とする
に適したスチレン系樹脂発泡シートを提供しようとする
ものである。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂発泡シートは、一般に寸
法安定性がよくて、しかも無害なものとして知られ、食
品類の容器として広く使用されている。ところが、実際
に調べて見ると、市販の分解性発泡剤によるスチレン系
樹脂発泡シートは、発泡剤として用いた種々の化学薬品
などを残留させており、従って好ましいものとは云えな
いことがわかった。また、市販の揮発性発泡剤によるス
チレン系樹脂発泡シートは、発泡剤を残留させているた
めに、これを加熱するとさらに大きく発泡するので、寸
法安定性が悪く、従って、これに印刷したのちにこれを
加熱して皿などに加圧成形するに適していなかった。
【0003】スチレン系樹脂発泡シートを作るには、発
泡剤を含んだスチレン系樹脂をシート状に押し出して作
られる。この場合、発泡剤としては色々なものが使用さ
れた。大別すると、発泡剤は、分解性発泡剤と揮発性発
泡剤とに分けられる。
【0004】分解性発泡剤は、さらに無機系のものと有
機系のものとに分けられるが、何れも固体状のものであ
る。前者の例は、炭酸アンモニウム及び重炭酸ソーダで
あり、後者の例は、アゾ化合物、スルホヒドラジド化合
物、アジド化合物、ニトロソ化合物である。これらのも
のを使用すると、少量ではあるが未分解の発泡剤及び分
解残渣が樹脂中に必ず残留することとなる。従って、残
留する発泡剤及び分解残渣のために得られた発泡体が着
色していたり、発泡体の使用中に発泡剤及び分解残渣が
水に溶解して酸性若しくはアルカリ性を呈したり、又は
食品などに移行したりして、接触する商品に悪影響を及
ぼすこともあった。
【0005】揮発性発泡剤には、炭化水素とハロゲン化
炭化水素とが含まれている。揮発性の発泡剤は、何れも
スチレン系樹脂の軟化温度以下の沸点を持ち、常温で気
体又は液体状を呈する有機化合物である。その例は、脂
肪族炭化水素に属するものでは、プロパン、ブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、石油エーテル等があり、他方ハロゲ
ン化脂肪族炭化水素に属するものでは、メチルクロライ
ド、フレオン11、フレオン12等がある。
【0006】揮発性発泡剤は、スチレン系樹脂に含まれ
やすい特性を持っているから、これを加圧して液状に保
持しながら、スチレン系樹脂に接触させ、さらに加熱す
ると、スチレン系樹脂に容易に含浸させることができ
る。従って、その含浸は容易である。含浸された揮発性
発泡剤は、スチレン系樹脂が軟化されると、樹脂中で気
化し、樹脂中に気泡を生じさせて樹脂を発泡させる。揮
発性発泡剤は含浸されやすいものであるから、樹脂の発
泡したあともなお樹脂中に一部が残留し、従って気泡中
又は気泡壁にとどまっている。従って、揮発性発泡剤を
用いると、発泡を容易に行うことができ、また高倍率に
一様に発泡させることができるが、反面得られた発泡体
は発泡剤を含んでいるので、のちの使用に悪影響を生じ
させる。
【0007】そのほか、二酸化炭素や窒素も発泡剤とし
て用い得るとされた。ところが、二酸化炭素や窒素は、
気体であるから上述の揮発性発泡剤に近いが、揮発性発
泡剤とは違って、スチレン系樹脂に含まれにくいもので
ある。だから、二酸化炭素や窒素などの不活性気体を使
って、市販できるような良質の発泡体を作ることは困難
であった。従って、二酸化炭素や窒素を発泡剤として使
用して、スチレン系樹脂発泡シートを作ることは工業的
にはまだ実施されていない。
【0008】特開昭51−7068号公報は、100重
量部の樹脂に対し0.5〜5重量部の二酸化炭素を圧入
して発泡体が得られると記載しており、そのために二酸
化炭素を液状にして使用すべきこととしている。ところ
が、液状の二酸化炭素を取り出してこれをスチレン系樹
脂中に圧入したのでは、二酸化炭素が樹脂中に均等に分
散せず、局部的な発泡ムラを生じることとなり、従って
品質の一定な発泡体を得ることが困難であった。
【0009】また、特開昭58−126127号公報
は、発泡剤として広く加圧気体を使用する樹脂発泡体の
製造方法を記載している。加圧気体としては空気、窒
素、二酸化炭素が例示され、そのほか水も使用できると
されている。これらの加圧気体は、一般に樹脂中に含浸
