JP2779126B2 - 垂直空胴表面発光型レーザーダイオードを使用した光ピックアップヘッド装置 - Google Patents

垂直空胴表面発光型レーザーダイオードを使用した光ピックアップヘッド装置

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JP2779126B2
JP2779126B2 JP5330909A JP33090993A JP2779126B2 JP 2779126 B2 JP2779126 B2 JP 2779126B2 JP 5330909 A JP5330909 A JP 5330909A JP 33090993 A JP33090993 A JP 33090993A JP 2779126 B2 JP2779126 B2 JP 2779126B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学読取が可能な反射
構体に情報が記録された記録担体から、情報を読取るた
めの光ピックアップヘッド装置(以後、単に光ピックア
ップと称する)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ピックアップは、光ディスクドライブ
装置に於ける主要手段である。一般に記録情報を適正に
再生するためには、光ピックアップは多数の構成要素を
必要とする。図10〜図12は、光反射構体に情報を記
録した記録担体(例えば、コンパクトディスク(C
D))を読取るための従来の光ピックアップの一般的構
造を図示したものである。図10に示されたピックアッ
プは3ビーム装置と称され、少なくとも1個以上のレー
ザーダイオード1、コリメーターレンズ3、回折格子
4、ビームスプリッター6、対物レンズ7、非点収差レ
ンズ8、多セグメントフォトダイオード9によって構成
されている。レーザーダイオード1が生成する発散レー
ザービーム2は、コリメーターレンズ3を通過後平行ビ
ームとなり、回折格子4に投射され、その作用により単
ビームからビーム2及び5/5の3ビームに分割され
る。次に、この3ビームは、対物レンズ7により光ディ
スク10上に集束される。光ディスク10からの反射光
は同一の光路を帰還し、ビームスプリッター6に投射さ
れる。全光、或は光の一部はビームスプリッター6によ
って反射され、非点収差レンズ8によってフォトダイオ
ード9上に集束される。回折格子4により生じる2つの
副ビーム5/5はトラッキングエラー信号の生成に用い
られ、非点収差レンズ8の補助によりフォーカシングエ
ラー信号が得られる。データ信号は、フォトダイオード
9の出力信号の合計によって得られる。
【0003】図11は、レーザーダイオード1、対物レ
ンズ7、半透鏡11、凹レンズ12、及び多セグメント
フォトダイオード9から成る、いわゆる1ビーム装置の
略図である。この構成では、半透鏡11及び凹レンズ1
2は、図10に於てビームスプリッター6及び非点収差
レンズ8が行なう機能と同じく、フォーカシングエラー
信号を生成する働きをする。又、トラッキングエラー信
号の検知には、プッシュ・プル方式或は位相検知方式が
採用されている。
【0004】上述の図10、図11におけるビームスプ
リッター6、半透鏡11、及びレンズ7といった光学的
構成要素は、大量生産の面で難点のあること、多数の光
学的構成要素を有することは、正確な組み立て及び各要
素間の調整も困難であることから、結果的にコンパクト
化、低コスト化、及び信頼性の面で不利である。
【0005】図10のビームスプリッター6及び非点収
差レンズ8、或は図11の半透鏡11及び凹レンズ12
をホログラム光学素子に置き換えることにより、光学的
構成要素を減少させ、さらにコンパクト化された光ピッ
クアップが、米国特許第4907847号、日本特開昭
62188032号、米国特許第5066138号、米
国特許第5111448号、日本特願昭63−2584
5号、及び日本特願平1−55745号等、多くの発明
によって開示されている。図12は、対物レンズ7、回
折格子4と一体化したホログラム光学素子13、レーザ
ーダイオード1、及び多セグメントフォトダイオード9
から成る通常型のホログラム基調光ピックアップの略図
である。レーザーダイオード1が発するレーザービーム
2は、回折格子4を通過後ビーム2、及びビーム5/5
の3ビームに分割され、ホログラム光学素子13に投
射、回折されて1つのゼロ次ビームと複数の高次ビーム
となる。ゼロ次ビームは次いでコリメーターレンズ3に
より平行化され、さらに対物レンズ7によって光ディス
ク10上に集束される。反射光ビームは同一光路を帰還
し、再度ホログラム光学素子13上に投射される。一次
回折ビームは次にフォトダイオード9上に集束する。ホ
ログラム光学素子13は、ナイフエッジ法を使用したよ
うなビーム分割とデータ信号及びフォーカシングエラー
信号生成の両機能を有している。このナイフエッジ法
は、2部に分割されたホログラム光学素子13の境界を
ナイフの先のように機能させるものである。トラッキン
グエラー信号は、上述の3ビーム式光ピックアップの場
合と同様の方法で得られる。ホログラム光学素子13を
大量生産する技術は十分に確立されており、図10、1
1に示されたピックアップに比較するとこの種の光ピッ
クアップは、よりコンパクトであるだけでなく、費用の
面でも競争力を増している。しかしながら、ホログラム
基調の光ピックアップに共通した欠点である反射光の低
利用効率を除いても、図12のレーザーダイオード1及
びフォトダイオード9は、互いに異なる基板上にあるた
め依然として正確な位置合わせを必要としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】米国特許第52125
72号には、同一のAlGaAsチップ上に、レーザー
ダイオード及びフォトダイオードを一体式に集積させる
試みが開示されている。図13は、集積レーザー検知器
アレイのより平面的な分散を示したものであり、先行技
術における方向と一致した方向を示すX、Y、及びZの
記号が付されている。前面から発するレーザービームは
ホログラム光学素子を通過し、対物レンズによって光デ
ィスク上に集束される。ここでは、ホログラム光学素
子、対物レンズ、及び光ディスクは図示されていない。
