JP2780010B2 - Frp製バット - Google Patents
Frp製バットInfo
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Description
ソフトボール等に使用するバットに関するものである。
バットや金属製バットの他にFRP製バットが提供され
ている。FRP製のバットは、耐久性が木製バットより
も高く、かつ、安価で軽量になり、また、成形品である
ことから、設計の自由度が大きいので、バランスポイン
ト(重心位置)の決定を容易に設定し得る等の種々の利
点を有する。
号、実開平 1-75470号および特開平3-9773号などに開示
されたものが知られている。たとえば、実開平 3-78581
号のFRP製バットは、少なくとも、バットの打球部お
よびバットの最外層を三軸織物の層で形成して、打球時
の衝撃を繊維の3方向に分散させることで、耐衝撃性の
向上を狙っている。
は、打球を受けたときに、打球部が偏平な形状に変形
し、この際に生じるせん断応力により破壊する。つま
り、曲梁りにおけるせん断破壊を呈する。したがって、
最大せん断応力は、偏平な形状に変形する際の中立面、
つまり、肉厚の中央部分に沿って発生する。一方、前述
の先行技術のように、打球部を織構造で形成すると、強
化繊維が波を打っていることから、せん断強度が低下す
ると考えられる。
ハイブリッド積層体を形成し、強化繊維をバットの軸線
方向に対して所定の配向角となるように配設することに
より、せん断強度が向上する。しかし、かかる構造のバ
ットは、非織構造の強化繊維がバットのグリップ部ま
で、滑らかに配設されていることから、打球部の衝撃、
つまり振動がストレートにグリップ部まで伝わり、その
ため、スウィートスポットを外した場合に手がしびれる
という欠点がある。つまり、振動の減衰性が小さいとい
う欠点がある。
たもので、その目的は、せん断破壊に対する強度が大き
く、かつ、振動の減衰性が大きいFRP製バットを提供
することである。
に、各請求項の発明はバットの外周表面層および内周表
面層を織構造の強化繊維を有するプリプレグで形成し、
上記外周表面層と内周表面層との間の中間層を非織構造
の強化繊維を有するプリプレグで形成し、これらのプリ
プレグを加熱一体化している。なお、プリプレグとは、
強化繊維に樹脂を含浸させたシート状物をいう。
図1の中空のバットの軸線Bcに垂直な方向からの打球
を受けると、つまり、図2のバットの外周面Ofでボー
ルを打撃すると、バットの打球部Bs(図1)が偏平な
形状に変形する。したがって、この際の変形は曲梁りに
横荷重を加えた場合に近似しており、そのため、中立面
Cfにおいて最大せん断応力が発生し、一方、内周面I
fおよび外周面Ofのせん断応力は0となる。
てなされたもので、せん断応力が発生する部分、つま
り、外周表面層1Aと内周表面層1Bとの間の中間層M
を非織構造としているので、せん断強度が大きくなる。
表面層1Bを織構造としているので、打撃により発生し
た振動が互いに干渉して(打ち消し合って)減衰すると
考えられ、一方、両表面層1A,1Bのせん断応力は0
に等しいから、両表面層1A,1Bを織構造としてもせ
ん断に対する強度は殆ど低下しない。
外周表面層1Aおよび内周表面層1Bの厚さが、0.05mm
以上1.00mm以下であることを要件としており、より好ま
しくは、0.10mm以上0.50mm以下に設定する。各表面層1
A,1Bの厚さを0.05mm未満とすると、十分な減衰性が
得られず、一方、1.00mmを超えると、せん断に対する強
度が低下すると考えられるからである。本発明において
採用される織構造としては、たとえば、平織、綾織、朱
子織、重ね織など種々のものが採用できる。
炭素繊維の他に、アラミド繊維、ケブラーなど種々のも
のを用いることができるが、打球時にボールからの衝撃
を受けたり、あるいは、摩耗性を考慮すると、中間層と
同等または中間層より耐衝撃性および摩耗性に優れた繊
維を用いるのが好ましい。
含む部分にガラス繊維プリプレグの少数層3を形成し、
この少数層3の両側にガラス繊維31〜34(図3
(b))よりも径小な炭素繊維21,22(図3
(b))を有する炭素繊維プリプレグの多数層2,2
(図2)を形成し、図3(b)のように、ガラス繊維3
1,34と炭素繊維21,22との境界層Bを同一の配
向角に設定したハイブリッド積層体で、中間層Mを形成
することを要件としている。
3と多数層2との境界層Bにおいて、炭素繊維21,2
2とガラス繊維31,34とが同一の配向角に設定され
ていることから、細い炭素繊維21(22)が太いガラ