させることが困難なものであるから、この方法は、溶融
樹脂を特殊な流路に入れて加圧気体を圧入すべきことと
している。しかし、このように特殊な流路を用いること
は、装置を複雑にし、従って操作を煩瑣なものとし、し
かもその割合には安定して発泡させることができず、良
質の発泡体を得ることができない。従って、この公報記
載の方法も、工業的に実施することは容易でない。
【0010】上述のように、スチレン系樹脂を発泡させ
るために色々の発泡剤が提案され、発泡剤の性質に応じ
て種々の方法が開発され、さらにそれによって作られた
発泡体も一長一短を持つこととなった。すなわち、分解
性発泡剤又は揮発性発泡剤を用いた場合には、樹脂に発
泡剤を含ませることが容易となるが、発泡剤が発泡体中
に残留するために、好ましくない色を帯びることとなっ
たり、また形状安定性が悪く、また使用中に悪影響を表
すこととなった。他方、二酸化炭素や窒素などのいわゆ
る不活性物質は、発泡剤として使用できるとされている
ものの、実際にはこのような発泡剤を用いて安定して発
泡した一様な発泡シートを工業的に容易に製造すること
はできなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、形状安定
性がよく、無害であって且つ一様に高倍率に発泡してい
て、皿などの製品に加圧成形するのに適した良質のスチ
レン系樹脂発泡シートを提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、気泡核剤と
して非イオン性の無機質微粉末を用いることとし、これ
をスチレン系樹脂中に混合しておき、また発泡剤として
二酸化炭素を用い、しかも二酸化炭素を加圧下で気体の
状態で使用することとし、気体の状態の二酸化炭素を押
出機内で溶融されたスチレン系樹脂中に圧入して押出発
泡を行うという手段を用いる。このようにすると、二酸
化炭素をスチレン系樹脂中に均一に含ませることができ
ることがわかった。また、こうして二酸化炭素を含浸さ
せた樹脂を押出発泡させると、発泡シートは気泡中に空
気の成分だけを含むものとなり、従って無害なものとな
り、また寸法安定性の良いものとなることが見出され
た。寸法安定性の良いことは、こうして得られた発泡シ
ートをその製造の直後にビカット軟化点より20℃だけ
高い温度の気体中に3分間加熱したとき、膨張率が30
%以下であり、従来品の100%以上になるのに比べる
と、膨張率の小さいことから明らかである。
【0013】この発明は、加圧した二酸化炭素を臨界温
度以上に維持して気体の状態でタンクに溜め、タンク内
の圧力の95%以下の圧力に減圧して100kg/cm
2 以上の圧力で押出機に送り、非イオン性の無機質微粉
末を含有して押出機内で溶融されているスチレン系樹脂
1kgに、0.05〜0.5モルの割合で上記二酸化炭
素を圧入し、次いでシートとして低圧領域へ押し出し発
泡させることによって作られたスチレン系樹脂発泡シー
トである。
【0014】こうして作られた発泡シートは、この製造
直後にも再び加熱して成形するに適していることが見出
された。すなわち、この発泡シートは発泡直後に発泡剤
を殆ど放出してしまい、気泡内には空気の成分だけを含
むものとなり、従って再び加熱しても大きく膨張するこ
とがなく、そのために所望どおり正確に加圧成形するこ
とができることがわかった。また、この発泡シートは、
有害な発泡剤を含まないので、無害であり、従って食品
類を入れる皿などの商品に成形するのに適していること
がわかった。さらに、この発泡シートは、これを厚み
0.5〜2.5mmとし、また厚さ1mmあたりの単位
重量を200〜500g/m2 に調整すると、あとで再
び加熱して成形するとき、延伸性及び形状保持性にすぐ
れているので、加圧成形するのにとくに好適であること
が見出された。従って、この発明は、加圧成形するのに
とくに適したスチレン系樹脂発泡シートを対象とするも
のである。
【0015】特開昭61−293235号公報は、スチ
レン系樹脂を発泡体とするとき、スチレン系樹脂にポリ
ブタジエンやポリイソプレン等のエラストマーを混入す
ると良好な発泡体が得られると記載している。しかし、
エラストマーをどのような状態にすべきかということま
では明らかにしていない。この発明者は、スチレン系樹