反射光は同一光路を帰還し、ホログラム光学素子に投射
される。ホログラム光学素子を通過後、反射光は複数の
ビームとなりその波面22が示すように、フォトダイオ
ード15〜20の端面に集束する。図14は、図13の
断面図である。アレイは単一のAlGaAsチップ21
上にリトグラフ的に製造され、レーザー1及びアレイの
検知部分15〜20が製造工程の一部として個別且つ永
久に焦点を合わせて整列され(Z方向に)、また反射光
を集めてレーザー検知アレイに集束させるコリメーター
レンズの仕様に従って、間隔を置いて整列される(Y方
向に)。光ピックアップは磁気光学ディスクシステムへ
の適用に関して開示されているため、Pデータダイオー
ド16及びSデータダイオード18は各々p及びs偏光
の検知に使用されており、またフォーカシングエラー信
号はフォトダイオード15及び17が生成し、トラッキ
ングエラー信号はフォトダイオード19及び20から得
られる。この発明によると、フォトダイオード15〜2
0はレーザーダイオード1(図14参照)と同一構造を
有するp−n接合点に逆バイアス電圧を印加することに
よって構成されるが、これは図15が示すように通常の
二重ヘテロ構造(DH)レーザーダイオードに於いては
pクラッド層25及びnクラッド層27のバンドギャッ
プ23aが活性層26のバンドギャップ23よりもはる
かに大きいため、反射光は活性層26によってしか吸収
され得ないことを意味している。一般に、DHレーザー
ダイオードの活性層26の最適厚さは0.2μmであ
る。これは、図15が示すようにフォトダイオードによ
る検出が可能なのは反射光のほんの僅かな一部分であっ
て、大部分の光領域24は活性層26内に封じ込めるこ
とができないということを意味している。図14に示さ
れるようにフォトダイオード端部に於ける反射レーザー
ビームのスポット直径20aが一般にフォトダイオード
の活性層の厚みの10〜50倍であるという事実を考慮
すると、この発明によるレーザー検知アレイを使用して
適正なエラー信号及びデータ信号を得ることはほとんど
不可能であるという課題がある。
【0007】光ピックアップの寸法及び費用を低減する
には、フォトダイオードのみならず前置増幅器、波形修
正回路、及びフォーカシングエラー信号、トラッキング
エラー信号並びにデータ信号を生成するための算術演算
回路、及びレーザー出力自動制御回路等、幾つかの電子
回路をも、レーザーダイオードと同一チップ上に集積し
なければならない。従来の端面発光型レーザー構造で
は、レーザービームが基板に平行であるため半導体レー
ザーダイオードと電子回路を同一パッケージ内に実装す
ることは困難である。
【0008】光構成要素及び光学的装置の数を減らして
光ピックアップの低コスト化を図るためには、図10〜
図12に示されたピックアップに於けるビームスプリッ
ター6、半透鏡11、或はホログラム光学素子13を除
去しなければならないが、これを可能にできるのはレー
ザーダイオード1が光源及び検知器の両機能を果たし得
る場合のみである。こうした一装置が先行技術(特願昭
63−8536号)に存在している。特願昭63−85
36号による装置では、信号はレーザー出力或はバイア
ス電圧の反射光誘導変化を検知することにより得られ、
フォトダイオードを使用する必要がない。この発明によ
れば、フォーカシングエラーは、正弦駆動電流/電圧を
電磁/圧電アクチュエーターに印加してレーザースポッ
トを焦点方向沿いに動かすか、3つの端面発光型レーザ
ーダイオードの一次元(1D)アレイを対物レンズと記
録媒体より成る光システムの軸に対し傾斜させるかの何
れかによって検知し、またトラッキングエラー信号は、
レーザースポットをトラッキング方向沿いに動かすか、
正弦波バイアス電流を使用して単素子レーザーの発光点
を制御するか、或は2つのレーザーダイオードを補助ビ
ームとする3つの端面発光型レーザーアレイを使用する
かの何れかによって検知する。実際のシステムではこう
した検知方法を組み合わせて使用しなければならない
が、これではシステムが複雑となる。さらに、光ディス
クシステムでは異粒子或はディスクの欠陥に起因する異
常エラーを避けるため2つの補助ビームを記録面上で可
能な限り隣接させておく必要があり、1Dレーザーアレ
イを対物レンズ及び記録媒体の光軸に対し傾斜させてフ
ォーカシングエラー信号を検知する方法は実用向きでな
い。焦点ずれを検知する類似方法は、他の先行技術(特
願昭59−9976号)でも知られている。次に、上記
焦点ずれ検知方法の実施の困難さについて実証する。
【0009】図16は、先行技術特願昭63−8536
号及び特願昭59−9976号による焦点ずれ検知技術
の略図である。これらの特許では、3つのレーザーダイ
オードを有する端面発光型レーザーアレイ28が対物レ
ンズ7及び光ディスク10の光軸29に対して傾斜し、
2つの補助レーザービームの焦点を1つは中央ビームの
焦点面より前方へ、1つは後方へと移動させている。傾
斜の度合によっては焦点面での彗星状収差及び非点収差
が誘導されるという理由で、空胴表面に垂直なレーザー
ダイオードの光軸は対物レンズ7に対して任意の角度で
傾斜してはならないという点は周知である。CDピック
アップ対物レンズに対しては、通常の公差角度は約1度
〜2度である。この点を考慮し、先行技術のフォーカシ
ングエラー信号検知技術に必要な傾斜角を算出してみよ
う。記録表面上の2つの補助ビーム間の横間隔を30μ
m、光システムの横倍率を−1/5、また2ビームの焦
点の縦間隔最小値を4μmとすると、傾斜角35は34
度となるが、それでもレーザーダイオードの発散角度よ
りもはるかに大きい。傾斜角を2度以下にするには、記
録表面の2つの補助ビームの横間隔は約0.6mmとな
ると想定されるが、これでは精度の高いフォーカシング
エラー信号を得るには大きすぎる。さらに、この場合の
2つの補助レーザーダイオードの間隔は約3mmであ
り、3つ全てのレーザービームのための回折限界スポッ
トを達成するには大直径の対物レンズが必要である。こ
の種の技術の使用に反対する他の理由は、レーザーダイ
オードの製造に広く使用されている高価なGaAs基板
の利用効率の低さである。二重ヘテロ構造レーザーの幅
は通常30至る100μmであるという事実からする
