JP2780988B2 - スペクトロポーラリメータ - Google Patents

スペクトロポーラリメータ

Info

Publication number
JP2780988B2
JP2780988B2 JP256189A JP256189A JP2780988B2 JP 2780988 B2 JP2780988 B2 JP 2780988B2 JP 256189 A JP256189 A JP 256189A JP 256189 A JP256189 A JP 256189A JP 2780988 B2 JP2780988 B2 JP 2780988B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
analyzer
polarized light
phase difference
fhz
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP256189A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02183142A (ja
Inventor
尭 高桑
信之 坂柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jasco Corp
Original Assignee
Jasco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jasco Corp filed Critical Jasco Corp
Priority to JP256189A priority Critical patent/JP2780988B2/ja
Publication of JPH02183142A publication Critical patent/JPH02183142A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2780988B2 publication Critical patent/JP2780988B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、円二色性(CD)と直線複屈折(LB)のうち
少なくとも一つに関する量、及び、直線二色性(LD)と
円複屈折(CB)と直線複屈折(LB)のうち少なくとも一
つに関する量を測定するスペクトロポーラリメータに関
する。
[従来の技術] 第3図は従来のスペクトロポーラリメータの一例を示
す。このスペクトロポーラリメータは、互いにほぼ独立
な円二色性測定装置と旋光分散計とからなる。最初に円
二色性測定装置について説明する。
光源10からの白色光はモノクロメータ12により単色光
にされ、偏光子14Aを通って直線偏光にされ、さらに光
弾性変調器16を通って右楕円偏光と左楕円偏光とに交互
に周波数fで変調され、次いで試料22Aを透過した光の
強度が光電子増倍管24Aにより検出される。試料22Aが円
二色性を示せば、すなわち右円偏光と左円偏光の吸光度
に差があれば、光電子増倍管24Aの出力に周波数fの信
号成分が含まれる。円二色性(CD)はこの成分の大きさ
を直流成分の大きさで除することにより求められる。
試料22Aが直線2色性を示せば、光電子増倍管24Aの出
力に周波数2fの信号成分が含まれる。直線二色性(LD)
は、この成分の大きさを直流成分の大きさで除すること
により求められる。
以下、このようなCD及びLDの測定方法を位相差変調・
電気的測定法と称する。
一方、旋光分散計では、可動反射鏡25Aをモノクロメ
ータ12と偏光子14Aとの間の光路中に移動させてモノク
ロメータ12からの単色光を反射鏡25A、25Bで反射させ、
偏光子14Bを通らせて直線偏光にし、これをファラデー
セル26、試料22B、検光子28を順次通らせてその光強度
を光電子増倍管24Bにより検出する。検光子28の透過軸
方位は最初、偏光子14Bの透過軸方向に対し90゜になっ
ている。また、ファラデーセル26のコイルには駆動回路
30から周波数f′の交流電流が流されており、偏光子14
Bからの直線偏光はファラデーセル26を通ることにより
その偏光面が周波数f′で対称角振動する。したがっ
て、試料22Bが旋光性を示さなければ光電子増倍管24Bの
出力に含まれる交流成分の周波数は2f′となる。しか
し、試料22が旋光性を示せば、すなわち右円偏光と左円