脂に対し0.5−5重量%のエラストマーをスチレン系
樹脂に加え、20ミクロン以下の微粒子としてスチレン
系樹脂中に分散させると、二酸化炭素の吸収が良好とな
り、従って発泡体として一層良質のものとなることを見
出した。
【0016】この発明で用いることのできるスチレン系
樹脂は、スチレンだけの単独重合体に限らず、共重合体
及びそれらの混合物であってもよい。共重合体として
は、例えばブタジエンとの共重合体、アクリロニトリル
との共重合体、メチルメタクリレートとの共重合体、ブ
タジエン及びアクリロニトリルとの三者共重合体であ
る。また、混合物としては、例えば、スチレンとブタジ
エンとの共重合体と、スチレンとアクリロニトリルとの
共重合体とを混合してなるABS樹脂である。
【0017】この発明で用いることのできる非イオン性
の無機質微粉末としては、タルク、クレー、雲母、シリ
カ、けい酸カルシウム等である。これらは単独又は2種
以上のものを混合して用いることができる。その微粉末
の程度は、粒径20ミクロン以下とする。その添加量は
樹脂に対し0.1−5重量%とする。
【0018】押出機としては各種のものを用いることが
できる。すなわち、単軸スクリュ形式のもの、二軸スク
リュ形式のものの何れをも用いることができる。押出機
には、バレルの途中に二酸化炭素の圧入口を設け、押出
機内で加熱溶融されたスチレン系樹脂中へ二酸化炭素を
直接圧入できるようにする。好ましい押出機の形式は、
2個の押出機を縦に連結して、第1の押出機内で溶融さ
れた樹脂中に二酸化炭素を圧入し、こうして二酸化炭素
の圧入された樹脂を次いで第2の押出機内に入れ、第2
の押出機内でさらに均一に混合し発泡温度に調整したの
ち、口金を通して低圧領域へ押し出すようにしたもので
ある。
【0019】二酸化炭素を押出機へ圧入する際には、二
酸化炭素を気体の状態で使用することを確実にするため
に、例えば図1に示したような装置を用いる。図1の装
置では、ボンベ1に貯蔵されている二酸化炭素を使用す
ることとし、液状の二酸化炭素から直接取り出すことを
避けて、ボンベ内の二酸化炭素の気相部分から取り出す
ようにしている。液相から取り出す場合には気化器を通
す必要がある。こうして気体状の二酸化炭素を取り出し
たのちも、二酸化炭素が液状になるのを防ぐために、所
定の温度における二酸化炭素の蒸気圧以上の圧力に上昇
する通路を臨界温度以上の温度に保持する。この状態で
二酸化炭素を圧縮して、105kg/cm2 以上の圧力
を保持させこれをタンク4に貯蔵する。圧縮は複数段に
分けて行う。例えば初めの圧縮機2で21kg/cm2
から65kg/cm2 に昇圧させ、次いで第2の圧縮機
3で65kg/cm2 から310kg/cm2 に昇圧さ
せる。
【0020】タンク4内は、二酸化炭素の臨界温度以上
に保持する。こうしてタンク4内に溜められた二酸化炭
素は、減圧弁5によりタンク内の圧力の95%以下の圧
力に減圧されて、100kg/cm2 以上の圧力となっ
て、流量計6、流量調節器7及び逆止弁8を経て、押出
機のバレル9内へ圧入される。圧入された二酸化炭素
は、そこに存在する溶融樹脂と混合され、押出機のスク
リュによって混練されながら、押出機の先端に向かって
送られる。圧入時の圧力を100kg/cm2 以上とす
る理由は、圧入を安定化させることと、微小な気泡を得
るためである。
【0021】流量計6で流量を設定し、流量調節器7の
開度を自動調整して、圧入する二酸化炭素の量が樹脂1
kgに対し0.05〜0.5モルの割合となるようにす
る。注入圧力を安定化させるために重要なことは、流量
調節器7と逆止弁8との間の容積を、二酸化炭素の1分
間あたりの所望流量の30%以下、望ましくは10%以
下とすることである。
【0022】
【発明の効果】この発明では、加圧した二酸化炭素を臨
界温度以上に保持することとするから、二酸化炭素の量
を圧力及び体積の関係から確認把握することができ、従
って圧入量を正確に制御することができる。また、加圧
した二酸化炭素をタンクに溜め、次いでタンク内の圧力
の95%以下の圧力に減圧して100kg/cm2 以上
の圧力で押出機に送ることとしたから、二酸化炭素を圧
力の変動なく充分な圧力をもって、安定して供給するこ
とができ、また確実に樹脂中へ圧入することができる。
他方、スチレン系樹脂は、非イオン性の無機質微粉末を