と、3mm幅のストライプ上には多数のレーザーダイオ
ードを製造することが可能である。上記の見積では、2
つの補助レーザービーム焦点の縦方向の離隔距離を4μ
mと想定した。しかし実際には、光軸に沿ってサーボ制
御域を適正に集束させるためにはそれ以上の間隔が必要
であろう。従って、先行技術に於いてフォーカシングエ
ラー信号を検知する唯一の方法は、追加的な電磁装置或
は圧電装置を必要とするウェブリング技術を使用するこ
とであるが、これによりシステムは複雑になるという課
題がある。
【0010】本発明は、従来の光ピックアップのこのよ
うな課題を考慮し、小型化が可能であり、低コストで安
定した性能が得られる光ピックアップヘッド装置を提供
することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、記
録担体から情報を読み取るために、投射用放射ビームを
生成する垂直空胴表面発光型レーザーダイオードと、フ
ォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号、及
びデータ信号を生成するために、記録担体からの反射レ
ーザービームを検知するフォトダイオードとを備え、垂
直空洞表面発光型レーザーダイオード及びフォトダイオ
ードが、単一基板上に形成されている光ピックアップヘ
ッド装置である。
【0012】請求項7の本発明は、記録担体に記録され
た情報を読み取るために、光ビームを生成する複数個の
VCSELレーザーダイオードを有するレーザーアレイ
と、光ビームの進行方向を基準として、レーザーアレイ
の背後に配設され、各VCSELレーザーダイオードの
レーザー出力をそれぞれ監視するための複数個の検知器
を有する半導体検知器アレイとを備えた光ピックアップ
ヘッド装置である。
【0013】請求項8の本発明は、記録担体に記録され
た情報信号を検知するためのVCSELレーザーダイオ
ード、フォーカシングエラー信号を生成するための2個
のVCSELレーザーダイオード、及びトラッキングエ
ラー信号を生成するための2個のVCSELレーザーダ
イオードを有するレーザーアレイと、各VCSELレー
ザーダイオードのレーザー出力をそれぞれ監視するため
の半導体検知器アレイと、前置増幅器、波形変調回路、
算術演算回路、自動レーザー出力制御回路、及び必要で
あればレーザー出力変調回路よりなる電子回路とを備
え、レーザーアレイ、半導体検知器アレイ、及び電子回
路は、同一チップ上に集積化されている光ピックアップ
ヘッド装置である。
【0014】
【作用】本発明は、投射用放射ビームを生成するレーザ
ーダイオードに垂直空胴表面発光型レーザーダイオード
を用いているので、その垂直空洞表面発光型レーザーダ
イオード及び、記録担体からの反射レーザービームを検
知するフォトダイオードを、単一基板上に形成すること
ができ、小型化、低コスト化が可能となる。
【0015】また本発明は、更に電子回路を同一チップ
上に集積することにより、更に小型化、低コスト化が可
能になる。
【0016】
【実施例】以下に、本発明をその実施例を示す図面に基
づいて説明する。
【0017】図1は、本発明にかかる第1の実施例の光
ピックアップヘッド装置(光ピックアップ)の構成図で
ある。すなわち、光ピックアップは、レーザーVCSE
L1と複数のフォトダイオード9a〜9gと電子回路9
hから構成される半導体チップ47、ホログラム光学素
子13、及び対物レンズ7で構成される。図示されたホ
ログラム光学素子47としては、フォーカシング及びト
ラッキングエラー信号、及びデータ信号の生成手段が供
給可能であれば、あらゆる回折光学素子を使用すること
が可能である。この種のホログラム光学素子の設計、及
び加工に対しては、例えば米国特許第4907847
号、特願昭62−188032号、米国特許第5066
138号、特願昭63−25845号、及び特願平1−
55745号等、多数の発明が行なわれている。本実施
例においては、米国特許第5066138号で開示され
たホログラム光学素子を採用しているが、本発明の上記
目的の達成を補助できるものは、必ずしもこのホログラ
ム光学素子だけではない。図1に示されているホログラ
ム光学素子は、3つのビーム37及び5/5の生成手段
である回折グリッドの機能を有するグリッド領域13
a、及び各々がビーム分割手段としてのホログラフィー
ビームスプリッター機能を有するグリッド13b/13
bを装備している。グリッド13a及び13b/13b
は同一平面上に配置されている。本ホログラム光学素子
の設計、加工、及び運用方針は、米国特許第50661
38号において詳述されているので、ここでは重複を避
ける意味で説明は行なわない。
【0018】図2は、同図(a)空胴構造、同図(b)
モード分散、及び同図(c)ビーム形状、の諸観点から
本発明で用いるVCSELsを従来の端面発光型レーザ
ーと比較したものである。VCSELsは、その空胴3
9が非常に短く、本質的に単モードレーザーダイオード
である。VCSELsは一般にクリーンなラウンドビー
ム37をはるかに小さい発散角度で発生させる。VCS
ELビームの回折限界スポットへの集束、及び/又は2
Dアレイへの組み立て(図3(b)参照)が容易である
ことは明かである。従来の端面発光型レーザーではレー
ザービーム37aはp−n接合と平行であるが、VCS
ELからのレーザービーム37はp−n接合に対して垂
直であることから、フォトダイオードもまたレーザーダ
イオードと同一チップ上に容易に集積することができる
(図3(c)参照)。
【0019】逆バイアスVCSELは、微小空胴フォト
ダイオードとして使用が可能である。図3(a)に示さ
れるように、微小空胴フォトダイオードに於いては、吸
収域36が2つの高反射鏡により形成される空胴内に配
置されている。これは結果的に、その往復シフトが2π
の倍数であるような波長により決定される共鳴を伴った
ファブリー・ペロー効果を生み出す。入射光は2つのミ
ラー38b/38tの間で何度となく跳ね返りながら、
共鳴波長に於ける光フィールドを蓄積する。この結果、
光路長が飛躍的に増大する。共鳴波長に於いては、吸収
域の幅が微小であっても量子効率は1へと近づく。2つ
の鏡を有する共鳴空胴が、光出力反射率R1及びR2、
離隔距離L、活性層の厚さd、吸収率α、及び屈折率n