偏光の屈折率が異なれば、試料22Bにより直線偏光の偏
光面が回転されるので、光電子増倍管24Bの出力には周
波数f′の信号成分も含まれる。そこで、この成分が零
になるように、ステッピングモータ32により検光子28の
透過軸方向を回転させると、その回転角が旋光度に等し
くなる。ステッピングモータ20を回転させることにより
モノクロメータ12の出射光波長を変化させて旋光度の曲
線を描いたものが旋光分散(ORD)である。
試料22Bが、直線二色性を示せば、ORDの場合と同様
に、周波数f′の交流成分が零となる検光子28の透過軸
の回転角θからLDは LD=tanh-1(sin2θ)として求められる。
以下、このようなORD及びLDの測定方法を偏光方位角
振動・光学的零位法と称する。この光学的零位法を用い
た旋光分散計は測定精度が高いという利点がある。
他の装置としては、試料22Aと光電子増倍管24Aとの間
に検光子を、その透過軸方位を偏光子14Aの透過軸方向
に対し45゜に固定して配置し、光電子増倍管24Aから出
力される周波数fHz及び2fHzの交流成分により、光学活
性試料に対してはCD及びORDを同時に、異方性試料に対
してはLB及びLDを同時に測定するものが案出されている
(特公昭63−42212号公報)。この同時測定方法の原理
は、前記の位相差変調・電気的測定法に基づくものであ
り、市販の円二色性測定装置にORD付属装置を組み込む
ことにより構成される。
[発明が解決しようとする課題] しかし、従来の位相差変調・電気的測定法及び偏光方
位角振動・光学的零位法には、それぞれ次のような問題
点がある。
(A)位相差変調・電気的測定法の問題点 装置の出力信号が相対値であるため、正確な値の知ら
れた標準試料を用いて出力信号のスケール調整を行う必
要がある。
光電子増倍管の出力信号の直流成分に対する交流成分
の比の値とCD、ORD、LD、LBなどの値との間に比例関係
が成立するのは、これらの測定値が小さいときのみであ
り、測定値が大きくなると比例関係からの誤差が大きく
なる。
光弾性変調器の光学素子には若干の波長特性があるた
めに、装置の波長領域内の全ての波長でその位相差δ=
δ0sin(2π ft)の振幅δを完全に一定に保つこと
が困難であり、この方式による測定値にもこの一定保持
の不完全性による誤差が含まれる。
光弾性変調器の特性や電気系に変化が生じた場合に
は、測定値も大きくその影響を受ける。
(B)偏光方位角振動・光学的零位法の問題点 測定対象となる量はORD及びLDに限られている。
円二色性測定装置に旋光分散計を組み込むと、必然的
に、第3図に示すようなほぼ独立な2つの光学系を必要
とする。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、位相差変調法及
び光学的零位法の両長所を合わせもった、簡単な光学系
で各種の光学活性及び異方性に関する量を測定すること
が可能なスペクトロポーラリメータを提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] この目的を達成するために、本発明では、モノクロメ
ータと、該モノクロメータからの単色光を直線偏光にす
る偏光子と、該直線偏光をその偏光面と±45゜なす偏光
面を有する2つの直交する偏光成分について、該両成分
の位相差を周波数fHzで変化させて右楕円偏光及び左楕
円偏光を周期的に形成する位相差変調手段と、該変調光
が試料を透過した後に入射されこれを直線偏光にする検
光子と、該検光子を通った直線偏光の強度を検出する光
検出器と、を備えたスペクトロポーラリメータにおい
て、該試料と該検光子との間の光路内外に移動自在であ
り、該偏光子の透過軸に対する軸方向を少なくとも2方
位設定自在に配置され互いに直交する方向に振動する直
線偏光成分に対して45゜〜135゜の範囲内の所定の位相
差αを与える位相子と、該光検出器の出力に含まれる周
波数fHzの信号成分が零になるように該検光子の透過軸
を回転させる第1検光子回転手段と、該光検出器の出力
に含まれる周波数2fHzの信号成分が零になるように該検
光子の透過軸を回転させる第2検光子回転手段と、該検
光子の回転角を検出する回転角検出手段と、周波数fHz
の該信号成分が零のときの該検光子の回転角から円二色
性(CD)と直線複屈折(LB)のうち少なくとも一つに関
する量を演算して出力し周波数2fHzの該信号成分が零の
ときの該検光子の回転角から直線二色性(LD)と円複屈
折(CB)と直線複屈折(LB)のうち少なくとも一つに関