含有しているから、発泡にあたって無機質微粉末が気泡
核剤となって微細な気泡を生じることとなり、従って発
泡体は均一微細に発泡体することとなり、しかも発泡し
たあとでは無機質微粉末が水に溶解しないから、接触す
る商品に悪影響を及ぼすことがない。さらに、二酸化炭
素は、スチレン系樹脂1kgに対し0.05〜0.5モ
ルの割合で圧入されてのち、その混合物がシート状に成
形されて低圧領域へ押し出されるから、スチレン系樹脂
は数倍に発泡することとなり、従って実用上充分な程度
に発泡したものとなる。しかも、二酸化炭素を発泡剤と
して使用しているから、発泡とともに大部分の二酸化炭
素が発泡シートから逸散し、あとに残らない。従って、
発泡シートは気泡中に空気の成分だけを含むこととな
り、無害で、寸法安定性のよいシートとなる。だから、
この発明によれば、食品類や精密機器を収容するに適し
た容器を容易に製造できることとなり、大きな利益をも
たらすこととなる。
【0023】また、こうして得られたスチレン系樹脂発
泡シートを厚さ0.5〜2.5mmとし、さらに厚さ1
mmあたりの単位重量を200〜500g/m2 にした
から、この発泡シートは加熱成形用シートとして好適な
ものとなる。その理由は、厚さを0.5mm以下とした
のでは、発泡シートの伸びが少なくて深絞りの成形がで
きなくなるが、0.5mm以上としたので深絞りの成形
ができることとなり、逆に厚さが2.5mm以上となる
と内部まで一様に加熱することが困難となるが、2.5
mm以下としたので均一加熱が容易であって、加熱成形
が容易となるからである。また、1mmあたりの単位重
量が200g/m2 以下では、伸びが少なくて成形しよ
うとするシートが破断することとなるが、200g/m
2 以上としたのでそのような不都合もなく、逆に単位重
量が500g/m2 以上となると、加熱時にシートが自
重によって垂れ下がることとなるが、500g/m2
下としたのでそのような不都合もなく、従って加熱成形
が容易である。さらに、上述のように発泡剤として二酸
化炭素を使用したので、発泡シート中に発泡剤の残留が
なく、気泡中には空気の成分だけを含んでいるから、加
熱成形したとき寸法安定性がよい。すなわち、このスチ
レン系樹脂発泡シートをスチレン系樹脂のビカット軟化
点より20℃だけ高い温度の気体中で、3分間加熱した
ときの体積膨張率が30%以下である。従って、この発
泡シートに、それが平坦な状態のとき印刷しておき、あ
とでこれを加熱成形しても印刷が大きくずれることがな
く、従って、平面印刷を行ってあとで加圧成形すること
が可能となり、印刷した成形品を安価に作ることができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】次に実施例と比較例とを挙げて、
この発明に係る発泡シートのすぐれている点を具体的に
説明する。以下で単に部というのは重量部を意味する。
【0025】
【実施例1】この実施例では、押出機として内径50m
mのシリンダーと、内径65mmのシリンダーとが縦に
連結された押出機を用い、内径50mmのシリンダーの
中央部付近に発泡剤注入口を設けたものを使用した。内
径50mmの押出機に、ポリスチレン樹脂(旭化成社
製、スタイロン#683)100部とタルク1.5部と
の混合物を供給した。
【0026】発泡剤としての二酸化炭素は図1に示すよ
うに、ボンベの気相部分から取り出し、二段圧縮を行
い、まず第1段の圧縮機2でボンベの圧力21kg/c
2 から65kg/cm2 に上昇させ、次いで第2段の
圧縮機3で65kg/cm2 から310kg/cm2
上昇させ、タンク4内に310kg/cm2 の圧力で貯
蔵した。この間、タンク4を50℃に保持した。この温
度は二酸化炭素の臨界温度以上である。
【0027】次いでタンク4内の二酸化炭素を減圧弁5
に通し、ここで270kg/cm2に減圧し、流量計6
を見ながら流量調節器7を作動させて流量を一定に保
ち、逆止弁8を経由してバレル9内に圧入した。このと
きの二酸化炭素の1分間あたりの流量を1.27リット
ル/分とし、この流量から樹脂1kgあたりの二酸化炭
素の圧入量を0.20モル/kgと算出した。また、流
量調節器7と逆止弁8との間の容積(以下、これを機器
容積という)を0.05リットルとした。
【0028】こうして、内径50mmの押出機内で、溶