である場合、任意の波長λに対する垂直入射での外部量
子効率ηは、(数1)によって求められる。
【0020】
【数1】
【0021】この場合のφ1及びφ2は、2つのミラー間
で発生した移相数である。この方程式は、外部量子効率
の最大値を求める際の変数調整に使用が可能である。
【0022】従来の端面発光型レーザーの通常作動状態
(例えば限界値以上)に於ける量子効率はほとんど10
0%に等しいが、3mW AlGaAs DHレーザー
(例えばソニー社のSLD104AU)の限界電流は依
然として45mAという高さである。これは、従来の端
面発光型レーザーダイオードに於いては自然発光から誘
発発光(即ちレーザービーム)への変換効率が0.00
1%という低さであることに起因している。限界電流を
低下させるには前述の変換効率を増大させなければなら
ないが、これが可能となるのはレーザー空胴の長さがレ
ーザー波長に比肩し得る場合のみである(E.M.パー
セル著「物理学」改訂69版、1946年、頁681;
K.H.ドレクサージュ著「光学の進歩」E.ウルフ編
集、北オランダ・アムステルダム社、第12巻、197
4年、頁165)。VCSELの空胴の長さはレーザー
ダイオードの活性層36、下部層36b、及び上部被覆
層36tの合計厚さであり、レーザービームの波形領域
内で容易に制御することができる。この事実は、活性層
の厚さが原子層精度で制御されればVCSELは超低限
界値レーザーとなり得ることを意味しており、これは分
子線エピタキシー、金属組織気相エピタキシー、気体原
料分子線エピタキシー、及びその他の原子操作技術等の
進歩したエピタキシャル成長技術を使用すれば可能であ
る。前述の超低限界値VCSELは他の製品では制御自
然発光ダイオード(CSD)或は微小空胴レーザーダイ
オードとも称されているが、本発明に於いてはやはりV
CSELとして分類されるべきものである。前述の低限
界値VCSELを使用すれば、レーザー検知器或はレー
ザーアレイと同一チップ上に電子回路を容易に集積する
ことが可能であり、装置を適正に作動させるためチップ
から熱エネルギーを放散させるような特別手段は不要で
ある。レーザービームは装置表面へと直角に入射するの
で、標準集積回路実装技術を使用して、集積化された光
電子回路を単チップに実装することも可能である。
【0023】ここで、「電子回路」という語句は、例え
ば、(1)フォトダイオード或はレーザーからの信号を
増幅し、波形を修正し、次いでフォーカシングエラー、
トラッキングエラー、及びデータの諸信号を生成する回
路、(2)レーザー出力を自動制御する回路、及び
(3)必要であれば、レーザーダイオードのバイアス電
流を変調する回路、として理解すべきものである。
【0024】本発明は、VCSELsを可干渉光源とし
て使用した2種の異なるタイプの光ピックアップを供給
するものである。本実施例では、光ピックアップは、
(1)レーザー源として単一のVCSELを使用し、
(2)フォトダイオードとレーザーダイオードを統合
し、(3)電子回路とレーザーチップを集積化し、さら
に(4)レーザーダイオードからの光を集束して記録面
上の一スポットとしディスクからの反射光を集める対物
レンズと、光ビームを分割してフォトダイオードに投影
させるホログラム光学素子によって構成されている。反
射レーザービームはフォトダイオードの端面ではなく前
面に投射するため、全てのレーザービームは対応するフ
ォトダイオードによって検知され高量子効率を有する電
気信号に変換される。これは、従来の端面発光型レーザ
ーダイオードでは実現が困難である。
【0025】次に、上記実施例の光ピックアップヘッド
装置の動作について、図面を参照しながら説明する。
【0026】まず、光源1によって生成されるレーザー
ビーム37はホログラム光学素子13を通過して3ビー
ムとなり、対物レンズ7により光学ディスク10上に集
束される。次に、記録された情報を保持する光学ディス
ク10からの反射ビームは、同じ光路を辿って帰還し、
再度ホログラム光学素子13に入射する。3ビームはホ
ログラム光学素子13を通過後、方向を変え、図1に示
されるように、各々フォトダイオード9e、9f及び9
gに集中する。フォトダイオード9f、及び9gは、単
素子ダイオードであるが、9eは、セグメント9a〜9
dを有する4セグメントダイオードである。先行技術米
国特許第5066138号にて詳述されている手段は、
フォトダイオード9a〜9gの出力信号からフォーカシ
ングエラー信号、トラッキングエラー信号、及びデータ
信号を生成するために本実施例に直接、適用が可能であ
る。
【0027】本実施例の主な特徴は、レーザー源として
先行技術で採用された端面発光レーザーの代わりにVC
SEL1を使用していることである。これにより、フォ
トダイオード9a〜9g、及び電子回路9hをレーザー
ダイオード1と共に一体式に集積化することができる。
レーザーダイオード1からの円形のクリーンレーザービ
ーム37は、拡散角が比較的小さい為、レーザーディス
ク10上の回折制限スポット37d及び5d/5dに容
易に焦点を合わせることが可能である。反射光ビームは
フォトダイオードの前面に入射する。このように、検知
器により反射光の僅かな部分のみが検知可能であるよう
な先行技術米国特許第5066138号と比較して、本
実施例のフォトダイオード9e〜9gは各々、反射光4
2a〜42cの全ビームを検知することが可能である。
【0028】図4は、半導体チップ47の基本構造を示
す断面図である。半導体チップ47は、半絶縁性GaA
s(ガリウム砒素)21のような複合半導体の一基板上
の、隣接の微小空胴量子井戸構体を前後にバイアスする
ことにより得られるVCSEL1とフォトダイオード9
e(フォトダイオード9f,9gは図示省略)、及びレ
ーザーダイオードのバイアス電流を制御するためのME
SFET(メスフィット)9hより構成される。微小空
胴構造は、2μm厚のノンドープGaAsバッファ層4
8、底部ミラー38b、及び下方空間層36b、活性層
36と上方空間層36tよりなる空胴領域と、上部ミラ
ー38tから構成される。ミラー38b/38tは、各
々シリコン、ベリリウムで5×1018cm-3にドープさ
れた10対以上の4分の1波長AlAs/Al0.3Ga
