JP2781389B2 - 自動販売機のコインシュート - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動販売機に係り、特にコイン投入口から投
入されたコインをコインメカニズムの受領口に案内する
ためのコインシュートの改良に関するものである。

従来の技術 自動販売機は店頭の軒下など屋外に設置されることが
多い。このため雨天時にはコイン投入口から雨水が侵入
し、コインシュートを経由してコインメカニズムにまで
流れ込んでしまうことがある。又近年洗剤等の粘度の高
い液体をイタズラで注入されるケースもあり、これはコ
インメカニズム内でのコイン詰りや、漏水による接点不
良等の故障発生の原因となる。

従来、この対策として実公昭58−6059号公報の如くコ
インシュートの底部の案内面に多数の丸孔や角孔を設
け、その孔から侵入した雨水を排水する方法が考えられ
ている。

発明が解決しようとする課題 しかしながら従来のこのような構成では、強風下の雨
水，及び粘性の高い液体等によるイタズラに対しては、
コインメカニズムにまで流入してしまうことは避けられ
ない。これを防ぐには孔を十分大きくしかつコインシュ
ートを十分に長くすればよいが、孔を大きくすれば投入
されたコインの縁が孔に入り込んで引掛ってしまい、コ
インシュート内でコイン詰りが発生する結果となる。又
自動販売機の形態によっては十分にコインシュートを長
く出来ない構造のものもある。

したがって本発明は上記問題点に鑑み、コイン投入口
から侵水した雨水等の液体をコインメカニズムに流入さ
せることなく確実に外部に排水でき、しかもコイン詰り
が発生するおそれのない自動販売機のコインシュートを
提供するものである。

課題を解決するための手段 本発明は上記問題点を解決するために、コインシュー
トの天面に下方側へ突出して設けた軟質フィルムと、前
記コインシュートの案内面に形成した排水口とを備え、
前記軟質フィルムが、前記コイン投入口から所定の距離
を置いた位置に設けられたものである。

作用 したがって、本発明はコインシュート天面に軟質フィ
ルムを設け、勢いよく流入する液体，雨水を下方へ導き
出すものである。

実 施 例 以下図面により本発明の一実施例を第１図から第４図
にもとずき説明する。

１は自動販売機の本体であり、この本体１の前面にコ
イン投入口２が設けられている。

コイン投入口２より投入されたコイン３はコインシュ
ート４に導かれる。このコインシュート４はコイン３を
コインメカニズム５の受領口5aに案内するためのもの
で、下方に傾斜し、下側部が下方に折り曲げられ、又下
部には案内面4aを有するものである。

一方コインシュート４の天面中央部に全巾に渡り、上
方に突出した突出面4bが設けられ突出面4bの折り曲げ部
に全巾に渡り開口穴が設けられ、突出面4bに軟質フィル
ム4cがネジで一端が固定され、他端は前記開口穴に挿入
され、案内面4aに近接する位置まで下方へ延在し、案内
面4aの巾より若干短かい巾で配設され、コイン投入口２
から流入する液体，雨水を下方向へ導くものである。

なお、案内面4aには千鳥形状に切起し片4dが複数箇所
下方向に設けられ、排水口4eを形成し、最後列の排水口
4eは前記軟質フィルム4dの後部に配設されている。また
この切起し片4dの下方に樋６が形成されており、前記樋
６の傾斜面の両側には上方に向って案内面6aが形成され
ており、前記自販機本体１に取付けられている。

このような構成であれば、コイン投入口２から浸入し
た液体，雨水等は第３図の様に案内面4aに沿って流れる
際に、前記千鳥形状に配設された切起し片4dより一点鎖
線Ａで示す如く落下し樋６に集められて本体１の裏面を
沿って落下する。

また、市販の洗剤容器７等で勢いよく強制的に圧送さ
れた液体に対しても圧送された液体は勢いよくコイン投
入口２のスリット2aより飛込むがコインシュート４の天
面の軟質フィルム4cに当り、下部へ落下し、前記切起し
片4bより樋６を通過し、落下する。

以上のようにコイン投入口２より雨水が自然に侵入し
たり、また洗剤容器等の液体を強制的な強弱の圧送に対
して、コインシュート４の天面に設けた軟質フィルム4c
でしゃ断し、下方へ落下させ、コインシュート４の下面
の排水口4eに導びかせる。

発明の効果 本発明はコインシュート天面に軟質フィルムを設ける
とともにコインシュート下面に前記軟質フィルムの後部
にも排水口を設けることにより、通常の雨水はもちろん
いたずら等により、液体を勢いよくまた自然に流し込ま
れた場合、コインシュート自体で処理をし、コインメカ
ニズムには一切流れ込まないようにするものであり、従
来のコインシュートとの交換のみで既存の自動販売機へ
の取りかえが容易で、信頼性の高い、また従来品への対
応も出来るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明における自動販売機の部分断面図、第２
図は第１図のII−II矢視図、第３図は雨水が侵入した状
態を示す断面図、第４図は液体を強制的に流入させた状
態を示す断面図である。 １……自動販売機本体、２……コイン投入口、３……コ
イン、４……コインシュート、4a……案内面、4b……突
出面、4c……軟質フィルム、4d……切起し片、4e……排
水口、５……コインメカニズム、5a……受領口。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】コイン投入口から投入されたコインをコイ
   ンメカニズムの受領口に案内する傾斜した案内面を底部
   に有する自動販売機のコインシュートであって、前記コ
   インシュートの天面に下方側へ突出して設けた軟質フィ
   ルムと、前記コインシュートの案内面に形成した排水口
   とを備え、前記軟質フィルムが、前記コイン投入口から
   所定の距離を置いた位置に設けられたことを特徴とする
   自動販売機のコインシュート。