する量を演算して出力する演算手段と、を備えている。
なお、楕円偏光は円偏光を含む概念であるとする。
該位相差αは原理的にはsinα≠0であればよいが、
高感度測定のためにはsinαの絶対値が大きいほど好ま
しく、この絶対値の実用的範囲は1/2以下、最適値は1
である。したがって、位相子としては走査波数範囲にわ
たって位相差が90゜となる位相子、例えばバビネ・ソレ
イユ補償板またはポッケルセルを用い、波長プログラミ
ングにより位相差を常に90゜にする構成が高感度測定の
ために好ましい。しかし、位相子としては、結晶板を用
いた1/4波長板、フレネル・ロム、3回反射型アクロマ
ティック1/4波長板等であってもよい。
該位相子の種類及び走査波長範囲により、該位相子の
該光路差(位相差)が1/4波長(90゜)からずれてこの
ずれが無視できない場合には、前記構成にさらに、該モ
ノクロメータの波長走査に対応して該位相子の位相差を
求める手段(58)を付設する。そして、前記演算手段
は、円二色性(CD)に関する量と直線二色性(LD)に関
する量のうち少なくとも一つを演算する場合に、前記回
転角及び該位相差を用いるように構成する。
本発明は、位相差変調法に光学的零位法を組み合わせ
た新規な測定法を適用した、全く新たなスペクトロポー
ラリメータであり、ミュラーマトリックスの解析結果に
基づいて案出されたものである。
[作用] 本発明の作用は以下の実施例において明らかにする。
[実施例] 以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説明する。
第1図はスペクトロポーラリメータの構成を示す。
光源10からの白色光はモノクロメータ12により単色光
にされ、偏光子14により直線偏光にされて光弾性変調器
(PEM)16を通る。光源10は安定で強度の大きいもの、
例えばXeランプが好ましい。
ここで、第2図に示す如く、光の進行方向をZ方向と
し、偏光子14の透過軸方向がXZ面に平行になるようにXY
Z直交座標系をとる。光弾性変調器16はその光学軸方位
がX軸と45゜をなすように配置されている。
したがって、光弾性変調器16の振動子の電極板間に電
圧を印加すると、偏光子14を通った直線偏光をその偏光
面と±45゜なす偏光面の直線偏光成分に分解した場合
に、両成分間に位相差δが生じる。
第1図に示す如く、駆動回路18により周波数fHzの交
流電圧V0sin(2π ft)を光弾性変調器16の振動子の電
極板間に印加して、両直線偏光成分間の位相差δをδ=
δ0sin(2π ft)と周波数fHzで変化させることによ
り、右楕円偏光及び左楕円偏光を周期的に形成する。周
波数fは例えば50kHzである。また、電圧振幅V0は一定
の位相差振幅δを与えるために必要な値であり、波長
λにより異なる。そこで、モノクロメータ12の出射波長
を変化させるステッピングモータ20の回転量φに応じて
電圧振幅V0を変化させる。この回転量φは、例えば、ス
テッピングモータ20を駆動するパルスを計数することに
より、または、ステッピングモータ20の回転軸に連結し
た不図示のロータリエンコーダの出力パルスを計数する
ことにより求められる。高感度測定のためのδの最適
値は、検出器24の出力に含まれる交流信号成分のうち、
後述の如くfHz成分を用いる場合にはこの成分が最大と
なる1.84ラジアンであり、2fHz成分を用いる場合にはこ
の成分が最大となる3.08ラジアンである。また、両交流
成分の大きさが等しくなる2.63ラジアンも用いられる。
したがって、光弾性変調器16は楕円偏光を形成する。
試料22と検光子28との間には、1/4波長板34が、着脱
自在である。1/4波長板34をこの光路中に装着した状態
では、1/4波長板34はその電気的主軸が光弾性変調器16
の光学軸と平行または45゜なすように設定される。この
1/4波長板34は、1/4波長の位相差が本装置の波長走査範
囲で一定に保たれているか、その変化が小さいことが望
ましい。例えば、溶融石英製の3回反射型アクロマティ
ック位相子の場合、波長走査範囲700〜200nmでの位相差
は87.5゜〜94.5゜の範囲である。
光弾性変調器16により位相差変調された光は、試料2
2、1/4波長板34及び検光子28を通り又は試料22及び検光
子28のみを通って、光電子増倍管24に受光されその光強
度が検出される。検光子28は、その中心軸がステッピン
グモータ32により回転されて、その透過軸方向がZ軸に