0.7As層で構成される。ミラーは堅固にドープを施
し、直列抵抗を減少させている。空胴領域は、Siがド
ープ(5×1017cm-3)されたAl0.3Ga0.7As下
方空間層36bとベリリウムがドープ(5×1017cm
-3)されたAl0.3Ga0.7As上方空間層36tに挟ま
れて、活性層36として機能する0.01μmのAl
0.3Ga0.7Asバリヤーによって分離された数対のノン
ドープ0.01μmGaAs量子井戸で構成されている
が、場合によっては指定された波長を得るために、この
量子井戸の構成と厚みを変更する必要がある。結合され
た空胴領域の好適な光学的厚みを1波長分とすれば、結
果的に最大自然発光量を誘発発光に転換可能である。フ
ォトダイオード9eの上部ミラー38tの反射率は、レ
ーザーダイオード1の反射率と同じである必要はない。
反射率は、AlAs/Al0.3Ga0.7As層のペア数を
追加、或は減じることによって容易に増減が可能であ
る。
【0029】レーザーダイオード1にMESFET9h
を接続することにより(図4の挿入回路図参照)、レー
ザー出力の自動制御がMESFET9h、及び他のデバ
イス(図中では示されていない)によって可能となる。
図4に示されたデバイスは、分子線エピタキシー、金属
組成気相エピタキシー、或はその他のエピタキシャル成
長方法を使用した選択式の再生技術により加工が可能で
ある。デバイス製造者には、加工工程は周知であろう。
好適な成長手順として、レーザーダイオード1、及びフ
ォトダイオード9eの基板である微小空胴量子井戸構体
が第一成長段階において形成される。次いでSiO2
スクを使用して、アズ・グロン構造を選択的に除去し、
ノンドープGaSaバッファ層48を露出させる。この
SiO2マスクを使用することにより行なわれる選択的
再成長は、MESFETを成長させる。例えば、そのM
ESFETは、1μm厚のn−型GaAs49(Si:
3×1017cm-3)、及び0.1μm厚のn+型GaA
s49(Si:3×1018cm-3)接触層50で構成さ
れる。エピタキシャル成長の2段階を経た後、半導体デ
バイスの加工は、レーザーダイオード、フォトダイオー
ド及びFETの成形へと進む。これには51s、51
d、51g、52/52a及び53/53aの金属被
覆、及び54、54a及び54bの表面パッシベーショ
ンと電気的絶縁手段の形成が含まれる。図4には3基の
デバイスしか示されていないが、他のデバイスも同一チ
ップ上に上記と同様の方法で一体式に集積が可能であ
る。チップ加工は、レーザー出力監視用のフォトダイオ
ードを設置する為のトンネル56をGaAs基板21に
開けることにより完成する。GaAsのバンドギャップ
は活性層のバンドギャップより小さいのでトンネルが必
要となる。完成したチップは監視用フォトダイオード、
及びホログラム光学素子13と共に実装される。
【0030】図1に於けるレーザーダイオード1、及び
フォトダイオード9a〜9gの相互の位置関係は、対物
レンズ7とホログラム光学素子13の仕様によって決定
される。各デバイス間の位置設定変数が決定すれば、1
00万分の1以下の微細な精度で、リトグラフ的、且つ
永久的に調整固定される。
【0031】レーザーダイオード1の同一チップ上のフ
ォトダイオード9a〜9gを一体式に集積することによ
り、フォトダイオードの位置合わせのような時間を浪費
する仕事は、組み立て、或は混成作業からなくなること
は明かである。電子回路の半導体集積化によって、外部
チップが不要となるばかりでなく、ホログラムを基礎と
したピックアップのフォトダイオードの出力信号が一般
に非常に微弱であるという欠点を補い、信号をさらに高
品質化することが可能である。
【0032】なお、上記実施例については、本発明の範
囲、及び教旨から逸脱することなく以下のような形式、
及び細部における変更が可能であることは、当業者にと
って明白に理解できるであろう。即ち、(1)短い波長
を有するレーザーダイオードを得るために、AlGaA
sを基礎とした化合物をAlGaAsP、またはZnC
dSeを基礎とする化合物等に材質変更する、(2)S
iO2 /Zns、或はSiO2 /ZnSeのような絶縁
性材料で構成されたブラッグ反射ミラーを使用する、
(3)ブラッグ反射ミラーを平滑回折反射ミラーに代え
る、(4)微小空胴フォトダイオードを厚い活性層を有
する従来型のピン叉は他形式のフォトダイオードに変更
する、(5)Si基板上の全回路を集積化する、(6)
レーザービームを基板側から抽出する、(7)レーザー
ダイオードと同一チップ上にモニターフォトダイオード
を集積化する、ことである。
【0033】本発明の第2の実施例では光学的構成要素
或は装置の数量を大幅に減少させた光ピックアップにつ
いて説明しているが、それは以下のような特徴を有して
いる。(1)電子回路はレーザー源に一体式に集積され
ており、レーザー源は5つの電気絶縁されたVCSEL
レーザーダイオードから成るレーザーアレイであって、
それらレーザーダイオードの内の1つが情報信号の検知
に使用され、残りの4つの内の各2レーザーダイオード
が各々フォーカシングエラー信号及びトラッキングエラ
ー信号の生成に使用される、(2)複数の監視用フォト
ダイオードがレーザーダイオードと同一チップ上に一体
式に集積されている、(3)レーザーアレイのカバーガ
ラスの厚みは異なるレーザーダイオードに対応して異な
る形状をしており、2つのレーザーダイオードは各々同
一アレイ上の他の3つのレーザーダイオードの焦点の前
方、後方に投射されてフォーカシングエラー信号を検知
する、さらに、(4)二次元式アレイが同一の半導体チ
ップ上に一体的に製造され、各ダイオード間の間隔は対
物レンズの仕様によって決定されている。
【0034】図5は、本発明にかかる第2の実施例の光
ピックアップヘッド装置の略示構成図である。本実施例
が最もよく適用されるCDピックアップは、半導体二次
元レーザー検知器アレイと電子回路57、及び対物レン
ズ7の2つの部分のみで構成されている。図6(a)
は、レーザーアレイ58、フォトダイオードアレイ5
9、及び電子回路9h、及びカバーガラス60で構成さ
れるVCSELアレイ57の組み立て図である。レーザ
ーアレイにより生成されるレーザービームは、対物レン
ズ7によって光学ディスク10上で焦点を結ぶ。反射光