ス繊維31(34)間の隙間に入り込む。そのため合成
樹脂に対する強化繊維の体積含有率が大きくなるので、
せん断強度が大きくなる。ガラス繊維31〜34の繊維
径は、一般に炭素繊維の繊維径の2倍以上とするのが好
ましい。
ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレー
ト樹脂、ビニルエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリイ
ミドなどが用いられる。
−ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ノボラック樹
脂−グリシジルエーテル型エポキシ樹脂をはじめとする
エポキシ樹脂が特に重要である。エポキシ樹脂を用いる
ときの硬化剤としては、有機酸無水物系やアミン系の硬
化剤が用いられる。
も大きく異なるが、一般に、120 ℃〜230 ℃程度(通常
グレードの樹脂使用の場合は120 ℃〜160 ℃程度、耐熱
グレードの樹脂使用の場合は170 ℃〜230 ℃程度)に設
定し、積層されたプリプレグを加圧下で加熱一体化す
る。これにより、目的とするFRP製バットが得られ
る。
説明する。図2は、図1のFRP製バットの横断面の一
部を示している。図2のバットの外周表面層1Aおよび
内周表面層1Bは、たとえば、図4に示す平織組織のカ
ーボンクロスプリプレグで形成されている。カーボンク
ロスプリプレグは平織組織で、厚さが 0.2mm程度である
が、織物の組織およびその厚さは、これに限定されるも
のではない。なお、平織組織は、摩擦力に対して強く、
また、組織がしっかりと絡んでいることから、他の織構
造よりも一般に減衰能が高い。
〜,31〜34の配向方向は、図3(a)に示すよう
に、バットの軸線Bcとそれぞれ配向角α,−αをなし
て,ねじピッチの大きな螺旋状に設定されている。な
お、配向角αは、軸線Bcに対して一般に30°〜60
°程度に設定される。
ラス繊維層31〜34の互いに隣接する層の繊維はそれ
ぞれ、互いに対照な配向角α,−α(図3(a))で交
互に積層されている。なお、図2の少数層3が、製造上
の誤差から、中立面Cfに対して、若干ずれるのは避け
られず、したがって、少数層3の少なくとも一部が中立
面Cfに沿っているか、あるいは、中立面Cfと交差し
ている程度であれば、せん断に対する強度が向上するの
で、本発明に含まれる。
る図3(b)の炭素繊維21,22の配向角は、ガラス
繊維31,34と同じ方向に設定されている。なお、図
2の多数層2における各炭素繊維層は、図示していない
が、ガラス繊維層と同様に互いに対照な配向角α,−α
で交互に積層されている。
繊維は、たとえば18層で多数層2を形成し、一方、図
3(b)のガラス繊維31〜34は、たとえば4層で少
数層を形成しているが、層数はこれに限定されるもので
はない。なお、少数層は一般に2〜4層程度が好まし
い。
試験例および比較例を示す。 試験例1:前述の実施例の構成でFRP製バットを製作
した。 比較例1:前述の実施例の構成において、図3(b)の
少数層3に隣接する炭素繊維21,22の配向方向を図
とは逆に設定して炭素繊維21,22がガラス繊維3
1,34に入り込まないFRP製バットを製作した。
撃部Bs(図1)に半径方向から静荷重を加えて、打撃
部Bsを偏平な形状に変形させ、最大強度を測定した。
測定結果を表1に示す。
約48%程度強度が向上している。
素繊維プリプレグとした他は試験例1と同様のFRP製
バットを製作した。 比較例3:外周表面層1Aを非織構造の炭素繊維プリプ
レグとした他は試験例1と同様のFRP製バットを製作
した。 比較例4:内外周表面層1A、1Bを非織構造の炭素繊
維プリプレグとした他は試験例1と同様のFRP製バッ
トを製作した。
端部をゴム紐で吊し、打球部であるスウィートスポット
付近をハンマー40でたたき、グリップ付近に設置した
加速度計41で周波数ごとのエネルギーを測定した。こ
の測定結果を図6に示す。ここで、減衰率ζは、下記
(1)式で求められ、これを表2に示す。 ζ=Δf/2f0 …(1) 但し Δf:1次振動のエネルギーが1/2になる振動数の幅
(半値幅) f0 :1次振動の固有振動数
化繊維で両表面層を形成することにより減衰率が向上す
る。
FRP製バットの外周表面層および内周表面層を織構造
のプリプレグで形成したから、振動が減衰し、したがっ
て、ボールの当った箇所がバットのスウィートスポット
を外れた時にも手がしびれるおそれがない。その一方
で、上記両表面層には打撃時にせん断応力が殆ど発生せ
