JP2779626B2 - γ−ジャスモラクトンの製造法 - Google Patents

γ−ジャスモラクトンの製造法

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JP2779626B2 JP21116288A JP21116288A JP2779626B2 JP 2779626 B2 JP2779626 B2 JP 2779626B2 JP 21116288 A JP21116288 A JP 21116288A JP 21116288 A JP21116288 A JP 21116288A JP 2779626 B2 JP2779626 B2 JP 2779626B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はγ−ジャスモラクトンの製造法に関する。
γ−ジャスモラクトンはジャスミンあるいはペパーミ
ント等の精油から発見された香料として重要な物質であ
る。
[従来の技術] 従来、このγ−ジャスモラクトンについては多くの製
造法が提案されている。
例えば、グルタル酸無水物やフルフラールとグリニヤ
ール試薬との反応を含むγ−ジャスモラクトンの製法
(油化学、Vo1.29,196頁(1980年))がある。
また、他の方法としては、1−(p−トリルスルホニ
ル)cis−3−ヘキセンを−78℃でこはく酸ジメチルと
反応させる工程を経てγ−ジャスモラクトンを得る製法
(Yukagaku,Vo1.32,82頁(1983年))がある。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら従来のγ−ジャスモラクトンの製造法は
工程が長いとか、上記した前者の製造法では香の劣るジ
アルキルラクトンが副生して精製が困難であるとか、あ
るいは上記した後者の製造法のように−78℃のような過
酷な反応条件が必要となる等、いずれもγ−ジャスモラ
クトンの工業的製法としては不適当なものであった。
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、
簡便なγ−ジャスモラクトンの製造法を開発することを
目的としている。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明は3−シアノプロピ
オンアルデヒドとcis−3−ヘキセルブロミドとのグリ
ニヤール反応で1−シアノ−3−ヒドロキシ−cis−6
−ノネンを得る工程と、この1−シアノ−3−ヒドロキ
シ−6−ノネンの環化反応工程とからなることを特徴と
している。
この本発明の製造法を反応式で示すと次式のようにな
る。
3−シアノプロピオンアルデヒド(I)は3−シアノ−
1,1−ジメトキシプロパンと酢酸水溶液との混合系を加
熱還流することによって容易に得られる。
また、グリニヤール試薬は青葉アルコールの臭素化物
から得られるcis−3−ヘキセニルマグネシウムブロミ
ド(II)が用いられる。
化合物(I)と(II)のグリニヤール反応は氷溶上で
行なわれこの反応系を加水分解して1−シアノ−3−ヒ
ドロキシ−cis−6−ノネン(III)を得る。
次で化合物(III)は水酸化ナトリウム水溶液と共に
加熱され、得られた生成物を硫酸水溶液で酸性にして最
終生成物であるγ−ジャスモラクトン(IV)を得た。
[作用] 本発明は上記した構成を有するので、出発原料(I)
から中間生成物(III)を経る二工程で目的とするγ−
ジャスモラクトン(IV)を得ることができると共に、各
工程は工業的製造に充分耐え得る比較的温和な条件下で
行なわれる。
また、化合物(I)のアルデヒド基には1分子のグリ
ニヤール試薬(II)が反応するためジアルキルラクトン
の副生がない。
[発明の効果] 本発明は、工程が短かく、比較的温和な反応条件下で
γ−ジャスモラクトンを製造することができ、かつ副生
成物も少なく精製が容易であるので、安全操業上のメリ
ットが大きく工業的に適した製造である。
[実施例] 化合物(III)(1−シアノ−3−ヒドロキシ−cis−
6−ノネン)の製造; 100m1三口フラスコに、滴下ロート、空気冷却管、窒
素導入管をつけて、その中にマグネシウム0.15g(0.006
mol)とヨウ素少量を入れて、乾燥エーテルをマグネシ
ウムが浸る程度加え、そこに乾燥エーテル15m1に溶かし
たcis−3−ヘキセニルブロミド1.0g(0.006mol)を室
温でゆっくりと滴下し、化合物(II)(グリニヤール試
薬)を調整した。
次にフラスコを氷浴上に移して、乾燥エーテル20m1に
溶かした化合物(I)(3−シアノプロピオンアルデヒ
ド)0.25g(0.003mol)をゆっくりと滴下した。滴下終
了後、室温で2時間攪拌した。次でこの反応系に氷片を
少しずつ加えながら加水分解を行ない溶液が透明になっ
たら、デカンテーションによって上澄液を三角フラスコ