は、同一光路を辿って、レーザーアレイの各々のレーザ
ーダイオードに帰還する。レーザーダイオードが僅かに
限界値以上にバイアスしている場合、反射光はその量に
応じて、レーザーダイオードの出力に変化を起こさせる
(詳しくは特願昭63−8536号を参照)。このよう
に、レーザーダイオードD0を監視することにより、デ
ータ信号66を得ることができる。一方、フォーカシン
グ64及びトラッキング65のエラー信号は、D1、D
2、及びD3、D4から各々得ることが可能である。2
つの分離レーザービームによるトラッキングエラー信号
65の検知原理は、周知の3ビーム技術と同様である
が、フォーカシングエラー信号64は、D1及びD2の
焦点を他の3つのレーザーダイオードの焦点の前方、及
び後方に移動することによって得られる。フォーカシン
グエラー信号64を生成するこの技術の原理は、焦点ず
れの増加に連れてレーザーダイオードと連係した反射光
の量が減少するというところにある。従って、P1及び
P2を各々レーザーダイオードD1及びD2の監視用フ
ォトダイオードとした場合、フォーカシングエラー信号
64は「P1−P2」を計算する演算回路より得られ
る。
【0035】図6(b)は、カバーガラス60の断面図
である。本実施例では、カバーガラス60は階段状で3
種の異なる厚さ61、62及び63を有しており、61
−62、及び62−63の厚さの差分は同量である。カ
バーガラス60の存在によって、D1及びD2からのビ
ームは、D0、D3或はD4からのビームとは、異なる
光路長を横断しなければならない。その結果、D0、D
3及びD4は情報構体面に結像するが、D1、D2は各
々構体面の前後に結像することになる。焦点の軸移動は
おおよそm(1−1/n)dで求められる。この場合、
nはカバーガラス60の屈折率、mは光学系の長手方向
の倍率、またdは61、62間の厚さの差分を表わして
いる。
【0036】トラッキング制御用に補助ビームを使用し
ている光ピックアップにおいて、異なるビーム間の間隔
をできるだけ小さくする理由は、間隔が大きいと、記録
媒体の欠陥がエラー信号の原因となるからである。従来
型の3ビーム方式では、光学系が圧迫されている為、主
ビームと補助ビーム間の間隔を14μm以下にすること
は困難である。図7は本実施例における情報構体上の焦
点スポットの配置を表わしている。情報信号はD0から
得られるが、フォーカシングエラー信号、及びトラッキ
ングエラー信号は各々、D1、D2及びD3、D4から
得られる。各レーザー間の間隔は数μmにまで減少する
ことができるため(J・ジュエル外、電子、判読不可
25,1123(1989年))、CD対物レンズの通
常の倍率が約−1/5であることから、図7に示された
間隔66は5μmにまで縮小できる。このことは、本発
明を基にしたピックアップにはさらに安定性のあるサー
ボ制御が望まれることを示唆している。光学ディスクシ
ステムにおける反射光が、レーザーダイオードにおいて
過度の激しいノイズを誘導することは周知である。未だ
この現象の物理的背景は明かでないが、外部空胴長がレ
ーザーダイオードのコーヒレンス長より短かい限り、デ
ィスクのランダムな振動に起因する限界利得変動が主な
原因の一つと考えられる。ディスクが一定の位置で固定
された場合に認められるノイズは、おそらくは合成空胴
レーザーの不安定性によるものである。研究により、合
成空胴レーザーは同一モードであっても多重利得を有す
ることが判明しているが(H・サン外、出願、光学 3
1,4161(1992年))、これは作動条件、或は
量子変動の変化がすべて強度変動の原因となることを示
唆している。強度変動の振幅は、合成空胴レーザーの限
界利得変動の大きさによって大きく左右される。図8
は、レーザー前面(r2)及びディスク(r3(r3は
0.5に固定))の反射率の関数として計算された限界
利得変動の振幅を示している。図8に示すように、変動
が最大となるのはr2/r3=1のあたりである。レー
ザーはr2とr3の差分が小さい場合に、異なる値の多
重限界利得を有する可能性があることから(H・サン
外、出願、光学 31,4161(1992年))、レ
ーザーダイオードの出力には、モードホッピングが発生
しない場合でもノイズ源が含まれることになる。レーザ
ーダイオードの不安定性、及び/又はモードホッピング
に起因するノイズを抑制するためには、限界利得変動を
減少させなければならないが、これは図8に示されるよ
うに、レーザーの前面に高反射性コーティング、或は非
反射性コーティングの何れを行なっても実行が可能であ
る。VCSELの場合、前者の方が適しているが、これ
はVCSELのミラー反射率が通常約0.95であるこ
とによるが、これは追加的なコーティングを施さない通
常の780nm端面発光レーザーダイオードの0.55
と比肩されるべきものである。CDにおけるノイズ問題
は磁気光学ディスクの場合ほど深刻ではないため、本発
明によるピックアップのノイズ問題は、r2対r3の適
正な比率を選択することにより、解決が可能である。
【0037】以下、図9により、本実施例における半導
体レーザー検知器、及び電子回路デバイスについて説明
する。半導体デバイスは、半絶縁性GaAsウェーハ2
1のような一つの合成半導体基板上の、VCSELD
0、レーザーダイオード上のレーザー出力監視用フォト
ダイオードP0、及びレーザーダイオードのバイアス電
流制御用MESFETで構成される。レーザー構体は、
2μm厚のノンドープGaAsバッファ層48と、底部
ミラー38bと、下方空間層36b、活性層36及び、
上方空間層36tからなる空胴領域と、上部ミラー38
tとで構成される。ミラー38b/38tは、各々シリ
コン、ベリリウムで5×1018cm-3にドープされた1
0対以上の4分の1波長AlAs/Al0.3Ga0.7As
層で構成される。ミラーは堅固にドープを施し、直列抵
抗を減少させている。空胴領域は、シリコンがドープさ
れた(5×1017cm-3)Al0.3Ga0.7As下方空間
層36bとベリリウムがドープされた(5×1017cm
-3)Al0.3Ga0.7As上方空間層36tに挟まれて、
活性層36として機能する0.01μmの Al0.3Ga
0.7As バリヤーによって分離された数対のノンドープ
0.01μmGaAs量子井戸で構成されているが、指