垂直な面内で回転される。試料22が光路内に存在しない
場合には、検光子28の透過軸方位は初期平衡状態におい
て第2図に示す如く偏光子14の透過軸方向に対し45゜又
は90゜になる。
光電子増倍管24の出力はプリアンプ36により電流増幅
され、その直流成分が直流アンプ38により増幅されて高
電圧電源40の制御端子に供給される。高電圧電源40は、
DCアンプ38の出力がある一定値になるように、光電子増
倍管24に印加するダイノード電圧を調節する。
一方、プリアンプ36の出力に含まれる交流成分はACア
ンプ42により増幅され、fHz同期整流器44及び2fHz同期
整流器46に供給される。同期信号発生器48は、光弾性変
調器16の駆動回路18から出力される信号V1sin(2π f
t)に同期して、fHz及び2fHzの同期パルスを生成し、そ
れぞれfHz同期整流器44、2fHz同期整流器46の制御端子
へ供給する。fHz同期整流器44、2fHz同期整流器46はこ
れらの同期パルスに基づいて、それぞれACアンプ42の出
力に含まれるfHzの交流成分、2fHzの交流成分を同期整
流する。fHz同期整流器44、2fHz同期整流器46の出力信
号は、切換スイッチ50を介して選択的にV/Fコンバータ5
2へ供給される。V/Fコンバータ52は、同期整流された電
圧が入力されると、この電圧の符号に対応した検光子28
の透過軸の回転方向信号及びその絶対値に比例した周波
数のパルスをモータドライバ54へ供給すると共に、同じ
信号を検光子28の透過軸の回転角信号としてマイクロコ
ンピュータ56に供給する。これに基づいて、モータドラ
イバ54はステッピングモータ32を回転駆動し、マイクロ
コンピュータ56は検光子28の透過軸の回転角を求める。
この回転角は、ステッピングモータ32の回転軸にロータ
リエンコーダを連結し、このロータリエンコーダの出力
パルスを計数することにより求めることもできる。
ここで、1/4波長板34として上記3回反射型アクロマ
ティック位相差素子を用いた場合には、特定波長λ
光に対してのみ、第2図に示す直交する2軸方向の成分
間の位相差が90゜になるが、波長がλからずれると位
相差が90゜からずれる。そこで、この位相差をαとし、
モノクロメータ12の回転量φに対応したαをテーブルRO
M58に書き込んで置き、回転量φによりテーブルROM58を
アドレス指定してこれに対応する位相差αをマイクロコ
ンピュータ56へ供給する。
マイクロコンピュータ56はこのテーブルROM58からの
α及び上記透過軸回転角を用いて以下に説明する光学活
性及び異方性に関する量を演算し、その結果をレコーダ
60へ供給して記録紙に曲線を描かせる。
本測定法はミュラーマトリックスの解析結果に基づい
ているので、各光学素子を第2図のように配置した場合
の、各光学素子のミュラーマトリックスを以下に挙げて
おく。ただし、以下の式の左辺の括弧内の数値は、XY平
面内でのX軸に対する光学素子の軸方位角である。
検光子28: 検光子28の透過軸方位が45゜の零平衡位置から、検出
器24側から見て時計回りに角度θだけ回転している場
合、 検光子28の透過軸方位が90゜の零平衡位置から、検出
器24側から見て時計回りに角度θだけ回転している場
合、 試料22: CDとCBを持つ光学活性試料の場合、 ここで、CD=(ln10)・(A-−A+)/2 CB=2π(n-−n+)l/λ Ae=(ln10)・(A-+A+)/2 但し、Aは吸光度を、nは屈折率を、添字(−)は左
円偏光を、添字(+)は右円偏光を表す。又、lは試料
媒質の長さを、λは真空中での光の波長を表す。
LDとLBを持つ異方性試料の場合、 ここで、LD=(ln10)・(AX−AY)/2 LB=2π(nX−nY)l/λ Ae=(ln10)・(AX+AY)/2 但し、添字X、YはそれぞれX軸方向、Y軸方向を表
す。
なお、モノクロメータ12からの単色光のストークスベ
クトルは で表される。光電子増倍管24の偏光特性は小さいとして
ここでは省略する。
次に、各種の光学活性量及び異方性に関する量の測定
法を説明する。
(1)円複屈折CBの測定 1/4波長板34を光路外に置き、切換スイッチ50を2fHz
同期整流器46側にする。
試料22を光路内に配置しない場合の検光子28の初期平
衡状態における透過軸方位は45゜であり、この状態では
光電子増倍管24の出力の2fHz信号成分は零である。しか
し、旋光性試料22を光路内に配置すると、光電子増倍管
24の出力に2fHz信号成分が含まれる。そこで、この成分