に移し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。次にエバポレ
ーターで溶媒を留去した。化合物(III)の精製はシリ
カゲル(60〜80mesh)を用いるカラムクロマトグラフィ
ーでベンゼン:エーテル=4:6の混合液100m1を使用して
溶出した。なお加水分解によって容器に沈殿した残留物
は希塩酸約30m1に溶かし、酢酸エチルで抽出した後、同
様の方法で乾燥、溶媒留去、精製を行なって化合物(II
I)を得た。
このとき化合物(III)の収率は63.8mol%であり、こ
の化合物(III)1−シアノ−3−ヒドロキシ−cis−6
−ノネンであることをRf値(=0.16(ベンゼン:エーテ
ル=4:6))で確認した。
(化合物(I)の製造) このときに用いた化合物(I)は3−シアノ−1,1−
ジメトキシプロパンから次の操作により得たものを用い
た。
ジムロートを取りつけた50m1ナスフラスコの中に3−
シアノ−1,1−ジメトキシプロパン3.0g(0.023mol),3
%酢酸水溶液10molを入れて3時間還流攪拌を行なっ
た。次で内容物を炭酸水素ナトリウムで中和し、エバポ
レーターで溶媒をおよそ10g留去した後、数回に分けて
ベンゼンで抽出した。
次に無水硫酸ナトリウムで乾燥し、エバポレーターで
溶媒を留去した。その後、内径2.0cm、長さ50cmのカラ
ム管の先端に脱脂綿をつめ、60〜80meshシリゲルをn−
ヘキサンに分離させカラム管に高さ約20cmまでつめて、
ベンゼン:酢酸エチル=8:2の混合液100m1によって化合
物(I)を分離した。
このときの化合物(I)の収率は68.1mol%であり、
この化合物(I)が3−シアノプロピオンアルデヒドで
あることをRf値(=0.23(ベンゼン:酢酸エチル=8:
2))で確認した。
(cis−3−ヘキセニルプロミドの製造) また、化合物(II)の調整に用いたcis−3−ヘキセ
ニルプロミドは次の操作により得たものを用いた。
100m1枝付きナスフラスコにY字管、滴下ロート,空
気冷却管、窒素導入管をつけて、その中にcis−3−ヘ
キセノール(青葉アルコール)10.0g(0.10mol),ピリ
ジン2.1g(0.027mol)、乾燥エーテル10m1を入れた。装
置を氷浴上に移して乾燥エーチル30m1に溶かしたPBr31
5.0g(0.05mol)をゆっくりと滴下した。
滴下終了後、室温で約20時間攪拌した。その後300m1
のビーカーに氷を1/3ほど入れ、その中に上記反応溶液
をゆっくりと注ぎ込んだ後、10%の水酸化ナトリウム水
溶液で中和し、エーテルで抽出した。
無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、温度を上げないよ
うにしてエバポレーターで溶媒を留去した。精製はシリ
カゲル(60〜80mesh)を用いるカラムクロマトグラフィ
ーでn−ヘキサン100molを用いてcis−3−ヘキセニル
ブロミドを溶出した後、減圧蒸留によって完全に単離し
た。
このときのcis−3−ヘキセニルブロミドの収率は51.
0mol%であった。
化合物(1V)(γ−ジャスモラクトン)の製造; 50m1三角フラスコに長さ約70cmのガラス管で作った空
気冷却管を取り付けてその中に、前工程で得た化合物
(III)0.60g(0.0036mol),30%水酸化ナトリウム水溶
液20m1を入れて、約80℃で3時間攪拌した。次にベゼン
で目的物以外のものを抽出した後、残りの水溶液に30%
硫酸水溶液を加えてpH1〜pH2の酸性水溶液としてのその
まま1時間攪拌した。
その後この酸性水溶液を、そのまま塩化メチレンで抽
出し、乾燥した後、エバポレーターで溶媒を留去した。
精製はシリカゲル(60〜80mesh)を用いるカラムクロマ
トグラフィーでベンゼン:酢酸エチル=9:1の混合液100
m1を用いて化合物(IV)を溶出した。
さらに減圧蒸留(bp110〜120℃/7mmHg)によって化合
物(IV)完全に単離した。
このときの化合物(IV)の収率は66.1mol%であり、
この化合物(IV)の収率は66.1mol%であり、この化合
物γ−ジャスモラクトンであることをRf値(=0.18(ベ
ンゼン:酢酸エチル=9:1))で確認した。
以上のように本発明は二工程でγ−ジャスモラクトン
を得ることができ、その精製も容易であった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3−シアノプロピオンアルデヒドとcis−
    3−ヘキセニルブロミドとのグリニヤール反応で1−シ
    アノ−3−ヒドロキシ−cis−6−ノネンを得る工程
    と、この1−シアノ−3−ヒドロキシ−6−ノネンの環
    化反応工程とからなることを特徴とするγ−ジャスモラ
    クトンの製造法。
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