定された波長を得るためには、量子井戸の構成と厚みに
関し変更が必要な場合もある。結合された空胴領域の好
適な光学的厚みを1波長分とすれば、結果的に最大自然
発光量を誘発発光に転換することができる。フォトダイ
オードP0は、レーザーダイオードD0の上部ミラー3
8tをp層として使用するp−i−n構造を有してい
る。p層の上には、2μm厚のノンドープGaAs i
層48a、1μm厚のシリコンドープされたGaAs
n層49a(1×1018cm-3 )、及び0.1μm厚
のシリコンドープされたn+GaAs接触層50a(5
×1018cm-3)が存在する。MESFETは、ノンド
ープGaAsバッファ上で成長し、例えば1μm厚n型
GaAs49(Si:3×1017cm-3)、及び0.1
μm厚n+GaAs(Si:2×1018cm-3 )接触層
50で構成される。
【0038】図9に示されたデバイスは、分子線エピタ
キシー、金属組成気相エピタキシー、或はその他のエピ
タキシャル成長方法を使用した選択式の再生技術により
加工が可能である。デバイス製造者には、成長工程は周
知のことである。好適な成長手順として、レーザーダイ
オードD0の基板である微小空胴量子井戸構体とフォト
ダイオードP0のi層48a、n層49a、n+ 層50
aが第一成長段階において形成される。次いで、SiO
2 マスクを使用して、アズ・グロン構造を選択的に除去
し、ノンドープGaSaバッファ層48を露出させる。
このSiO2 マスクを使用することにより行なわれる選
択的再成長は次いで、MESFETを成長させる。エピ
タキシャル成長の2段階を経た後、半導体デバイスの加
工は、レーザーダイオード、フォトダイオード及びFE
Tの成形へと進む。これには51s、51d、51g、
52/52a及び53/53aの金属被覆、及び54、
54a及び54bの表面パッシベーションと電気的絶縁
手段の形成が含まれる。上部ミラー38t用に52の金
属被覆を行なう前に、選択式エッチングを行い、上部ミ
ラー38tを露出させる。これはミラーのAlAs/A
0.3Ga0.7As層がエッチング停止層として自動的に
機能する為に、容易に行なうことができる。図9には3
基のデバイスしか示されていないが、他のデバイスも同
一チップ上に上記と同様の方法で一体式に集積が可能で
ある。
【0039】チップ加工は、レーザーダイオードD0か
らレーザービーム37を抽出する為のトンネル56をG
aAs基板21に開けることにより完成する。完成した
チップは、次いで図6に示されているようにD1及びD
2用の異なる厚みを有するカバーガラスと共に単チップ
に実装される。
【0040】以上のように、前者では、垂直空胴表面発
光型レーザーダイオードと多くの微小空胴フォトダイオ
ードを統合する半導体レーザー検知アレイを使用して可
干渉光源を生成し、フォーカシングエラー信号、トラッ
キングエラー信号、及びデータ信号を検知している。
又、後者においては、少なくとも5個の電気的に絶縁さ
れたレーザーダイオードで構成される二次元式垂直空胴
表面発光型レーザーアレイを使用し、レーザーダイオー
ドの内の1個がデータ信号を検知し、他の4個のレーザ
ーダイオード内の各2個がそれぞれフォーカシングエラ
ー信号、トラッキングエラー信号の生成に使用されてい
る。レーザー出力の変化を検知するために使用されるフ
ォトダイオードは、同一チップ上に一体式に集積されて
いる。垂直空胴表面発光型レーザーダイオードは、表面
から垂直レーザービームを発し、さらに従来の端面発光
型レーザーよりも遥かに低い限界電流を提供するため、
電子回路を上記レーザー検知器或はレーザーアレイと同
一チップ上に一体式に集積することができる。このた
め、全装置のコンパクト化及び低コスト化が実現されて
いる。
【0041】このように、従来の端面発光型レーザーダ
イオードに代わり垂直空胴表面発光型レーザー(VCS
ELs)或はその補助レーザーアレイを組み込むことに
より、光学的構成要素或は装置の数を大幅に減少させ、
光ピックアップのコストを低減することができ、先行技
術では見られなかった遥かに高度な光学的、且つ電子的
に集積化された光ピックアップが可能となる。
【0042】なお、本実施例において、本発明の範囲、
及び教旨から逸脱することなく以下のような形式、及び
細部における変更が可能であることは、当業者にとって
明白に理解できるであろう。即ち、(1)上部表面から
光を抽出し、Siのような他の材質で製造された分離フ
ォトダイオードによって、基板に形成されたトンネルか
らレーザー出力を監視する、(2)フォトダイオード、
及び電子回路が組み込まれたシリコン基板上でレーザー
ダイオードを一体式に集積する、ことである。
【0043】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、記録担体から情報を読み取るために、投射用放
射ビームを生成する垂直空胴表面発光型レーザーダイオ
ードを備えているので、小型化が可能であり、低コスト
で安定した性能が得られるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1の実施例の光ピックアップ
ヘッド装置の構成図である。
【図2】同図(a)は、同第1の実施例における垂直空
洞表面発光型レーザーダイオードと、従来の端面発光型
レーザーダイオードの空洞構造を比較する断面図、同図
(b)は、各レーザーダイオードのモード分散を比較す
る図、同図(c)は、各レーザーダイオードのビーム形
状を比較する図である。
【図3】同図(a)は、同第1の実施例における微小空
洞フォトダイオードとしての機能を説明する断面図、同
図(b)は、垂直空洞表面発光型レーザーダイオードを
2次元アレイに形成した図、同図(c)は、レーザーダ
イオードとフォトダイオードとを同一チップ上に集積し
た図である。
【図4】同第1の実施例における半導体チップの構造を
示す断面図である。
【図5】本発明にかかる第2の実施例の光ピックアップ
ヘッド装置の略示構成図である。
【図6】同図(a)は、同第2の実施例における半導体
チップの組立図、同図(b)は、それのカバーガラスの
断面図である。
【図7】同第2の実施例における情報構体上の焦点スポ
ットの配置を示す図である。
【図8】同第2の実施例における合成空洞レーザーの限