が零になるように検光子28が角度θ回転され、平衡状態
になる。この場合、検出器24に入射する光の偏光状態と
その強度は次式 A(45−θ)・SCD,CB・M(45)δ・P(0)・I0 を計算することにより求められ、検出器24の出力信号は
この計算結果であるストークスベクトルの1行目の値に
比例する。円複屈折CBは、2fHz交流成分が零になる条件
を用いると、回転角θを用いて次式のように表される。
CB=2θ ・・・(1) (2)直線二色性LDの測定 試料22が直線二色性を示す場合には、その軸方向をX
軸に平行に設定することにより、上記(1)の場合と全
く同一条件でLDを測定することができる。この測定に対
応したミュラーマトリックス計算は A(45−θ)・S(0)LB,LD・M(45)δ・P
(0)・I0について行う。
直線二色性LDは、2fHz成分が零になる条件を用いる
と、回転角θを用いて次式のように表される。
LD=tanh-1(sin2θ) ・・・(2) なお、LDを有する試料の軸方向をY軸に平行(方位角
90゜)に設定すると(2)式の右辺にマイナスの符号が
付く。
(3)円二色性CDの測定 1/4波長板34を試料22と検光子28との間の光路内に、
その軸方位を偏光子14の透過軸方向に対し135゜に設定
して配置し、切換スイッチ50をfHz同期整流器44側にす
る。
まず、円二色性を示す試料22を光路内に配置しない場
合には、検光子28の初期平衡状態における透過軸方位は
45゜であり、この状態では光電子増倍管24の出力にはfH
z信号成分が含まれない。しかし、円二色性を示す試料2
2を光路内に配置すると、光電子増倍管24の出力にfHzの
信号成分が含まれる。そこで、これが零になるように検
光子28が回転角θ回転され、平衡状態になる。
この場合のミュラーマトリックス計算は A(45−θ)・R(135)α・SCD,CB・M(45)δ
P(0)・I0について行う。
円二色性CDは、fHz成分が零になる条件を用いると、
回転角θ及び1/4波長板34の位相差αを用いて次式のよ
うに表される。
CD=tanh-1(sinα・sin2θ) ・・・(3) なお、1/4波長板34の軸方位を315゜に設定しても
(3)式と同じ結果になるが、45゜又は225゜に設定し
た場合には(3)式の右辺にマイナスの符号が付く。
(4)直線複屈折LBの測定 試料が直線複屈折を示す場合には、次のような(A)
〜(C)の3つの測定方法がある。
(A)1/4波長板の軸方位を135゜に設定し、fHz出力信
号を用いる場合: 1/4波長板34を、試料22と検光子28との間の光路内
に、その軸方位を偏光子14の透過軸方向に対し135゜に
設定して配置し、切換スイッチ50をfHz同期整流器44側
にする。
まず、試料22を光路内に配置しない場合には、検光子
28の初期平衡状態における透過軸方向は45゜であり、こ
の状態では光電子増倍管24の出力にはfHz信号成分が含
まれない。しかし、直線複屈折を示す試料22を光路内に
配置しその軸方位を90゜に設定すると、光電子増倍管24
の出力にfHz信号成分が含まれる。
そこで、これが零になるように検光子28が回転角θ回
転され、平衡状態になる。この場合のミュラーマトリッ
クス計算は、 A(45−θ)・R(135)α・S(90)LD,LB・M(45)
δ・P(0)・I0について行う。
直線複屈折LBは、fHz交流成分が零になる条件を用い
ると、回転角θ及び1/4波長板34の位相差αを用いて次
式で表される。
LB=tan-1(sinα・tan2θ) ・・・(4) なお、1/4波長板34の軸方位が135゜又は315゜の場合
には試料22の軸方位を90゜に設定し、1/4波長板34の軸
方位が45゜又は225゜の場合には試料22の軸方位を0゜
に設定する。
(B)1/4波長板の軸方位を90゜に設定し、fHz出力信号
を用いる場合: 1/4波長板34を、試料22と検光子28との間の光路内
に、その軸方位を偏光子14の透過軸方向に対し90゜に設
定して配置し、切換スイッチ50をfHz同期整流器44側に
する。
まず、試料22を設定しない場合には、検光子28の初期
平衡状態における透過軸方位は90゜であり、この状態で
は光電子増倍管24の出力にはfHz信号成分が含まれな
い。しかし、直線複屈折を示す試料22の軸方位を45゜に
設定すると光電子増倍管24の出力にfHz信号成分が含ま
れる。
そこで、これが零になるように検光子28が回転角θ回
転され、平衡状態になる。この場合のミュラーマトリッ