融されたポリスチレン1kgに対して0.20モルの割
合で二酸化炭素を圧入し、スクリュで均一に混合し、こ
の混合物を内径65mmの押出機に送り、ここで樹脂温
度を180℃に調整し、口金から大気圧下に時間あたり
樹脂17kgの割合で押し出した。口金としては、出口
間隙が0.6mm、直径が60mmのサーキュラーダイ
を使用した。押し出された樹脂は円筒状に成形されてお
り、口金を出ると同時に発泡し、口金の先に設置された
円筒に被せられ、円筒に沿って軸方向に進行し、引取機
によって引き取られるとともに軸方向に延伸され、厚さ
1.6mmのチューブ状発泡シートとなった。この発泡
シートは、冷却後に厚さ1.6mm、密度0.220g
/cm3、厚さ1mmあたりの重量は220g/m2
あり、均一微細に発泡していた。
【0029】この発泡シートは、製造後5日を経過した
とき、その中の残留ガスを調べたところ、使用した二酸
化炭素は全く認められなかった。また、この発泡シート
を125℃の雰囲気中に3分間放置して加熱したとき、
もとの体積に対してどれだけの比率になっているか(以
下、体積膨張率という)を調べた。製造後5日を経過し
た発泡シートについて体積膨張率を調べたところ、体積
膨張率は116%であって、僅か16%の体積を増すに
過ぎず、寸法安定性が良好であると認められた。また、
そのシートは、これを加熱すると容易に加圧成形するこ
とができた(以下、これを成形性良好という)。
【0030】
【実施例2】この実施例は、実施例1と同様に実施した
が、ただ二酸化炭素の圧入量を変えて、樹脂1kgに対
し0.14モルの二酸化炭素を圧入することとし、ま
た、機器容積を0.05リットルとした。
【0031】得られた発泡シートは厚さが0.91m
m、密度が0.318g/cm3 で、厚さ1mmあたり
の単位重量が318g/m2 で、均一微細に発泡してい
た。また、実施例1と全く同様にして製造後69日経過
したときの体積膨張率を調べたところ、もとの体積の9
1%であり、成形性は良好であった。
【0032】
【実施例3】この実施例も、実施例1と同様に実施した
が、二酸化炭素の圧入量を0.10モル/kgとし、ま
た機器容積を0.05リットルとし、引取速度を遅くし
た。
【0033】得られた発泡シートは、厚さが1.0m
m、密度が0.432g/cm3 、厚さ1mmあたりの
単位重量が432g/m2 で、均一微細に発泡してい
た。製造後69日経過した発泡シートについて、体積膨
張率を調べたところ8%の増加であったので、寸法安定
性がよいと認められた。また成形性は良好であった。
【0034】
【実施例4】この実施例は、実施例1と同様に実施した
が、ただ樹脂としてポリスチレン(旭化成社製スタイロ
ン#683)85部と耐衝撃性スチレン樹脂(新日本製
鉄化学社製スチレンS−61)15部とを混合したもの
を用い、また圧入量0.10モル/kgとし、機器容積
を0.05リットルとした。
【0035】得られた発泡シートは、厚さが0.74m
m、密度が0.410g/cm3 、厚さ1mmあたりの
単位重量が410g/m2 で、均一微細に発泡してい
た。製造後6日を経過した発泡シートについて、体積膨
張率を調べたところ25%の増加であったので、寸法安
定性がよいと認められた。また成形性は良好であった。
【0036】
【実施例5】この実施例は、実施例1と同様に実施した
が、ただ樹脂として実施例4と同様にポリスチレンと耐
衝撃性スチレン樹脂との混合物(混合比は85対15)
を用い、また圧入量を0.19モル/kgとし、機器容
積を0.05リットルとし、引取速度を早くした。
【0037】得られた発泡シートは、厚さが1.16m
m、密度が0.235g/cm3 、厚さ1mmあたりの
単位重量が235g/m2 で、均一微細に発泡してい
た。製造後69日を経過した発泡シートについて、体積
膨張率を調べたところ、1%の増加であったので、寸法
安定性は良好と認められた。また、成形性は良好であっ
た。
【0038】
【比較例1】この比較例は、実施例1と同様に実施した
が、ただ発泡剤として二酸化炭素を用いないで、代わり
に液状ブタンを用い、従来使われていた2連のプランジ
ャーポンプで圧入し、圧入量を0.44モル/kgと
し、引取速度を早くした。
【0039】得られた発泡シートは、厚さが2.04m
m、密度が0.200g/cm3 、厚さ1mmあたりの