界利得変動の振幅計算値を示す図である。
【図9】同第2の実施例における半導体チップの構造を
示す断面図である。
【図10】従来の3ビーム型光ピックアップヘッド装置
の構成図である。
【図11】従来の1ビーム型光ピックアップヘッド装置
の構成図である。
【図12】従来のホログラム基調型光ピックアップヘッ
ド装置の構成図である。
【図13】従来のレーザーダイオードとフォトダイオー
ドとを一体化した半導体チップの構成図である。
【図14】図13の半導体チップの断面図である。
【図15】図13の半導体チップのバンドギャップを説
明する図である。
【図16】同図(a)は、従来の3個のレーザーダイオ
ードを用いた光ピックアップヘッド装置の構成図、同図
(b)は、そのレーザーダイオードによる情報構体上の
光ビームスポットの配置を示す図、同図(c)は、その
ときの焦点位置を示す図、同図(d)は、そのレーザー
ダイオードの傾きを説明する図である。
【符号の説明】
1 レーザーダイオード 7 対物レンズ 9a〜9g フォトダイオード 9h 電子回路 10 光ディスク 47、57 半導体デバイス 58 レーザーアレイ 59 検知器アレイ 60 カバーガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 7/125 G11B 7/12

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録担体から情報を読み取るために、投
    射用放射ビームを生成する垂直空胴表面発光型レーザー
    ダイオードと、フォーカシングエラー信号、トラッキン
    グエラー信号、及びデータ信号を生成するために、前記
    記録担体からの反射レーザービームを検知するフォトダ
    イオードとを備え、前記垂直空洞表面発光型レーザーダ
    イオード及び前記フォトダイオードが、単一基板上に形
    成されていることを特徴とする光ピックアップヘッド装
    置。
  2. 【請求項2】 垂直空洞表面発光型レーザーダイオード
    の制御、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラ
    ー信号、データ信号の処理などの、前記記録担体から情
    報を読み取るために必要な処理を行う電子回路が、前記
    単一基板上に形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の光ピックアップヘッド装置。
  3. 【請求項3】 垂直空洞表面発光型レーザーダイオード
    は、上部表面から垂直コーヒレント光ビームを発生する
    微小空胴レーザーダイオードであることを特徴とする請
    求項1記載の光ピックアップヘッド装置。
  4. 【請求項4】 垂直空洞表面発光型レーザーダイオード
    は、上部表面から垂直コーヒレント光ビームを発生する
    制御自然ダイオードであることを特徴とする請求項1記
    載の光ピックアップヘッド装置。
  5. 【請求項5】 反射光が、p−n接合部と平行に、前記
    微小空洞フォトダイオードの前部表面に投射することを
    特徴とする請求項1記載の光ピックアップヘッド装置。
  6. 【請求項6】 レーザービームの光子エネルギーに比較
    して低バンドギャップを有する基板に光を吸収されない
    ように、基板にトンネルを設けることによってレーザー
    ダイオードの出力を監視するための出力監視手段を備え
    たことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップヘッ
    ド装置。
  7. 【請求項7】 記録担体に記録された情報を読み取るた
    めに、光ビームを生成する複数個のVCSELレーザー
    ダイオードを有するレーザーアレイと、前記光ビームの
    進行方向を基準として、前記レーザーアレイの背後に配
    設され、前記各VCSELレーザーダイオードのレーザ
    ー出力をそれぞれ監視するための複数個の検知器を有す
    る半導体検知器アレイとを備えたことを特徴とする光ピ
    ックアップヘッド装置。
  8. 【請求項8】 記録担体に記録された情報信号を検知す
    るためのVCSELレーザーダイオード、フォーカシン
    グエラー信号を生成するための2個のVCSELレーザ
    ーダイオード、及びトラッキングエラー信号を生成する
    ための2個のVCSELレーザーダイオードを有するレ
    ーザーアレイと、前記各VCSELレーザーダイオード
    のレーザー出力をそれぞれ監視するための半導体検知器
    アレイと、前置増幅器、波形変調回路、算術演算回路、
    自動レーザー出力制御回路、及び必要であればレーザー
    出力変調回路よりなる電子回路とを備え、前記レーザー
    アレイ、前記半導体検知器アレイ、及び前記電子回路
    は、同一チップ上に集積化されていることを特徴とする
    光ピックアップヘッド装置。
  9. 【請求項9】 レーザーアレイの前面には、少なくとも
    2つのレーザーダイオードに対して異なる厚さを有する
    ように形成されたカバーガラスが配設され、2個のレー
    ザーダイオードが、同一アレイ上の残る3個のレーザー
    ダイオードの焦点の前後に光を投射してフォーカシング
    エラー信号を検知することを特徴とする請求項8記載の
    光ピックアップヘッド装置。
  10. 【請求項10】 記録担体にレーザービームを収束させ
    るための対物レンズを備え、前記レーザーアレイは、そ
    の対物レンズの仕様で個別のダイオードの間隔を決定す
    ることにより、同一半導体チップ上に半導体集積的に形
    成された二次元レーザーアレイであることを特徴とする
    請求項8記載の装置。
  11. 【請求項11】 半導体検知器アレイは、前記VCSE
    Lレーザーダイオードの頂上に、半導体集積的に形成さ
    れた二次元検知器アレイであることを特徴とする請求項
    8記載の装置。
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