クス計算は、 A(90−θ)・R(90)α・S(45)LD,LB・M(45)
δ・P(0)・I0について行う。
直線複屈折LBは、fHz交流成分が零になる条件を用い
ると、上記(4)式で表される。
なお、1/4波長板34の軸方位が90゜又は270゜の場合に
は、試料22の軸方位を45゜にセットし、1/4波長板34の
軸方位が0゜又は180゜の場合には試料22の軸方位を135
゜に設定する。
(C)1/4波長板の軸方位を90゜にセットし、2fHz出力
信号を用いる場合: 1/4波長板34を、試料22と検光子28との間の光路内
に、その軸方位を偏光子14の透過軸方向に対し90゜に設
定して配置し、切換スイッチ50を2fHz同期整流器44側に
する。
まず、試料22を光路内に配置しない場合には、検光子
28の初期平衡状態における透過軸方位は45゜であり、こ
の状態では光電子増倍管24の出力には2fHz信号成分が含
まれない。しかし、直線複屈折を示す試料22の軸方位を
45゜に設定すると光電子増倍管24の出力に2fHz信号成分
が含まれる。
この場合のミュラーマトリックス計算は、 A(45−θ)・R(90)α・S(45)LD,LB・M(45)
δ・P(0)・I0について行う。
直線複屈折LBは、2fHz交流成分が零になる条件を用い
ると、回転角θ及び1/4波長板34の位相差αを用いて次
式で表される。
LB=tan-1(tan2θ/sinα) ・・・(5) なお、1/4波長板の軸方向と試料22の軸方向との関係
は上記(B)の場合と同じである。
ここで、試料22のLBを上記(A)又は(B)のfHz交
流成分法で測定された検光子28の回転角をθ、上記
(C)の2fHz交流成分法で測定された検光子28の回転角
をθ2fとすれば、1/4波長板34の位相差αの正弦は上記
(4)式と(5)式より次式で表される。
sinα=(tan2θ2f/tan2θ1/2 ・・・(6) 従って、この(6)式によって決定される1/4波長板3
4の位相差αを予めテーブルROM58に書き込んでおくこと
により、(3)式で求められるCD値及び(4)式又は
(5)式で求められるLB値をより正確な値にすることが
できる。
本装置を用いて標準サッカロース水溶液の比旋光度を
700〜260nmの波長域において測定し、これをT.M.Lowry
らの文献値と比較した場合の誤差は0.2%以内であた。
[発明の効果] 以上説明した如く、本発明のスペクトロポーラリメー
タは位相差変調法及び光学的零位法の両長所を合わせも
っており、しかも、簡単な光学系で各種の光学活性及び
異方性に関する量を測定することが可能であるという優
れた効果を奏する。より具体的には、以下のような効果
を奏する。
(1)簡単な光学系を用いて、CD、CB、LD、LBなどの各
種の光学活性量及び異方性に関する量を測定することが
できる。
(2)検光子の回転角を検知するので、測定値の正確度
が高い。
(3)検光子は、その透過軸方向を回転せしめる交流信
号の大きさとは無関係に、検出器の出力に含まれる交流
信号成分が零になるまで回転されるので、光弾性変調
器、直流アンプ、交流アンプ等の経時的変化は測定値に
影響を及ぼさない。
(4)本発明は特に、電気的測定法では原理的に誤差が
大きくなる、大きな測定値の測定に適する。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明の一実施例に係り、 第1図はスペクトロポーラリメータのブロック図、 第2図は光学素子の配置図である。 第3図は従来のスペクトロポーラリメータのブロック図
である。 図中、 10:光源 12:モノクロメータ 14:偏光子 16:光弾性変調器 20、32:ステッピングモータ 22、22A,22B:試料 24、24A、24B:光電子増倍管 26:ファラデーセル 28:検光子 34:1/4波長板 36:プリアンプ 38:直流アンプ 40:高圧電源 42:交流アンプ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−145421(JP,A) 特開 昭63−168541(JP,A) 特開 昭50−71378(JP,A) 特開 昭54−156689(JP,A) 特開 昭63−103926(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 21/00 - 21/61 G01J 3/447 G01J 4/00 - 4/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モノクロメータ(12)と、 該モノクロメータ(12)からの単色光を直線偏光にする