単位重量が200g/m2 で、均一微細に発泡してい
た。製造後65日経過した発泡シートについて、体積膨
張率を調べたところ、112%の増加であったので、寸
法安定性は悪いと判断された。また加熱して加圧成形す
ると厚みが大きくなって変形したので、成形性は不良と
判断された。
【0040】
【比較例2】この比較例は、実施例1と同様に実施した
が、二酸化炭素の圧入量を0.28モル/kgとし、機
器容積を0.05リットルとした。
【0041】得られた発泡シートは、厚さが2.04m
m、密度が0.156g/cm3 、厚さが1mmあたり
の単位重量が156g/m2 であったが、表面に大きく
縞模様が現れた。製造後63日経過した発泡シートにつ
いて、体積膨張率を調べたところ9%の増加であったの
で、寸法安定性は良好と判断された。しかし、加熱して
加圧成形すると、シートが破れたので、成形性は不良と
判断された。
【0042】
【比較例3】この比較例は、実施例1と同様に実施した
が、ただ樹脂として実施例4のように、ポリスチレンと
耐衝撃性スチレン樹脂(混合比は85対15)との混合
物を用い、二酸化炭素の圧入量を0.24モル/kgと
し、機器容積を0.05リットルとし、引取速度を早く
した。
【0043】得られた発泡シートは、厚さが0.40m
m、密度が0.180g/cm3 、厚さ1mmあたりの
単位重量が180g/m2 で、均一微細に発泡してい
た。製造後63日を経過した発泡シートについて、体積
膨張率を調べたところ24%の増加であったので、寸法
安定性は良好と判断された。しかし、加熱して加圧成形
すると、シートが破れたので、成形性は不良と判断され
た。
【0044】
【比較例4】実施例1において、減圧弁5から逆止弁8
までの保温をやめたところ、注入圧力が変動し、安定し
た発泡シートが得られなかった。
【0045】
【比較例5】実施例1において、流量調節器7と逆止弁
8との配管の長さを大きくし、機器容積を0.05リッ
トルとしたところ、注入圧力が変動し、安定した発泡シ
ートが得られなかった。
【0046】
【比較例6】比較例1と同じ装置を使用して、二酸化炭
素を液状で圧入したところ、注入圧力が変動し、安定し
た発泡シートが得られなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る発泡シートの製造方法の一実施
態様を装置とともに模型的に示したものである。
【符号の説明】
1 ボンベ 2、3 圧縮機 4 タンク 5 減圧弁 6 流量計 7 流量調節器 8 逆止弁 9 バレル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−7068(JP,A) 特開 昭62−84131(JP,A) 特開 昭58−196239(JP,A) 特開 昭58−126127(JP,A) 特公 昭61−3820(JP,B2) 特表 昭62−501015(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 9/00 - 9/42 B29C 47/00 - 47/96

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化炭素を発泡剤として押出発泡によ
    り作られたスチレン系樹脂発泡シートであって、一様に
    発泡して独立気泡性の微細な気泡を持ち、厚さが0.5
    〜2.5mmであり、厚さ1mmあたりの単位重量が2
    00〜500g/m2 であり、気泡核剤として非イオン
    性の無機質微粉末のみを含み、気泡内には空気の成分だ
    けを含み、ビカット軟化点より20℃だけ高い温度の気
    体中で3分間加熱したときの体積膨張率が30%以下で
    あることを特徴とする、加熱成形用スチレン系樹脂発泡
    シート。
  2. 【請求項2】 スチレン系樹脂が、スチレン系樹脂のほ
    かに0.5〜5重量%のポリブタジエン、ポリイソプレ
    ン又はこれらに水素を添加して得られたゴム分を含み、
    スチレン系樹脂中に分散されたものであることを特徴と
    する、請求項1に記載する、加熱成形用スチレン系樹脂
    発泡シート。
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