ず、そのため、耐衝撃性の低下を招くおそれがなく、か
つ、せん断応力の発生する中間層を非織構造としたか
ら、せん断に対する強度が大きくなるので、バットの強
度が大きくなる。
に沿った少数層を構成する太いガラス繊維の間に、多数
層の細い炭素繊維が入り込むから、大きなせん断応力が
発生する部分の強化繊維の体積含有率が大きくなる。し
たがって、せん断に対する強度が著しく大きくなる。
構造としたから、衝撃による破壊が起こったとしても、
表面部でのささくれが生じにくい。
縦断面図である。
はガラス繊維プリプレグと炭素繊維プリプレグの断面を
繊維単位でモデル化した拡大斜視図である。
平面図である。
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 バットの外周表面層および内周表面層が
織構造の強化繊維を有する厚さ0.05mm以上1.00mm以下の
プリプレグで形成され、上記外周表面層と内周表面層と
の間の中間層が非織構造の強化繊維を有するプリプレグ
で形成され、これらのプリプレグが加熱一体化されてな
るFRP製バット。 - 【請求項2】 バットの軸線に垂直な方向からの打撃を
受けてバットの打球部が偏平な形状に変形する際の中立
面を含む部分に非織構造のガラス繊維を有するガラス繊
維プリプレグの少数層が形成され、 上記ガラス繊維プリプレグの少数層の両側に上記ガラス
繊維よりも径小な非織構造の炭素繊維を有する炭素繊維
プリプレグの多数層が積層され、 上記少数層と多数層との境界層における上記ガラス繊維
と炭素繊維とが互いに同一の配向方向に設定され、 上記炭素繊維プリプレグの多数層の両側に、織構造の強
化繊維を有するプリプレグの層を形成してバットの外周
表面層および内周表面層を構成し、 上記各プリプレグが加熱一体化されてなるFRP製バッ
ト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6113487A JP2780010B2 (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | Frp製バット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6113487A JP2780010B2 (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | Frp製バット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07299171A JPH07299171A (ja) | 1995-11-14 |
JP2780010B2 true JP2780010B2 (ja) | 1998-07-23 |
Family
ID=14613545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6113487A Expired - Lifetime JP2780010B2 (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | Frp製バット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2780010B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3486592B2 (ja) | 2000-01-11 | 2004-01-13 | 美津濃株式会社 | 野球用又はソフトボール用のバット |
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JP5583260B1 (ja) * | 2013-10-18 | 2014-09-03 | 水道機工株式会社 | 撹拌機 |
-
1994
- 1994-04-28 JP JP6113487A patent/JP2780010B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP3486592B2 (ja) | 2000-01-11 | 2004-01-13 | 美津濃株式会社 | 野球用又はソフトボール用のバット |
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JPH07299171A (ja) | 1995-11-14 |
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