    偏光子(14)と、 該直線偏光をその偏光面と±45゜なす偏光面を有する2
    つの直交する偏光成分について、該両成分の位相差を周
    波数fHzで変化させて右楕円偏光及び左楕円偏光を周期
    的に形成する位相差変調手段(16,18)と、 該変調光が試料(22)を透過した後に入射され、これを
    直線偏光にする検光子(28)と、 該検光子(28)を通った直線偏光の強度を検出する光検
    出器(24)と、 を備えたスペクトロポーラリメータにおいて、 該試料(22)と該検光子(28)との間の光路内外に移動
    自在であり、該偏光子(14)の透過軸に対する軸方向を
    少なくとも2方位設定自在に配置され、互いに直交する
    方向に振動する直線偏光成分に対して45゜〜135゜の範
    囲内の所定の位相差(α)を与える位相子(34)と、 該光検出器(24)の出力に含まれる周波数fHzの信号成
    分が零になるように該検光子(28)の透過軸を回転させ
    る第1検光子回転手段(36,42,44,48〜54,32)と、 該光検出器(24)の出力に含まれる周波数2fHzの信号成
    分が零になるように該検光子(28)の透過軸を回転させ
    る第2検光子回転手段(36,42,46〜54,32)と、 該検光子の回転角を検出する回転角検出手段(52,56)
    と、 周波数fHzの該信号成分が零のときの該検光子(28)の
    回転角から円二色性(CD)と直接複屈折(LB)のうち少
    なくとも一つに関する量を演算して出力し、周波数2fHz
    の該信号成分が零のときの該検光子(28)の回転角から
    直線二色性(LD)と円複屈折(CB)と直線複屈折(LB)
    のうち少なくとも一つに関する量を演算して出力する演
    算手段(56)と、 を有することを特徴とするスペクトロポーラリメータ。
  2. 【請求項2】前記位相子は、走査波長範囲にわたって前
    記位相差を90゜にするものであることを特徴とする請求
    項1記載のスペクトロポーラリメータ。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のスペクトロポーラリメー
    タにおいて、 前記モノクロメータの波長走査に対応して、前記位相子
    の前記位相差(α)を求める手段(58)を付設し、 前記演算手段(56)は、前記円二色性(CD)に関する量
    と前記直線二色性(LD)に関する量のうち少なくとも一
    つを演算する場合に、前記回転角(θ)及び該位相差
    (α)を用いる ことを特徴とするスペクトロポーラリメータ。
JP256189A 1989-01-08 1989-01-08 スペクトロポーラリメータ Expired - Fee Related JP2780988B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP256189A JP2780988B2 (ja) 1989-01-08 1989-01-08 スペクトロポーラリメータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP256189A JP2780988B2 (ja) 1989-01-08 1989-01-08 スペクトロポーラリメータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02183142A JPH02183142A (ja) 1990-07-17
JP2780988B2 true JP2780988B2 (ja) 1998-07-30

Family

ID=11532788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP256189A Expired - Fee Related JP2780988B2 (ja) 1989-01-08 1989-01-08 スペクトロポーラリメータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2780988B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4559650B2 (ja) * 2001-03-22 2010-10-13 シチズンホールディングス株式会社 旋光度測定装置及び旋光度測定方法
JP5722094B2 (ja) * 2011-03-25 2015-05-20 日本分光株式会社 円二色性測定装置及び円二色性測定方法
JP6268430B2 (ja) * 2013-11-21 2018-01-31 日本分光株式会社 円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を同一の光学系で測定する方法及び装置
CN113588216B (zh) * 2021-08-02 2023-09-19 中国科学院光电技术研究所 一种偏振片光学零位快速高精度定标装置和方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02183142A (ja) 1990-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4309110A (en) Method and apparatus for measuring the quantities which characterize the optical properties of substances
JP2000515979A (ja) 精密電流検知のための光ファイバ装置及び方法
US4176951A (en) Rotating birefringent ellipsometer and its application to photoelasticimetry
KR19990076790A (ko) 8편광변조용 광학부품, 이러한 광학적부품을 포함하는 뮐러 편광계 및 일립서미터, 이 일립서미터의 컬리브레이션용 프로세스,및 일립서미터식 측정 프로세스
US5319194A (en) Apparatus for measuring birefringence without employing rotating mechanism
JPH0470582B2 (ja)
JPH0772700B2 (ja) 位相差制御装置及び方法
US3741660A (en) Conversion of circular dichroism spectropolarimeter to linear dichroism measurement mode
JP2780988B2 (ja) スペクトロポーラリメータ
HU219940B (hu) Eljárás és dikrográf optikailag aktív anyag cirkuláris dikroizmusának, optikai forgatásának és abszorpciójának mérésére
US3390605A (en) Device for measuring simultaneously both rotatory polarization and light absorption
EP0080540A1 (en) Method and apparatus for measuring quantities which characterize the optical properties of substances
JPS6357729B2 (ja)
Umeda et al. Measurement of the residual birefringence distribution in glass laser disk by transverse zeeman laser
JP3341928B2 (ja) 二色性分散計
JPH0612333B2 (ja) 自動複屈折測定装置
JP2713190B2 (ja) 光学特性測定装置
JP2004279380A (ja) 旋光度測定装置
JP2004198286A (ja) 旋光度測定装置
JP2672414B2 (ja) ロックインアンプ用参照信号生成装置
US3545865A (en) Spectropolarimeter
JP2004184225A (ja) 複屈折測定装置および複屈折試料の軸方位検出方法、複屈折測定装置のキャリブレーション方法。
JP2509692B2 (ja) 光学式測定装置
JPS6342212B2 (ja)
JP2580443B2 (ja) 光電圧センサ

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees